小売店をはじめとする小売業界は、売上の低迷や人手不足などの課題を抱えています。これらの課題には、DX化による業務の効率化や販売方法の見直しなど、対策を考えなければなりません。
本記事では、小売業の抱える課題や小売業界の現状、課題の解決策を紹介します。
目次
小売業の課題とは?
小売業には実店舗をはじめさまざまな形態があり、抱える課題も多様です。ここでは、小売業が共通して抱えている主な課題を紹介します。
モノが売れにくい
小売業が抱える大きな課題の一つに、モノが売れにくいという点があります。消費者ニーズの多様化や商品のコモディティ化などにより、自社製品が売れにくくなっている現状があります。コモディティ化とは、市場の活性化で商品の市場価値が低下し、一般的な商品になることです。
また、商品が売れにくい理由として、技術の進化により品質の高い商品が増え、新しいものにすぐ買い換える必要がなくなったということも挙げられます。
ECサイトの普及
インターネットの普及により、消費の中心が実店舗からECサイトに移っていることも、小売業が抱える課題のひとつです。
実店舗に出向くことなく、買い物をオンラインで済ませる消費者が増えており、実店舗は商品の確認をするだけの場所になっている状況があります。店舗販売をメインに行っている小売業は、販売形態の見直しを迫られているといえるでしょう。
人手不足の深刻化
近年は少子高齢化により人手不足に悩む企業が多く、特に小売業は深刻です。総務省の「労働力調査」によると、2023年における「卸売業,小売業」の労働力人口は、2021年と比べて28万人が減少しています(※1)。
小売業には、一般的に「労働時間が長く報酬が低い」というイメージがあり、改善の努力をしている企業はあるものの、求人が集まりにくいという状況はいまだに根強くあるといえるでしょう。
※1 出典:“労働力調査 年平均結果の要約”.総務省統計局.2024-1-30(参照 2024-07-22)
小売業界の現状
経済産業省は、2023年における1年間の小売業販売動向について分析を行いました。それによると、2023年の小売業販売額は163兆340億円と、前年比5.6%の増加という状況です(※2)。
増加に寄与した業種は、飲食料品小売業、自動車小売業と続いています。飲食料品小売業における販売額が増加しているのは、飲食料品の物価上昇による影響です。自動車小売業においては、2022年9月以降は数量要因により増加傾向があるとともに、部材不足からの供給制約の解消も影響しています。
業態別では、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパー、百貨店の販売額が増加している一方で、家電大型専門店・ホームセンターの販売額が減少しています。
※2 出典:“2023年小売業販売を振り返る”.経済産業省.2024-04-11(参照 2024-07-22)
小売業の課題を解決する方法
小売店の課題を解決するためには、課題ごとに適切な対策を講じる必要があります。ここでは、小売業の課題を解決する方法をみていきましょう。
DXにより業務を効率化する
近年、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されており、小売業でもデジタル技術を活用した業務の効率化や人手不足解消のためにDXを導入する企業が増えています。
小売業のDXはリテールDXとも呼ばれ、サービス・業務プロセスを刷新し、店舗運営のあり方を大きく変える取り組みとして注目されている状況です。
DX導入により、商品の仕入れや在庫管理など、これまで時間をかけていた業務の効率化が期待できます。特にAIを活用した小売業の需要予測は、業務効率を大幅に改善できるでしょう。
販売方法を見直す
顧客のニーズは多様化しており、それに合わせた販売方法の見直しも大切です。顧客が望む購入方法を考え、ニーズに合った販売方法の導入が求められます。
実店舗にECサイトを連動させる方法も、そのひとつです。これまで実店舗でしか購入できなかった商品も、オンラインで手軽に購入できれば、顧客満足度は向上するでしょう。セルフレジやキャッシュレス決済の導入など、顧客の利便性を高めるアプローチも必要です。
店舗に付加価値をつけて顧客体験を高める
他店との差別化を図るためには、店舗に付加価値をつける方法も効果的です。プレゼントやポイントの付与、コミュニケーションの強化などの付加価値を創出し、顧客体験を高めて、店舗に商品購入以外の魅力を作るという取り組みです。
商品やサービスの魅力を伝えるために、POPやデジタルサイネージなどで売り場を工夫するのもよいでしょう。
また、オンラインとオフラインを融合させる「OMO(Online Merges with Offline)」のアプローチも注目されています。アプリで注文した商品を店頭で受け取れるなど、顧客体験の向上を図る手法です。
雇用の幅を広げる
人手不足や多様化する顧客層に対応するためには、雇用対象の幅を広げることも大切です。これまでは採用の枠に入れていなかった層も積極的に雇用することで、人手不足の解消につながります。
高齢化社会においては、シニア世代の積極的な雇用も必要です。近年はグローバル社会が進み、事業の海外展開や観光者への対応に、外国人労働者の需要も高まっています。
雇用の幅を広げるにあたって、雇用環境の整備も必要です。幅広い人材が気持ちよく働ける環境づくりも、小売業の課題解決に求められているといえます。
SDGsの目標達成を取り入れる
2015年に国連で採択された、国際社会共通の目標とされている「SDGs」の目標達成を経営に取り入れるという方法もあります。
