建物が完成する中間の段階で受ける検査を「中間検査」といいます。建物が完成すると内部の構造などが隠れて見えなくなるため、決められたタイミングで中間検査を受けなければならず、合格しなければ先の工事に進めません。
今回の記事では、中間検査の概要を解説し、建設現場で注視されている効率化が可能な遠隔臨場の導入について紹介します。
目次
中間検査とは?
中間検査とは、建築している途中の段階でおこなわれる検査のことで、建築基準法により検査することが定められています。中間検査は阪神・淡路大震災で建物が多数倒壊したことがきっかけとなり、建築物の安全性向上を目的として1999年に導入された制度です(※1)。
※1 出典:“建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)“. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2024-4-1(参照 2024-5-27)
工事完了時では基礎や柱などの構造部分は隠れてしまうため、工事の中間時点で構造部分を検査して建築基準に適合しているかを検査します。中間検査に合格すると建築主に「中間検査合格証」が交付され、次の工事へと進むという流れです。反対に中間検査に合格しない限り、この先の工事に進めないため厳しい検査となっています。
建築物の工事完了までの流れ
建築物の計画から工事完了までの流れは以下のとおりです。
- 建築計画の作成
- 事前審査
- 建築確認
- 建築着工
- 中間検査
- 工事完了
- 完了検査
- 引渡し
新築で建築物を建てる場合は、「中間検査」以外にも「建築確認」、「完了検査」の審査をクリアする必要があります。
中間検査の対象物件
新築する建築物すべてに中間検査が必要なわけではありません。中間検査が必要となる建築物は、それぞれの特定行政庁が自由に決定できるとされています。
特定行政庁はその地域の建築物や工事に関する動向を把握して、中間検査が必要な構造や用途、規模などを指定しています。そのため、中間検査の対象の有無については、必ず各自治体に問い合わせる必要があります。中間検査の対象となる建築例として、以下のような項目があります。
【中間検査の対象例】
- 木造3階建て以上の戸建て住宅
- 住宅用途の床面積50㎡以上の建築物
- 特殊建築物(共同住宅を除く)の床面積が500㎡以上、かつ3階建て以上 など
中間検査を受ける時期
中間検査を受ける時期は、特定工程と呼ばれる工事が済んだあとです。特定工程も特定行政庁によって定められているため、対象の建築物とともに確認が必要です。
【特定工程の一例】
- 基礎に鉄筋を配置する工事の工程
- 木造建築の柱・はり・筋かいの建て方工事
- 鉄骨造の場合、1階の鉄骨建て方工事
また、建築主は特定工程の完了後から「4日以内」に中間検査を申し出ることが義務づけられています。さらに、中間検査の申し出を受けた建築主事は、受理した日から「4日以内」に中間検査をおこなう必要があります。特定工程の工事完了から中間検査まではトータル「8日以内」に収め、速やかに完結できるように考慮されています。
中間検査の検査項目
中間検査の検査項目の一例を紹介します。
【中間検査の検査項目例】
- 各部の形状、寸法、数量
- 各部の施工方法や材料
- 各部の施工精度および納まりについての検査
- 明視できない部分について報告書、試験成績書、記録写真などによる確認
検査は目視と計測、報告書をもとに進められます。
中間検査における課題とは
建設現場では労働人口の減少が課題となっており、長時間労働につながっています。また、中間検査のための労力や手間などが発生するため業務の負担となっています。
労働人口の減少
少子高齢化に伴い、労働人口の減少が問題視されています。建設業界はとくに長時間労働の常態化などが影響し若者の就業者が少なく、労働者の高齢化といった課題も抱えています。
さらに、長時間労働の是正といった解決しなければならない2024年問題も追い打ちをかけています。このような状況で、現場を効率よく回して一人ひとりの生産性を上げなければならない状況に直面しています。
検査にかかるコスト
中間検査は検査者の目視や計測だけでなく、成績書や写真などの報告書をもとにしてチェックされます。普段から各作業の段階で報告書作成や写真記録をとっておかなければならず、その分の手間やコストは積み重なると膨大です。
また、検査は作業員や責任者など複数人が現場に立ち会うため、現場までの往復の移動費や時間も要してしまう問題があります。検査のための準備作業や、当日の検査の立ち会いをいかにして業務効率化できるかが課題です。
中間検査は遠隔臨場で効率化が可能
遠隔臨場とは、ウェアラブルカメラなどで撮影した映像や音声を活用して、遠隔からWeb会議システムなどを使って臨場することです。国土交通省では「段階確認」、「材料確認」、「立会」を遠隔でおこなうこと、と定義されています。現場監督などが現場にいなくても離れた場所から臨場できるため、建設現場の飛躍的な効率化が可能です。
遠隔臨場の仕組みを使って中間検査をおこなうと、以下のように中間検査が進められます。
- 現場にいる作業員がウェアラブルカメラを装着して中間検査の状況を撮影
- 現場監督者などは事務所や本部などの遠隔地から中間検査に参加
【中間検査を遠隔臨場でおこなうメリット】
- 現場監督者が現場に行って検査に立ち会う必要がなくなるため、移動にかかる時間やコストを削減できます。
- 現場監督者や本部の従業員などは中間検査にかかる時間をカットできる分、そのほかにも多くの案件の遠隔臨場に立ち会えるようになります。立会作業や検査を少ない人員でも対応できるようになるため、人手不足の問題にも対応できます。
- カメラで撮影した映像データは資料として蓄積していけるため、関係者へ報告する資料や人材教育のためのマニュアルなどにも活用できます。
遠隔臨場を可能とするウェアラブルカメラを導入すれば、中間検査だけでなく建設現場が抱える多くの課題を解消できます。
中間検査の遠隔臨場は『Safie Pocket シリーズ』がおすすめ
Safie Pocket シリーズ(セーフィー ポケット シリーズ)は、セーフィーが提供するウェアラブルカメラです。Safie Pocket シリーズで撮影した映像はセーフィークラウドに保存され、リアルタイムで遠隔から映像を視聴できます。バッテリーと通信機能が備わっているため、インターネット環境がない現場でも1台持っていくだけですぐに使えます。
Safie Pocket シリーズの「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)」は遠隔での業務に向けて開発された、コンパクトなウェアラブルクラウドカメラです。リアルタイムの現場確認ができるだけでなく、ムービークリップ機能で重要なシーンを切り取って、関係者に簡単に共有できます。充電バッテリー内蔵で最大8時間の稼働ができるため、長時間の臨場にも安心です。
モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
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Safie Pocket2 | シンプルな機能構成のエントリーモデル | IP67 | |
Safie Pocket2 Plus | 遠隔業務に必要な機能をフルパッケージ | IP67 |
※レンタル料金はお問い合わせください
対象物を照らすLEDライトも搭載し、防水・防塵で、カバーを下げるだけで撮影開始できるなど、さまざまな遠隔臨場の現場で使いやすい工夫が満載です。国交省策定の“遠隔臨場”に適合したウェアラブルカメラ「Safie Pocket2 Plus」について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
まとめ
中間検査のように、建設現場ではさまざまな重要な工程があります。建設業界は労働人口の減少などの課題を抱えており、作業の効率化や生産性の向上が急務となっています。
セーフィーではカメラや映像データを活用し、さまざまな企業様の課題解決を実現する製品やソリューションを提供しています。セーフィーのウェアラブルカメラを導入して遠隔臨場をおこなう企業様の事例も多数あります。
中間検査をスムーズにおこなって現場の効率化を図りたい方はもちろん、ウェアラブルカメラの活用方法などでお困りの方はぜひセーフィーにお問い合わせください。
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