小売業のデジタル化成功事例を紹介!課題やDXに取り組むメリットとは?

小売業のデジタル化 メリットや成功事例

消費者ニーズの多様化や慢性的な人材不足などを背景として、小売業においてもデジタル化の必要性が高まっています。今回は、小売業がデジタル化に取り組むメリットや各領域における戦略、成功事例などをご紹介します。

小売業におけるデジタル化・DXとは

小売業におけるデジタル化とは、ECサイト・ソーシャルメディアなどのデジタルチャネルの活用や、デジタル技術を駆使した顧客の消費行動の分析などのことです。そのほか、紙ベースで作成していた請求書をデジタル帳票に変え、ペーパーレス化することなどもデジタル化にあたります。

そもそも業務のデジタル化とは、アナログな手法で行っていた業務をデジタル技術で置き換えることです。デジタル化と混同されやすい言葉に「DX(デジタルトランスフォーメーション)」がありますが、DXとはデータとデジタル技術でビジネスに変革を起こすことであり、デジタル化とは目的が異なります

DXを目標に掲げる企業にとって、デジタル化は手段に該当するといえるでしょう。そのほか、デジタル技術を導入した企業がその有用性に気づき、DXへとシフトするケースもみられます。

小売業でデジタル化が必要とされる背景

小売業においてデジタル化が必要とされる背景には、消費者ニーズの多様化や慢性的な人材不足などが挙げられます。それぞれの内容について確認しましょう。

消費者ニーズの多様化

消費者ニーズの多様化を踏まえ、デジタル技術を用いて消費者が何を求めているか細かな分析が必要です。

かつての小売業では、店頭に商品を並べておけば、ある程度の売上を作れるケースが多くみられました。しかし、インターネットの普及により、消費行動に大きな変化がもたらされたのです。

いつでもどこでも欲しい情報やモノを手に入れられるようになり、わざわざ店舗に足を運ぶ必要性が低くなっています。体験などの「コト」が重視されるようになっている点も、変化として挙げられるでしょう。これにより、「モノ」全般が売れにくくなっていると考えられます。

多様化する消費者の価値観やニーズを把握するためには、デジタル化を取り入れて詳細を分析することが効果的です。

慢性的な人材不足

小売業もほかの業界と同様に、少子高齢化の影響によって人手不足が慢性化しているのが実態です。従来は人手を集めることでなんとかこなしてきた業務がままならなくなり、サービスの品質を維持することが難しくなってきている状況が少なくありません

これまでのように人数勝負で業務を行うことが困難になってきている状況を受け、デジタル技術の導入が求められています。

小売業がデジタル化に取り組むメリット

小売業がデジタル化に取り組むメリットとして挙げられるのは、主に以下の3点です。

  • 顧客満足度の向上
  • 省人化運営の実施
  • データを活用した経営判断の実現

各メリットを解説します。

顧客満足度の向上

デジタル化に取り組むことで、顧客満足度が向上するでしょう。デジタル化によってさまざまなデータを一元管理すれば、データ分析のためにデータを集めたり加工したりする手間が省けます

さらに、商品の仕入れや在庫管理などにデータ技術を活用することで、それらの業務にかかっていた時間を削減でき、顧客対応に専念できるようになるでしょう。それにより、顧客対応のクオリティ向上が期待できます。

そのほか、顧客の好みを反映した提案ができるレコメンドシステムや、顧客情報を一元管理する顧客管理システムなども、顧客満足度の向上に役立つツールです。これらの導入によって、より顧客の志向・ニーズに合った商品やサービスの提供が実現します。

省人化運営の実施

省人化運営にもつながることも、小売業がデジタル化に取り組むメリットです。商品の在庫・発注管理やレジ対応、値札変更などの業務をすべて手作業で行うと、かなりの労力を要します

しかし、デジタル化を進めることで、注力したい別の業務に人的リソースを振り分けられ、人手不足の解消を実現可能です。

データを活用した経営判断の実現

デジタル化への取り組みは、データを活用した経営判断のために欠かせません。経営判断に利用できるデータの収集や管理が容易になり、スピーディーな意思決定と市場への適用が可能になるでしょう

たとえば、たとえば、AI分析ツールによる市場分析・トレンド分析や、オンラインでの顧客獲得に役立つデジタルマーケティングなどによって、効果的な商品展開やプロモーション戦略の策定を実現します。

