AIカメラによる店舗の顧客分析とは？マーケティングを効率的に行うための導入事例も

商業施設や小売店などでは、安定した経営や市場での生き残りのため、顧客分析を行うことが重要です。近年ではAIカメラを活用したマーケティングを行う店舗も増えている一方、AIカメラによる顧客分析の方法について疑問に感じている方もいるでしょう。

今回の記事ではAIカメラでできる顧客分析の内容や活用するメリットを解説し、実際に導入した企業の事例やおすすめのAIカメラを紹介します。

AIカメラでできる顧客分析とは

AIカメラを店舗に導入することで、顧客の行動や属性などの把握が可能です。これまでスタッフの勘や経験をもとに行われていた店舗運営とは変わり、カメラ映像やAI技術によって集計されたデータから顧客を分析し、店舗運営につなげることができます。AIカメラによってどのような分析ができるか、具体例を紹介します。

店内の人数カウント

人数カウント機能が搭載されたAIカメラを設置することで、店内の人数カウントが可能です。AIが人物を認識し、自動で人数データを集計してくれます。

店舗の入り口に設置することで来店者数をカウントできる上、通路や特定のエリアに設置しておけば滞留状況なども把握できます。また、来店者数とエリアや商品棚を通過した人数、購入者数を比較することで、購入率の分析なども可能となります。 

来店客の属性分析

人物属性分析機能が搭載されたAIカメラを設置すると、来店した顧客の属性分析ができるようになります。AIカメラで撮影した映像を振り返ることで、顧客の性別や年代などを確認できます。

来店客の属性を把握する方法としてPOSレジのデータ活用がありますが、購入者の属性しか把握できないといった側面があります。しかし、人物属性分析機能が搭載されたAIカメラを活用することで、未購入者の属性分析までできるようになります。

来店客の動線

人数カウント機能が搭載されたAIカメラを活用することで、来店客の動線を分析することも可能です。店内に数台のAIカメラを設置して人数のカウントや滞留状況を計測し、それぞれのデータを比較することで、「どの売場だと来店客がよく通っているか」「どの商品棚で立ち止まっているか」といった情報を把握できます。

動線を把握することで、「店内の奥まで見てもらえていない」「商品が発見されにくい」といった課題の発見にもつながります。

商品の陳列状況確認

人数カウント機能が搭載されたAIカメラで、商品棚をモニタリングすることができます。手に取られたものや購入されたものなど、商品の動きを把握することで、見られやすい陳列棚の把握や棚割りの検討にも活用できます。また、商品棚の陳列状況を確認して欠品の状況を把握できるため、商品をすぐに補充したり発注をかけたりといった商品管理にも活用できます。

広告効果・購買分析

人数カウント機能が搭載されたAIカメラを活用することで、広告効果や購買分析の最適化も図れます。たとえば、サイネージやPOPなどの広告施策を行う場合、AIカメラで顧客の行動など分析することで、設置場所や時間帯などを最適化することが可能です。

継続的なデータ収集をもとに施策前後のデータを比較することで、効果検証にも役立ちます。また、人数カウント機能が搭載されたAIカメラによって顧客行動や商品の陳列状況を把握できるようになるため、顧客ニーズや傾向などを把握する購買分析も可能となります。 

顧客分析にAIカメラを活用するメリット

AIカメラを活用して顧客分析を行うメリットについて解説します。

リサーチ業務やデータ取得業務の効率化につながる

これまでの顧客分析では、店舗スタッフが手動で来店者数や顧客行動を調査する必要がありました。

しかし、AIカメラを導入することで、人が行う調査では難しかったリサーチやデータ取得を自動化することが可能です。スタッフの労力を軽減し、コストダウンを図りながら顧客分析ができることから、マーケティング業務の効率化が期待できます。

そのため、リソース不足への対応につながる可能性があり、ほかの業務に時間を割けるといったメリットにつながる可能性も期待できます。

接客品質を向上できる

AIカメラを導入することで、接客品質の向上につながる点もメリットです。AIカメラで店内状況を確認できるため、顧客にとって適切なタイミングで接客対応に入ることが可能です。

また、混雑状況をAIカメラが検知して通知する機能もあり、バックヤードや隣の売り場にいる店員が素早く接客対応に入れる点もメリットです。さらに、AIカメラならば後から接客の様子を映像で振り返って確認できるため、スタッフ教育やオペレーションの改善にも活用できます。

