物流現場では、バース予約管理システムの普及により荷待ち時間の改善が進みつつあります。しかし、「受付対応の手間がかかる」「入退場管理が煩雑」といった、新たな課題を感じている方もいるのではないでしょうか。
さらなる効率化を図る手段として注目されているのが「ナンバープレート認識」の活用です。
本記事では、バース予約管理システムの仕組みや導入メリットを整理し、ナンバープレート認識との組み合わせにより実現できる、受付・入退場管理の自動化や待機時間削減のポイントを解説します。現場の課題を一歩先まで解決して、より効率的なバース予約管理システムの運用を目指しましょう。
💡この記事でわかること
・バース管理の課題と解決策:荷待ち時間の長期化を解消し、現場の生産性を高めるための具体策がわかります。
・物流効率化法への対応:2026年春までに全面施行される改正法や「荷待ち2時間ルール」のポイントを整理できます。
・バース予約管理システムのメリット:運送会社・トラックドライバーと荷主、双方のメリットが分かります。
・「ナンバープレート認識」による高度化:AIカメラと連携し、入退場管理の自動化やデータ化を実現する方法がわかります。
目次
物流におけるバースが抱える課題
物流におけるバース管理の課題は、トラックの到着集中による荷待ち時間の長期化です。ドライバーの長時間労働や、倉庫内の作業停滞を引き起こし、物流センター全体の効率低下につながります。
荷待ち時間の長期化の解決策は以下のとおりです。
- 倉庫オペレーションの見直し
- 入退場と作業の連携強化
- 予約管理システムの導入
物流全体の流れを整える仕組みとして、バース管理の効率化が求められています。2026年春までに全面施行される「改正物流効率化法」により、荷主企業や物流事業者に対し、ドライバーの荷待ち・荷役時間の削減に向けた取り組みが段階的に義務化されます(※1)。
荷待ち・荷役時間の合計は、現状の全国平均約3時間から2時間以内に抑えることが目標とされており、荷主・物流事業者の双方に改善の取り組みが必要です。また、荷主側には1回の受け渡しを原則1時間以内とし、やむを得ない場合を除き、2時間を超えないよう配慮することが示されています。
物流効率化法や荷待ち2時間ルール対応のポイントを知りたい方は、内容をわかりやすくまとめた以下の資料をご確認ください。
バース予約管理システムとは
バース予約管理システムは、荷待ち時間の削減とバース運用を効率化するシステムです。
トラックの到着が集中すると待機が発生しやすくなりますが、事前に入場時間を調整できれば、混雑を避けられます。
荷待ち時間を正確に記録できていない現場において、荷待ち時間の実態把握や到着車両の平準化に役立つ手段のひとつです。物流効率化法で求められる荷待ち時間・荷役等時間の短縮や、現場改善の取り組みを進めるうえで役立つでしょう。
荷待ち時間の記録が進まない理由については、以下の記事で解説しているため、ぜひ参考にしてください。
ここからは、バース予約管理システムの仕組みと利用法を解説します。
バース予約管理システムの仕組み

バース予約管理システムは、事前予約と情報共有によってバース運用を効率化する仕組みです。
ドライバーや運送会社が到着時間を事前に予約し、倉庫側が空き状況を見ながらバースを割り当てます。当日は、システムが受付や誘導を行うため、現場対応がスムーズになります。
作業の流れはタイムスタンプとして記録され、課題の可視化や改善にも活用可能です。これらの仕組みにより、荷待ち時間の短縮と計画的なバース運用を実現できます。
バース予約管理システムの利用法
バース予約管理システムは、予約から受付、作業後の分析までを一貫して管理します。予約から利用までの流れの一例は、以下のとおりです。
- センター側がバースの予約枠を設定する
- 運送会社やドライバーが事前予約を行う
- 予約番号やQRコードが発行される
- センター側が予約一覧をもとに人員体制を調整する
- ドライバーが到着後、予約番号やQRコードで受付を行う
- 順番に応じてバースが割り当てられる
- システムからドライバーへ案内が通知される
- ドライバーが案内に従ってバースへ移動する
作業後は、荷待ち時間や混雑する時間帯などのデータが蓄積されます。データを分析すれば、バース管理の改善につながります。
バース予約管理システムを利用するメリット
バース予約管理システムのメリットは以下のとおりです。
- ドライバー:待機時間を短縮する
- 荷主:バースの作業を効率化する
バース予約管理システムの利用によって、ドライバーと荷主双方の負担を減らし、物流全体の効率向上につながります。
ドライバーの待機時間を短縮する
バース予約管理システムは、ドライバーの待機時間を大幅に短縮し、働きやすさを改善します。
トラックの到着順の運用では、突発的な混雑時に待ち時間の予測が難しくなる傾向がありました。早い時間から並ぶ必要があり、結果として拘束時間が長くなる原因にもなっていました。
