ウェアラブルカメラと聞くと、趣味で使うものというイメージをお持ちの方も多いかもしれません。ですが、デジタルトランスフォーメーション(DX)の流れもあって、最近は建設や製造の現場でもウェアラブルカメラが存在感を増しています。
この記事では、まずウェアラブルカメラとは何かを解説したうえで、それが現場でどのように使われているのかを実際の導入事例を使ってお伝えします。さらに、現場に適したウェアラブルカメラの条件や導入時のポイント、そしておすすめの製品もご紹介。
- 「Safie Pocket」シリーズ紹介
- ウェアラブルクラウドカメラでの遠隔業務をご検討中の方はお気軽にご相談ください。
目次
ウェアラブルカメラとは?
ウェアラブルカメラとは、身体に装着してハンズフリーで周囲を撮影できる小型のカメラのことをいいます。ウェアラブルカメラは「アクションカメラ」と呼ばれるカメラと似ていますが、撮影シーンや用途が異なり、それに合わせて細かな機能に差があります。
アクションカメラは主にスポーツやアウトドアで利用されるため、装着した状態で激しく動くことを想定して、手ブレ補正やフレームレートなどの性能が充実している傾向にあります。これに対し、ウェアラブルカメラは業務や日常場面で活用されるものを指します。
DXの流れを受けて、近年は建設や製造などの現場でもウェアラブルカメラの導入が広がっています。例えば建設業界においては、国土交通省の方針により、2022年から「遠隔臨場」が本格実施されるようになりました。遠隔臨場とは、ウェアラブルカメラなどを使って取得した映像や音声を利用し、遠隔地からWeb会議システム等を介して臨場を行うことをいいます。
このように工事現場などでの業務に使われるウェアラブルカメラには、単に映像を撮影する機能だけでなく、クラウドへの映像アップロード機能や、受注者と発注者の間でやりとりをするための通話機能などが必要となります。現場業務のために開発されたウェアラブルカメラには、このような機能が揃っているほか、防水や防塵の機能が付いているなど、どのような現場にも耐えられる仕様となっている点も特徴です。
動画をリアルタイムで共有できるものがおすすめ
建設現場への遠隔臨場のような用途で使うのであれば、動画をリアルタイムで共有できる機能が必須となります。ウェアラブルカメラの中でも「クラウドカメラ」や「ネットワークカメラ」と呼ばれるカメラが、これにあたります。クラウドカメラは、カメラ本体に搭載されたネットワークを介して常に映像と音声をクラウド上にアップロードし続けてくれるため、簡単な操作で動画のリアルタイム共有が可能です。
この機能があれば、作業員が現場の動画を遠くにいる上司や監督者などと共有しながら会話できるので、遠隔で作業の確認などを進めることができます。スマホなどを使ったビデオ通話と同じイメージですが、ウェアラブルカメラならば体に装着できるので、両手が空いて作業の邪魔になりません。
映像のリアルタイム共有に加えて、録画機能もあるとさらに活用場面が広がります。映像が録画されていれば、例えばミスが発生した時に、後から動画を振り返って原因を特定することもできるようになります。クラウドカメラならば、アップロードされた映像と音声が自動的にクラウドに保存されるため、後から過去の映像を視聴することが可能です。
ウェアラブルカメラは、現場でどのように使われている?
