工場にカメラを導入するメリット5選|導入事例やおすすめ製品も紹介

防犯カメラ

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ひと口に工場といっても、製造工場で製品の加工・組立・製造を行う環境から、化学物質を取り扱うプラントまで、その環境はさまざまです。工場によっては高温多湿、粉塵、振動などの過酷な状況下で稼働することもあるため、カメラを導入する際は設置環境に合わせて慎重に選ぶ必要があります。

この記事では、工場にカメラを設置するメリットや導入ステップ、カメラを選ぶときのポイントを解説します。導入事例も紹介しているので、工場へのカメラの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

工場にカメラを導入する5つのメリット

工場にいる女性の画像

工場にカメラを導入する5つのメリットについて解説します。

工場にカメラを設置する際は、従業員の人権とプライバシーを最大限尊重し、透明性のある運用が不可欠です。カメラ設置前には必ず従業員への説明を行い、設置目的・撮影範囲・映像の利用方法・保存期間などを明確に伝え、同意を得ることが重要です。

従業員の理解と協力を得ながら導入することで、防犯を含めたさまざまなメリットを得られます。主なメリットは、次の5つです。

  • 品質管理(トレーサビリティ)の強化
  • 生産性向上と作業負担の軽減
  • 安全対策の強化
  • 遠隔操作での安全確認
  • 防犯対策

それぞれ詳しく解説します。適切な運用を行うためのポイントと合わせて確認していきましょう。

品質管理(トレーサビリティ)の強化

工場でのカメラ導入は、品質管理の強化に役立ちます。

従来の品質管理では、不良品の発見から原因特定までに、膨大な時間と人手が必要でした。しかし、カメラを生産ラインに設置すると、製造工程が映像として記録され、問題発生箇所の特定が可能です(※)。トラブルが発生した場合でも、迅速な対応ができるため、顧客への安全な製品提供と企業の信頼性向上につながります。

※撮影は製造工程に限定し、従業員個人の特定や評価を目的とした利用は行わないことが重要です。

生産性向上と作業負担の軽減

工場でのカメラ導入は、生産性の向上と、従業員の作業負担の軽減につながります。

従業員の同意を得たうえで作業工程を撮影・分析することで、ボトルネックとなっている工程や非効率な導線を発見できます。これにより、同じ品質を保ちながら生産時間の短縮につながる可能性があります。

また、身体的負担の大きい作業や危険を伴う工程の特定にも活用でき、作業方法の改善や自動化の検討につなげられます。

さらに、熟練技術者の効率的な作業方法を映像として記録・共有することで、技術継承や従業員教育の質の向上に大きく貢献します。

安全対策の強化

工場にカメラを導入する大きな目的は、従業員の安全を守り、事故のない職場環境を実現することです。

巨大な機械が稼働している工場では、映像を通して機械の不具合を察知しやすくなり、従業員を危険から守ることができます。プラントにおいても、機器の異常な動作や漏れ、煙の発生などを視覚的に確認でき、異常の早期発見により大きな事故を未然に防げます

「ヒヤリハット」(事故には至らないものの、ヒヤリとする、ハッとすること)の映像を安全教育の教材として活用することで、従業員の安全意識の向上にも役立ちます。

工場やプラントで役立つ安全管理に関しては、以下でも詳しく解説しています。参考にしてください。

遠隔操作での安全確認

工場にカメラを設置すると、危険な場所や高所など、従業員が直接確認することが困難な箇所の安全確認が遠隔で可能になります。クラウド型のカメラを導入すると、複数の工場の安全状況を一元管理でき、管理者の移動負担も軽減されます。

また、現場スタッフへの技術的なサポートを遠隔で行うことも可能です。同じ映像を共有しながらコミュニケーションを取ることで、安全かつ的確な作業指示が行えます。

遠隔操作での見守りは、こちらの記事でも解説しています。気になる方は確認してみてください。

防犯対策

工場にカメラを設置すると、外部からの不法侵入や盗難被害のリスク低減に役立ちます。

従業員の安全な職場環境を守り、工場を安定的に稼働させるためには、夜間や休日の無人時間帯における防犯対策が重要です。不法侵入は機材の盗難リスクだけでなく、設備の破壊や情報漏洩などを引き起こす可能性もあります。

