防犯カメラを設置する際、カメラ性能だけでなく、映像を記録するレコーダーの機種選びも重要になってきます。レコーダーとして主に採用されるのは「防犯カメラ専用レコーダー」「レコーダー搭載カメラ」そして「クラウド録画サービス」の3つの方式です。それぞれのレコーダーの特性やメリット・デメリットについてご確認ください。
目次
防犯カメラのレコーダーの基礎知識
防犯カメラのレコーダーは、カメラで撮影した映像を記録するための大切な装置です。防犯カメラ選びとあわせてレコーダーの選び方も把握しておきましょう。レコーダーの種類は、「防犯カメラ専用レコーダー」「レコーダー搭載カメラ」「クラウド録画サービス」の3種類に大別できます。
レコーダーは映像を記録する装置
レコーダーは防犯カメラが撮影した映像をデジタル形式やアナログ形式で記録する装置です。レコーダーがなければ、あとから映像を確認できなくなり、映像データの共有や保管などもできなくなります。
レコーダーの種類
防犯カメラのレコーダーにはいくつかの種類があり、NVRやDVRなどの細かな種類で分類することもできます。ただし、細かな分類は専門的で難しい内容になるため、ここでは主なレコーダーの種類を3つに大別して解説します。
防犯カメラ専用レコーダー
防犯カメラ専用レコーダーは、防犯カメラの映像を記録することに特化した専用装置です。複数台のカメラの同時録画や8K映像の長時間録画など、高品質な映像記録を得意とする機種が多くあります。
NVRやDVRなどの種類があり、モデルによっては4TBや8TBのような大容量のHDDを内蔵している機種もあります。
レコーダー搭載型カメラ
防犯カメラ本体にレコーダーを内蔵しているタイプです。主に小型なSDカードに記録することが多く、見守りカメラやペットカメラなどの小型カメラ、一時的に設置するトレイルカメラなどに適しています。
専用のレコーダーを設置する必要がないため、初期投資を抑えながら防犯カメラを設置できるのが特徴です。
クラウド録画サービス
近年のトレンドとしてあげられるのが、クラウド上に映像データを保存するサービスです。レコーダーをサービスとして提供するため、利用者が新たに買い足す必要はありません。
IPカメラからネットワーク接続することで、クラウド上のレコーダーを用いて映像データを記録することが可能です。
ハードディスクの容量に縛られることがないため、最長365日の長期間録画ができるほか、スマホやパソコンから映像データにアクセスできるのが特徴です。
レコーダーの種類による保存期間の比較
レコーダーの種類によって、利用する記録媒体は異なります。主な記録媒体の種類と保存期間の目安について解説します。
レコーダーの種類 | 防犯カメラ専用 | レコーダー搭載型 | クラウド録画 |
記録媒体 | HDD、SSD | SDカード | クラウド |
保存期間の目安 | 1ヶ月程度 | 30時間程度 | 1ヶ月程度 |
保存容量の目安 | 2TB | 256GB | 無制限 |
防犯カメラ専用レコーダーはHDDの容量に応じて数日から数週間、場合によっては数ヶ月の映像データを保存することが可能です。レコーダー搭載型は保存期間が短く、数時間から数日程度の記録にとどまります。
一方で、クラウド録画は1ヶ月程度の保存期間が一般的ですが、最大365日の長期間保存もできるため、保存期間が最長になる可能性が高いのが特徴です。
ただし、記録した映像の画質やフレームレート、音声記録などによって保存期間は大きく変わるため、この表はあくまで一例としてご確認ください。
防犯カメラ専用レコーダーの特徴とメリット・デメリット
防犯カメラ専用レコーダーは、監視センターや中央管制室など、大規模な防犯設備が必要な拠点での利用に適しています。多数の防犯カメラチャンネルを同時に接続でき、ほかのレコーダーよりも安定して高画質な映像を録画できるためです。
ただし、多くのメリットがある一方で、デメリットもあるため導入前にその特徴を確かめておきましょう。
持続的な動作の安定性が高い
防犯カメラ専用レコーダーは、途切れやノイズの少ない安定した映像記録が期待できます。特に、4K映像のように高画質で大容量の映像データを高速に保存する場合や、記録した映像を再生することが多い場合に安定的に動作するのはメリットです。
また、ネットワークにレコーダーを接続できるNVR(Network Video Recorder)であれば、遠隔地からアクセスしてカメラの映像を確認することもできます。
ただし、レコーダーに必要なハードディスクやクーリングファンなどは2〜3年ごとに買い替えた方がいいと言われており、エンジニアによる定期的なメンテナンスは欠かせません。