効果的な棚割りの実現につながる

AIカメラで来店客の行動や商品の陳列状況を確認することで、ターゲット層の関心度を把握できるようになり、より効果的な棚割りをすることが可能です。

通行量の多いエリアや滞在時間の長い棚におすすめ商品を陳列したり、売れ筋商品の近くに関連商品を並べたりと、戦略的に配置できるようになります。棚割りは顧客の購買行動を促すために欠かせない要素のひとつであるため、売上向上を見込める点も大きなメリットです。

顧客満足度の向上につながる

顧客属性やエリアごとの関心度を分析できるため、ターゲットに合わせたサービスを提供できるようになります。

関心度の高いものをおすすめ商品として売り出したり、関連商品を並べて商品を探しやすくしたりといった施策検討にも活かせます。顧客ニーズや期待に応えられるようになるため、顧客満足度の向上も期待できます。

顧客分析のサポートにおすすめのAIカメラ「Safie One」とは？

セーフィーが提供する「Safie One（セーフィー ワン）」は、顧客分析をサポートし「店舗運営の効率化」や「集客力や販売力の向上」を目指せるおすすめのAIカメラです。

「Safie One」の特徴

「Safie One」の特徴を紹介します。

特長1：高画質・高感度でどのような環境でもしっかりと記録

Safie Oneは、HD（1280x720px）とフレームレート（30fps）により、高画質で撮影することが可能です。映像を拡大しても鮮明に確認でき、テレビ映像並みの滑らかさで視聴できます。

さらに、WDR（Wide Dynamic Range/ワイド・ダイナミック・レンジ）を搭載しており、明るい場所と暗い場所が存在する被写体でも鮮明に映し出すことが可能です。窓のある店舗で逆光環境にあったとしても、くっきりと映し出します。

ナイトビジョン性能も備えているため、夜間など光が少ない環境でも店舗の隅々まで判別できます。

特長2：工事不要のため簡単に設置可能

Safie Oneは工事不要で簡単に取り付けられます。壁や天井にネジで簡単に固定できるほか、さまざまなアダプターに対応しているため、照明を取り付けるライティングレールに固定したり三脚に固定したりと、多様な設置方法を選択できます。

また、面倒なネットワーク工事も必要ありません。LTEドックを搭載しているため、接続するだけですぐに通信できます。

特長3：店舗運営で役立つ機能を標準装備

セーフィーのクラウド録画サービスを利用することで、PCやスマートフォンからいつでも映像を確認できます。どこからでもリアルタイム映像や過去映像が視聴できるため、臨店の回数を減らせます。

また、人だけを検知できる機能が標準装備されており、検知するとスマートフォンにお知らせの通知が届きます。営業時間外の不法侵入などをいち早く察知できるため、防犯性能の高さも特長の一つです。

さらに、マイクやスピーカー、Bluetooth機能も装備されているため、離れた場所から店舗にいるスタッフとのコミュニケーションができる点もポイントです。

おすすめの利用シーン

具体的にどういったシーンでSafie Oneを活用できるのか、ここでは3つの事例を紹介します。

顧客の行動や属性を分析したい場合

記録した映像はクラウドに保存されるため、いつでも振り返って確認できます。そのため、顧客行動や属性などを把握し、マーケティングに活かせます。また、複数店舗の映像を確認する場合、管理画面から同時に見ることができるため、店舗比較にも役立ちます。

複数の店舗を管理運営している場合

Safie Oneを店舗に設置しておくことで、離れた場所にいても映像と音声をリアルタイムで確認できます。店舗を巡回することなく、店舗の混雑状況や活気などをいつでも確認できるようになるため、複数の店舗を管理運営している方にとっても有効なツールです。

無人店舗での活用や省人化を図りたい場合

Safie Oneには人だけを検知して通知する機能があると先述しましたが、この機能は無人店舗の店内確認にも有効です。通知があったときだけ映像確認すれば済む上、マイク・スピーカー機能を活用して離れた場所から必要な顧客に案内することもできます。

「Safie One」は『AI-App 人数カウント』との併用がおすすめ

「AI-App 人数カウント」とは、以下の3つの機能をパッケージにしたアプリケーションです。

• 立ち入り検知
• 通過人数カウント
• 立ち入りカウント

「AI-App 人数カウント」は、Safie Oneにアプリケーションをインストールして利用します。設定した内容に沿ったデータの収集やスマホへの通知などが可能で、集客・販売・業務効率の問題を解決し、顧客分析やマーケティングの活用に有効です。

【立ち入り検知】人の滞留を検知

「立ち入り検知」は、人の滞留を検知し通知で知らせてくれる機能です。人の立ち入りを検知したい場所と人数をあらかじめ設定しておき、指定したエリア内に指定した人数の立ち入りがあると、PCやスマートフォンなどに通知で知らせてくれる仕組みです。

