建設業界では人手不足が深刻化しています。少子高齢化による労働力不足に加え、2024年問題による労働時間の制限も重なり、限られた人材で業務を回さなければならない状況が続いています。
これらの課題への対策として注目されているのが、クラウドカメラの活用です。クラウドカメラで現場の映像を共有し、業務の効率化を進めることで、人手不足の影響を軽減できます。
この記事では、建設業界における人手不足の現状や、クラウドカメラによる対策とおすすめの製品を解説します。導入事例もご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
建設業界における人手不足の現状
建設業の人手不足は、企業の存続を左右する大きな問題になっており、データにも現れています。
国土交通省の資料(※1)によると、建設業の就業者数は1997年の685万人をピークに2021年には475万人まで減少しました。深刻なのは年齢構成の歪みで、2021年時点では、55歳以上が全体の35.5%を占める一方、29歳以下の若手はわずか12%です。
また、工事の需要が回復傾向にあることも、人手不足に拍車をかけています。建設投資額は1992年のピークから2011年まで落ち込んだものの、近年は緩やかに回復傾向にあります。しかし、就業者数はピーク時から約30%減少したままのため、需要に対して人手が追いついていない状況と考えられます。
人件費の高騰や人員不足は、企業経営を圧迫する要因になりかねず、業界全体で危機感が高まっています。さらに、2024年4月から適用された時間外労働の上限規制(いわゆる2024年問題)により、限られた人員で業務を回す難しさが増しています。
企業は需要に応じた人員確保と、人材を引き付けるための賃金・待遇の見直しを急ぐ必要があります。
2024年問題と働き方改革の必要性

前章で触れた2024年問題は、建設業界に大きな影響を与えています。ここでは2024年問題の詳細と、それを踏まえた働き方改革の必要性を解説します。
2024年問題とは
2024年問題とは、働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制が2024年4月から建設業にも適用されたことを指します。
2024年問題の特徴は、違反した場合に罰則が科される可能性がある、強い拘束力を持つ規制である点です。時間外労働は原則として月45時間、年360時間に制限されるため、従来の労働量をこなすには効率よく仕事を進める必要があります。
2024年問題は単なるコンプライアンス対応にとどまらず、残業を前提にした現場運営を根本的に見直す転機となっています。
2024年問題について、詳しく知りたい方は下記もご覧ください。
2024年問題による建設業界への影響
上限規制の適用によって、建設現場では大きな影響が出ています。労働時間の制約により、従来のペースで作業を進めることが難しくなり、工期の長期化が課題となっています。
従来のスピード感で工事を進めることが困難になれば、1社が受注できる工事量にも影響が出ることになります。帝国データバンクが建設業や運送業などを対象に実施した調査(※2)でも、約6割の企業が2024年問題について「マイナスの影響がある」と回答しており、業界を問わず影響の大きさが窺えます。
働き方改革の必要性と効果
2024年問題を受けて、建設業界では働き方改革の重要性が一層高まっています。人手不足を解消するには、業務改革や設備投資によって、限られた時間内で業務を完了できる体制を整えることが不可欠です。
人材確保のためには、週休2日の確保や働きやすい現場環境の整備が求められます。休日を確保するには、業務時間内に仕事を終わらせる効率化が必要です。そこで有効なのが、クラウドカメラをはじめとするデジタルツールの活用です。
たとえば、写真や日報の管理をシステムで自動化できれば、現場監督の事務負担を削減できます。トラブルの報告書類を作成する際も、クラウドカメラでインシデントの現場を撮影・保存できていれば、現場調査やシーンを探す手間が少なくなるでしょう。
業務改善によって働きやすい環境を整えることは、離職率の低下にもつながります。人材の定着と確保のためにも、積極的な働き方改革の推進が求められます。
クラウドカメラによる人手不足対策
建設業の人手不足を解消するための方法は、いくつか選択肢があります。なかでも、業務改善と効率化を同時に進められる手段として、クラウドカメラの導入が注目されています。
ここでは、クラウドカメラが人手不足対策に有効な理由を解説し、Safieのおすすめクラウドカメラ2シリーズの機能や特徴を紹介します。クラウドカメラの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
クラウドカメラの導入が人手不足対策に有効な理由
クラウドカメラの導入によって、人手不足の解消を期待できる理由は、以下の3点です。
- 現場巡回を省人化できる
- 記録業務を効率化・自動化できる
- 映像を技術継承に活用できる
業務改善は人手不足の解消だけでなく、作業員全体の満足度向上にもつながります。ひとつずつ確認していきましょう。
現場巡回を省人化できる
クラウドカメラを導入することで、現場巡回を省人化できます。
カメラで現場の様子をリアルタイムに確認できれば、わざわざ現地に足を運ぶ必要がなくなります。人手不足で増員が難しい状況でも、現状の人員で業務を回しやすくなり、個人の労働時間削減にもつながります。
たとえば、事務所にいながら複数の現場を確認できるようになれば、移動に使っていた時間を図面や書類の作業にあてられます。結果として、残業時間の削減も期待できます。
巡回のための移動時間を削減することで、限られた人員でも効率よく業務を進められるようになります。
記録業務を効率化・自動化できる
クラウドカメラを導入すれば、昼夜関係なく連続で録画とクラウド保存が可能になり、記録業務そのものを自動化できます。
従来は日々の記録業務として、カメラデータを一から見直してチェックする必要がありました。クラウドカメラに切り替えれば、必要な場面の映像を後から遡って抽出できるため、インシデント発生時に大量のデータから証拠となる映像を探し出すのが容易になります。
万が一のトラブルや事故が発生した際も、過去の録画データを確認することで原因究明が迅速に行え、映像が残るため、関係者間での認識の食い違いによるトラブルも防ぎやすくなります。
映像を技術継承に活用できる
建設業就業者は55歳以上が多いため、熟練技術者の知見をいかに次世代へ引き継ぐかが重要な課題となっています。
熟練作業員の技術や作業シーンは貴重な教材です。クラウドカメラで撮影し、資料として保存しておけば、会社の資産として長期的に活用できます。
また、クラウドカメラのなかには音声通話機能が搭載されているものもあり、現場の映像を見ながら遠隔でコミュニケーションが可能です。熟練作業員が現場を行き来することなく、リアルタイム映像を通して的確な指導や指示を行えるため、技術継承の効率化にもつながります。
人手不足対策に役立つクラウド録画サービス「Safie」
クラウドカメラを提供するサービスはいくつかありますが、中でも、多機能で使い勝手が良いのが、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」です。