人だけを検知して通知する人検知機能や、昼夜を問わずクリアな映像を撮影できるDay & Night機能が付帯したカメラを選定すれば、よりセキュリティ強化につながります。

工場にカメラを導入する3ステップを解説

工場内の画像

工場にカメラを導入する際の具体的な3ステップを解説します。

  • STEP1:設置環境・目的の明確化
  • STEP2:形状・録画方式の選定
  • STEP3:必要な機能の特定

各ステップでは、セーフィー担当者が重視しているポイントも併せて紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ステップ1:設置環境・目的の明確化

工場でのカメラ導入において重要なのは、カメラ設置の目的を明確にすることです。製造工場とプラントにおける設置環境の注意点や設置目的は、主に以下が挙げられます。

製造工場プラント
設置環境の例食品工場、電子部品工場、自動車工場など化学プラント、石油精製プラント、発電所など
設置する目的・品質管理の強化
・従業員の安全確保
・作業環境の改善
・安全対策の強化
・事故防止
・作業員の見守り

製造工場とプラントでは設置環境に違いがあるため、設置目的も少し異なります。まずは自社の環境と解決したい課題を整理し、想定される設置場所をリストアップして、設置後の運用状況をイメージしておきましょう。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、設置環境と目的を決める際に重視しているポイントをご紹介します。

「カメラを設置する背景・理由や目的、カメラを使って何をしたいのか、お客様に丁寧にヒアリングします」
「製造ラインや天井、駐車場など、カメラの設置場所と映す範囲を明確にすることを意識しています」
「カメラを設置することで、どのように生産性向上と品質管理につながるかを説明します」

ステップ2:形状・録画方式の選定

設置環境と目的に基づいて、最適なカメラの形状と録画方式を選定します。

広い視野角が必要な屋内には置き型やドーム型、作業員の視点で撮影する場合はウェアラブル型、屋外での使用にはバレット型のカメラが適しています。

録画方式は、クラウド型とオンプレミス型がありますが、工場にはクラウド型を推奨します。クラウド型のメリットとして、「どこからでも映像を確認できる」「アクセス権限により情報を適切に管理できる」「複数拠点の映像を一元管理できる」といった点が挙げられます。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、カメラの形状と録画方式を決める際に重視しているポイントをご紹介します。

「屋外ならば、基本的にバレット型のカメラ(※1)をおすすめします。さまざまな場所へ多数の導入を行う際は、置き型カメラを含むさまざまな型をご提案しています」
「映像確認を常時行うのではなく、適宜振り返る形であれば、基本的には固定型のカメラか360度カメラ(※2)を提案します」
「防犯目的なら、30~60日間の録画保存プランを推奨しています」

※1 バレット型カメラ:特定方向を遠くまで鮮明に撮影できる筒状のカメラ
※2 360度カメラ:一度のシャッターで周囲360度(上下左右)すべてを撮影できるカメラ。「全方位カメラ」とも呼ばれる

ステップ3:必要な機能の特定

工場によっては過酷な環境で稼働することもあるため、設置場所に適した機能をもつカメラを選ぶことが重要です。

高温多湿や粉塵が発生する環境では、防水防塵性能(IP65以上)と耐久性を重視しましょう。24時間稼働の工場では、夜間撮影のためのDay & Night機能や動体検知機能なども必要です。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、必要な機能を決める際に重視しているポイントをご紹介します。

「カメラの使用用途が防犯のみの場合は、赤外線機能(※3)が搭載されたモデルを推奨しています」
「カメラと機械が近いと故障しやすくなるため、PTZ機能(※4)搭載のモデルを提案し、機械からは離して設置することをおすすめします」
「振動が多い場所では、固定型のカメラは壊れやすいため、ウェアラブル型のカメラを提案します」

※3 赤外線機能:人間の目には見えない赤外線を照射し、その反射光を捉えることで、光源がない暗闇や夜間でも撮影を可能にする機能
※4 PTZ機能:パン・チルト・ズーム機能の略。左右上下、拡大縮小が遠隔で行える機能

