小売業でのAIカメラの導入メリット｜どんな分析に活用できるの？

AIカメラの機能が急速に発展しており、小売業界に導入することでさまざまな活用が注目されています。小売業で設置しているカメラは万引きなどの防犯対策といった目的から、AIによるデータ分析や、顧客満足度や売上の上昇、業務の効率化といった活用方法へとシフトしています。今回の記事では、AIカメラを導入するメリットやどのような分析ができるのかを解説します。

そもそも『AIカメラ』とは？

AIカメラは、人工知能（AI）を活用して撮影された映像や画像を分析するカメラです。人物やモノ、エリアなど特定の対象物を識別し、データの収集や分析を自動でおこなってくれます。これまで人が映像を確認しておこなっていた作業もAIカメラによって自動化できることから、セキュリティや管理、顧客分析などさまざまなシーンで活用されています。

従来のネットワークカメラとの違い

ネットワークカメラとはネットワーク経由で映像を送信するカメラのことで、リモートからの映像確認や録画、インターネットを通じたリアルタイムでの視聴などが可能となります。映像や画像を記録することを目的としており、セキュリティや防犯対策のための防犯カメラや遠隔からペットや子どもを見守るカメラなどとして使用されます。録画機能や遠隔から確認できる機能が搭載されていますが、データの収集や分析は人の手を介した確認作業が必要です。

一方、AIカメラは従来のネットワークカメラの機能に、画像と映像からデータ収集・解析機能が加わっている点が異なります。撮影記録とデータ解析がおこなえるので、必要なデータをスムーズに収集できるようになり、業務の効率化を可能にしています。

▼AIカメラの特徴やネットワークカメラとの違いはこちらで詳しく解説しています。

AIカメラは2種類に分類される

AIカメラは「クラウドAIカメラ」と「エッジAIカメラ」の2つに分類できます。

• クラウドAIカメラ

クラウドAIカメラは、撮影した映像や画像をインターネットを介してクラウド上のサーバーに送信し、そこでAI処理がおこなわれます。データ解析するためにインターネット環境が必要ですが、処理能力の制約が少なくリアルタイムでの高度な解析が可能です。複数のカメラで撮影した場合も映像をまとめてデータ比較や分析が可能なので、複数台を一括管理する場合におすすめのカメラです。

• エッジAIカメラ

エッジAIカメラは、カメラ自体にAI処理の機能を搭載しています。撮影した映像や画像はカメラ内で直接処理され、解析や結果がその場で生成されます。インターネット環境が不要であるため通信コストを抑えられる点と、セキュリティリスクも少ないというメリットがあります。カメラ以外の機材を管理する手間を省き、スモールスタートしたい方におすすめのカメラです。しかしカメラ自体の処理能力が限られるため、より複雑な解析には制約があります。

▼エッジAIとクラウドAIの違いはこちらで詳しく解説しています。

小売業においてAIカメラを導入するメリット

AIカメラを導入することでさまざまな場面で活用でき、以下のようなメリットにつなげられます。

人手不足の解消と人件費の削減

多くの小売業界では労働人口不足や人件費の高騰などが課題となっていますが、AIカメラを導入することで人がおこなっていた作業を自動化できます。結果的に人員を減らせるため、人手不足の解消と人件費の削減につながります。

顧客行動・属性の分析が可能

AIカメラによる顧客行動と属性の分析が可能です。入店してから退店に至るまでの行動や顧客属性がわかるため、購買意欲を高める施策の発見につなげられます。たとえば、プロモーション活動やセールイベント、商品企画のヒントに活かすことが可能です。

売場のレイアウトの最適化ができる

AIの分析結果をもとにお客様の流入状況を確認できる点もメリットです。お客様が立ち止まる商品棚の滞留率やよく通過するエリアなどを分析できます。そのため売れ筋商品を目立つ場所に陳列する、お客様が通行しやすいように通路を広げるというように、データを参考にしたレイアウト変更が可能です。

販売員の接客支援と接客品質を向上できる

AIカメラによって顧客属性や店舗の混雑状況を把握できるため、お客様のニーズや要望をくみ取ったサービスの提供が可能です。たとえばレジ前の混雑が発生した場合はスタッフがスムーズにフォローに入る、混雑しやすい時間帯や曜日はシフトを調整するといった対応が可能となります。その結果、接客のサポートと接客品質の向上につなげられる点がメリットです。

セキュリティを強化できる

AI機能は、顔を認識する機能や姿勢を検知する機能もあります。そのため特定の人物を認識したり、人の姿勢から通常と異なる動作と判断して異常検知したりできるため、従来の防犯カメラに比べてセキュリティ性能が高いAIカメラもあります。

PDCAを効率化できる

AIカメラによって効率的にPDCAを回せるようになる点がメリットです。ECサイトなどはオンライン上でPV数や購入数を測定することは比較的簡単ですが、実店舗の場合は来店者数などのデータ収集が難しい側面があります。しかしAIカメラであれば正確なデータ収集と分析が簡単にできるようになり、集客や購買向上の施策をおこなった前後の比較もスピーディにおこなえます。

AIカメラを導入することでできる分析内容

ここではAIカメラでできる分析内容を具体的に紹介します。

入店者数のカウント

AIカメラはあらかじめ設定しておいた画角内のエリアを識別し、そのエリアに侵入した人物をカウントできます。店舗の入り口を設定しておくことで、入店者数をカウントしてデータに収集してくれます。時間帯や曜日別などで入店者数の分析が可能で、時系列で推移を可視化できます。