小売業がデジタル化・DXに取り組む際のポイント

小売業がデジタル化に取り組む際は、以下のポイントを押さえるとよいでしょう。

  • 経営戦略との紐付け
  • デジタル人材の確保・育成
  • 既存のシステムとの連携

各ポイントを解説します。

経営戦略との紐付け

デジタル化は、経営戦略と紐付けて実施する必要があります。やみくもに実施しても効果は得られないことに注意しましょう

まず、経営戦略上の現状の問題と課題を明確にしたうえで、デジタル化を通じて達成したいゴールの設定を行います。このプロセスが抜け落ちている場合、デジタル化を進めても効果は見込めず、システムを導入したとしても、利用されずに放置されてしまう可能性が高いです。

デジタル化は、手段の1つに過ぎません。デジタル化の推進自体が目的にならないよう、導入しようとしているデジタル技術が、経営戦略の実現に必要であるかどうかを冷静に検証しましょう

デジタル人材の確保・育成

デジタル化の推進のためには、デジタル領域に詳しい人材の確保・育成が不可欠です。小売業界は、社内にデジタルやITに通じた人材がいない可能性が高いです。

デジタル技術の導入のみであれば、外注化が可能でしょう。しかし、デジタル技術の運用によって一定の成果を出すには、社内への常駐が可能なデジタル人材を確保する必要があります。国内においてはIT人材自体が不足している実態があるため、新たな雇い入れだけでなく、社内で育成することも検討の余地があるでしょう

既存のシステムとの連携

デジタル化を成功させるには、既存のシステムとの連携への考慮が必要です。既存のシステムには、これまで蓄積してきた顧客データや販売情報が保存されています。

これらのデータが活用できないと、せっかく新たなデジタル技術やツールを導入したとしても、顧客データの収集から始めなければなりません。新しいデジタル技術やツールを導入する際は、既存のシステムとの連携が可能かどうかを確認しましょう

小売業の各領域におけるデジタル化戦略

小売業でデジタル化戦略が実施される領域は、主に以下の5つです。

  • ECサイト運用
  • OMO(オンラインとオフラインの統合)
  • マーケティング
  • CRM
  • 物流

それぞれの内容を解説します。

ECサイト運用

ECサイト運用は、小売業における代表的なデジタル化の取り組みです。大手企業の多くは、自社のECサイトを運用しています。自社のECサイトを構築するリソースを持たない中小企業であっても、楽天市場やAmazonなどのマーケットプレイス上で自社の商品を販売するケースは少なくありません。

消費者にとってのECサイトのメリットは、時間や場所にかかわらず商品を購入できる点です。ECサイトの運用によってビジネスモデルが大きく転換し、企業は顧客データを大量に蓄積できます。

OMO(オンラインとオフラインの統合)

OMOとは「Online Merges with Offline」の略称で、オンラインとオフラインのデータ統合・連携を行い、それらを活かしたマーケティング施策を意味する言葉です

本来、顧客体験はオンラインとオフラインで分かれてはいません。しかし、データ上での分断によって、顧客ニーズにフィットしない商品提案や接客サービスを行ってしまうリスクがあります

たとえば、ECサイトで明るい色の服を購入する傾向のある顧客に対しては、実店舗でも同じように明るい色の服を勧めることが可能です。また、ECサイトでカートに入れそのままにしている商品をすでに実店舗で購入済という人の場合、ECサイトのカート内の商品の購入を促す通知が続くといった状況を避けることも可能です。

マーケティング

デジタル化は、小売業のマーケティング施策にも活用されます。デジタル技術を用いたマーケティングは「デジタルマーケティング」とも呼ばれ、ECサイトやSNS、アプリケーションなどのチャネルを利用して得られるデータを基に展開する手法です

そもそもマーケティングとは、顧客の欲求を満たし、企業が商品やサービスを販売するために実施する活動の総称を指します。アプリやキャッシュレス決済サービスなどを通じて得た、店頭での購入履歴を活用したマーケティングが、デジタルマーケティングにあてはまるといえるでしょう。

CRM

CRMとは、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれ、顧客との関係を良好に保つことで収益の拡大に結びつけようという考え方のことです。CRMの概念を実現するためのデジタルツールもCRMと呼ばれます。

小売業に役立つCRMの機能としては、顧客情報の一元管理やアンケート実施、購買データの抽出・分析などが挙げられるでしょう。また、OMOの推進によって増加した顧客データについても、CRMツールの活用によって効率的に管理・運用することが可能です。

物流

小売業界を下支えする物流業界では、デジタル化によって、人材不足の状況でも効率的に商品を配送することが可能になっています。物流の拠点である大型倉庫では、ロボットが対象の商品を人に変わって棚からピックアップし、配送車まで運ぶという流れが一般的になりつつあります

