建設DXとは?導入のメリットや推進事例を紹介

建設DXとは?導入のメリットや推進事例を紹介

建設現場で常態化している長時間労働や、深刻な人手不足。こうした課題を解決する手立てとして、建設DXが注目されています。建設DXとは何を指すのか、推進することで、現場にどんなメリットがあるのか、実際の事例とともにわかりやすく解説します。

建設DXとは

「DX」とは、「デジタルトランスフォーメーション」の略語で、日本では経済産業省が次のように定義づけています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」。

>>出典:「経済産業省 デジタルガバナンス・コード 2.0

デジタル技術を活用して生産性向上や業務効率化を図る取り組みは、建設業界にも見られます。

その一方で、建設現場はオフィスワークのように誰もがノートパソコンを持ち歩いたり、デスクトップパソコンを設置できたりするわけではありません。そうした制約がある中で、リモート環境で仕事をするなど、デジタル技術によってオフィスワーカーが当たり前にできていることを建設現場でもできるようにすることが、建設DXと言えるでしょう。

建設DXの現状

建設現場のDXがオフィスワーカーと比べると遅れているとされる要因として挙げられるのが、ハードウェアを活用するうえでの制約です。

前述したように、誰もがPCを持ち歩くことができなかったり、現場に無線LAN環境を敷設するのが大変なことからICTツールを活用できなかったりしています。

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建設DXが注目される背景

昨今、建設DXが注目されるようになった背景には、次のような社会課題があると考えられます。

常態化する長時間労働

長時間労働の常態化は、建設業界における大きな課題です。

2019年より順次施行されている働き方改革関連法では、時間外労働の上限規制が設けられており、違反した場合には罰則6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

しかし、建設業界にすぐさま働き方改革関連法を適用した場合、人手が足りず、納期に間に合わなくなるおそれがあります。そこで、影響の大きい建設業界に限っては、働き方改革関連法の適用が2024年まで猶予されることとなりました。

まもなくやってくる2024年の働き方改革関連法の適用に備え、建設DXで生産性を向上することは必須です。

IT技術を活用した建設現場の生産性向上としては、ICTの全面的な活用や規格の標準化、施工時期の標準化などを重点施策とする「i-Construction」を掲げるなど、官民が協力して建設業界のデジタル化を推進する動きが見られます。

深刻化する人材不足

「3K(キツい、汚い、危険)」と言われる建設工事の現場は、長く人材不足が叫ばれてきました。少子高齢化の影響もあり、近年ますます人材不足が深刻化しています。

また、現場監督ができる人材も足りていません。日本の建築水準は、世界的に見てもトップクラスです。日本ほど厳しい水準の中で現場監督をこなすには、非常に高いスキルを要求されます。専門的な教育を受けた人材でなければ対応できない専門職であるため、なり手が少ないことが、現場の生産性向上が進まない要因の一つとなっています。

少子高齢化で次世代の担い手が減少

他のさまざまな業界にも言えることですが、建設業界でも現場で即戦力となるようなミドル層の人材が不足しています。さらに経験豊富なベテラン層は高齢化しており、ノウハウの継承が課題となっています。

建設DXは他業界におけるDXの指標

日本では今後、さまざまな建物やインフラの老朽化が進んでいきます。インフラを維持するうえで、建設業界がどう生産性向上に取り組み、乗り越えていくか。建設業界の取り組みがほかの業界のDX推進の指標になりうるため、建設DXが注目されているといえます。

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建設DXを導入するメリット

さまざまな課題がある建設業界。建設DXを導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

技能伝承が可能に

1つの建設現場で、工期は1年〜数年ほどかかることもあります。そのため、現場監督として経験できる件数は、多い人で20棟ほど。そこまでの場数をこなす人は希少なため、後輩に経験値をいかに伝えるかは重要な論点です。

また、建設工事には、工期のうち1度しか経験できないにもかかわらず、工事全体にかかわる重要な工程であるプロセスが多々あります。それを経験できるのは、その場に参加できた人のみであるため、これも伝承が難しいケースといえます。

建設DXの一環として、ベテラン社員の作業風景を動画に撮ってマニュアル化したり、現場の映像を遠隔地に送ってリアルタイムで指示を出したりするなど、映像で記録を残すことで、技術伝承が可能になります。映像アーカイブは会社の資産にもなるでしょう。

DXで安全管理を徹底

建設現場で万が一事故が起きた場合、すべての作業が止まってしまいます。

建設DXを推進することで、現場作業のヒヤリハットを削減したり、危険な作業をカメラで撮影して見守ったり、災害が発生した際には遠隔地からもカメラの映像で現場の様子をリアルタイムに確認したりできます。

