遠隔臨場の事例集から見る課題・メリットまとめ。国交省の資料も紹介

遠隔臨場の事例集から見る課題・メリットまとめ

建設現場における遠隔臨場は、国土交通省の後押しもあって着実に広がりを見せています。国交省の遠隔臨場事例集では、メリットや課題も具体的に報告されているため、導入のハードルは下がってきていますが、導入に慎重な企業もまだまだ多いでしょう。
この記事では、国交省の事例集に加え、より詳細な導入事例を企業側のコメントとともにご紹介。そのうえで、よく挙げられている課題を技術的に解消したウェアラブルカメラをご案内し、失敗せずに遠隔臨場を始めるための4つのステップも解説します。

遠隔臨場徹底解説

遠隔臨場における、クラウドウェアラブルカメラの活用方法を事例を交えながらご紹介

国土交通省の事例集から見る、遠隔臨場のメリットと課題

まずは、遠隔臨場のメリットと課題を国土交通省が発行している事例集からご紹介します。その前提として、遠隔臨場とは何かについても簡単に振り返っておきましょう。

遠隔臨場とは?

「遠隔臨場(えんかくりんじょう)」とは、発注者や監督者が物理的に離れた場所にいながら、建築現場、土木現場などの段階確認や材料確認、立会をリアルタイムで行うことを指します。遠隔臨場では、カメラなどを使って現場の映像や音声をリアルタイムで送信することで、遠隔地にいる発注者が現場の状況を把握しながら、必要な指示や判断を行います。

\遠隔臨場についてより詳しく知りたい方はこちら/

遠隔臨場のメリット

遠隔臨場によってどのようなメリットが生まれるのかは、国土交通省が2023年3月に公開した以下の取組事例集で詳しく紹介されています。施工者(受注者)にとってのメリットと監督員(発注者)にとってのメリットをそれぞれまとめると、次のようになります。

▶ 国土交通省 建設現場における遠隔臨場 取組事例集https://www.mlit.go.jp/tec/content/001594457.pdf

施工者(受注者)にとってのメリット:

  • 監督員とのスケジュール調整がしやすくなり、工程の短縮にもつながる
  • 時間通りに立会を開始できるため待ち時間が減り、生産性が向上する
  • 立会を行う場所や時間帯の制約が軽減される
  • 緊急時にも迅速に現場確認を行うことができる
  • 映像と音声が残るので後から状況を再確認でき、資料作成も効率化される
  • 臨場映像を録画することで、研修などにも活用でき、人材育成にも繋がる

監督員(発注者)にとってのメリット:

  • 場所やタイミングの制約を受けずに立会ができる
  • 現場までの移動時間を削減でき、時間を有効に使える
  • 立会に必要な資料を確認しながら実施できるため、作業効率が向上する
  • 大画面に接続すれば複数人での立会も可能で、情報共有しやすい
  • 映像を録画して後から見直すことができる
  • 危険箇所でも立ち入りをせず安全に状況確認ができる

よくある課題

このように多くの利点がある一方、遠隔臨場には課題も残されています。メリットと同様に、施工者(受注者)と監督員(発注者)が感じている課題をそれぞれまとめると、次のようになります。

施工者(受注者)側の課題:

  • 通信環境によって、映像や音声の途切れや乱れ、遅延が発生する
  • 現場の作業音などで監督員側の指示が聞こえづらいことがある
  • 確認箇所が見やすいカメラの角度や現場の通信状態などについて事前の準備が必要
  • 夏場は端末が熱くなってフリーズし、中断せざるを得ないことがある
  • バッテリーの持ちに懸念がある
  • 撮影担当やシステム管理者、補助員など、必要人員がかえって増えるケースもある

監督員(発注者)側の課題:

  • 通信環境によって、映像や音声の途切れや乱れ、遅延が発生する
  • 風の音など、周りの状況によっては音声が聞き取りづらい
  • ズーム機能がないと目盛りの数値など細かな文字の確認が難しい
  • 近接撮影時に光の反射で見にくい場合やピントが合いづらく時間がかかる場合がある
  • カメラの手ブレによって、映像が確認しづらかったり、画面酔いを起こしたりする
  • 現場を俯瞰して見て全体的な状況を把握することが難しい

課題解決の改良されたウェアラブルカメラ「Safie Pocket2 Plus」

遠隔業務を変えていく ウェアラブルクラウドカメラ Safie Pocket シリーズ

ご紹介した国土交通省の事例集には、ウェアラブルカメラの「Safie Pocket2」がたびたび登場しています。

ウェアラブルカメラとは、ヘルメットや服に取り付けて使うことができるタイプのカメラです。身に着けることで両手が空くため、移動しながらでも安全に使用することが可能。もちろん手に持って自由に動かすこともできるため、利便性が高いのが特徴です。