SafieのAI搭載カメラは小売業のデジタル化におすすめ

小売業のデジタル化に取り組むなら、AI搭載カメラ「Safie One(セーフィーワン)」の導入がおすすめです。「Safie One」はAIを搭載した屋内用カメラで、テレビと同等のくっきり・なめらかな映像によって細かな部分まで正確に映し出せるのが特長です

人のみを検知する「人検知」機能が標準搭載されており、 防犯用途だけでなく顧客分析によるマーケティング活動や接客技術の向上にも活用できます。

Safie One

Safie
Safie One

エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ

¥41,800 (税込)

外形φ76.5×92.5mm
重さ360g
防水性能なし
ネットワーク接続有線LAN、無線LAN
PoE給電対応
画角水平114° 垂直60°
ズームデジタルズーム 最大8倍
マイク(音声入力)あり
スピーカー(音声出力)あり
暗所撮影対応

さらに、オプションで「AI-App(アイアップ)人数カウント」というアプリケーションを追加することで、「立ち入り検知」「通過人数カウント」「立ち入りカウント」の、店舗運営に役立つ3つの機能が使えます。

▼「AI-App(アイアップ)人数カウント」については、こちらをご確認ください。

AIカメラを活用した小売業のデジタル化事例3選

ここからは、AIカメラを活用した小売業のデジタル化事例をご紹介しましょう。

売場づくりと販促施策の分析にAIカメラを活用

ステーショナリーブランド『モレスキン(Moleskine)』を運営する、日本法人「モレスキンジャパン株式会社」では、日本初の直営店の店頭にセーフィーのAIカメラを設置しました。

2台の「Safie One」とオプションの「AI-App 人数カウント」を活用し、「通過人数カウント」「立ち入りカウント」「立ち入り検知」の3つのAI機能を使用しています。Safieで得たデータは、これまでに「売場のレイアウト変更」「販促施策の追加」「イベント日程の設定」などに反映してきました

たとえば、メインの出入口ともう1つの出入口の利用者数が同程度であったことを踏まえ、レイアウト変更を行っています。そのほか、顧客の属性分析や、店舗スタッフの動きの確認などを行い、接客や販促施策の精度の向上にも活用しているそうです

AIカメラによるレジオペレーションの改善

スーパーマーケット『サンプラザ』を展開する「株式会社サンプラザ」では、セーフィーのAIカメラの機能を利用し、レジオペレーションの改善による接客レベルの向上と、レジ前混雑の緩和に取り組んでいます

同社では約2年前から、レジ前が混雑した場合に応援要請や顧客のカゴの置き場を作るルールなどを運用していました。しかし、実際には目の前の会計業務に気をとられ、緩和策が徹底されているとは言い難い状況でした。

そこでAI搭載カメラ「Safie One」と、オプション機能の「AI-App 人数カウント」を導入したところ、通知によって混雑状況を把握できるようになりました。AIの通知と映像の確認の合わせ技により、スピーディーな対応が実現しています。カメラ映像が、個別のスタッフへの具体的な指導にも役立っている事例です。

AIカメラで店頭キャンペーンの集客効果を可視化

カー&バイク用品のリユース専門店『アップガレージ』などを運営する「株式会社アップガレージグループ」でも、直営店の一部に「Safie One」とオプション機能の「AI-App 人数カウント」を導入し、マーケティングに活用しています

カメラ映像から取得したデータを基に、曜日別の実際の集客人数と肌感覚に乖離があったことや、同規模の店舗同士でもレジ通過率にかなりの差が生じていることなどが明らかになりました。今後は、実店舗で実施するキャンペーンの効果測定や、店内のレイアウトや動線に活かせるデータの収集にも「Safie One」を利用していく見込みとのことです。

小売業のデジタル化事例を自社の取り組みに活かす

小売業がデジタル化に取り組むことによって、顧客満足度の向上、省人化運営の実施、データを活用した経営判断などが実現します。自社で実際にデジタル化を進める際は、すでに効果が得られている好事例を参考にすると、成功しやすいといえるでしょう。ぜひ本記事を参考に、自社が抱える課題の解決に向けて、デジタル技術の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

店舗を見える化
小売業界編 Safie クラウドカメラ活用ガイド
オンラインでいつでもどこでも映像が見られるクラウドカメラを提供しています。課題に合った活用方法についてお気軽にご相談ください。

※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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