小売業が抱える3つの課題と解決策!課題解決につながった企業事例も紹介

小売業の3つの課題とは? 解決策や企業事例

小売業における実店舗では、「物が売れにくい」「人手不足」といった課題を抱える企業が増加しています。ネットショップの台頭もあり、従来のような店舗運営や販売戦略では利益を出し続けることが難しくなっています。

今回の記事では、小売業が抱える課題と業界別の現状について解説し、解決策や課題解決につながった事例もあわせて紹介します。

小売業が抱えている3つの課題とは

小売業が抱えている3つの課題と、それぞれの要因について解説します。

【課題1】物が売れない時代

近年は「物が売れない時代」という声が増えてきており、小売業界が抱える課題の一つとなっています。物が売れない理由はさまざまですが、大きな要因としてはデフレーションが関係しています。デフレーションとは、日用品やサービスの価格が継続的に下がり、物に対してお金の価値が上がっていく現象です。

デフレーションになると物が売れにくくなり、企業の売上が低下し従業員の給与は下がります。消費者はさらに消費を控えようとして物が売れなくなり、企業はさらに商品の価格を下げなければならないという悪循環に陥ります。

また、顧客ニーズや時代は常に変化しており、単に品質のよさだけでは物が売れない状況であることも原因のひとつです。近年の消費者は接客対応や付加価値などを求める傾向にあり、企業はニーズを察知して対応できなければ、良質な商品であっても売上につなげることが難しくなっています。

【課題2】人手不足の深刻化

人手不足の深刻化は、小売業界に限らず多くの業界が抱えている課題です。人手不足の原因である少子高齢化は日本の社会問題でもあり、今後もさらに人手不足が深刻化していくことが予想されています

とくに小売業界は24時間営業や年中無休で営業する店舗も珍しくありません。労働時間が長く休日が不定期であるうえに、賃金が低く設定されやすいといった実状もあります。そのため人材募集をしても雇用が進まず、人手不足に拍車をかけています。

【課題3】ネットショップの普及による購買行動の変化

ネットショップの普及により、消費者はインターネットを通して買い物する傾向が高まっています。そのため、実店舗がショールーム化していることも小売業の課題です。

これまでの実店舗は、顧客が店を訪れて買い物をすることが一般的でした。しかし近年は、実店舗で商品の使い勝手や仕様を確認してから、インターネットで最安値のネットショップを探して購入するという行動変化が起きています

これでは店舗への集客ができていても、競合他社に価格競争で負けて顧客を奪われてしまうという可能性が高まります。集客のために広告を打ち出し宣伝イベントをおこなっても、売上につながらなくなっているのです。

【業界別】小売業の現状は?

ひと口に小売業といっても、スーパーや百貨店などの業界によって課題は異なります。ここからは業界別に小売業の現状を紹介します。販売額のデータは、毎年公開されている経済産業省「2023年小売業販売を振り返る」をもとにしています。

スーパー

新鮮な食材や日用品を便利に買い物できるスーパーは、私たちの生活には欠かせない存在です。スーパー全体での2023年の販売額は15兆6,492億円、前年比では3.3%上昇しており、店舗数や店舗ごとの販売額が増加しています

スーパーの売上の中心は飲食料品であるため、ターゲット層は家で料理をして食べることを当たり前とする世代です。しかし、若者世代は外食・テイクアウト・フードサービスの利用というように食事スタイルが多様化しているため、家で料理をするという思考がうすれている傾向があります。そのため、若者世代をどのようにして顧客化するかが将来的な課題になると考えられるでしょう。

また、スーパーは競合店が多く価格競争が激しい業界であり、これまでは商品そのものの品質がそれほど着目されることはありませんでした。しかし次世代の顧客獲得のためには、価格だけではなく商品の品質やスーパーの魅力などを高めていくことも必要になります。

※出典:“2023年小売業販売を振り返る|経済分析室”. 経済産業省. 2024-04-11(参照 2024-08-23)

百貨店

百貨店の2023年の販売額は5兆9,557億円、前年比では8.1%と大きな上昇をみせています。しかし百貨店の店舗数は徐々に減少しているため、1店舗あたりの販売額が増加した結果も関係していることが考えられます。

百貨店はブランドイメージが根強くあるため、近い将来に顧客が消失することはあまり考えられていません。しかし、ネットショップにも打ち勝つブランド力・ネームバリュー・マーケティング力などが求められるため、大企業と中小企業との違いに差が生まれる可能性があります。

加えて、今後は外国人観光客をどのようにして顧客に取り込むか、日本ブランドのグローバル対応を高められるかが課題となるでしょう。

※出典:“2023年小売業販売を振り返る|経済分析室”. 経済産業省. 2024-04-11(参照 2024-08-23)

