工事現場にカメラを導入すれば、防犯対策になるだけでなく、業務の効率化も期待できます。しかし、具体的にどのようなカメラを導入するべきなのか、よくわからない現場監督の方もいるでしょう。
この記事では、工事現場用のカメラの導入で期待できる効果や、工事現場用のカメラを選ぶポイントを解説します。現場監督におすすめのカメラも紹介するので、カメラを導入する際の参考にしてみてください。
目次
工事現場用のカメラの導入で期待できる効果
工事現場用のカメラを導入すると、以下のような効果が期待できます。
- 防犯対策に役立つ
- 現場の状況確認や進行管理に役立つ
- 遠隔臨場に活用できる
- 人材教育に役立つ
それぞれの効果について、詳しく見ていきましょう。
防犯対策に役立つ
工事現場は資材や工具を置きっぱなしにすることが多く、資材を狙った盗難が発生しがちです。盗難だけでなく、事務所のパソコンや電話機などを狙った「事務所荒らし」が発生する可能性もあります。
工事現場用の防犯カメラは、これらの犯罪の抑止力として非常に効果的です。警備員がいない時間帯でも常にカメラが動作しているため、犯罪を未然に防止できるだけでなく、万が一盗難や事務所荒らしの被害が発生した場合でも、防犯カメラの映像から犯人を特定しやすくなります。工事現場の防犯対策に重きを置くのであれば、早めの導入を検討しましょう。
現場の状況確認や進行管理に役立つ
近年の防犯カメラは、離れた場所から映像を確認できる「遠隔カメラ」が増えています。遠隔カメラはインターネットに接続できるため、インターネット経由で映像を確認することが可能です。遠隔カメラを導入すれば、現場の様子を本社や支店、別の現場などからリアルタイムに確認できるようになり、複数の現場の稼働状況や進捗状況を同時進行で把握できます。
直接現場に赴くことなく複数の現場の状況を確認できるようになるため、業務の効率化に役立つでしょう。
遠隔臨場に活用できる
防犯カメラの設置によって、国土交通省が推し進める「遠隔臨場」の実施も可能になります(※1)。遠隔臨場とは、防犯カメラで取得した映像・音声を使用し、離れた場所から段階確認・材料確認・立合を行うことです。現場に実際に集まる必要がないため、移動に要していた時間が不要になり、労働時間の短縮につながります。移動にかかるコストも削減できるため、遠隔臨場を実施するメリットは大きいといえるでしょう。
ただし、防犯カメラの中にも、遠隔臨場に使えるものとそうでないものがあります。ハンズフリーで使えるウェアラブルカメラや、Web会議可能なカメラなどが遠隔臨場に適しているため、工事現場用として使うのであれば遠隔臨場に使えるものを選ぶとよいでしょう。
※1 出典:“建設現場における「遠隔臨場」を本格的に実施します~実施要領(案)の策定と事例集を発刊~”. 国土交通省. 2022-3-29(参照 2024-07-25)
人材教育に役立つ
防犯カメラで撮影した映像を、教材として人材育成や研修に活用することも可能です。防犯カメラの映像を使用して熟練者が遠隔から教育・指導できるため、本社と現場とのコミュニケーション頻度が高まり、効率的な人材育成が可能になります。
また、録画した映像は就職説明会や研修の教材として役立てることも可能です。現場ではどのような作業を行っているのかを実際の映像で伝えれば、業務理解や関心度の向上を図れます。
【現場監督必見】工事現場用カメラを選ぶポイント
現場監督が工事現場用のカメラを選ぶ際は、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 現場での使用目的を確認する
- 工事現場用カメラに求める機能を検討する
- 防水防塵に対応したものを選ぶ
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
現場での使用目的を確認する
遠隔臨場や防犯など、現場ごとにカメラを選ぶ目的や必要な機能はさまざまです。工事現場用カメラは、それぞれ機能が異なります。工事現場用カメラを選ぶ際は、あらかじめ使用目的をよく確認しておきましょう。
遠隔臨場目的ならハンズフリーで現場の状況を確認できるウェアラブルカメラ、防犯目的なら動作検知機能やナイトモードを搭載した防犯カメラがおすすめです。
工事現場用カメラに求める機能を検討する
工事現場用のカメラは、カメラによって搭載されている機能が異なります。現場環境によって必要な機能が異なるため、「必要な機能」と「あれば嬉しい機能」を検討しておきましょう。
工事現場に必要な機能としては、大容量バッテリーや防水・防塵機能などが考えられます。工事現場は屋外の場合が多く、頻繁に充電できない可能性が高いため、長時間使用できるバッテリーを搭載したカメラを選ぶのが賢明です。また、防水・防塵に対応したカメラであれば、雨や砂ボコリが舞う環境でも問題なく使用できます。
防水防塵に対応したものを選ぶ
現場作業は屋外で行う場合が多いので、カメラを選ぶ際は、雨や砂ボコリに強い防水・防塵対応モデルのほうがよいでしょう。カメラの防水・防塵機能はIP保護等級で定められています。IP保護等級は2桁の数字で構成されており、1桁目が異物や微粒子からの保護、2桁目が水分からの保護です。数字が大きいほど耐性が高くなり、工事現場に適したカメラではIP66やIP67の防水・防塵機能が備わっていることが一般的です。
現場監督におすすめのカメラ
工事現場を管理する現場監督には、遠隔臨場に適したカメラや持ち運びに適したウェアラブルカメラが適しています。どのようなカメラを導入するべきか迷っている場合は、セーフィーの「Safie Pocket(セーフィーポケット)シリーズ」や「Safie GO(セーフィーゴー)シリーズ」がおすすめです。