想定される利用シーン

レジや店前、受付カウンターなどのエリアを設定しておけば、AIカメラが混雑状況や待ち列を検知してタイムリーに通知してくれます。離れた場所にいても迅速に対応でき、顧客満足度や離脱防止につながります。また、立ち入り禁止エリアを設定しておけば、侵入があってもリアルタイムに把握して対応できます。

利用者を待たせることによる販売機会の損失を防ぎ、迅速に対応を図ることで顧客満足度向上の効果も期待できます。

【通過人数カウント】通過人数を集計

「通過人数カウント」は、通過人数を自動で集計してくれる機能です。検知したいラインを設定しておくことで、人のイン・アウトを検知して集計する仕組みです。集計した人数はデータで確認できます。

想定される利用シーン

店舗の出入り口にラインを設定しておけば、POSレジだけでは集計できない来店人数を集計できます。

また、店前の通行量や来店者数を集計し、店内の滞留人数やPOSレジからわかる購入者数などのデータを組み合わせることで、購入に至るまでのデータ分析もできるようになります。これらのデータを活用して、プロモーション施策やレイアウト変更などの効果検証も実行できます。

集客力や販売力の定量的な把握につながり、イベントや施策の効果を見える化できるため、これまで「施策の効果がわからない」などの悩みをもっていた場合も解決を見込めます。

【立ち入りカウント】立ち入り人数を集計

「立ち入りカウント」は、エリア内に立ち入った人数を集計する機能です。検知したいエリアを設定しておくことで、そのエリアに人が立ち入ったことを検知し、自動で立ち入り人数を集計する仕組みです。

想定される利用シーン

店舗内の特設コーナーや商品棚の前などのエリアを設定しておくと、顧客の滞留人数を把握できます。顧客がどこに滞留しやすいかがわかるため、人気が高いエリアでプロモーション活動やセールイベントなどを開催できるようになります。

これまでスタッフの勘に頼っていた商品陳列やディスプレイも、滞留率が見える化されるため戦略的な施策を打ち出すことができます。また、施策前後の滞留率を分析することで効果検証もでき、販売力の向上も目指せます。

AIカメラを活用した顧客分析の導入事例

実際にAIカメラを導入した企業がどのように顧客分析に活かしているか、事例をもとに紹介します。

モレスキン・ジャパン株式会社

手帳やノート、バッグなど、多くのファンから愛される製品を販売する「モレスキンジャパン株式会社」では、同社が運営する日本初の直営店においてAIカメラを導入し、販売促進や顧客分析に活用しています。

AIカメラによって「入店者数」と「店舗前の通路を通る人の数」の集計を自動化し、店内のメインエリアに一定時間滞在した人数もカウントしています。また、AIカメラの検知機能を活かし、映像を振り返って特定のエリア内の商品に興味を示した顧客の属性モニタリングも行っています。

顧客属性や滞在時間、最初に手にした商品など、これまでPOSレジには残らなかったデータまで把握できるようになり、このように得られた情報を、店舗のレイアウト変更・販促施策・イベント日程の検討などに活かしています。

＼詳しい事例紹介はこちら／

BUSINESS LEATHER FACTORY

環境問題や社会問題を解決するソーシャルビジネスに取り組んでいる「ボーダレス・ジャパン」。同グループである「BUSINESS LEATHER FACTORY」の直営店では、AIカメラを導入して客観的な状況把握と接客面の向上に活用しています。

AIカメラにより店舗前の通路を通る人の数や来店率のデータを収集した結果、当初予想していたものと異なるリアルなデータ取得を実現しています。スタッフの経験や感覚でつかんでいた顧客傾向も、客観的でリアルな数字の取得につながったことから、店舗設計や商品陳列などに活用することができています。

また、接客方法をほかの店舗に共有し、接客教育にも活かしています。好成績な店舗や上手な人の接客、繁忙期の対応方法などをチェックすることで、接客技術の向上につなげています。

＼詳しい事例紹介はこちら／

AIカメラを導入して顧客分析に役立てよう

顧客の属性・行動・商品への関心度などといった顧客分析は、店舗運営やマーケティングにおいて必要不可欠で、できるだけスタッフの労力をかけずに正確で定量的なデータを継続して取得することが求められます。そのため、来店者数や滞在状況などを自動でデータ収集し、属性や行動を把握できるAIカメラの導入が有効です。

セーフィーでは顧客分析に役立つAIカメラ「Safie One」や、アプリケーション「AI-App 人数カウント」を提供しています。ぜひ一度ご相談ください。

※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。