APIの解説つき!防犯カメラとのAPI連携ソリューション事例集

防犯カメラのAPI連携とは?

多くの人は、日常生活のなかでAPIという言葉を耳にしたことがあるでしょう。APIは身近なオンラインサービスでも広く用いられており、私たちは知らず知らずのうちにAPIの恩恵を受けていると言えそうです。クラウド録画型の防犯カメラも、APIで別のアプリケーションと連携させることによって、映像の活用の幅が劇的に広がります。

この記事では、まずAPIとは何かを解説したうえで、APIを利用するメリットや利用するときの注意点をまとめています。そして、クラウド防犯カメラとのAPI連携でどんなことができるのかをお伝えし、クラウド防犯カメラとのAPI連携ソリューションの事例を4つご紹介。防犯カメラの映像を活用して業務の改善や効率化を図りたい、あるいは職場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めたいとお考えの皆さまに、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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APIとは?言葉の意味や仕組み

はじめに、APIという言葉の意味やAPIの仕組みをあらためて確認しておきましょう。

APIとは、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)」の頭文字を取った略称で、2つのアプリケーションやソフトウェア、Webサービスなどをつなげ、情報のやりとりを可能にするインターフェース(接点)を意味します。

より具体的に言えば、APIとは、ソフトウェアやアプリケーションのプログラムの一部を外部に公開することで、他のソフトウェアと機能を共有できるようにしてくれる「窓口」のようなものです。技術的に定義するなら、APIは別々のアプリケーションを接続する際のプロトコルや接続部分の仕様を定めたものと言えます。

APIの仕組みは、API利用側による「リクエスト(要求)」とAPI提供側による「レスポンス(応答)」というプロセスで構成されます。どのようなリクエストに対してどのようなレスポンスを返すかは、API提供側が設計して実装します。利用側は、提供側が指定した仕様に沿って、何をしてほしいかという要求を記述し、送信します。仕様どおりの要求となっていれば、API提供側のサービスやソフトウェアがその要求を処理し、その結果について応答を返すという流れです。

サービスの利用範囲は提供側が決めるため、指定されたこと以外はできませんが、場合によってはAPIを利用するだけで高度な情報処理や分析が可能になることもあります。

身近なAPIの例として、オンラインサービスの登録時に用意されている「SNSのアカウントでログインする」というボタンが挙げられます。SNS連携のボタンをクリックしてSNSにログインすると、登録したいオンラインサービスにSNSの登録情報がコピーされ、利用者は情報入力の手間を省けるというものですが、これもAPI連携の一種です。

APIが様々なサービスで広く活用されていることがおわかりいただけるでしょう。

APIを利用するメリットと注意点

このようにAPIが普及しているのは、APIの利用に様々なメリットがあるからですが、APIの利用にはリスクや注意点も存在します。ここでは、API活用の主なメリットと注意点をそれぞれ挙げていきます。

APIを利用する最大のメリットは、開発を効率化できることでしょう。APIを活用すれば、APIの提供側が実装済みの機能をそのまま利用できるため、開発の工数を格段に削減することができます。さらに、常にAPI提供側が保持している最新のデータを二次利用できるため、データ収集や更新といった作業の手間も省くことが可能に。

他に、セキュリティの向上も、APIを利用する大きなメリットです。自社サービスの利用者に会員情報を登録してもらう場合、独自で会員情報を管理するとなれば、セキュリティを含めた機能を一から構築しなければなりません。そこで、FacebookやTwitterのようなSNSとAPI連携を行えば、こうしたSNSが採用している世界基準の高度なセキュリティを利用できるのです。

こうしたサービス提供側にとってのメリットだけでなく、API連携にはユーザビリティの向上というユーザー視点でのメリットもあります。上で触れた会員登録時のSNS連携の例のように、API連携はユーザーの手間を減らしてくれる存在にもなりえるのです。

API利用のリスクとして、APIの提供側がサービスの提供を停止した場合に不具合が発生することや、API提供側での設備トラブルなど不具合が発生した時に、自社対応ができず提供側の不具合の解消を待たなければいけないことを認識しておきましょう。特に海外サービスのAPIを利用する場合は、日本時間の日中に定期メンテナンスでサービスが中断することもあるため、注意が必要です。