工場にカメラを設置するなら「Safie」がおすすめ

工場へのカメラ導入では、設置環境や必要機能の検討が必要なため、選定に迷うこともあるでしょう。

セーフィーのサービスをあらわした図

そこでおすすめしたいのが、クラウド型カメラの「Safie(セーフィー)」です。特におすすめの2モデルをご紹介します。

  • Safie Pocket シリーズ(セーフィー ポケット シリーズ)
    過酷な環境に対応する、ウェアラブル型のカメラ
  • Safie One(セーフィー ワン)
    ポン置きで利用開始できる、屋内向けの置き型カメラ

屋内外で使えるウェアラブル型カメラ「Safie Pocket シリーズ」

KV画像:Safie Pocket シリーズ

さまざまな工場環境でカメラを導入するなら、ウェアラブル型カメラのSafie Pocket シリーズ(セーフィー ポケット シリーズ)がおすすめです。

IP67の防水防塵性能により雨風や砂埃にも対応し、マイナス20℃から50℃までの過酷な温度環境でも安定して動作します。身に付けて使用するため振動にも強く、移動の多い作業や点検業務に最適です。

レンズ横にLEDライトを搭載しているため、夜間撮影が可能です。上位モデルの「Safie Pocket2 Plus」は、検知通知機能とデジタル8倍ズームを搭載し、より高度な撮影ニーズに対応します。

モデル画像特長防水防塵
Safie Pocket2Safie Pocket2シンプルな機能構成のエントリーモデルIP67
Safie Pocket2 PlusSafie Pocket2 Plus遠隔業務に必要な機能をフルパッケージIP67
※レンタル料金はお問い合わせください

AIによる人検知機能搭載の屋内向けカメラ「Safie One」

KV画像:Safie One

屋内での定点撮影には、設置工事不要な置き型タイプのSafie One(セーフィー ワン)がおすすめです。

壁にビスやネジで固定する必要がなく、設置したい場所に置いて電源を接続するだけですぐに撮影を開始できます。設置場所の変更も簡単なため、レイアウト変更の多い工場でも柔軟に対応可能です。

Day & Night機能により24時間鮮明な映像を記録するほか、WDR(ワイドダイナミックレンジ)機能で逆光や明暗差の大きい環境でもくっきりとした画質で撮影できます。

エッジAIによる人検知機能を搭載しているため、人の動きだけを検知して通知することが可能です。従業員の安全な作業環境を維持し、重要な設備を守る必要がある工場に適したモデルです。

Safie One

Safie
Safie One

エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ

¥50,600 (税込)

外形φ76.5×92.5mm
重さ360g
防水性能なし
ネットワーク接続有線LAN、無線LAN
PoE給電対応
画角水平114° 垂直60°
ズームデジタルズーム 最大8倍
マイク(音声入力)あり
スピーカー(音声出力)あり
暗所撮影対応

工場にSafieのカメラを導入している事例4選

工場にSafieのカメラを導入している企業の事例を紹介します。どういった理由で導入し業務が改善されたか、ぜひ参考にしてみてください。

  • 鶴見製紙株式会社|工場内のセキュリティ向上
  • 石塚硝子株式会社|デモ機で検証後安心して導入へ
  • 旭化成株式会社|安全管理や若手教育の効率化
  • 東ソー株式会社|新人教育や業務効率の改善に

製造工場での導入事例①:鶴見製紙株式会社

鶴見製紙株式会社様

鶴見製紙株式会社は、主に再生紙トイレットペーパーの製造と販売を行っている企業です。これまでは製品に不具合が発覚した場合、生産から数カ月〜1年単位で時間が経っていることが多く、日報などでは生産工程を振り返ることが困難でした。

また、同社は以前から防犯カメラを設置していましたが、工場内をモニタリングするカメラはありませんでした。そこで、ライブ映像や録画で生産工程を見られるカメラがあれば、工場内のセキュリティだけでなく不具合の課題も工程間の情報共有の課題も一気に解決できると考え、Safieを導入しました。

クラウド型のためスマートフォンやタブレットからも簡単にアクセスでき、撮影したスクリーンショットをスライド資料にすることで振り返りやすい点が好評です。

鶴見製紙株式会社様

Safie Oneの正式導入後、不具合の正確な原因特定が可能になり、不具合品の出荷を未然に防げるようになりました。「映像を使って出荷停止商品を過不足なく洗い出せる」と、喜びの声を寄せています。