あらかじめシステムでバースを予約することで、作業の開始時間を把握しやすく、順番にあわせて行動できるため、長時間労働による負担やストレスの軽減を期待できます。
荷主:バースの作業を効率化する
バース予約管理システムは、荷主側の作業を効率化し、現場全体の生産性を高めます。
トラックの到着時間を事前に把握できるため、荷物の準備や人員配置を計画的に行えるようになるためです。入出荷作業の無駄が減り、バースの回転率も向上します。
トラックが到着しているのに荷物の準備ができていなかったり、バースが空いておらず積み下ろしが始められなかったりすると、作業はその場で止まってしまいます。バース予約管理システムを導入すれば、予約状況や進捗はモニター上で可視化されるため、現場全体の動きを把握しやすくなり、円滑に作業を進められるでしょう。
バース予約管理システムの選び方
バース予約管理システムを選定する際は、自社の運用にあった機能を搭載したシステムを選ぶことが重要です。搭載されている機能や使い勝手には違いがあり、現場の課題にあわないものを選んでしまうと、十分な効果が得られない可能性もあります。
バース予約管理システムの選び方は以下のとおりです。
- ドライバー呼び出しができるか
- ドライバーのGPS情報を取得できるか
ドライバー呼び出しができるか
バース予約管理システムにドライバーの呼び出し機能が搭載されていると、現場の手間を減らし、入庫作業をスムーズにします。
システム上からLINEやSMSなどで呼び出し通知を送れる仕組みがあれば、順番が来たタイミングで自動的に通知でき、呼び出しの抜け漏れを防げるからです。従来は、担当者が電話をかけたり、駐車場を回ってドライバーを探したりする必要がありました。広い敷地では手間がかかり、呼び出しの遅れが作業全体の遅延につながることもあります。
ドライバーを呼び出せる機能があれば、ドライバーは待機しながら通知を受け取れるため、安心して休憩できます。現場スタッフは本来の作業に集中でき、全体の作業効率も向上するでしょう。
ドライバーのGPS情報を取得できるか
ドライバーのGPS情報を取得できる機能は、到着状況を正確に把握し、柔軟にバースを運用するために便利な機能です。
トラックの現在位置を把握できれば、到着時刻の見込みを事前に把握できます。トラックの到着にあわせて人員配置や作業準備を調整できるため、無駄のない運用が可能になります。渋滞で到着が遅れる場合にはアラートで把握できるため、他の車両を優先するなどの柔軟な対応も可能です。
リアルタイムの位置情報を活用すれば、現場の状況に応じた最適な判断ができ、バースの回転率向上と作業効率の改善につながるでしょう。
バース管理の課題を解決する「ナンバープレート認識」とは
ナンバープレート認識は、AIカメラが車両のナンバーを自動で読み取り、入場・退場の時刻を正確に記録する仕組みです。車両の入退場を自動で記録できるため、バース管理の精度と効率を高められます。
ここでは、Safieの「AI-App(アイアップ)ナンバープレート認識」について、詳しく解説します。
- AI-Appナンバープレート認識の特徴
- 予約管理システムと併用するメリット
- 利用シーン
- 導入の流れ
AI-Appナンバープレート認識の特徴
「AI-Appナンバープレート認識」は、設置の手軽さと高精度な認識性能を両立している点が特徴です。導入コストを抑えつつ、現場の入退場管理を実用的なレベルで自動化できます。
「AI-Appナンバープレート認識」の特徴を以下の表にまとめました。
| 項目 | 特徴 |
| 導入のしやすさ | 録画機不要。電源とネット環境のみで簡単に設置・利用開始が可能 |
| コスト | クラウド型のため、初期費用を抑えて利用可能 |
| 認識精度 | 走行中や暗所の車両でも高精度にナンバーを認識 |
| 管理機能 | 入退場データをリアルタイム確認・CSV出力が可能 |
| 拡張性 | 予約システムや基幹システムとAPI連携が可能 |
簡単に導入できる仕組みでありながら、精度・コスト・拡張性のバランスが取れている点が、「AI-Appナンバープレート認識」の特徴です。
予約管理システムと併用するメリット
「AI-Appナンバープレート認識」と予約管理システムを併用すれば、入退場の管理からバース運用までを一貫して自動化できます。
AIカメラが読み取った車両ナンバーと入退場時刻が予約情報と連携されると、受付や記録、バース割り当てまでの一連の流れを自動で処理できるようになるためです。また、入退場の記録が正確なデータとして蓄積されるため、荷待ち時間を可視化できます。物流効率化法への対応に必要な時間管理や報告にも活用できる点は、AIカメラならではの強みです。
AIによる自動認識と予約情報を組み合わせると、現場の手作業を減らしながら、より精度の高いバース管理を実現できます。
利用シーン
「AI-Appナンバープレート認識」の利用シーンは以下のとおりです。
| 利用シーン | 処理内容 | 効果 |
