工事・建設現場用ヘルメットカメラの種類や性能、導入事例を解説

業務効率化

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ヘルメットカメラは、身体に装着して使用できる「ウェアラブルカメラ」の1つです。生産性向上の推進や労働力不足を背景に、工事・建設現場での導入が進められてきました。

この記事では、ウェアラブルカメラの種類と機能および、建設現場における活用事例を解説します。ウェアラブルカメラの活用による業務効率化やコスト削減を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

現場で「ウェアラブルカメラ」が推奨されている背景

建設業は個別受注生産であるため、基本的に同じ工事はひとつとしてない、効率化・生産性向上が難しい業界です。さらに、労働人口の減少や就業者の高齢化により、人材不足に直面しています。

そのような状況に対し国土交通省では、2016年よりi-Constructionという生産性革命プロジェクトを掲げ、建設現場におけるICT導入施策を推進。建設現場の生産性を、2025年までに20%向上させるよう目指しています。(※1)

ウェアラブルカメラは、ICTの一環として遠隔地と円滑なコミュニケーションを実現するツールです。現地への移動時間を削減し、速やかな意思決定を支援することで、生産性向上に寄与するとして導入が進んでいます。

ヘルメットに装着できるウェアラブルカメラの種類・特徴を比較

ヘルメットに着けられるウェアラブルカメラには大きく分けて以下の3種類があります。

アクションカメラ

「アクションカメラ」とは、身体等に装着し撮影できる電池内蔵の小型カメラを指します。

特徴

とくにスポーツなど動きが大きい場合に利用され、手ぶれ補正や高フレームレートによりなめらかな映像性能をもつ傾向にあります。「ウェアラブルカメラ」も同様の意味で用いられますが、業務や日常場面で活用されるものを指すことが多く、電池容量を大きくし、長時間録画に耐えうるよう設計されています。

メリット

  • 撮影はカメラ本体のみで完結しコンパクト
  • 防水、防塵、耐衝撃で屋外もOK
  • 映像がなめらかで綺麗

デメリット

  • 小型のカメラだと電池持ちが悪い
  • SDカードからHDDやPCへ取り込む手間が必要なものが多い
  • リアルタイムで映像をシェアしたい場合、無線LANやインターネット対応が必須

価格帯

  • 数万円からが多く、3つの中では中価格帯です。

USBカメラ

「USBカメラ」とは、ケーブルでPCやスマートフォンなどと接続し、映像をリアルタイムで配信するカメラを指します。

特徴

USBカメラは「Webカメラ」とも呼ばれ、昨今ではオンラインMTGでも活躍しています。カメラ本体に通信性能はなく、接続した機器からインターネットにつながります。安いモデルではマイク無しが多いため、注意が必要です。

メリット

  • 通信機能・電池が本体にないため小型
  • 種類が豊富ため自分にあった製品を選びやすい

デメリット

  • 屋内向きで防水防塵対応が少ない
  • 安いモデルでは低画質・狭画角が多い
  • ケーブルにひっかかるリスクがあるので現場作業には不向き

価格帯

  • 数千円ほどの安価なモデルが多いです。オートフォーカスや手ぶれ補正機能などに対応したモデルでは、数万円となります。

スマートグラス

「スマートグラス」とは、眼鏡のように目元に装着するウェアラブルカメラです。スマートグラスにはアタッチメントなどでヘルメットに装着可能な製品が多くあります。

特徴

頭部が疲れないよう、100g〜200gと軽いモデルが主流です。片目・両目タイプが選べるものもあり、現場で歩き回るような場合は片目利用が安全です。撮影用途のほかに、スマートデバイスとして製造業などではARと合わせた利用などが見込まれています。

