防犯対策に必要不可欠な防犯カメラは、従来ボックス型が主流でした。しかし、近年は防犯カメラのモデルも増え、コンビニや店舗などで半球型の360度防犯カメラを目にする機会が増えています。これから設置を考えている場合、360度防犯カメラの仕組みや特徴が気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、360度防犯カメラの種類やメリット・デメリット、設置に適した場所などを解説します。最後まで読んでいただければ、どのような場所が360度防犯カメラの設置に向いているかがわかり、防犯カメラ導入の手助けになるでしょう。
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目次
360度防犯カメラの仕組みとは?どのような種類がある?
まず、360度防犯カメラの仕組みとカメラの種類を説明します。
360度防犯カメラとは
360度防犯カメラは、文字どおり上下左右全方向を1台で一度に撮影可能なカメラです。従来の防犯カメラは撮影範囲が限られており、広範囲を記録するには複数のカメラを設置する必要がありました。
360度防犯カメラなら、1台で全方向が撮影できることから、従来の防犯カメラよりも設置台数を減らせます。ただし、撮影した映像は画面の端が歪むため、特定物の詳細な映像よりも、空間や人、物の動きなど全体の把握に適しています。
360度カメラの映像は、表示モードの切り替えによりダブルパノラマモードや4分割モード、魚眼モードなど、用途によって使い分けが可能です。各モードの詳細は、のちほど詳しく説明します。
360度防犯カメラの種類
360度防犯カメラには、「半天球型」「全天球型」の2種類があります。
半天球型は、1枚のレンズでカメラの水平方向360度と上部半分を、ドーム型に撮影できます。店舗の天井や壁に設置されるケースが多いカメラです。
全天球型は前後2ヵ所にレンズが搭載されており、2枚のレンズで撮影した映像を合成して360度全方向をカバーします。一度に広範囲を記録したい場合に最適です。
半天球型の撮影例
360度カメラのメリット・デメリット
全方向が撮影できる、360度防犯カメラのメリット・デメリットを説明します。1台で広範囲を撮影できるため、従来のカメラより設置台数を減らせるのが魅力ですが、データ容量が大きくなるなどデメリットもあることを理解しておきましょう。
メリット
360度防犯カメラは、全方向を1台で録画可能なため、従来の防犯カメラよりも設置台数を減らせます。カメラ導入の初期費用や工事費、メンテナンス費も削減できるでしょう。
防犯カメラの用途によって、魚眼モード、ダブルパノラマモード、4分割モードに使い分けが可能です。
魚眼モードは、魚眼レンズで撮影したように円のなかに360度全方向を記録します。映像の端が歪みますが、一度に広範囲を映せるため場所の全体像を把握するのに向いています。
ダブルパノラマモードは360度を2つに分割し、180度のパノラマ画像を縦に2枚並べて表示するものです。全体像は把握しにくいものの、画像の歪みがなく通常のカメラ画像に近いというメリットがあります。
4分割モードは撮影した画像を4つに分割して表示するものです。カメラを4台設置して撮影したように、特定の場所を切り出して確認できます。
デメリット
魚眼モードでは、円のなかに全方向を映し出すため、画像の端に歪みが生じます。ただし、わかりにくい場合は360度カメラの補正機能を使用して、歪みのない映像にすることが可能です。
また、360度カメラとはいっても、物陰など死角になった部分は映せません。死角を減らすためには、複数のカメラを使用して撮影する必要があります。
さらに、360度防犯カメラは一度に全方向を撮影するため、通常の防犯カメラよりもデータ容量が大きくなりやすいのが難点です。高画素数・高解像度のカメラを選べば、その分容量も増え録画できる時間が短くなる点にも注意しましょう。
物陰が多い場所や全方位を撮影する必要性が低い場合には、広角でレンズもしくはレンズの向きを遠隔操作で上下左右できるPTZカメラも選択肢となるでしょう。
360度カメラの活用の場
全方向が映せる360度防犯カメラは、どのような場所で導入されているのでしょうか。ここでは、360度防犯カメラを効果的に活用している場所を紹介します。
小売店
スーパーやコンビニなど小売店では、万引きなどの防犯対策に360度防犯カメラが効果的です。防犯対策以外にも、性別や年齢などの顧客の属性、どのような動線で商品を見て購入するのかなど、マーケティングツールとして活用できます。
ただし、店内に陳列棚が多いと、カメラに映らない死角ができやすくなります。死角が多い場所は、従来型の防犯カメラとの併用したほうがよいでしょう。死角の少ない店舗の出入口などには、360度防犯カメラの設置が適しています。
銀行
銀行は背の高い棚などが少なく死角ができにくいため、360度防犯カメラのメリットが活かせる場所です。銀行の出入口や窓口、ATMコーナーなど、離れた場所まで広範囲を確認でき、不審者や店内の異常などを発見しやすくなります。
銀行では、待合椅子やATMコーナーに手荷物を置き忘れる人も多いことから、置き忘れた時間や持ち主の確認に利用できるのもポイントです。現金を取り扱うATMコーナーや窓口では、手元の詳細な映像が残せるように、従来型のカメラも併せて設置したほうがよいでしょう。
駐車場
盗難や当て逃げなどへの対策のほか、事故やトラブルの防止に360度防犯カメラは効果的です。広い駐車場でも1台で広範囲をカバーでき、初期費用やランニングコストの節約にもなります。
建物内の駐車場は柱で死角が生まれるため、360度カメラのほかに、車の出入口付近などの死角をカバーするカメラを設置すると安心です。屋外の駐車場に設置する場合は、防塵・防水機能が付いたカメラや、夜間でも撮影可能なカメラがよいでしょう。
建設現場
建設現場を360度カメラで撮影すれば、全方向から工事の進捗状況を詳細に記録できます。人が撮影しにくい狭い場所や高所でも、360度カメラなら構図を考える必要がないため、設置が簡単です。
また、平面写真だけでは現場のイメージ共有が困難ですが、空間全体を立体的に撮影した360度カメラの映像なら作業の進捗状況が把握しやすく、関係者との情報共有が効率化されるでしょう。さらに、作業員が不在になる夜間には、建設資材の盗難防止にも役立ちます。
オフィス
オフィスに360度カメラを設置して全体を撮影すると、社員の動きが把握できるほか、防犯対策にも利用可能です。また、受付やエントランスを通った来客者や不審者を異なるフロアからでも確認できます。
オフィス内の映像があれば、どの社員がいつ残業したのかなどの勤務状況の確認から、働き方改革につなげることも可能です。
ただし、オフィス内の様子がすべて記録されることになります。そのため、カメラの導入目的を社員に説明して理解を得ておく、プライバシーやセキュリティに配慮するなど、事前の準備が欠かせません。
おすすめの360度防犯カメラ
360度全方位を撮影可能。画面をスクロールして見たい位置を確認できるため、現場の進捗確認だけでなく、高所作業の安全装備確認や現場全体を見落としなく確認できます。
たとえば、戸建建築では基礎工事から地上部分までの進捗に合わせて、上下に位置を調整。工事現場のゲートなど狭い場所では広角映像で左右の状況を確認できるため、現場の環境や状況に合わせて柔軟に活用可能です。
まとめ
360度防犯カメラは1台で広範囲を撮影できることから、空間全体の人の動きや状況を確認するのに適しています。防犯対策だけでなく、マーケティングや業務改善にも利用可能です。
防犯カメラの導入にあたりご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。
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