防犯カメラにノイズが入ってしまうと正確に映像を撮影できず、記録や映像データ活用といった役割を果たせません。この記事では防犯カメラにノイズが入る原因やノイズを改善する機能「ノイズリダクション」について解説します。防犯カメラ導入の参考にしてください。
目次
防犯カメラの『ノイズリダクション』とは?
防犯カメラの「ノイズリダクション」とは、映像や音声に含まれるノイズを除去する処理技術のことです。
ノイズはデータの信号を送信するときに、不要な信号が混ざることで発生します。この不要な信号をノイズリダクション技術によって除去することでノイズを低減し、防犯カメラのデータの品質を補正・改善させています。ノイズリダクションは防犯カメラだけではなく、デジタルカメラやスマートフォンなどにも備わっています。
そもそも防犯カメラにノイズが入ってしまう原因
防犯カメラにノイズが入る原因についてはいくつか理由があります。原因について詳しく見ていきましょう。
ケーブルが劣化している
防犯カメラと周辺機器を接続するケーブルが劣化していることが、ノイズが入るひとつの原因です。ケーブルの断線などにより、データを送信中に信号に乱れが生じるためです。ケーブルの劣化が原因で映像にノイズが残ってしまうため、ケーブル自体を早急に取り替える必要があります。
強い電磁波を発する機器による影響
防犯カメラや映像を保存するレコーダーなどの機器周辺に、強い電磁波を発する機器がある場合や近隣の電波塔などが影響している可能性もあります。防犯カメラやレコーダーなどの機器と、電磁波の強い機器を離したり位置を変えたりして確認してみましょう。
また、防犯カメラの配線とそのほかの電気線が一緒にまとめられていると、電磁波誘導が発生してノイズにつながることがあります。配線を離す、または並行させず交差させることでノイズが改善することがあります。
カメラやモニターの劣化
防犯カメラや映像を確認するモニターが老朽化していることも考えられます。カメラの本体部分やレンズなどのパーツが、劣化や故障によってノイズが入っているかもしれません。防犯カメラ側に原因があれば、記録した映像自体にノイズが残り正確な撮影ができません。
またモニター側の老朽化でも、ノイズが発生しているように見えることがあります。モニターが原因の場合、複数の防犯カメラを利用していればすべてのカメラにノイズが入っているため簡単に判別できます。別のモニターに切り替えて、映像を確認してみてください。
フリッカー現象
フリッカー現象とは、目には見えない照明機器の細かな点滅を防犯カメラが撮影することで起きる映像のちらつきや横線が入る現象のことです。自然現象に近いため、フリッカー現象を完全になくすことは難しいですが、劣化している蛍光灯を交換したり、カメラの位置や角度を変えることで改善されるケースがあります。前述した原因に該当しない場合はフリッカー現象の可能性があります。
防犯カメラのノイズ除去は『デジタルノイズリダクション』付きが一般的
防犯カメラには、デジタル処理によってノイズを低減できる「デジタルノイズリダクション」機能が搭載されていることが一般的です。
ノイズは暗い場所でとくによく発生し、映像の品質を下げる原因です。防犯カメラの使用上、夜間に撮影するケースも多いです。周囲が暗いとカメラは低照度で撮影しようとするため、映像が荒くなりチラつきが目立ちやすくなります。ノイズが頻発すると防犯カメラの役割を果たせないといった問題が生じるでしょう。そのため、多くの防犯カメラにデジタルノイズリダクション機能が備わっており、低照度モードで撮影してもノイズを改善し映像を補正できます。
防犯カメラのデジタルノイズリダクションの種類
デジタルノイズリダクションは「DNR」機能と呼ばれており、2DNRと3DNRの2タイプがあります。
2DNR
2DNRは映像を個別の静止画として判別してそれぞれを分析し、ノイズの原因となる部分を補正します。動きのあるものを撮影するのに向いています。
3DNR
3DNRは動画として連続する静止画同士の差分を分析し、ノイズの原因となる部分を補正します。動きのあるものはモーションブラー(残像)などが生じることがあり、動きのないものを撮影することに向いています。
防犯カメラにDNRが付いているメリット
防犯カメラにDNRが付いていることで2つのメリットがあります。まず最大のメリットは、ノイズを低減し映像を見やすく撮影できる点です。
2つ目のメリットは、データを圧縮できる点です。映像データの容量は、高解像カメラや長時間の撮影によって大きくなります。しかしDNRによってノイズが軽減された映像データは、容量も軽減されるためストレージの確保にも有効です。
防犯カメラのDNR機能は、正確で明瞭な映像とデータ圧縮の両方が実現できるようになり、防犯カメラシステムのパフォーマンス向上につながります。
終わりに
防犯カメラは、もともとデジタルノイズリダクションの機能が備わっているものが一般的です。夜間の映像を撮影することが多く、とくに暗い場所での撮影ではノイズが入りやすいためです。防犯カメラのノイズの原因はいくつかの理由が考えられるため、ケーブルを含めた周辺機器の見直しと、強い電磁波を発しているものから遠ざけるなどの対策を行いましょう。
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