畑に防犯カメラを設置することで、盗難被害の防止や動物による畑荒らしの検証に役立ちます。万が一被害が発生した場合も、カメラ映像が証拠となり、再発防止のための重要な手がかりになります。
本記事では、畑に防犯カメラを設置する必要性について解説し、設置のメリットや必要な機能、併用できる対策法、おすすめの防犯カメラを紹介します。
目次
畑に防犯カメラが必要とされる背景
畑に防犯カメラを設置する必要性は、主に次の点にあります。
- 作物・農機具の盗難
- 動物による畑荒らし
- 農地への侵入・不法投棄
田畑での盗難被害は深刻な問題となっています。警察庁の統計によれば、「田畑」での窃盗事件は2021年に3111件(※1)、2022年に2963件(※2)、2023年に3068件(※3)の被害が報告されています。
これらの件数の約9割が農作物を含む「非侵入盗」の「その他」に分類されており、農作物や農機具などの盗難被害が継続的に発生していることがわかります。農作物が狙われやすい収穫期は農家も忙しいため、実際の被害はさらに多い可能性があります。
また、畑は自然の一部であるため、野生動物が食料を求めて侵入することは避けられない現実です。それに加え、とくに人里離れた場所にある農地は無断侵入・不法投棄の問題がみられます。捨てられたゴミの処理は農家の負担となるだけでなく、場合によっては土壌汚染などの二次被害を引き起こす恐れもあります。
これらの問題に対処するためにも、畑に防犯カメラを設置して被害状況を把握することが対策の第一歩となります。
畑に防犯カメラを設置するメリット
畑に防犯カメラを設置するメリットは、遠隔からの状況確認や映像記録による事後検証など多岐にわたります。以下で具体的なメリットを紹介します。
盗難の証拠や犯人特定に役立つ
防犯カメラで畑の様子を撮影しておけば、盗難があったときに証拠となります。万が一盗難被害が発生しても、映像があれば犯人を特定できる可能性が高まります。
防犯カメラの映像によって、侵入経路や盗難の手口を把握できます。同様の盗難被害を防ぐために、今後どのような対策が効果的か検討する材料になるでしょう。
被害をもたらす動物がわかる
畑に防犯カメラを設置すれば、畑を荒らす動物の種類を特定しやすくなるため、適切な対策を講じやすくなります。侵入経路や出没の時間帯・頻度も把握できます。
何の動物が侵入しているかは、足跡からも判別が可能です。しかし、動物ごとの足跡を知らなければ判別できません。カメラがあれば動物の種類を特定しやすいでしょう。
▼シカ・イノシシ・サルの足跡の特徴、フンの形状は、こちらの記事で解説しています。
リアルタイムの状況を把握できる
インターネットに接続して離れた場所から映像を確認できるネットワークカメラであれば、畑の様子をリアルタイムで確認可能です。スマートフォンやパソコンから、アプリを開くだけで状況を把握できます。
モーション検知機能に対応したネットワークカメラなら、映像内に動きがあった際にアプリのプッシュ通知やメールを受け取れるため、収穫期の夜間など、畑から離れる時間帯の防犯に最適です。特定場所だけを確認したい場合、モーション検知のエリア設定を活用すると良いでしょう。
畑の防犯に適したカメラの機能・性能
畑に設置する防犯カメラを選ぶ際には、以下の機能・性能があるか確認してみてください。
- インターネットへの接続
- 太陽光発電やバッテリーへの対応
- 夜間撮影機能
- 屋外環境への対応性能
- プライバシーマスク機能
いずれも防犯カメラを有効活用するためには大切な要素です。それぞれ以下で詳しく紹介します。
インターネットへの接続
防犯カメラの通信方式は、無線LAN接続・有線LAN接続・SIM接続の3種類がありますが、遠隔で畑の様子を確認するなら、SIM接続がおすすめです。SIM対応の防犯カメラとは、SIMカードを挿入し、LTE回線を利用することによってインターネット接続できるカメラです。