家電量販店

家電量販店の2023年の販売額は4兆6,324億円、前年比は1.1%マイナスと、わずかに減少しています。製品別の内訳では、ビジュアルやオーディオなどのAV家電が大きく減少し、反対に通信家電が上昇しています。スマートフォンやパソコンの普及によって、売れる製品が変化しています。人口減少や生活スタイルの変化などにより、これまでの販売方法では将来的な成長が期待できないのも課題といえます。

大手企業では新しい販売戦略を立てて、電化製品以外にも家具やホビー用品などを販売して多くの顧客層を取り入れ、海外にも販路を広げるなどしています。そのため、大手の家電量販店が市場の優位に立っており、中小企業の存続が難しいといった傾向があります。中小企業ほど積極的にネットショップなどでの販売戦略などを打ち出す必要があるでしょう。

※出典:“2023年小売業販売を振り返る|経済分析室”. 経済産業省. 2024-04-11(参照 2024-08-23)

ドラッグストア

ドラッグストアでの2023年の販売額は8兆3,438億円、前年比8.2%と、百貨店と同じく大きく増加しています

ドラッグストアでは取り扱う製品が多様化しており、食品や家庭用品などの売上が大きな割合を占めています。とくに外国人観光客の大量消費、いわゆる「爆買い」による影響も大きくドラッグストアを成長させています。とはいえドラッグストアで取り扱う商品は利益率が低い点や、競合他社との価格競争も激化していることを考慮して、今後は売上だけでなく利益率を高めていく戦略が必要となっています。

※出典:“2023年小売業販売を振り返る|経済分析室”. 経済産業省. 2024-04-11(参照 2024-08-23)

ホームセンター

ホームセンターの2023年の販売額は3兆3,411億円で、前年比は0.0%と横ばいですが、店舗数は0.9%と微増しています

ホームセンターの店舗が増える一方で、近年では戸建て住居は減少傾向にあり、家庭に必要な商品のニーズは少なくなっている状況です。そのため、ホームセンターでも飲食品などをはじめ多様な商品を取り扱うなどの打開策が講じられていますが、他業界との競争や市場の飽和などが課題となっています。ホームセンターは郊外を中心に展開されているため、郊外での集客方法や販売方法などを戦略的に考えていかなければなりません。

※出典:“2023年小売業販売を振り返る|経済分析室”. 経済産業省. 2024-04-11(参照 2024-08-23)

小売業における課題の解決策

小売業界では、そもそも物が売れないことや、人手不足やネットショップの普及といった課題だけではなく、業界別での特質的な課題も抱えている状況です。「このままでは企業成長どころか実店舗の存続も難しいのではないか」と不安に感じる声も増えていくかもしれません。

とはいえ、実店舗はスタッフとの対面でのコミュニケーションや商品を使用したリアルな体験など、ネットショップにはない魅力や価値があります。実店舗の魅力を最大限に引き出すために、顧客のニーズや要望を把握して最適なアプローチをすることが重要です。

ここではさまざまな課題をどのように解決するか、具体的な方法を3つ紹介します。

デジタル技術を利用し業務効率化を図る

デジタル技術を活用して業務効率化を図ることが挙げられます。小売業では人手不足を解消し売上を伸ばしていくために、作業の自動化を進めて、少ない人員でも店舗運営をおこなうことが求められます。また、サービスや業務の品質を向上させて競合他社との優位性を図るためにも、デジタル技術が必要です。

たとえば、レジ情報と連動できる在庫・発注管理システムや、従業員のシフトや勤怠を一元で管理できるシステムなどは、業務効率化できるデジタル技術の一例です。加えて、クラウドカメラも多くの業界で導入されています

クラウドカメラは、ネットワークを介して遠隔からリアルタイムに視聴できるカメラです。セーフィーでは、クラウドカメラと映像をどこからでも視聴できるプラットフォームサービスを提供しているため、複数の店舗を管理する場合でもひとつのデバイスからスムーズに全店舗の様子を把握できます。わざわざ店舗まで移動しなければならない手間を省けるため、大きな業務効率化につながります。

▼小売業界にクラウドカメラを導入するメリットと、実際にできる分析内容については、こちらの記事で紹介しています。

オペレーションの見直しをおこなう

課題を解決するためにはオペレーションの見直しも必要です。接客対応・レジ業務・商品の補充など、実店舗での業務を見直しして無駄な作業を減らしたり、ルール化してマニュアルを作成したりして生産性の向上を目指しましょう

たとえば、セーフィーのクラウドカメラを導入すると過去の映像を振り返れるため、接客やオペレーションの見直しにも役立ちます。顧客満足度につながるサービス提供ができているか、販売機会を逃していないかなどの様子を俯瞰でき、見直すべき点に気づきやすくなります。