メリット

  • 視線と映像のギャップがない
  • 装着者の違和感が少ない
  • AR(仮想現実)機能に拡張できるとカメラ以外の用途にも使える

デメリット

  • 頭はこまめに揺れるため、手ぶれ補正が弱いと映像酔いする
  • 頭部以外に着けられない
  • バッテリーが小さく連続稼働時間は2〜3時間ほど

価格帯

  • 十万円〜数十万円ほどと比較的高価です。数万円の廉価なモデルもありますが、個人向けのものが多く、業務用には不向きです。

工事・建設現場で使用するウェアラブルカメラで押さえたい6つの機能

ウェアラブルカメラは、商品によって機能が異なるため、用途に合わせて最適なカメラを選ぶことが重要です。

ここでは、工事・建設現場で使用するカメラに必要な機能を6つ解説します。

1.手ぶれ補正

手ぶれ補正機能がついていると、動きながらの撮影でもクリアに映像を残せるため、チェック時の負担を軽減し、異常の見落としを防ぐことができます。

特に建設現場では、足場を上下に移動したり、振動のある状況で作業したりすることが多いため、手ぶれ補正機能は必要不可欠といえるでしょう。

2.防水防塵性能

工事現場で使用するのであれば、雨・高圧洗浄・泥・塵などに強い、防水防塵機能を備えたカメラを選びましょう。

防水防塵機能の強さを確認したいときは、「IP〇〇」という2桁のコードを確認してください。最初の数字は0~6の7段階で防じん性能を示し、2つ目の数字は0~8の9段階で防水性能を表します。工事現場で使用するのであれば、IP66以上を備えたカメラが安心です。

3.シンプルで簡単な操作性

工事現場では、作業しながら撮影するケースも少なくないため、操作性も重要なポイントです。

ウェアラブルカメラやデジタル機器を使い慣れていない方でも、すぐに使用できるシンプルでわかりやすい仕組みのものを選びましょう。

4.暗い場所での撮影機能

工事現場で使用するのであれば、暗所でも撮影できるカメラが適しています。

工事現場では、照明がない場所や照明が届かない暗い場所で、細かい作業をチェックしなければならないときもあるでしょう。暗所での撮影ができないカメラでは、そのような場所での動画がきれいに撮れない可能性があります。

カメラを選ぶ際は、暗い場所でも十分な光量を得られるLEDなどの照明が付いているものがおすすめです。

5.高画質での録画

画質の高さも、工事現場でのウェアラブルカメラには必須です。工事現場では、ウェアラブルカメラを使用した遠隔臨場を実施することがあります。その際、画質が悪いと現場の状況が十分に伝わらず、ミスや事故につながるかもしれません。

ミスや事故を防ぐためにも、工事現場のカメラにはある程度の画質が必要になります。目安としては、100万画素(HD相当)以上のものを選ぶとよいでしょう。

6.通話機能

工事現場のウェアラブルカメラには、通話機能も必要です。先述の遠隔臨場を実施するには、リアルタイムかつ双方向での通話が欠かせません。通話機能があることで、映像を見ながら不明点や疑問点の解決ができます。

途中で途切れることなく通信ができることはもちろん、複数人での同時通話が可能など、便利な機能が付いたカメラを選びましょう。

ヘルメットにも装着できる「Safie Pocketシリーズ」が現場で選ばれる訳

Safie Pocket シリーズ

「Safie Pocket(セーフィー ポケット)シリーズ」は、撮影と同時に録画データがクラウド上に保存されるウェアラブルカメラです。現場利用に特化した機能を備えています。

特徴①:現場利用に最適な機能をコンパクトに

Safie Pocket 仕様

「Safie Pocketシリーズ」にはSIMカードが内蔵されており、カメラのみでクラウド録画が可能です。通信設定済みで出荷されるので面倒な設定も不要、すぐに撮影を開始できます。インターネット通信機能もバッテリーも内蔵されているにも関わらず、Safie Pocketシリーズ本体の重さは約160〜180gと軽量で、現場の視点にたった使いやすい仕様になっています。

映像はHD画質でくっきりなめらか。スケールなど非常に細かな文字を映す場合には、ルーペ(別売り)とドッキングさせて対応が可能です。静止画で残したい場面をフルHD写真として撮影することもできます。

また、IP67防水・防塵なので、建設現場など、屋外や過酷な環境でも安心してご利用いただけます。

特徴②:通話機能や手ぶれ補正など現場利用に適した機能が充実

「Safie Pocketシリーズ」は通話機能を搭載しているため、撮影しながら遠隔で映像を視聴している方と通話することができます。グループ通話も可能なため、検査時の遠隔臨場にも最適です。