メリット:高画質で安定して動作する
デメリット:エンジニアによる定期メンテナンスが必要
セキュリティ性能が高い
物理的に外部からアクセスできない機種が多く、高度なセキュリティが要求される施設や機密情報を取り扱う環境での利用に適しています。レコーダー搭載型のように記録媒体ごとカメラが盗まれる心配もないため、映像データの盗難リスクもほとんど心配ありません。
ただし、NVRを介して外部から映像を確認する場合は、アクセス者の情報が漏れないようにユーザー管理を徹底しなければなりません。
メリット:映像データは盗まれにくい
デメリット:ユーザー管理とリテラシー教育が求められる
ランニングコストがかからない
買い切り型の製品が多く、初期コストこそかかりますが、月額の使用料やデータ保存費用は基本的に発生しません。
ただし、追加のHDDや機能のアップグレードは新しい機器の購入や設定の見直しが必要となります。また、データのバックアップについても、RAID構成の構築や専用のバックアップ機を用意しなければなりません。
メリット:買い切り型でランニングコストがかからない
デメリット:アップグレードや容量アップが難しくバックアップも自分でとる
クラウド録画サービス「Safie」と専用レコーダーの違い
クラウド録画サービス「Safie」は、レコーダーがクラウド上にある最新技術を取り入れた録画方式です。自宅や店舗での防犯利用はもちろん、近年では映像データを活用したDXにもクラウド録画サービスが活用されています。
レコーダーを選ぶことなく長期間録画が可能
ネットワークを通じて映像を伝送するクラウド録画サービスは、データセンター内に備えたレコーダーで映像を記録できるため、サービス利用者が新たにレコーダーを用意する必要がありません。
また、日々のメンテナンスやバックアップ取得などはサービス提供者が行い、レコーダーの記録容量を増やすことも簡単です。録画プランの変更だけで最大365日の長期間録画を手軽に利用できます。
ただし、安定したネットワーク環境が求められる点は考慮しなければなりません。無線LAN環境で基本的に問題ありませんが、4G/5G回線の契約が必要になるケースもあります。
メリット:レコーダーを選ばずに最大365日まで保存できる
デメリット:安定したネットワーク環境が求められる
スマホやパソコンで映像共有が可能
クラウド録画サービスを通じてスマホやパソコンから遠隔地の映像確認ができます。管理者として事前に登録しておけば、複数人で映像を共有してリアルタイム閲覧も可能です。
無人経営などの新しいビジネスの形にクラウド録画サービスを採用している事例も多くあります。ただし、映像を閲覧するユーザーのITリテラシーが求められるため、セキュリティの維持には適切なユーザー管理と定期的な教育が求められます。
メリット:リアルタイムでの映像共有が可能
デメリット:閲覧者のユーザー管理とリテラシー教育が求められる
初期費用を抑えて設置が可能
初期費用は基本的にカメラの購入と工事費だけであるため、はじめての防犯カメラ設置や小規模な施設での設置に適しています。また、電源接続と無線LAN設定だけで利用できるモデルもあり、特別な工事をせずに防犯カメラを設置できる点もメリットです。
ただし、サービスの利用にはサブスクリプション契約が必要であるため、ランニングコストがかかる点は考慮しなければなりません。
メリット:初期費用が安価で導入しやすい
デメリット:ランニングコストがかかる
レコーダーの違いがわからなくても防犯カメラは設置できる
レコーダーは大きく分けて「防犯カメラ専用レコーダー」「レコーダー搭載型カメラ」「クラウド録画サービス」の3つに分けられます。さらに、NVRやDVR、IPカメラやAHDカメラといったカメラの違いなどでさらに細かく分類することも可能です。
ただし、レコーダーの違いまで理解することは一般的に難しく、専門の技術者でなければ機器を選ぶまでに多くの時間を費やしてしまいます。このような問題を解決できるのが、レコーダーをサービスとして提供するクラウド録画サービスです。
複雑な機器選びが必要だった今までの防犯カメラとは違い、クラウド録画サービスはレコーダーのメンテナンスやバックアップ取得もサービス料金に含まれています。
レコーダーを意識することなく防犯カメラを設置できますので、クラウド録画サービスが気になった方はぜひセーフィーまでご相談ください。
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