SDGsは貧困や差別、環境破壊などの社会問題を解決し、持続可能な社会を実現するという目標です。このSDGsの目標達成を目指し、企業経営を行っていく「SDGs経営」が注目されています。
「SDGs経営」への取り組みは社会貢献する企業というイメージがあり、消費者から支持される傾向があります。取引先や株主など、関係者からの信頼も得やすくなるでしょう。
小売業の課題解決に役立つAIカメラとは
小売店の課題解決には、AIカメラも役立ちます。AIカメラとは、AI (人工知能)が搭載され、映像・画像を自動で処理するカメラのことです。
映像や画像を記録するだけでなく、特定の対象物を認識して情報を分析します。これまで人の手で行っていた作業を自動化するなど、小売業の課題解決にもつながるでしょう。
ここでは、AIカメラでおすすめの「Safie One(セーフィー ワン)」を紹介します。
店舗向けAIカメラ「Safie One」
Safie One(セーフィーワン)は、エッジAIを搭載した屋内用カメラです。 防犯カメラとしてだけでなく、業務の効率化やマーケティング活動にも利用できます。
有線・無線の両方に対応しており、クラウド録画サービスによって、PCやスマートフォンがあればいつでもどこからでも映像を視聴することが可能です。外出先でも店舗の状況をリアルタイムに確認できるため、複数店舗を管理する際の臨店回数を減らせます。
人だけを検知する「人検知」機能を標準搭載しており、スマートフォンにも通知が届くため、不在時の防犯も万全です。
Safie
Safie One
エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ
¥41,800 (税込)
外形 | φ76.5×92.5mm |
重さ | 360g |
防水性能 | なし |
ネットワーク接続 | 有線LAN、無線LAN |
PoE給電 | 対応 |
画角 | 水平114° 垂直60° |
ズーム | デジタルズーム 最大8倍 |
マイク(音声入力) | あり |
スピーカー(音声出力) | あり |
暗所撮影 | 対応 |
店舗管理に役立つAIオプション「Ai-App 人数カウント」
Safie Oneは、店舗運営に特化したAIアプリ「Ai-App 人数カウント」に対応しています。Safie Oneにインストールすることで、「立ち入り検知」「通過人数カウント」「立ち入りカウント」の3つの機能が利用可能になります。
たとえば、「立ち入り検知」を利用すれば、レジ前の混雑を検知して通知することが可能になり、迅速にスタッフを補充できるため、顧客満足度の向上につながります。また、店頭やサービスカウンター前に列ができている場合も、検知して通知してくれるため、素早く顧客に声がけすれば離脱の防止を期待できます。
▼「Ai-App 人数カウント」の詳しい内容はこちら
AIカメラで小売業の課題を解決した事例
ここからは、AIカメラのSafie Oneを活用して小売業の課題を解決している事例を2つ紹介します。
店舗運営を効率化
革製品の製造・販売を行う「BUSINESS LEATHER FACTORY」では、直営店舗の1つである八重洲店にSafie Oneとオプション機能の「AI-App 人数カウント」をテスト導入しました。店舗の状況をしっかりとカメラ映像やデータで把握し、接客の向上や業務効率化、店舗設計や商品陳列の最適化を図ることが導入の主な目的です。
導入の結果、来店者数や店前通行者数に対する入店率や、店内のエリアごとの滞留状況などが明らかになりました。さらに、1日に同じ顧客が何度も来店するケースが多いことや、来店者数に対しての購入率の高さも、具体的な数字で割り出されました。
これまで店長やスタッフが肌感覚でつかんでいた傾向を数字で把握できたことで、店舗運営においての自信につながったり、映像の一部を他店舗のスタッフに見せて接客向上のための教育に活用できたりしていることも、良い点として挙げられています。
レジ前混雑を解消
南大阪を中心に36店舗のスーパーマーケットを展開する「株式会社サンプラザ」は、Safie Oneとオプション機能の「AI-App 人数カウント」を導入しました。レジオペレーションの改善による接客レベルの向上と、レジ前混雑の緩和が主な導入の目的です。
導入のきっかけは、カメラが混雑を検知してリアルタイムで通知してくれる点と、視聴の利便性が高くクラウドカメラで画質もよいため、用途が広いという点でした。
導入の結果、AIの通知機能で混雑を放置するケースがなくなったことに加え、混雑時の現場を映像で俯瞰でき、混雑緩和策の課題が明確化しました。
そして、Safie導入直後は混雑通知が1日10件ほど来ていたものの、オペレーション改善やスピーディーな対応の徹底により、混雑通知が1日2~3件と大幅に減ったということです。
小売業の課題を上手に解決しよう
小売業の課題には、主にモノが売れにくくなっていることと、人手不足が深刻化していることが挙げられます。課題解決のためには、DXの推進で業務を効率化したり、販売方法を見直したりする施策が必要です。
AIカメラを店内に設置することで、接客の向上や業務効率化、混雑の緩和などに役立ちます。小売業の課題を解決するとともに、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。特におすすめはSafie Oneです。スムーズな店舗運営に、ぜひ検討してみてください。
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