「Safie Pocket2」も多くの遠隔臨場の現場で活躍してきましたが、改良版の「Safie Pocket2 Plus」では、これまでに見られた次のような課題が解決されています

・課題:カメラの手ブレ

移動しながら撮影することが多い現場では、映像が上下にブレて見ている側が見づらいという声が挙がっていたため、「Safie Pocket2 Plus」では手ぶれ補正機能を追加。長時間の快適なモニタリングを可能にしました。

・課題:バッテリーが足りない

最大8時間のバッテリーでは足りない現場に対応すべく、「Safie Pocket2 Plus」ではモバイルバッテリーからも充電できるように改良しました。

・課題:通信環境による映像や音声の乱れ

Safie Pocket シリーズでは画質を変更できるため、電波が悪い環境で利用する際には画質を落とすことで、映像や音声の切断や遅延を軽減することが可能です。画質は、監督員(発注者)側がSafie Viewer側から3段階で選択できます。

・課題:カメラを近づけられない箇所がある

最大8倍までのデジタルズーム機能を搭載し、撮影したい場所にカメラを近づけられない場合でも、遠隔から細部まで撮影できるようになりました。

「Safie Pocket2 Plus」の仕様や機能について詳しく知りたい方は、以下の製品ページをご覧ください。

お見積りや導入のご相談は、こちらのフォームからお気軽にお問い合わせください。

Safie Pocketパンフレット
「Safie Pocket」シリーズ紹介
ウェアラブルクラウドカメラでの遠隔業務をご検討中の方はお気軽にご相談ください。

Safie Pocket シリーズ を使った遠隔臨場の事例集

多くの企業の遠隔臨場を支えてきた「Safie Pocket シリーズ」。使用して得られた効果について、3つの企業に詳しくインタビューした内容をご紹介します。

遠隔臨場実施率100%の現場も。移動時間の削減に成功

株式会社大林組様は、ウェアラブルカメラ「Safie Pocket2」を導入して、遠隔臨場を実施しています。グループ通話ができるため、技術サポート担当者など複数の関係者が遠隔から通話に参加し、現場の確認や指示を行っています。

ウェアラブルカメラを利用する前は、発注者が現場に行くときは平均すると車で1時間、往復2時間かかっていましたが、導入以降移動の時間が不要になりました。また、発注者だけでなく、現場監督も遠隔確認を行えるようになりました。

「いままでは現場監督は現場にいるのが当たり前でテレワークが難しかったのですが、そこは変わらないといけないですよね」(株式会社大林組 土木本部・DX本部 高橋 寛さん)

\株式会社大林組様の事例詳細はこちら/

ベテランからの直接アドバイスで若手の成長スピードが加速

株式会社竹中工務店様では、若手の工事担当者が「Safie Pocket2」を持って現場に臨み、上席の熟練者にリアルタイムで映像を見てもらいながら、安全や品質について遠隔指導を受けています。現場を知り尽くすベテランから直接アドバイスを得られることで、若手が技能を身につけるスピードが速まったと感じているそうです。

「映像はリアルで見る3次元の世界に非常に近く、一緒に現場にいるかのように指導することができます。私たちがすべての作業所に行かずとも、現時現認が可能なカメラというソリューションによって、長年の経験で得た暗黙知を多くの若手に伝承できるのは素晴らしいことだと思います」(株式会社竹中工務店 広島支店 支店長付 甲野 裕之さん)

\株式会社竹中工務店様の事例詳細はこちら/

ウェアラブルカメラを安全対策や工事品質の担保にも応用

新日本空調株式会社様では、遠隔で工事の進捗管理や若手社員のサポートを行う以外に、工事の注意事項を共有する施工検討会や安全パトロールなどの安全管理業務の際にも、「Safie Pocket2」で現地と本部を繋いでいます。上長がライブ映像を見ながら、ヘルメットの未着用など危険行為があれば指摘し、事故や災害を未然に防ぐことができているといいます。

「現場でイレギュラーな事案が発生した場合の再発防止にも役立てていますね。Safieがあれば、ライブもしくは録画映像を現場にいなかった社員にも共有することができますし、何より集合知が高まり、再発防止対策も的確になっています。」(新日本空調株式会社 リニューアル事業部 技術部 課長 栗原 隆幸さん)

\新日本空調株式会社様の事例詳細はこちら/

失敗しないための遠隔臨場導入ステップ

3つの事例に見られた通り、遠隔臨場によって多くの企業が幅広い効果を実感しています。これから遠隔臨場を始める場合には、次の4つのステップを踏むことで、スムーズな導入を実現できるでしょう。