また、「Safie Pocket2 Plus」であれば手ぶれ補正機能も搭載されているので、映像が揺れやすいヘルメットカメラとしての利用時にも比較的見やすい映像を撮影できます。

手ぶれ補正機能のON/OFFを比較した映像

特徴③:ヘルメットだけじゃない、様々な撮影方法

身につけても三脚などに固定しても利用可能

ヘルメット以外にも、アタッチメントを使用して様々なシーンで利用できます。手持ちはもちろん、付属のクリップで作業着へ装着することが可能です。対象へ近づいて詳細に撮影したい場合は手持ちがおすすめです。

また、固定したい場合は三脚や単管クランプなどへのアタッチメントが利用できます。

(※三脚や各種アタッチメントは別売りとなっております。詳細はお問い合わせください)

Safie Pocketシリーズのアタッチメントを説明した映像

特徴④:クラウド上に動画を保存・いつでも見返せる

Safie PocketとSafie Viewer

ビューアー画面へのアクセスは、セーフィーのサイトから「Safie Viewer」にログインするだけ。ログインすると、ヘルメットカメラで撮影したライブ映像はもちろん、録画データの振り返りも手軽にできます。
残しておきたい映像を部分的に切り出して、ダウンロードすることも可能です。
(※クラウドに録画データを保持する期間は、30日間となります。)

また、複数台のSafie対応カメラをご契約されている場合は、一覧画面ですべてのカメラの稼働状況を確認できます
シェア機能を使うと、メールアドレスを使って、同じ部署の関係者に映像を見せることもできます。
また、部署異動などにあわせて、シェアの解除も簡単にできます。

特徴⑤:高セキュリティなクラウドプラットフォームで動画を安全に管理

safieのセキュリティの仕組み

撮影された映像は、最新の暗号化技術によって守られ、Safieクラウドに保存されます。もちろん、映像を見るために、手元のデバイスからクラウドにアクセスする際もセキュアに映像を閲覧できます。

ヘルメットカメラとしてウェアラブルカメラを利用した事例

最後に、Safieのウェアラブルカメラ「Safie Pocketシリーズ」をヘルメットカメラとして活用している事例を紹介します。導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

作業員の業務を減らし、安全・品質を担保

通信建設大手・協和エクシオグループの中核会社である株式会社エクシオテックでは、携帯電話基地局工事の現場にてヘルメットカメラとして「Safie Pocket2」を活用しています。

カメラ自体の性能やシンプルな操作性のほか、ビューアーアプリの使いやすさや価格も含めたトータルバランスの良さを評価し導入しました。Safie Pocket2は作業員が使用するヘルメットにバンドで固定し撮影、管理サイドが現場の様子を視聴したり、通話機能を用いコミュニケーションをとっています。

カメラは、出来形確認・現地調査・最終の社内検査などの遠隔臨場に利用するほか、危険工程の手順確認・安全パトロール・災害時の状況把握などの現場業務に役立てています。

ウェアラブルカメラを適切に選んで工事現場の業務効率化や品質向上を目指そう

建設現場や工事現場では、政府による生産性向上の推進や労働力不足を背景に、ヘルメットカメラを始めとしたウェアラブルカメラを活用した遠隔臨場が進められています。

実際にウェアラブルカメラを取り入れた現場では、コスト削減や労働時間の短縮による品質や生産性、ワークライフバランスの向上といった効果が現れているようです。

ウェアラブルカメラを導入するのであれば、誰でも簡単に操作できるシンプルなものを選びましょう。また、手ぶれ補正や防水防塵機能、高画質、相互通話機能が付いていることも重要です。

建設現場や工事現場に必要な機能を備えたカメラを選び、効率的で生産性の高い遠隔臨場の実現を目指しましょう。

Safie Pocketパンフレット
「Safie Pocket」シリーズ紹介
ウェアラブルクラウドカメラでの遠隔業務をご検討中の方はお気軽にご相談ください。

※1 出典:“i-Constructionの更なる展開”.国土交通省.2023-12-8.(参照2025-3-31)

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