防犯カメラのホワイトバランスとは？活用シーンまでわかりやすく解説

防犯カメラの映像を人の眼で見たように近づけるには、ホワイトバランスの要素がとても重要です。しかし、ホワイトバランスはカメラによって自動で調整されることが多く、いったいどのような機能なのか気になる方も多いでしょう。本記事を読むことで、防犯カメラのホワイトバランスの役割や種類、活用シーンを理解できます。

防犯カメラのホワイトバランスとは？

ホワイトバランスとは、カメラが撮影する画像の色味を自然な状態に調整する機能です。太陽光や蛍光灯の下では、「色温度」と呼ばれる光の波長により色あいが変化します。

人の眼は「色順応」という機能を持ち、太陽光の下でも蛍光灯の下でも赤いりんごは人の眼で見ると赤いままです。しかし、実際には蛍光灯では4,000K、太陽光では7,000Kのように色温度は異なるため、写真を撮る際はホワイトバランスを調整しなければなりません。ホワイトバランスが崩れると次の写真のように実際のイチゴの色あいと異なる印象を持ってしまいます。

（1）ホワイトバランスが調整されたイチゴの写真

（2）ホワイトバランスがズレているイチゴの写真

色温度とは

色温度とは、光源の色の特性を表す指標で、ケルビン（K）という単位で表されます。色温度が低いと赤みがかった「暖色系」、高いと青みがかった「寒色系」の色になります。

（2）の写真の葉の部分を見るとわかりやすいですが、色温度が低いために実際の色より赤みがかっています。

光源と色温度の関係性

色温度は光源の種類によって異なります。たとえば、晴天の太陽光は約7,000K、白熱電球は約3,000Kです。防犯カメラのホワイトバランスを適切に設定することで、これらの光源下でも自然な色味の映像を見ることができます。

ホワイトバランスの役割

ホワイトバランスは、光源の色温度にあわせてカメラの色味を補正します。これにより、被写体の色を正確に再現できます。人の眼で見ても違和感のない色あいに補正することが可能です。

ホワイトバランスの種類

近年の防犯カメラは、機械が自動的にホワイトバランスを調整する機器がほとんです。その機能をオートホワイトバランスと呼びますが、マニュアル設定やオートトラッキング機能を搭載した機種もあります。

オートホワイトバランス（AWB）

オートホワイトバランスは、カメラが自動的に色温度を判断し、ホワイトバランスを調整するモードです。防犯カメラに標準機能として搭載されることが多く、光源の変化が少ない一般的な環境に適しています。

オートトラッキングホワイトバランス（ATW）

オートトラッキングホワイトバランスは、たとえば被写体が部屋の外に出た場合でも動的にホワイトバランスをあわせられるモードです。屋外など、光源が変化しやすい環境に適しています。

マニュアルホワイトバランス

マニュアルホワイトバランスは、ユーザーが手動で色温度を設定するモードです。近年の防犯カメラで採用されるケースは少なく、特殊な光源下での撮影や意図的に色味を変化させたい場合に使用します。また、編集ソフトを用いて映像を撮影してからホワイトバランスを整えることも可能です。

防犯カメラにおけるホワイトバランスの活用シーン

ホワイトバランスのおおまかな機能について理解いただけたところで、実際の活用シーンについても解説します。

屋外の撮影

屋外に設置された防犯カメラは、太陽光の影響を大きく受けます。晴天時は色温度が高く、曇天時は色温度が低くなるため、ホワイトバランスの調整が欠かせません。オートホワイトバランスによって、光源の変化にあわせてカメラで自動的に調整されるのが一般的です。

白熱電球下での撮影

屋内に設置された防犯カメラは、白熱電球や蛍光灯から色彩の影響を受けます。また、窓から自然光の当たる部屋では、天候や夜間などに色温度も変化します。そのため、ホワイトバランスは固定せずに動的に変化を加えることが重要です。

そのほかの画像補正機能

防犯カメラの映像を人の眼で見やすく補正する機能は、ホワイトバランスだけではありません。一般的な防犯カメラに標準搭載されない機能も含まれるため、これらの知識を増やすことで防犯カメラを選ぶ際の目安となります。

逆光補正（BLC）：逆光時でも人の眼で見るように鮮明に映像を見られる

ワイドダイナミックレンジ（WDR）：画像の明暗差を抑えて逆光でも鮮明に映像を見られる

オートゲインコントロール（AGC）：画像の明るさを自動的に補正する機能で夜間撮影に用いることもある

高性能な機能も含まれるため、これらの機能を搭載した防犯カメラは高額になることもあります。しかし、24時間さまざまな条件で撮影が求められる防犯カメラには、必要な機能ばかりです。なお、WDR機能を搭載したカメラにBLCを搭載する必要はありません。

ホワイトバランスで正確な色あいに補正しよう

防犯カメラの映像の色あいを決める重要な要素がホワイトバランスです。近年の防犯カメラでは、オートホワイトバランスを搭載した機種がほとんどであるため、機種を選ぶ際にホワイトバランスで悩むことはほとんどないはずです。

セーフィーの防犯カメラも、すべての機種にオートホワイトバランスを搭載しています。また、逆光でも撮影できるワイドダイナミックレンジを搭載した機種のラインナップも豊富です。さまざまな撮影環境でも鮮明な映像を記録するには、ぜひセーフィーの防犯カメラをご検討ください。