Safie対応のカメラシリーズはいくつかありますが、中でも建設業におすすめなのは、建設現場向けモデルの「Safie GO(セーフィー ゴー)シリーズ」と「Safie Pocket(セーフィー ポケット)シリーズ」です。
どちらのシリーズもインターネット通信機能(LTE)や、過酷な環境に耐えられる防水・防塵性能をもち、国土交通省が運営するNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されています。
Safie GO シリーズ

Safie GO シリーズは、固定設置型のクラウドカメラシリーズです。モバイルルーターが内蔵されており、電源に挿すだけで撮影や視聴が可能であるため、建設業の現場でもすぐに利用できます。
たとえば「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」は、360度広角レンズを搭載したモデルです。360度全方位から現場を確認できるのが特徴です。
また「Safie GO PTZ Plus(セーフィー ゴー ピーティーゼット プラス)」は、PTZ(パン・チルト・ズーム)操作機能がついたGPS搭載モデルです。アプリから遠隔でPTZ操作を行うことができ、確認したい場所をピンポイントで撮影可能です。GPS搭載のため、カメラの設置位置の確認もできます。
| モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
|---|---|---|---|
| Safie GO 180 | ![]() | 180度の広角レンズ | IP66 |
| Safie GO 360 | ![]() | 360度全方位を撮影 | IP66 |
| Safie GO PTZ | ![]() | PTZ操作が可能 | IP66 |
| Safie GO PTZ Plus | ![]() | GPS搭載で設置位置を確認 | IP66 |
| Safie GO PTZ AI | ![]() | エッジAI搭載で人物検出可能 | IP66 |
Safie Pocket シリーズ

Safie Pocket シリーズは、身につけて撮影できるウェアラブル型のクラウドカメラシリーズです。作業着やヘルメットなどに装着し、両手が使える状態で作業の様子や現場を撮影できます。三脚やアタッチメントに取り付けて、固定カメラとして使用することも可能です。
| モデル | 画像 | 特長 | 防水防塵 |
|---|---|---|---|
| Safie Pocket2 | ![]() | シンプルな機能構成のエントリーモデル | IP67 |
| Safie Pocket2 Plus | ![]() | 遠隔業務に必要な機能をフルパッケージ | IP67 |
Safie導入による業務効率化の実例4選
建設業界におけるSafie導入事例を4つ紹介します。人手不足解消や労働力確保のために導入し、映像を活用している事例として、ぜひ参考にしてみてください。
- 奥村組土木興業株式会社
- 大和ハウス工業株式会社
- 株式会社大林組
- 戸田建設株式会社
※各導入事例は取材当時のものです。
奥村組土木興業株式会社