滞留検知

AIカメラはカメラ画角内に複数のエリアを設定して、エリアごとの人数カウントや滞留時間などを把握できます。たとえば売場エリアをいくつかに分けて計測することで、お客様の立ち寄りが高いエリアを把握して、商品陳列の参考やプロモーション活動に活かせます。

レジ待ち人数検知

AIカメラは任意の設定条件に応じて、通知してくれる機能もあります。カメラの管理画面上でプッシュ通知やメール通知ができるため、店舗の混雑状況をリアルタイムで把握できます。そのためレジ待ちの人数検知として活用すれば、レジ以外の作業をおこなっているスタッフが混雑したときだけレジフォローに入るといった対応が可能です。

性別・年代別の分析

AIカメラは映像をもとに、性別や年代などの顧客分析がスムーズにおこなえます。ネットワークカメラでも映像の振り返りでの分析が可能ですが、AIカメラの場合はデータをもとに映像を振り返ることが可能なので、来店数の多い時間帯などに的をしぼって映像を振り返れます。またAIカメラに「属性検知」機能があれば、映像の解析から人物の年代や性別といった属性を把握できるものもあります。

商品接触分析

商品の前に立ち止まった人数や滞在時間をカウントできるため、商品に対する興味や人気、集客力を把握できます。また、映像をもとに商品を手にとった顧客属性や、POSレジ機能と合わせてどれくらいの割合で購入されたかといった行動パターンの分析が可能です。

小売業のAIカメラ導入は『Safie』がおすすめ

小売業にAIカメラを導入する場合、クラウド録画サービス「Safie（セーフィー）」がおすすめです。セーフィーでは、多数のクラウドカメラと独自のクラウド録画サービスを提供。もちろんAIカメラも提供しているため、小売業界での管理業務や施策をサポートします。

セーフィーのAIカメラを導入すれば録画機が不要なため、レコーダーの設置や買替が不要です。カメラをインターネット接続するだけでスマホやパソコンから、24時間いつでもどこからでも映像確認できます。複数のカメラを設置する場合でもひとつの画面で管理でき、映像を同時に視聴することも可能です。またカメラ映像を他者にも共有できるので、関係者へ映像による事例報告や複数人での店舗運営にも役立ちます。

映像の視聴や保存、共有する画面は操作性が高く、HD画質と最大30fpsによる高画質な映像も兼ね備えています。機能性の高さに加え、高セキュリティのクラウドサービスとカメラ本体とクラウド利用料の低価格を実現しています。

小売業におすすめのAIカメラは『Safie One』

小売業でおすすめのセーフィーのAIカメラ「Safie One（セーフィー ワン）」と、AIアプリ「AI-App（アイアップ） 人数カウント」を紹介します。

AIカメラ『Safie One』

Safie Oneは防犯も店舗運営の改善も可能にする、エッジAIを搭載したカメラです。暗闇でも人を検知できる「人検知機能」を標準で搭載しており、スマホなどに通知してくれるので夜間の防犯対策も安心です。カメラ本体にマイクとスピーカーを内蔵しているため、カメラを通して店舗にいるスタッフと別店舗や本部にいるスタッフがコミュニケーションをとることも可能です。そのため無人の店舗にSafie Oneを設置しておき、遠隔接客といった方法にも活かせます。

Safie Oneは、工事不要で置くだけで簡単設置できる点も特徴です。壁や天井はもちろん、照明レールや三脚などを使用した設置もできるため設置場所を選びません。

小売業向けAIアプリ『AI-App 人数カウント』

「AI-App 人数カウント」はオプションで追加できるアプリで、SafieのAIカメラにインストールすることで利用できます。AI解析によって店舗の状況をデータで収集し、条件に基づいた検知や通知を可能にします。Ai-Appは、以下の3つの機能を備えています。

• 立ち入り検知機能
  エリア内の滞留人数を検知する機能で、レジ前の混雑やサービスカウンター前の列を検知するとスタッフに通知してくれます。販売の機会を逃さず、顧客満足の向上なども期待できます。また立入禁止のエリアや営業時間外の時間を設定しておくと、侵入を知らせてくれるため防犯性や安全性も高まります。

• 立ち入りカウント機能
  エリア内の立入は、検知だけでなくカウントも自動的におこなってくれます。商品棚の立ち入りカウント数を分析すれば、お客様の滞留率が高いエリアを把握できるため、効果的な商品陳列や売場レイアウトに活用できます。

• 通過人数カウント知機能
  検知するラインを設置しておくことでインとアウトを計測してくれる機能です。店舗の入り口を設定しておけば入店・退店を集計してくれ、データとして簡単に確認できるようになります。集客力を定量的に計測できるため、プロモーション施策や商品の入れ替えなどの効果測定にも役立ちます。

▼『AI-App』の詳細についてはこちらをご覧ください。

まとめ

AIカメラは従来のカメラではできなかった活用が可能になり、作業の効率化や戦略的な施策などを実現できます。小売業においてはAIカメラの活用事例がどんどん増えています。

店舗が抱える課題や要望に適したカメラを導入する必要がありますが、AIカメラはモデルによって分析できる内容や機能が異なります。Safie Oneであれば標準機能に「人検知機能」が備わっているため使い勝手のよいカメラです。さらにAI-Appをプラスすれば、AIで解析したデータの応用が可能です。セーフィーは小売業様への販売実績も多数あるため、AIカメラの導入でお悩みの場合はぜひご相談ください。

※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。