防犯カメラの設置にもっとも重要な要素が電源の確保です。特に屋外設置は電源の確保が難しく、電源工事や屋内からのケーブル延長などの対応が必要になります。電源にはいくつかの種類があり、防犯カメラ選びに迷われている方もいるでしょう。
目次
防犯カメラの給電方法
防犯カメラの設置目的によって、最適な電源の種類や取り付け方は異なります。例えば、屋内に気軽に設置できる見守りカメラと玄関や駐車場に取り付ける屋外用防犯カメラでは必要な工事も変わってきます。
屋外の防犯カメラは特に、電源確保の配線工事や防水処理、保護ボックスの設置などの配慮が求められるためです。さまざまな電源の種類について確認し、設置する防犯カメラに最適な給電方法を選びましょう。
防犯カメラの電源の種類
防犯カメラの電源の種類は、一般的なコンセントに差し込むタイプから、レコーダーから給電できるPoC給電やPoE給電、電源工事が不要なソーラーパネルや乾電池のタイプまでさまざまな種類があります。
電源を必要とするタイプ
電源の種類 | 特徴 | アナログカメラ | デジタルカメラ |
ACアダプター | 一般的なコンセントから給電 | ◯ | ◯ |
PoC給電 | 同軸ケーブルで給電できる | ◯ | × |
PoE給電 | LANケーブルで給電できる | × | ◯ |
電源を必要とするカメラは、コンセントから給電するタイプとレコーダーやルーターから給電するタイプの2種類の電源があります。
レコーダーやルーターから給電するタイプをPoC給電、またはPoE給電といいます。同軸ケーブルから給電できるのがPoC給電、LANケーブルから給電できるのがPoE給電です。
同軸ケーブルやLANケーブルを電源として使えるため、1本のケーブルで映像伝送と電力供給の2つの役割をはたせます。また、同軸ケーブルやLANケーブルを電力供給だけに使い、無線LAN接続でデータ伝送することも可能です。
ACアダプター
ACアダプターはおうちやオフィスのコンセントから電源を取るタイプです。屋内はもちろん、防水コンセントがあれば屋外でも設置が可能です。ワイヤレスカメラであれば、ケーブルは電源のみ。無線LANに接続してレコーダーに映像を記録することもできます。
PoC給電(同軸ケーブル)
同軸ケーブルを使ったPoC給電は、映像伝送と電力供給を同時にカメラまで届け、配線の手間を大幅に削減できます。特に既存のCCTVシステム(アナログカメラ)が敷設されている場合、新たな配線工事をすることなく電源を確保できます。
PoE給電(LANケーブル)
PoE給電は、PoEスイッチングハブなどのPoE対応機器を使いLANケーブルで給電する方法で、1本のケーブルで映像伝送と電力供給ができるので配線の手間を大幅に削減できます。特に既存のLANケーブルが敷設されている場合、新たな配線工事をすることなく電源を確保できます。
電源を必要としないタイプ
電源の種類 | 特徴 | アナログカメラ | デジタルカメラ |
ソーラーパネル | 夜間撮影はバッテリーが必要 | ◯ | ◯ |
乾電池(トレイルカメラ) | 一時的な設置に適している | × | ◯ |
充電式バッテリー | 充電することで繰り返し利用可能 | × | ◯ |
電源を必要としない防犯カメラは、電源工事なしで手軽に設置できます。長時間撮影や動作の安定性は低いため、セキュリティ目的での設置には適していませんが、電源の確保が難しい屋外や一時的な防犯カメラ設置のために使われます。電源を必要としないカメラには、ソーラーパネルと乾電池、充電式バッテリーの3種類があります。
ソーラーパネル&バッテリー
防犯カメラ自体にソーラーパネルやバッテリーが付属している防犯カメラもあります。ただし、ソーラーパネルは日照時間の影響を受けるため、設置場所の考慮や、落ち葉や埃を除去するなどの定期的なメンテナンスが必要になります。
乾電池(トレイルカメラ)