屋外で無線LAN接続を行う場合、LANケーブルの配線が不要なのはメリットですが、電波が不安定になりやすいなどの側面があります。また、屋外での有線LAN接続は、畑のような広い場所ではLANケーブルの配線距離が長くなるうえ工事も難しく、ケーブル自体の劣化や損傷リスクもあるため、現実的とはいえません。
SIM対応の防犯カメラは携帯会社の電波を利用しますが、キャリアといわれる大手携帯会社の電波は全国に行き渡っており利用できる場所が多い(※)うえ、インターネット回線が不要のため回線工事が必要ありません。ただし、SIM対応の防犯カメラでも動作には電源が必要になります。
※大手キャリアであっても、山間部や僻地の農地など、場所によっては圏外になったり、電波が弱く映像データをアップロードできなかったりする場合があるため、設置前に以下の確認を行うことをおすすめします。
- 各キャリアのホームページなどで、サービスエリアマップを確認する
- 事前に現地調査などを行い、使用するキャリアのスマートフォンを使って電波状況を確認する
▼SIM対応の防犯カメラについては、こちらの記事で詳しく確認いただけます。
太陽光発電やバッテリーへの対応
畑に電源を用意することが難しい場合は、太陽光発電やバッテリーで作動する防犯カメラがおすすめです。広大な農地や山間部にある畑では、コンセントによる電源を確保することが難しい場合があります。太陽光発電やバッテリーで電気を供給できる防犯カメラであれば、設置場所を選ばずに畑の防犯対策が可能です。
夜間撮影機能
畑の防犯対策を考える際、夜間撮影機能は大切なポイントです。日が沈み、人の目が届きにくくなる時間帯は、盗難リスクや野生動物の侵入などの対策がとくに必要になります。
夜間も鮮明な映像を撮影できるカメラがあれば、24時間体制で記録することが可能です。夜間撮影に対応したカメラとして、主に以下の2種類があります。
- 赤外線カメラ
- 暗視カメラ
赤外線カメラとは、赤外線を照射して撮影するカメラのことです。人の目には見えない赤外線を利用するため、周囲に光がまったくない環境でも撮影が可能です。
暗視カメラとは、豆電球ほどのわずかな光があれば、昼夜を問わずにカラーで撮影できるカメラです。「超低照度カメラ」「高感度カメラ」などと言われることもあります。
▼赤外線カメラと暗視カメラの違いは、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。
屋外環境への対応性能
畑に設置するカメラには、厳しい気象条件・環境要素に対する耐久性が求められます。雨風や直射日光、土埃、温度変化などに長時間耐えられるカメラを選定することが大切です。
判断基準の1つとして使える指標が、防塵・防水性能を表す「IP保護等級」です。この規格は「IP」と2桁の数字で表記され、第1位が防塵性能(0〜6)、第2位が防水性能(0〜8)を表します。畑に設置する防犯カメラを選ぶ際は、屋外用途として十分な防水・防塵性能を持つIP66等級を選ぶと安心です。
また、農地特有の環境条件に適応するため、動作温度範囲の広さもチェックしておくと良いでしょう。とくに真夏の直射日光下から厳冬期の寒さまで耐えられる温度耐性が求められます。
▼屋外環境による防犯カメラへの影響については、以下の記事も参考にしてください。
プライバシーマスク機能
畑に設置する防犯カメラは自分の土地を確認するためのものですが、周辺の公道や隣接地から歩行者が画角に入る可能性があります。そのため、撮影箇所の一部をモザイク処理できる「プライバシーマスク機能」がある防犯カメラを選ぶことも重要です。
それに加え、防犯カメラを設置する際は、隣接地の所有者への事前説明や、通行人のプライバシーに配慮した設置角度の調整なども大切です。以下の記事では、防犯カメラの設置とプライバシーの関係について詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
畑におすすめのSIM対応防犯カメラ|Safie GO シリーズ
畑に防犯カメラを設置するなら、「Safie(セーフィー)」のクラウド型防犯カメラがおすすめです。