2020年に創業100周年を迎えた奥村組土木興業株式会社は、Safie Pocket2(セーフィー ポケット ツー)とSafie Pocket2 Plus(セーフィー ポケット ツー プラス)を100台以上導入しています。
それまでは見守り業務や安全管理の立ち合いに時間を取られていましたが、カメラの導入によって遠隔化でき、工期の短縮につながりました。
大掛かりな施工時にSafie Pocket2を活用した際は、立会人の片道1時間の移動時間がなくなりました。外部関係者の業務負担も軽減されただけではなく、現場の待ち時間が削減されて工期短縮に寄与しています。
同社では、細やかな業務の効率化が人手不足の解消につながると期待し、今後も積極的にあらゆる場面で活用したいと考えています。
大和ハウス工業株式会社

大和ハウス工業株式会社は、戸建住宅をコア事業に、幅広い事業領域で建物を供給している企業です。働き方改革の実現に向けて、現場の省人化を目指し、人手不足に対応しようとSafieのカメラを導入しました。
同社では、現場監督がSafieを活用して監督業務をしています。都度現場に駆けつけなくとも遠隔で状況を確認できることで、移動時間の短縮になり、長時間労働になりがちな技術者の働き方改革にもつながっています。
移動時間が減れば、事故や交通違反といったリスク軽減にもなるため、働きやすい職場環境を目指し今後もSafieを活用する予定です。
株式会社大林組

スーパーゼネコンの1社として知られる株式会社大林組は、2024年問題への対応を見据え、現場におけるデジタルツールの活用を積極的に促進してきました。
具体的には、2019年4月から本格的にDXを推進し、取り組みのひとつとしてSafieを導入しています。ICTツールの浸透を促進する土木デジタルコンシェルジュを配置し、現場単位ではなく個人単位での浸透を目指しており、現場と連携しながら、現場でのカメラ活用を推進しています。ある現場では遠隔臨場の実施率が実質100%を達成し、現場に足を運ぶ時間分のコストを削減できました。
また、同社では数年に一度しか行われないような業務を録画して保存し、作業工程のマニュアルとして活用しています。保存された貴重なデータは今後の人材育成に利用できるほか、人手不足対策にもつながっています。
戸田建設株式会社

総合建設会社として、超高層ビルから医療関係・学校関係の施設、歴史的建造物まで幅広く携わってきた戸田建設株式会社も、Safieのカメラを多数導入しています。
導入のきっかけは、立体駐車場やエレベーター工事など、閉ざされたスペースでの現場監督が難しいという課題があったためでした。現場に最低1台「Safie GO」を設置することをルール化しており、各現場の一元管理を実現しています。
現地に行かずに状況を確認できるようになったことや、映像を通じて不安全行動のチェックを行い安全意識の向上に役立てていることなど、さまざまな活用が行なわれています。
同社では、Safie導入による業務の効率化は、時間外労働の上限規制に対応するためにも重要と実感しており、今後もさまざまなシーンや用途での活用を検討しています。
まとめ:クラウドカメラで人手不足対策に着手しよう
建設業界では、少子高齢化に加え2024年問題の影響もあり、人手不足への対応が急務となっています。限られた労働時間と人員で業務を回すには、働き方改革による効率化が欠かせません。
本記事で紹介したように、クラウドカメラを活用すれば、現場巡回の省人化、記録業務の効率化、技術継承への活用など、さまざまな面で人手不足対策を進められます。実際に、大手建設会社でも導入が進んでおり、成果を上げています。
Safieでは豊富な導入実績をもとに、人手不足の課題解決をサポートするカメラやソリューションを提供しています。人手不足対策をはじめとした現場へのクラウドカメラ導入や映像活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
- 建設業界向けクラウドカメラ活用ガイド
- 建設業界におけるクラウドカメラの活用方法と導入事例をご紹介しています。
※1 出典:“最近の建設業を巡る状況について”.国土交通省.(参照 2026-01-30)
※2 出典:“2024年問題に対する企業の意識調査”.株式会社帝国データバンク.2024-01-26(参照 2026-01-30)
※顧客や従業員、その他の生活者など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「防犯カメラとプライバシーの関係。事業者が注意すべき設置のポイント」
※カメラの設置に際しては、利用目的の通知を適切に行うとともに、映像の目的外利用を決して行わないことが求められます。適切なデータの取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「カメラ画像の取り扱いについて」
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
※当社は、本ウェブサイトの正確性、完全性、的確性、信頼性等につきまして細心の注意を払っておりますが、いかなる保証をするものではありません。そのため、当社は本ウェブサイトまたは本ウェブサイト掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負いません。