ここからは、それぞれのシリーズの主な機能や活用事例を紹介します。
Safie Pocketシリーズ
Safie Pocketシリーズは、遠隔臨場や遠隔監査に適したウェアラブルカメラです。移動しながらの撮影はもちろんのこと、定点カメラとして設置することもできるため、さまざまな遠隔業務で活用できます。LTE搭載なので、インターネット回線を用意しなくても単体でクラウド録画が可能です。
Safie Pocketシリーズの主な機能
Safie Pocketシリーズの主な機能は、以下のとおりです。
- 通話機能
- 充電式バッテリー
- フルHD写真撮影
- IP67防水・防塵
- 高画質録画
- モーション検知
Safie Pocketシリーズには通話機能があり、ライブ通信をしながら会話ができます。充電式バッテリーが内蔵されているため、内蔵バッテリーだけで最大8時間の稼働が可能です。IP67防水・防塵で、どのような環境でも安心して利用できるでしょう。
モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
---|---|---|---|
Safie Pocket2 | シンプルな機能構成のエントリーモデル | IP67 | |
Safie Pocket2 Plus | 遠隔業務に必要な機能をフルパッケージ | IP67 |
Safie Pocketシリーズの活用事例
「大和ハウス工業株式会社」は、施工管理業務の効率化を目指すために「Safie Pocket2」を導入しています。導入の決め手は、他社製品と比べ使いやすく、バッテリー内蔵で取り回しがよかったためだそうです。カメラを導入したことで、移動時間や経費が削減され監督業務の効率化につながっただけでなく、車両での移動に伴うリスクも軽減されました。今後は「技術伝承や新人教育への活用も視野に入れている」とのことです。
Safie GOシリーズ
Safie Goシリーズは、LTEを搭載した固定設置型のクラウドカメラで、現場で電源をさすだけですぐに使用できる点が特長です。コンパクトな形状で、設置や移設も容易です。
Safie GOシリーズの主な機能
Safie GOシリーズは、以下のとおりです。
- スマートフォンによる映像確認
- 360°撮影(※Safie GO 360のみ)
- ダッシュボード機能
- IP66防水・防塵
Safie GOシリーズは広角カメラが充実しており、Safie GO 180ならば180°、Safie GO 360ならば360°の広範囲で現場を隅々まで確認できます。複数のカメラを1つの画面上で確認できるダッシュボード機能もあり、いくつものシーンを同時に映すことも可能です。そのほかにも、どのカメラ映像なのかが一目でわかるGPS機能搭載のSafie GO PTZ Plusや、現場作業員の立ち入り検知などに役立つエッジAI搭載のSafie GO PTZ AIなどもあります。
モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
---|---|---|---|
Safie GO 180 | 180度の広角レンズ | IP66 | |
Safie GO 360 | 360度全方位を撮影 | IP66 | |
Safie GO PTZ | PTZ操作が可能 | IP66 | |
Safie GO PTZ Plus | GPS搭載で設置位置を確認 | IP66 | |
Safie GO PTZ AI | エッジAI搭載で人物検出可能 | IP66 |
Safie GOシリーズの活用事例
「細田建設株式会社」は、複数現場を遠隔地から確認し、業務を効率化するために「Safie GO」を導入しています。導入の決め手は、LTE回線を搭載しており、電源をさすだけで簡単に使える点です。カメラを導入したことで、現場への移動と確認に要していた手間が減り、確認時間が大幅に短縮されました。「職人の技術が動画資産になるため、若手育成やクライアントへの提出資料としても役立っている」とのことです。
「戸田建設株式会社」は、監督しにくい現場での安全管理や業務効率化を目指すために「Safie GO」と「Safie Pocket2」を導入しています。導入の決め手は、カメラの画質が非常によいにもかかわららず、通信量が少なく帯域に負荷をかけない点です。
カメラを導入したことで、遠隔地から現場の品質工程を確認できるようになり、現場巡回に要する時間を大きく短縮できました。今後は「カメラ映像を、建設現場とデジタルツイン(リアル空間の情報をもとに仮想空間でリアル空間を再現する技術)の間の橋渡しに使っていきたい」とのことです。
自社に向いている工事現場用カメラを選ぼう
工事現場用のカメラを導入すれば、防犯対策になるだけでなく、現場の状況確認や進行管理にも役立てられます。国土交通省が推進している遠隔臨場に活用できる点も、現場監督としては嬉しいポイントです。
カメラを選ぶ際は、現場での使用目的を明確にし、必要な機能が備わったものを選ぶようにしましょう。工事現場用カメラの場合、バッテリー容量が大きいものや、防水・防塵機能が備わったものがおすすめです。
どのカメラを導入するか迷っている場合は、今回紹介した「Safie Pocket」や「Safie GO」の導入を検討してみてください。
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