生産性向上や業務効率化につながる

ウェアラブルカメラなどを活用した遠隔臨場は、発注者が建設現場に足を運ぶことなく映像で現場の様子を確認することができるため、移動時間の削減につながります。また、国土交通省の担当者が現場の確認に訪れる場合、現場では時間調整に伴う待機時間が発生していました。これを遠隔臨場に置き換えることで、現場の作業員の待機時間を削減できます。

移動時間や待機時間を削減することで、結果として業務効率化や生産性向上につながります。

長時間労働の削減や人員不足が解消する

遠隔臨場では、発注者は現場へ行かず映像を見て立会を行ったり、指示を出したりすることができます。現場への移動時間を別業務に充てられるようになり、人員不足を補うことができます。

また、遠隔臨場を実施した際の映像を残しておけば、デジタル報告書に動画を掲載するなどすれば、報告書を書く負担が軽減され、長時間労働の削減につながります。

建設DXに用いられる技術やソリューション

建設DXに用いられる技術やソリューションには、次のようなものが挙げられます。これらとカメラの映像を掛け合わせることで、コミュニケーションを円滑にしたり、作業の進捗状況を記録として残したりすることができます。

BIM・CIM

BIM(Building Information Modeling)は建築分野の技術で、コンピューター上に建物の3Dモデルを再現し、もの作りに活用します。CIM(Construction Information Modeling/Management)は、建築分野におけるBIMの土木工事版です。

セーフィーのカメラを活用することで、BIMやCIMで再現した完成予想図に対する現在の進捗はどうなっているか、映像で確認できます。

IoT・センサー

i-Constructionでは、モノのインターネットと言われるIoTや、センサー技術も用いられています。道路工事の際、法面が崩れないようにセンサーを付けて管理などをしています。この場合、センサーは振動を検知して崖崩れが起きていないかどうかを判断しますが、そこにセーフィーのカメラの映像が加わることで、一層危険性の有無が確認しやすくなります。

クラウド・AI

クラウド技術AIの活用で、現場の業務効率化や安全管理ができます。

例えば、セーフィーのクラウドカメラは、現場での作業を撮影してクラウド上にアップロードします。インターネットに繋がっていればどこからでもクラウドへアクセスし映像を見ることができます。映像を通して遠隔地から現場の安全確認をしたり、録画を後から振り返って見ることが可能となります。

AIと画像を組み合わせることで、現場の異変を自動検知すれば、安全管理が効率的に行えます。

セーフィーカメラを使った建設DX推進事例

セーフィーのクラウドカメラ「Safie Pocket2(セーフィー ポケットツー)」や「Safie GO(セーフィー ゴー)」を活用して、実際に建設DXを推進している事例をご紹介します。

稼働状況や災害時の状況把握にカメラを活用「三井住友建設株式会社さま」

東京都中央区に本社を置くゼネコンの「三井住友建設株式会社さま」。同社では全国各地にある施工現場で、約80台のセーフィー対応カメラを導入しており、各支店から現場の様子を映像で確認できる体制を整えています。稼働状況や自然災害時における状況把握といった目的のためにカメラを活用しています。

遠隔臨場でSafie Pocket2を活用「株式会社大林組さま」

株式会社大林組さまでは全国の土木現場に80台以上のSafie Pocket2を導入し、遠隔臨場で活用しています。工事関係者の胸ポケットやヘルメットにSafie Pocket2を装着し、現場での移動の様子や作業内容を撮影。最大16人までのグループ通話機能を活用し、クラウド経由で複数の場所にいる発注者とリアルタイムに映像を共有して遠隔臨場を行っています。

鹿島建設株式会社さまの活用事例

以前から「建設DX」を掲げ、Safieカメラを活用した遠隔臨場などに取り組んでいる鹿島建設株式会社さま。同社が手がける建設現場には、1日あたり数千人の作業員が出入りする大規模なプロジェクトも少なくありません。現場での安全管理を効率化するためにSafieカメラを活用しているほか、災害時の状況確認や作業員のマナー改善など、さまざまな用途でカメラを用いています。

まとめ

セーフィーでは、カメラというハードウェアと映像プラットフォームで建設DXの推進を支援します。Safie Pocket2やSafie GOは防水・防塵仕様。過酷な環境の建設現場でも問題なく動作するため、遠隔臨場だけでなく、稼働状況や安全の確認などにも幅広く活用いただいています。

「建設DXに取り組みたいが、どんなツールを使えばいいかわからない」とお悩みの方は、ぜひセーフィーにお問合せください。

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