動体検知の機能を用いて最小限の映像を撮影するトレイルカメラを防犯カメラとして利用する方法もあります。ただし、トレイルカメラはSDカードを内蔵している機種が多く、トレイルカメラ自体を盗まれることで映像が持ち去られるリスクがあります。
充電式バッテリー
ウェアラブルカメラなど小型の防犯カメラでは、充電式のバッテリーを使用するものが増加。充電することで電源を取り替えることなく繰り返し使用できます。
また、使用バッテリーを筐体に内蔵しているタイプの場合、USB端子やACアダプターに直接接続して充電します。USB充電であればモバイルバッテリーや使用可能。給電しながら撮影可能な機種もあります。
防犯カメラの電源の取り方
防犯カメラの電源の取り方は、屋内と屋外では異なります。屋内は部屋ごとにコンセントがあり、設置環境のレイアウトもしやすいでしょう。屋外に設置する場合は、電源工事などが必要なケースもあるため、具体的な電源の取り方について解説します。
屋内ではコンセントを使用
屋内利用は特別な工事がなくても部屋にあるコンセントから給電できます。特に無線LAN接続できる防犯カメラであれば、特別な工事をせずにコンセントに差し込むだけで利用可能です。ただし、PoC給電やPoE給電などの有線接続が必要な場合は、新たにケーブル敷設の工事が必要であるため注意しましょう。
屋外で電源を取る手段
屋外の防犯カメラ設置は電源の確保に特別な工事をしなければなりません。既に屋外のコンセントを使える場合は電源ボックスなどで雨水対策を取るだけで充分ですが、防犯カメラを設置したい場所に最適なコンセントがないケースがほとんどだと思います。
コンセントの増設には専門資格を持った電気設備工事が必要になるため、ほとんどのご家庭では屋内から電源を取ることになります。屋内から電源を取るのは次の手段です。
隙間ケーブルの利用
隙間ケーブルとは、窓やドアの隙間から電源ケーブルを通すことのできる変換ケーブルです。特別な工事を必要としないため、DIYで防犯カメラを設置する際に使えます。ただし、窓やドアから不自然にケーブルが外から目立ちやすい点はデメリットです。
エアコンダクトを通す
既にエアコンを設置しているご家庭であれば、エアコンダクトを通して外まで電源ケーブルを引き出せます。エアコンの化粧カバーを取り外すことでケーブルを出せるため、特別な工事は必要ありません。ただし、壁から伸びるケーブルが外に露出するため、配管カバーなどで見栄えを整えることも考える必要があります。
穴あけ工事
屋外へ通じる穴や隙間ケーブルが通らない場合は、穴あけ工事にてケーブルを通す方法もあります。穴あけ後の整備が必要な点や一度あけた穴は基本的に元には戻らないといったデメリットもあるため、穴あけ工事は慎重に検討したうえで行いましょう。景観を損ねずに穴をあけるには専門の業者に依頼した方がよいケースもあります。
電源の防水処理
防犯カメラを屋外に設置する場合、屋内用防犯カメラの利用は避けなければなりません。防水性能や防塵性能が低いため、故障してしまうリスクがあるからです。防水性能や防塵性能を備えた屋外用防犯カメラを用意しましょう。
同じように屋外に通した電源ケーブルについても防水性能の高いものを選ぶ必要があります。また、延長コードを用いて電源プラグを屋外に引き出した場合は、コンセントボックスなどの雨水対策が欠かせないため注意しましょう。
電源設置が不安な場合はプロに依頼しよう
防犯カメラの電源には、一般的なコンセントやレコーダーから給電するタイプ、電源不要のタイプなどさまざまな種類があります。特に屋外設置の場合は、電源工事や防水処理などは欠かせません。DIYで防犯カメラを設置する手段もありますが、正確に防犯カメラを設置するには専門業者に依頼した方が安心できるでしょう。
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