ウェアラブルカメラの活用場面は無限です。例えば土木業界や建築業界のほかにも、老朽化が進む建設のオペレーションやメンテナンス業務支援、工場内でのポイント監視、警備業界など、実に様々な業界の遠隔業務で、導入が広がっています。
ここでは、実際に現場のどのような場面でクラウドカメラが使われているのか、具体的な事例をとおして見ていきましょう。
建設業
建設業においては、業務の効率化や若手現場監督の育成といった場面でウェアラブルカメラが活躍しています。
高気密・高断熱で快適な木造住宅を提供しているアエラホーム株式会社さまは、現場監督の業務効率化のためにウェアラブルカメラを導入したといいます。監督ひとりあたりの現場数が多く、負荷が大きいという課題があったとのこと。業界全体でも人員不足や労務管理は問題点とされており、人材育成の仕組みづくりにも取り組まれています。
ベテランが現場を遠隔確認できるよう、現場監督が持ち歩いて随時各現場の様子を撮影するために使用しています。若手監督からの相談も映像から正しく状況を把握して、アドバイスができるようになったそうです。
\株式会社アエラホームさまの詳細な事例はこちら/
製造業
製造業では、現場業務の効率化やコスト削減、工場の見える化、製造過程の記録などにウェアラブルカメラが活用されています。
鋼板や鋳鍛鋼を使った大型機械や装置、水道用鋼管などを製造するJFEエンジニアリング株式会社さまの鶴見製作所では、スマート工場を目指す取り組みの一環で、ウェアラブルカメラが導入されました。
工場では、作業の進捗や溶接の具合などをチェックする時、あるいは図面と実際の寸法が合わないなどの疑問が現場で上がった時などに、エンジニアが都度現場に急行していました。1日に何往復もすることもあり、リモートで対応したいというニーズがあったそうです。
ウェアラブルカメラの導入により、何かあった時には現場作業員のカメラ映像を事務所で確認することができるようになりました。現場との行き来も減り、業務の効率化とコスト削減が実現しています。
\JFEエンジニアリング株式会社さまの詳細な事例はこちら/
物流業
物流業においては、施工管理や保守サービスの領域でウェアラブルカメラが役立てられています。
プラント事業や次世代エネルギー開発、そして物流ソリューション事業を手がけるトーヨーカネツ株式会社さまでは、熟練の技術者による若手技術者の遠隔サポートを目的に、まずサービス部にウェアラブルカメラが導入されました。
その後、物流システムのトラブル発生時の状況確認や原因究明を遠隔で実施するために、施工管理部にも導入が拡大。物流システム周辺にウェアラブルカメラを固定して撮影し、トラブルの瞬間を映像で振り返り視聴しています。現場の状況を遠隔で把握することができるようになったため、技術者の現場間の移動時間が大幅に削減され、業務効率化に繋がっているそう。
2024年問題もあって、物流業界では人手不足が大きな課題となっています。トーヨーカネツ株式会社さまの場合、ウェアラブルカメラがシステムを見守ってくれるようになったことで、トラブルがあっても現場の人員計画に影響が出ることがなくなったといい、人手不足の解消にもウェアラブルカメラが一役買っているようです。
\トーヨーカネツ株式会社さまの詳細な事例はこちら/
どのカメラを導入すべき?チェックリストに沿って選ぼう
このように様々な現場業務で役立つウェアラブルカメラですが、具体的にどの製品がよいのかで迷う人も多いでしょう。そこでここでは、ウェアラブルカメラを選ぶときに基準となる条件をチェックリスト形式でご紹介します。
1. 誰にでも使えるか
現場で誰もがストレスなく使えるよう、次の2点をチェックしましょう。
- 操作がシンプルで、直感的であること
- 操作手順などが、動画などでわかりやすく公開されていること
2. 現場に耐えうるか
様々な現場の環境で十分な機能を発揮するためには、次の4つの機能が欲しいところ。スマホやタブレットではこのあたりの対応は難しいので、ウェアラブルカメラを導入するならばぜひ重視したい部分です。
- 防塵・防水機能など、現場に必要と思われる機能を備えているか
- 細かな部分まで鮮明に映せるか(特に、作業者の手元を映す必要がある場合など)
- 暗い場所でも鮮明に映せるか(特に、夜間や暗所での作業が発生する場合)
- ライトはついているか
3. 通話ができるか
ウェアラブルカメラは現場業務の遠隔支援を行うためのコミュニケーションツールでもあるため、タイムラグの少ない双方向通話機能は必須です。
4. 写真を撮影できるか
ポイントとなる場面を静止画で記録ができれば、内部で後から確認する時や報告書を作成する時などに便利です。
5. バッテリーの持ちは十分か
ウェアラブルカメラは体に装着して移動しながら使用することが多いため、内蔵バッテリーだけで長時間使用できるものを選びましょう。
6. GPS機能があるか
カメラにGPS機能が搭載されていれば、それぞれの映像や写真がどこで撮られたものかを後で確認することができ、データの管理や活用がしやすくなります。
7. 料金体系はシンプルか
カメラの本体料金など導入時にかかる総額だけでなく、データ通信やデータの保管にかかる月々のランニングコストも重要です。この両方が明瞭に示されているかを確認しましょう。
8. 何かあったときのサポートは十分か
クラウドを介して映像をリアルタイム共有するウェアラブルカメラは、電波環境が悪い場所では接続が不安定になる場合もあります。こうしたトラブルは自分たちでは解決できないケースが多いので、ウェブサイトのヘルプページなどにトラブル時の対応方法が掲載されているか、また何かあった時に即座にサポートに連絡できるシステムが整っているかを確認しておくと安心です。
ウェアラブルカメラの選び方についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。
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- お客様の課題や目的に合ったカメラの活用方法について、事例と併せてご提案します。
- お気軽にご相談ください。
「導入してよかった!」と言えるのは、どんなカメラ?
