遠隔臨場における段階確認とは?実施に役立つツールも併せてご紹介

遠隔臨場の段階確認 メリットや推奨ツール

遠隔臨場で段階確認を行う場合は、必要な機器の要件や仕様を確認しておくことが重要です。本記事では、遠隔臨場における段階確認についてまとめるとともに、段階確認の確認項目や段階確認書の記載例について解説します。遠隔臨場で役立つツールもご紹介するので、機材でお悩みの場合はぜひ参考にしてください。

遠隔臨場とは

遠隔臨場とは、ウェアラブルカメラやウェブ会議システムを活用して、現場に行かず離れた場所から臨場を行うことです

これにより、工事現場での「段階確認」「材料確認」「立会」の遠隔実施が可能になります。

遠隔臨場を行うメリット

遠隔臨場を行うメリットには、移動時間・コストの削減や人手不足の解消につながる点が挙げられます。遠隔臨場を行えば、作業内容を遠隔で確認可能です。現場への移動時間や滞在時間、そこにかかる費用を削減できます。さらに1人で多くの臨場に立ち会えるようになるため、人材不足解消にも貢献するでしょう。

遠隔臨場について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

遠隔臨場における段階確認とは

段階確認とは、設計図書に記載された施工段階において監督員が臨場などにより、出来形・規格・品質・数値等を確認することです。以下では、遠隔臨場における段階確認の確認項目と確認書の記載例、使用する機材についてご紹介します。

段階確認の確認項目

まずは、段階確認の確認項目についてご紹介します。一般的な施工の確認項目は、以下の表のとおりです。

工種確認項目
仮設工仮橋設置状況など
舗装工プルーフローリングなど
掘削工土質の変化など

段階確認書の記載例

続いて、実際の段階確認書の記載例をご紹介します。

工種確認項目確認時期確認方法
仮設工使用材料、高さ設置完了時目視(遠隔臨場)
舗装工プルーフローリング整正後目視(遠隔臨場)
掘削工土質の変化随時目視(遠隔臨場)
既製杭工使用材料、長さ、杭の支持力/基準高、偏心量/掘削長、 杭の先端土質/基準高、偏心量/杭頭処理状況打込時/打込完了時/掘削完了時/施工完了時/杭頭処理完了時目視(遠隔臨場)
床版工使用材料、 設計図書との対比など配筋完了後目視(遠隔臨場)

遠隔臨場で使用する機材の要件と仕様

遠隔臨場で使用する機器と仕様については、国土交通省の遠隔臨場に関する実施要領にて記載があります(※1)。必要な機器として、撮影するための動画撮影用のカメラ(ウェアラブルカメラやネットワークカメラなど)やWeb会議システムなどが挙げられています。受発注者間で状況に合わせ協議し、決めるようにしましょう。

まずは、動画撮影用カメラに関する参考数値は以下のとおりです。

【動画撮影用のカメラに関する参考数値】

仕様備考
映像画素数:640 × 480 以上カラー
フレームレート:15fps 以上
音声マイク:モノラル(1チャンネル)以上
スピーカ:モノラル(1チャンネル)以上

遠隔臨場は、アプリをインストールすればスマホでも可能です。アプリを入れる際の画質の参考数値は、以下のとおりです。

画質画素数最低限必要な通信速度
360p640 × 480530kbps
480p720 × 480800kbps
720p1280 × 7201.8Mbps
1080p1920 × 10803.0Mbps
2160p4096 × 216020.0Mbps

遠隔臨場では、TeamsやZoomといったWeb会議システムも採用されており、それらは国土交通省の求める仕様をクリアしています。要件は以下のとおりです。

項目仕様
通信回線速度下り最大 50Mbps、上り最大 5Mbps 以上
映像・音声転送レート(VBR):平均 1 Mbps 以上

以下は、発注者の標準的な通信環境の仕様です。表を参考に、通信環境の確認を行いましょう。

項目仕様
通信プロトコル方式及びポート番号TCP80、443
UDPなし
利用環境OSWindows10
ブラウザInternet Exploer11(令和4年.6月まで)Microsoft Edge
アプリケーションアプリケーションのインストールは原則不可

なお、上記各表には参考値が示されていますが、拘束するものではありません。

※1 出典“建設現場における遠隔臨場に関する実施要領(案)”. 国土交通省 大臣官房技術調査課. 2022-3(参照 2024-6-27)