多くのAPIは無償で提供されていますが、中には費用が課されるものもあります。無償提供されていたAPIが突然有料化されることもあるため、その場合は、利用を継続するかどうかをコストを踏まえて判断する必要が出てくるでしょう。

また、APIを利用する時に必要となるAPIキーやシークレットは、認証情報の一種として厳重に管理しなければなりません。

クラウド防犯カメラとのAPI連携でできること

このように多くの利点を持つAPI連携は、防犯カメラのクラウド録画サービスでも利用することができます。防犯カメラの録画映像と様々なソフトウェアをAPIで連携することで、安価でかつ簡単に、ありそうでなかったソリューションを実現することが可能となるのです。

たとえば、クラウド録画サービスでシェアNo.1※の「Safie」のクラウドプラットフォームには、様々なソリューションを提供するために必要なAPIが整備されています。

これは他社のクラウド録画サービスにはない大きな特徴であり、様々な課題に対して痒いところに手が届いたソリューションの開発を可能にします。

※テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)

例として、飲食や小売、サービス業の店舗でのPOSレジとのAPI連携を考えてみましょう。

こうした店舗では、レジ金不正や内引きが慢性的に発生している例も少なくありません。このような場合、店舗責任者は、閉店してレジ金を閉めた後にジャーナルデータをチェックし、怪しい処理を見つけたら防犯カメラの映像で不正がないか確認する、といった業務を行います。怪しいジャーナルデータとその時の映像が紐づいていて一発で確認できるソリューションがあれば、劇的な業務効率化を図ることができるはずです。

そこで、Safieのクラウド録画サービスとPOSレジのデータをAPIで連携すれば、録画映像を確認するビューアーのタイムスライドバー上に、レジが開いたタイミングでフラグを立てることができます。怪しいジャーナルデータがある時間帯のフラグをクリックすると、レジ開閉前後の映像を再生できるうえ、ジャーナルデータの詳細も確認することができるようになります。

こうした機能を備えた防犯カメラとPOSジャーナルのAPI連携を、Safieではクラウド録画サービスのオプションとしてご用意しています。対象はユビレジとスマレジの2種類のPOSレジ限定ではありますが、APIの設定に詳しくない方でも簡単にご利用いただけます。より詳しく知りたい方は、こちらのページから詳細をご覧ください。

このように、API連携を利用すれば、防犯カメラの録画映像を様々なソリューションに応用することができるのです。

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クラウド防犯カメラとのAPI連携ソリューションの事例

API連携による防犯カメラ映像の活用方法は実に多様です。様々な業界にまたがるSafieの防犯カメラとのAPI連携ソリューションの実際の事例4つを、1つ1つ詳しく見ていきましょう。

キヤノン株式会社さま:AI密集アラート

豊富なラインナップのネットワークカメラと、それらの映像を活用した映像解析ソリューションの提供に注力しているキヤノン株式会社さまは、独自の映像解析技術とSafie APIを融合して、「AI密集アラート」を商品化し、販売しています。

これは、ネットワークカメラの映像から対象エリアの混雑状況を解析し、施設管理者が設定した人数に応じてメールで通知するサービスです。また、施設の状況を赤(混雑)、黄色(やや混雑)、青(混雑なし)と三段階に色分けし、タブレットなどにサイネージ表示する機能も搭載されています。会議室から千人規模の施設まで対応可能であるため、密集をさけるべき役所や飲食店、オフィス、医療施設、イベント会場などで利用が可能。

仕組みとしては、定期的にAPIを実行してクラウドから静止画を取得し、AI密集アラートで画像解析したうえで、設定に基づいて混雑状況を通知するという処理が行われています。今後の展望として、静止画取得の頻度を変えたり、機密情報保護のための画像マスキングの仕様を変えたりといったバージョンアップを予定されているそう。また、現在は人数のカウントをメインにしたサービスですが、物や行動の解析などにも応用していきたいとお考えのようです。

キヤノン株式会社さまの事例の詳細は、こちらの記事でご覧いただけます。

株式会社fixUさま:店舗ビジネスの無人運営

コワーキングスペースやレンタルオフィスの無人化・省人化を実現するサブスクリプションサービス「fixU(フィックスユー)」の提供を行っている株式会社fixUさま。「fixU」は、予約、空室状況の管理、料金計算、売上管理、会員情報の管理、さらにはセキュリティや鍵の開閉など、無人店舗で求められる一連の業務をワンストップで可能とするサービスです。