また、セーフィーではクラウドカメラの種類のひとつ「Safie One(セーフィーワン)」に追加できるAI解析のアプリケーション「AI-APP(アイアップ)人数カウント」も展開しています。AI-APP 人数カウントには、人を検知して顧客の滞留を知らせる機能があるほか、立ち入り人数や通過人数をカウントを自動でおこなう機能もあります。レジ前の待ち列を迅速に把握してスムーズに対応したり、顧客の行動を把握して商品陳列やプロモーション施策のヒントにしたりと、店舗運営のさまざまなシーンで役立つでしょう。

▼AI-APP 人数カウントの機能についてはこちらをご覧ください。

顧客のニーズにあう販売方法を導入する

顧客のニーズは多様化しているため、常に変化へと対応していく必要があります。企業がターゲットにしている顧客層のニーズを考慮した販売方法を導入することが解決策です。

たとえば、アプリでも購入できたり、店舗や自宅への配送を選択できたりするなど、実店舗とネットショップを連携させることで顧客のニーズに応えやすくなります。また、顧客ニーズに沿って、キャッシュレス決済やセルフレジなどを利用できるようにする必要もあるでしょう。

小売業者は時代の変化と顧客ニーズに迅速に対応して販売方法を適応させなければ、顧客満足度を高めることは難しくなるといえるでしょう。

小売業における課題解決につながった事例

小売業が抱えやすい課題と具体的な解決策を踏まえて、ここではセーフィーのクラウドカメラやアプリケーション「AI-APP 人数カウント」を導入して課題解決につなげた事例を紹介します。

1.入店者数カウントツールとしてAIカメラを導入

ノートなどの文具やデジタルツールを製造販売する「モレスキン」では、日本初の直営店にセーフィーのクラウドカメラを導入し、入店者数カウントや顧客分析をおこなっています。

クラウドカメラのSafie Oneと、同機に対応するアプリケーションのAI-APP 人数カウントを使い、入店者数と店前交通量のカウントや、店内のメインエリアに一定時間滞在した人数をカウントしています。これらのデータをもとに、売場のレイアウトを再編して商品体験スペースを移動させたところ、体験スペース利用者が1.5倍に増加しました。また、店前交通量のデータを、イベント開催などの参考にして集客効果を高めています。

▼モレスキンジャパン株式会社様の事例詳細はこちら

2.レジオペレーションの確立に成功

スーパーマーケットを展開する「株式会社サンプラザ」では、セーフィーのクラウドカメラを導入して、レジオペレーションの改善による接客レベル向上と、レジ前混雑の緩和に取り組んでいます。

同社もSafie OneとAI-APP 人数カウントにより、クラウドカメラがレジ周りの混雑を検知するとスタッフのパソコン・スマートフォンに自動で通知される機能を駆使し、混雑を素早く察知しています。通知があれば映像を確認し、レジの開放が遅れていたら応援要請できるように現場へ指示を出しています。

通知により混雑を見逃さずにすむだけでなく、レジオペーションが改善されることで顧客の待ち時間の短縮やスタッフの業務効率向上などにもつながっています

▼株式会社サンプラザ様の事例詳細はこちら

小売業の課題解決には「Safie One」がおすすめ

小売業は、デフレーションや人手不足、ネットショップの普及などによるさまざまな課題を抱えています。変化の激しい社会動向や顧客ニーズに適応できるように、小売業でのビジネス戦略も変化させる必要があります。

課題解決策として「デジタル技術を導入して効率化を図る」「オペレーションを見直す」「顧客のニーズを察知する」などがあり、これらに共通して役立つのがクラウドカメラの導入です。

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セーフィーのクラウドカメラ「Safie One(セーフィーワン)」があれば、リアルタイム視聴や過去の映像の確認を通して、店舗の効率化やオペレーション改善が可能です。

Safie One

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Safie One

エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ

¥41,800 (税込)

外形φ76.5×92.5mm
重さ360g
防水性能なし
ネットワーク接続有線LAN、Wi-Fi
PoE給電対応
画角水平114° 垂直60°
ズームデジタルズーム 最大8倍
マイク(音声入力)あり
スピーカー(音声出力)あり
暗所撮影対応

また、Safie Oneに対応するアプリケーション「AI-App 人数カウント」を活用すれば、自動で集計されるデータをもとに顧客分析や販売戦略にも役立てられます。

「さまざまな課題を抱えている」「クラウドカメラで課題解決を図りたい」といったお悩みをもつ小売業の方々は、ぜひセーフィーまでご相談ください。

AIカメラSafie One

かしこくなるAIカメラ「Safie One」
エッジAIを搭載し、計測・検知を行うことで映像解析をより便利にします。

※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。