ステップ1. 導入事例を探す

まずは、企業規模や抱えている課題が自社と近い企業での成功事例を探して参考にしてみるとよいでしょう。導入事例から、どういう理由で、どのような製品を導入したのかがわかります。

次のページでは、建設業においてカメラを導入し、業務改善した事例集を閲覧できます。

ステップ2. 課題を解消できる機器を選ぶ

遠隔臨場の実施において多く見られる課題に対して、有効な解決策を持った機器を選択する必要があります。たとえば、次のような課題が解消されているかを確認するとよいでしょう。

  • 天候にかかわらず屋外で使用できる防水防塵性能を備えているか
  • 作業者の手をふさがずに使えるか
  • 細かな状況を確認できるだけの鮮明な映像を撮影できるか
  • 細部まで詳しく撮影するためのズーム機能が搭載されているか
  • バッテリーは長時間の撮影に耐えられるか
  • 手ぶれ補正機能は搭載されているか

ステップ3. 必要な条件を確認する

次に、導入にあたっての条件を確認します。

  • コストは月々いくらくらいまでが許容範囲か
  • 撮影範囲はどのくらいか
  • 撮影場所の通信環境はどうか
  • 夜間の撮影は必要か
  • 臨場の様子を、後から再度視聴する必要があるか
  • 遠隔臨場以外の業務(人材育成など)にも使う計画があるか

4. 自社に合う機材がどれなのかを検討する

遠隔臨場の実現方式は様々で、それぞれ異なる特性と利点を持っています。現場のニーズや目的に合わせて最適な方式を選択することが重要です。また、導入前に試験的な導入やフィードバックを収集することも推奨されます。

先に紹介したとおり、国土交通省は「建設現場における遠隔臨場 取組事例集」を公開しています。遠隔臨場にあたって特定のシステムを推奨しているわけではありませんが、機器選定の参考になるでしょう。

ここでは、遠隔臨場の主な実現方式とそのメリット・デメリットを紹介します。

■ スマホやタブレット

向いている現場:視覚的な情報の共有や遠隔指示が主な目的の場合、軽微な問題の確認や状況報告などに適しています。

メリット:

  • 普及率が高く、利用しやすい
  • 撮影やリアルタイム映像の共有が比較的容易
  • コストが比較的低く、導入しやすい

デメリット:

  • 終始手持ちをしなくてはならないことが多く、手がふさがってしまう
  • 落とすと画面割れなど故障が発生しやすい
  • バッテリーの持ち時間が課題になる場合がある
  • 歩きスマホは禁止されている(国関整技調第4号 令和5年4月25日通知 に明記)

■ スマートグラス

向いている現場:ハンズフリーの情報共有や作業手順の確認、技術指導が必要な場合に適しています。

メリット:

  • ハンズフリー操作できるため、作業中でも情報の共有や指示が可能
  • 現場の状況をリアルタイムに共有し、遠隔での技術指導が容易
  • 必要な情報を視界に表示できるため、作業効率が向上する場合がある

デメリット:

  • ネットワーク環境を用意する必要があることが多く、コストが発生
  • 映像が目線の位置に固定されるため、特定の場所をズームして見せたい場合には、スマートグラス装着者が対象物に近づいていく必要がある
  • 装着した状態で相づちを打ったり視線を変えたりすると映像が大きく乱れるため、遠隔でモニターを見ている発注者が画面酔いする可能性がある

■ ウェアラブルカメラ

向いている現場:高度な映像共有や作業の詳細な確認、記録が必要な場合に適しています。

メリット:

  • ヘルメットやポケットにつけられるため、ハンズフリーで使用できる
  • 装着位置を工夫することで画面酔いが軽減できる
  • 軽量でつくられている製品が多い

デメリット:

  • カメラを新規で導入する必要がある
  • ネットワーク環境を用意する必要があるため、コストが発生

スマホやタブレットは非常に手軽な反面、長時間の使用には不向きです。より詳しいメリット・デメリットを確認したい場合は、以の下記事もご確認ください。

導入する機器に迷ったら

遠隔臨場を始めるなら、この記事でご紹介したウェアラブルカメラ「Safie Pocket2 Plus」が1つの有力な選択肢になるでしょう。

どのような機器を採用すればよいかで迷われている方は、まずはお気軽にお問い合わせください。お見積りも含めて、導入にあたっての具体的なご相談やご質問にお答えします。詳しい資料も、以下からダウンロードいただけます。

遠隔臨場徹底解説

遠隔臨場における、クラウドウェアラブルカメラの活用方法を事例を交えながらご紹介