このソリューションでは、Safieが提供する「ストリーミング」のAPIを利用し、店舗に設置されたSafieカメラの映像を「fixU」のダッシュボード内でリアルタイム確認することを可能にしています。無人コワーキングスペースでは、1人分の料金で2人以上の人間が入室する「共連れ」や、備品の盗難や設備の破損といったリスクがあります。こうしたトラブルに備えるため、カメラを取り付け、その映像を離れた場所からリアルタイムで見られるようにしているのです。

Safieの防犯カメラの画質の良さや設置の手軽さ、そしてAPI連携の実装のスムーズさを高く評価いただいており、今では、カメラの新規導入や更新を検討しているお客さまにSafieの製品をおすすめいただいているそう。今後は、Safieが提供しているAIを活用した人数カウントや顔認証による入退室管理のプロダクトとの連携も視野に入れ、さらなる映像データの活用法を模索していきたいと語ってくれました。

株式会社fixUさまの事例の詳細は、こちらの記事でご覧いただけます。

EAGLYS株式会社さま:製造現場の効率化・省力化

秘密計算の技術を中心としたデータセキュリティやデータ利活用の支援サービス、そして画像解析や数値解析といったAI解析のサービスを展開するEAGLYS株式会社さま。現在、セーフィー株式会社と共同で、カメラ映像のAI画像解析を活用した製造工場での生産ラインの異物検知のシステムを開発しています。

依頼元の製造業者では、ライン上の不具合を人が巡回してチェックしていたそうですが、そこをAI画像解析で自動化するのが今回のソリューションです。具体的には、ベルトコンベア上で異物や残留物が溜まりやすい箇所にカメラを取り付け、AI画像解析で検知するというもの。

このソリューションは、静止画のAPIを使用し、生産ラインが動き始めたら取得した静止画から残留物があるかないかを判定していく仕組みになる予定です。まだ開発途中ではありますが、Safieの防犯カメラはAPIも含めて機能が充実していて柔軟性があり、システムのデザインも組みやすくデータも取りやすいとのお言葉をいただいています。今後はセンサーとのデータ連携やエッジAIを活用したデータ処理も視野に入れ、共同開発を続ける予定です。

EAGLYS株式会社さまの事例の詳細は、こちらの記事でご覧いただけます。

株式会社VAAKさま:犯罪・事故のリアルタイム通知

映像解析AIを駆使し、犯罪抑止や人員不足解消に貢献するプロダクトを開発・提供している株式会社VAAKさまも、Safieのクラウド防犯カメラとのAPI連携をサービスに活用しています。

株式会社VAAKさまは、類似行動の違いの判別を可能にする行動推定アルゴリズムで特許を取得されています。これは、人体の特徴推定、人体・物体などの被写体および被写体間の相対関係を認識・計算し、それらを組み合わせて判別するアルゴリズムです。これを実装した同社の「VAAKEYE」は、映像解析AIによって人物の行動や異常を検知し、スマホなどのデバイスに通知するソリューションとなっています。

小売店での万引き防止など、異常をリアルタイムで把握して即時対応するのに適したプロダクトであるため、リアルタイムのストリーミング映像を取得できる「ストリーミング」のAPIを活用。不審行動や不自然な居座りのほか、刃物や鈍器などの凶器を検知して通知するため、犯罪抑止につなげることが可能です。さらに、高層階で安全柵を乗り越えようとしている人や、車いすで長時間動けずにいる人なども検知できるため、事故を未然に防ぐ効果も期待できます。

Safieのカメラを含む既設のカメラにすぐに接続できる導入のスムーズさ、そしてわずか2日間で対象の環境の平常状態を映像解析AIが学習し、異常を検知するようになるという迅速さが好評で、全国に店舗展開する小売業者や大規模ビル・施設だけでなく、小規模の事業者でも導入が進んでいます。

株式会社VAAKさまの事例の詳細は、こちらの記事でご覧いただけます。

終わりに

開発の効率化やセキュリティの向上をもたらしてくれるAPIは、SNS連携など私たちの日常の様々な場面で活用されています。クラウド型の防犯カメラとのAPI連携では、録画映像を活用した実に幅広いソリューションが生まれています。この記事で紹介した4つの事例は、あくまでもその一部に過ぎません。

防犯カメラとのAPI連携の可能性をもっと検討したい方は、以下のページをご確認ください。

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