製造工場での導入事例②:石塚硝子株式会社

石塚硝子株式会社様

石塚硝子株式会社は、ガラスびんをはじめとするガラス製品の製造を行う老舗メーカーです。箱詰めや不良品処分のフローが確認できず、原因を特定できないことに問題を抱えていました。

カメラ導入を検討するなかで、オンプレミス型ではなく、どこからでも映像を確認できるクラウド型のほうが便利だと考え検討したのが、Safieのカメラでした。デモ品をレンタルし、画質や導入の予算、多目的に使える点を評価して正式に導入し、作業場に設置しました。

石塚硝子株式会社様

Safie導入後の効果として、トラブル発生時にカメラ映像を見返して原因を特定できたこと、外出中にスマートフォンからライブ映像を見て仕様書のミスに気付き、すぐに訂正出しの指示が出せたことなどが挙げられます。「遠隔で齟齬なくスピーディーに情報共有できるクラウドカメラのすごさを実感しました」との声をいただいています。

プラントでの導入事例①:旭化成株式会社

旭化成株式会社様

旭化成株式会社は総合化学メーカーとして、多数のプラント施工現場を抱えています。

安全管理のための移動経費や時間に問題を抱えており、ウェアラブル型のカメラを導入してリモートによる確認を行うべく、Safie Pocket シリーズを導入しました。

Safie導入により、施工現場の安全確認やパトロールが遠隔でできるようになり、さらに、通話機能による双方向のコミュニケーションで対話による齟齬のない確認も実現できています。

旭化成株式会社様

また、安全管理以外の導入目的として、若手の社員教育の効率化もあります。クラウドに保存された録画映像は、技術継承のために社内でストックされ、今後入社する社員の教育に活用する予定です。

プラントでの導入事例②:東ソー株式会社

東ソー株式会社様

東ソー株式会社は、石油化学事業、クロル・アルカリ事業、機能商品事業を3つの柱とする化学メーカーです。近年はベテラン社員の不足による、業務進行の停滞が問題となっていました。

もともとはスマートグラスを検討していたものの、別途ポケットWi-Fiを持つ必要がある点に課題がありました。Safie Pocket2はポケットWi-Fiが不要、電源を入れればすぐに録画が開始でき、操作が簡単で、録画映像をあとから振り返って確認できることが導入の決め手でした。

東ソー株式会社様

若手社員の作業の様子をベテラン社員が遠隔で確認し、指示を出したり、安全確認をしたりする形で活用しています。業務時間の短縮や安全確認の効率化ができるようになったのも、Safie導入後の効果です。

まとめ:工場へのカメラ導入で安全と生産性向上を実現

工場にカメラを導入すると、従業員の安全確保を第一に、品質管理の強化や生産性の向上が見込めます。また、遠隔での見守りが可能となり、点在する遠方の工場にわざわざ出向く必要もありません。従業員が移動する時間や手間を減らせれば、コスト削減にもつながるため、カメラの導入は業務改善におすすめです。

ただし、カメラを導入するときは、工場内の環境や導入の目的にあったものでなければなりません。食品工場から化学プラント、精密機器工場まで、工場の環境や用途はさまざまであり、それぞれに対応した性能を持つカメラの導入が重要です。

本記事で紹介したSafieのモデルであれば、クラウド型であるため映像の共有が容易であり、どのタイプの工場にも防犯や安全管理のために活用できます。「どのカメラを選べばよいかわからない」とお悩みの方は、お問い合わせフォームからのご相談も可能です。詳細な使い方や導入事例が知りたい方は、以下から資料をダウンロードしてみてください。

製造業界向け活用ガイドと導入事例集
製造業界向けクラウドカメラ活用ガイド
製造業界におけるクラウドカメラの活用方法と導入事例をご紹介しています。

※顧客や従業員、その他の生活者など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
  ▶「防犯カメラとプライバシーの関係。事業者が注意すべき設置のポイント
※カメラの設置に際しては、利用目的の通知を適切に行うとともに、映像の目的外利用を決して行わないことが求められます。適切なデータの取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
  ▶「カメラ画像の取り扱いについて
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