建設や製造などの現場で使う場合は、こうした現場向けに開発されたクラウドカメラがおすすめです。そのような製品であれば、上で挙げたチェックリストの条件を満たしている場合が多いので、現場へのスムーズな導入が期待できるでしょう。
反対に、例えば通信機能が搭載されていない市販のウェアラブルカメラなどを導入してしまうと、インターネット回線やデータストレージを別途手配して設定を行う必要が出てきます。管理や運用が煩雑になり、結局のところ使われなくなってしまう例も多いため、やはり現場業務の支援に必要な機能が全てパッケージ化されたウェアラブルカメラを選ぶのが得策でしょう。
DXが時代の流れとなっていることで、ともすればデジタルツールを導入することが目的化してしまいがちな面もあります。ですが、あくまでも「ウェアラブルカメラを導入して楽になった」と言えることが重要です。
カメラ導入前には「現場側としては監視されている気がして、落ち着かないのでは」という懸念もしばしば聞こえてきます。実際に、「自分が作業している姿を録画されたくない」といったように、抵抗を感じる人も少なくないようです。カメラをとおしてずっと見られているという状態は、作業員にとってストレスになりやすいため、導入時にこうした反対意見が挙がることは珍しくありません。
こうした不安を解消し、現場にクラウドカメラを受け入れてもらうためには、作業員に対するメリットをしっかりと説明することが求められるでしょう。クラウドカメラは業務の効率化によって作業員の負担を減らしてくれる、いわば現場の味方であるだけでなく、作業員の安全を守ることや技術の向上にも役立つ強力なツールとなります。
こうしたメリットを存分に実感してもらうためにも、作業員への負担が少ない現場向けのカメラを選びたいところです。
数々の現場で選ばれている、おすすめのウェアラブルカメラ
クラウド録画サービスでシェアNo.1※を誇るセーフィーのウェアラブルカメラ「Safie Pocket(セーフィー ポケット)シリーズ」は、建設業や製造業をはじめとする様々な企業にお選びいただいています。
※テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)
リアルタイムの映像共有や双方向通話、録画、写真撮影機能などを備えていることはもちろん、防水・防塵性能、LEDライトやGPSも搭載されており、先に挙げたチェックリストの項目は全て満たしています。中でも、現場に合わせて設置や装着が自由自在な装着性の高さや、初期設定不要で電源を入れればすぐに使える簡単さは、とりわけ好評です。
例えば、建設現場は日々状況が変わり、昨日まで撮影可能だった場所に壁ができて隠れてしまうことも多々あります。この記事で事例として紹介した株式会社アエラホームさまから、「Safie Pocket2」は定点での使用や持ち運んでの撮影ができるため汎用性が高いというお声をいただいています。
もう1つの事例として紹介したJFEエンジニアリング株式会社さまは、使いやすさとわかりやすさを最も重視して複数の製品を試した結果、「Safie Pocket2」の導入を決めたそうです。カメラ自体がコードレスでハンドリングしやすいことに加えて、動画を視聴する側のインターフェイスも簡単でわかりやすいとのご感想をいただいています。
次の動画は、「Safie Pocket2」を使った、あるハウスメーカー様の遠隔品質検査の様子です。実際の業務の様子をとおして、「Safie Pocket2」でのリアルタイム映像共有のスムーズさやクリアな音質、使い勝手の良さなどを感じていただけます。
ウェアラブルカメラを活用し、安全で働きやすい環境へ
このように、ウェアラブルカメラは建設や製造の現場ですでに広く活躍し始めています。少子高齢化による人手不足で業務の効率化や生産性の向上が求められるなか、今後ますます導入が広がっていくでしょう。ウェアラブルカメラの導入を進める際には、この記事で解説したポイントやチェックリストをぜひご活用ください。
最後にご紹介した「Safie Pocket2」についてもっと詳しく知りたい方は、以下よりSafie Pocketシリーズのパンフレットをダウンロードいただけます。実際に使って試してみたい方のために、デモ機の貸し出しも行っています。数に限りがありますので、デモ機の在庫についてはお問い合わせをお願いいたします。
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