| 入場 | ナンバーを自動認識し入場時刻を記録 | 受付の手間を削減 |
| 待機 | 到着から呼び出しまでの時間を自動計測 | 荷待ち時間を可視化 |
| 作業 | タイミングに応じて作業開始を案内 | 荷受け作業を効率化 |
| 退場 | ナンバーをもとに退場時刻を記録 | 正確な時間管理 |
入場から退場までの流れを一貫して可視化・自動化することで、2時間ルールへの対応や現場の効率化につながります。
導入の流れ
「AI-Appナンバープレート認識」を導入する流れは以下のとおりです。
| フェーズ | 内容 |
| 商談・ヒアリング | 設置目的、台数、車両ルート、通信環境を整理 |
| 現地調査 | 設置位置や認識ポイント、工事方法を確認 |
| 見積もり・発注 | 構成・工事内容の提示、納期調整 |
| 設置工事 | カメラ・通信・電源の設置 |
| 設定・調整 | 画角調整、認識テスト(日中・夜間) |
| アプリ設定 | 初期設定、運用説明、システム連携 |
| 運用開始 | 本番利用開始 |
現地調査と設置調整を経て段階的に進めるため、現場に適した形でスムーズに導入できます。
「AI-Appナンバープレート認識」の詳細を知りたい方は、実際の画面や図解でわかりやすく解説した、以下の資料をご確認ください。
澁澤倉庫株式会社の事例
都内で総合物流サービスを営む澁澤倉庫株式会社では、協力会社の倉庫や離れた作業場の遠隔確認、およびバース管理における事務所と現場間の情報共有のため、Safieを導入しました。
Safieの遠隔管理により、離れた場所の様子を管理者がモニタリングでき、進捗に合わせて人員配置や貨物の運び込みなどを指示できるようになり、管理者の移動時間削減にも役立っています。
バース管理では、各バースに固定しているカメラの映像を事務所スタッフが常にモニタリングできるようにして、バースの空き状況や積み下ろしの進捗を把握。適切なオペレーションができ、バースの稼働率も上がりました。
結果として、トラックの待機時間も削減されました。
AIカメラ×ナンバープレート認識に関するFAQ
AIカメラによるナンバープレート認識について、よくある質問をまとめました。
- 導入するには大がかりな工事が必要ですか?
- 車両が走行中でもナンバーを読み取れますか?
- 1台のカメラで入場と退場の両方を管理できますか?
Q.導入するには大がかりな工事が必要ですか?
大がかりな工事は不要です。カメラ・電源・ネット環境があれば設置でき、専用の録画機や管理サーバーなども不要なため、比較的スムーズに導入できます。
Q.車両が走行中でもナンバーを読み取れますか?
読み取り可能です。時速60kmまで(※メーカー規定による)の走行に対応しており、ゲートへの進入時や敷地内の低速走行中であれば、止まることなく高精度にナンバーを認識できます。
Q.1台のカメラで入場と退場の両方を管理できますか?
1台のカメラで1レーンの管理がおすすめです。入場と退場の両方を管理する場合は、それぞれのレーンにカメラを設置すると、より正確に運用できます。
「AI-App ナンバープレート認識」に関するFAQはこちらのページにもまとめて記載しています。
バース予約管理システムとAIカメラを組み合わせて待機時間を改善しよう
バース管理においては、トラックの到着を事前に調整できる予約システムの導入が基本的な対策です。バース予約管理システムにナンバープレート認識を活用したAIカメラを組み合わせれば、入退場の記録や時間管理を自動化できます。
Safieでは、AIカメラの提供だけでなく、導入から運用までを一貫してサポートしています。
はじめての導入でも安心して取り組めるため、バース予約管理システムをより効果的に運用したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
- AIカメラで入退場記録管理!AI-App ナンバープレート認識
- サービス概要とメリット、システム構成・機器仕様、導入の流れと料金体系などをまとめた資料をダウンロードいただけます。
※1:“「物流効率化法」理解促進ポータルサイト”.国土交通省.(参照 2026-04-24)
※顧客や従業員、その他の生活者など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「防犯カメラとプライバシーの関係。事業者が注意すべき設置のポイント」
※カメラの設置に際しては、利用目的の通知を適切に行うとともに、映像の目的外利用を決して行わないことが求められます。適切なデータの取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「カメラ画像の取り扱いについて」
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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