遠隔臨場で役立つSafie Pocketシリーズ

Safie Pocket2 Plus

Safie
Safie Pocket シリーズ

現場を見ながらリアルタイムに会話できる

料金はお問い合わせください

最後に、遠隔臨場で役立つウェアラブルクラウドカメラ「Safie Pocket(セーフィー ポケット )シリーズ」についてご紹介します。

製品の特徴

Safie Pocket シリーズ」は、国交省策定の遠隔臨場仕様に適合。移動しながら撮影したり、定点カメラとして設置できる、遠隔業務にピッタリのウェアラブルクラウドカメラです。建設現場のオペレーション・メンテナンス業務支援など、さまざまな遠隔業務で活用されています。

モデル画像特長防水防塵
Safie Pocket2Safie Pocket2シンプルな機能構成のエントリーモデルIP67
Safie Pocket2 PlusSafie Pocket2 Plus遠隔業務に必要な機能をフルパッケージIP67
※レンタル料金はお問い合わせください

また、「Safie Pocket シリーズ」は通話機能を搭載しているため、ライブ通信をしながら会話ができます。そのほか、IP67防水・防塵対応、最大8時間稼働できる内蔵バッテリー搭載など、建設現場でも安心して使える性能や機能を兼ね揃えています。

さらにムービークリップ機能により録画映像からの切り出しが可能であるため、報告書作成の負担軽減にも役立ちます。

また、スタンダードモデルの「Safie Pocket2 Plus」であれば、手ぶれ補正機能やモーション検知など遠隔業務に必要な機能を網羅、万全の対策で遠隔臨場に対応できるでしょう。

遠隔臨場の事例

Safie Pocketシリーズ」の導入事例について、施工業者側と発注者側それぞれの視点からご紹介します。

【施工業者】 

総合建設会社の「株式会社大林組」では、労働時間の上限規制などの適用が始まる2024年問題に向けた働き方改革として現場のDX化を推進していました。その対策として導入したのが「Safie Pocket2」です。導入後は、スムーズな遠隔臨場を実現しました

ほかにも、グループ通話により複数の人間が参加する立会においてもアドバイスしあえる環境を構築できた点などに、メリットを感じられているようです。

\大林組のSafie Pocket2導入事例はこちら/

【発注者】

東日本地域の高速道路の建設や維持管理などを行う「NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)」の北海道支社 札幌管理事務所では、発注する道路工事の遠隔臨場では、「Safie Pocket2」を導入しています。

導入後は、現地立会における移動時間の6割削減が可能になりました。また、映像による情報共有を行うことで、検討事項の判断が早まり、現場でのタイムロスを軽減できているそうです。

\NEXCO東日本のSafie Pocket2導入事例はこちら/

遠隔臨場以外での活用

Safie Pocket シリーズ」の導入は、遠隔臨場以外でも多くのメリットを生んでいます。たとえば、若手社員の育成や経験できるチャンスが少ない作業映像のアーカイブ化などに活用可能です。「Safie Pocket シリーズ」を若手社員に装着し作業させれば、リアルタイムのアドバイスをでき、若手社員の早期育成が期待できます。

また、撮影した画像はクラウド上に保管されるため、撮影した動画を教育資料として新人に提供することも可能。ほかにも、現場で危険なシーンが起きた際にはヒヤリハットを記録して共有することで、社内の安全意識向上に役立っているという導入事例もあります。

段階確認を遠隔臨場で実施しよう

動画撮影用のカメラを駆使すれば、遠隔地からWeb会議システムなどを介して段階確認を行えます。ただし、段階確認における必要な機器の要件や仕様は国土交通省の実施要項に記載されているため、実施する際は参考にしてください

Safie Pocket シリーズ」は、国交省策定の遠隔臨場仕様に適合。段階確認をはじめとした建設現場の遠隔臨場に最適です。セーフィーのクラウドカメラは「Safie Pocket シリーズ」をはじめ、建設会社に多数の導入実績があります。建設現場の業務効率化や安全管理にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

Safie Pocketパンフレット

「Safie Pocket」シリーズ紹介
ウェアラブルクラウドカメラでの遠隔業務をご検討中の方はお気軽にご相談ください。