クラウド型とは、撮影した映像をインターネット上のクラウドに録画するタイプのカメラです。撮影された映像はクラウド上に保存されるため、スマートフォンやパソコンから必要なときにいつでも確認できます。
Safieのクラウド型防犯カメラの中で、畑への設置におすすめの製品は「Safie GO(セーフィーゴー)」シリーズです。Safie GO シリーズは屋外で利用できるSIM対応(LTE搭載)のカメラで、モバイルルーターが内蔵されているため、電源にさすだけで撮影や視聴が可能です。
Safie GOには5種類のラインナップがあります。それぞれの機能は以下の表をチェックしてください。
モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
---|---|---|---|
Safie GO 180 | ![]() | 180度の広角レンズ | IP66 |
Safie GO 360 | ![]() | 360度全方位を撮影 | IP66 |
Safie GO PTZ | ![]() | PTZ操作が可能 | IP66 |
Safie GO PTZ Plus | ![]() | GPS搭載で設置位置を確認 | IP66 |
Safie GO PTZ AI | ![]() | エッジAI搭載で人物検出可能 | IP66 |
Safie GO 180とSafie GO PTZはDC電源版(太陽光発電等)による電源も選択でき(※)、山間部や広大な農地など、設置場所を選ばずに畑の防犯対策が可能です。IP66等級を取得しており、屋外用途として十分な防水・防塵性能を備えているほか、動作温度範囲もマイナス10℃から50℃と幅広く対応しています。
※周囲に利用できる電源がない場合に、ソーラーパネル/バッテリーのレンタルプランをご用意しています。詳細はこちらのページをご確認ください。
防犯カメラと併用できる畑の防犯対策とは
防犯カメラの設置に加えて、他の防犯対策を組み合わせることで、畑をより効果的に守ることができます。以下に紹介する方法を併用すると、防犯効果が高まるでしょう。
警告看板の設置
「防犯カメラ作動中」「24時間撮影中」といった警告看板を設置する方法があります。侵入者に「撮影している」という意識を与えることで、犯罪行為の抑制が期待できます。カメラのイラストや多言語表記を併用すると、言語に関わらず抑止効果が期待できるでしょう。
侵入防止柵の設置
侵入防止柵の設置も有効です。メッシュ柵・金網柵・電気柵など、さまざまな種類があります。畑への侵入を物理的に困難にすることで、盗難や動物による被害を減らせます。
動物対策の場合は、動物の種類に合わせた柵を設置します。たとえばシカ対策なら2メートル以上の高さが必要ですが、ハクビシンやタヌキなどの小型動物には、1センチメートル四方以下の目の細かいメッシュ金網が効果的です。
畑に防犯カメラを設置して盗難被害を少なくしよう
大切な畑を守り、盗難や動物による被害を少なくするためには、防犯カメラの設置がおすすめです。映像が残っていれば、犯罪の証拠や動物対策の手がかりとなるでしょう。
畑に設置する防犯カメラを選ぶ際は、夜間に撮影できる機能や環境への耐性など、機能面をチェックすることが重要です。加えて、リアルタイムで遠隔から確認できるかも大切なポイントです。
防犯カメラの設置とともに、撮影中と知らせる看板や侵入防止柵を設置することで、被害防止の効果は高まります。畑を守るためにできることを知り、万一の事態を考えて対策しておくことが大切です。
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※1 出典: “令和3年の犯罪(P12)”.警察庁.(参照 2025-4-10)
※2 出典: “令和4年の犯罪(P12)”.警察庁.(参照 2025-4-10)
※3 出典: “令和5年の犯罪(P12)”.警察庁.(参照 2025-4-10)
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