棚割り(シェルフマネジメント)とは?最適化するポイントやシステム導入について解説

棚割りとは? 注意点と推奨システム

棚割り(シェルフマネジメント)とは、お客様がスムーズに買い物ができるように商品の配置を決めることです。販売したい商品を手に取ってもらえるような戦略的な陳列も求められ、店舗の売上にも大きく影響します。この記事では棚割りについて、最適化するためのポイントやシステムの導入について解説します。

棚割り(シェルフマネジメント)とは?

棚割りとは、店舗で仕入れた商品をどの場所にどれだけ陳列するかを決めることで、シェルフマネジメントともいわれます。スーパーやホームセンター、ドラックストアなどではさまざまな商品がキレイに並べられ、どこになにがあるか容易に探せるように工夫がされています。また、ついつい手が伸びてしまうような購買力を向上させる戦略的な手法も取り入れられています。

棚割りの役割は大きく以下の2つがあります。

  • 販売したいものを手に取ってもらいやすくする
  • 商品の在庫数を把握し仕入れ管理をする

棚割りは3つの要素である「グルーピング」「ゾーニング」「フェイシング」を意識することが基本です。

グルーピング

商品の種類・用途・メーカー・サイズなど、さまざまな視点で分類することです。「野菜」、「冷凍食品」、「乾物」などで分類したり同じメーカーの商品をまとめたりすることで、お客様が商品を探しやすい環境を作り出せます。

ゾーニング

店内のスペースやレイアウトに合わせて棚や什器を配列することです。お客様がスムーズに移動して商品を探せるように、棚や什器の設置を検討します。

フェイシング

棚に並べる商品の列数(フェイス数)を決めることです。商品の売れ行きなどを考慮してフェイス数を増減させます。

お客様の目線に入りやすい高さや動線を考えて、どの商品をどこにどれくらい並べるのが最適かを決めます。

棚割りを適切に行うメリット

棚割りが適切に行われた店舗では、お客様は商品を探しやすくなりストレスなくスムーズに買い物できます。店舗の評価が高まり、顧客満足度にもつながるでしょう。

また、しっかりと棚割りができていれば商品の在庫数を確認しやすくなり、仕入れ業務の効率化につながります。在庫切れでお客様に不便をかけることや、在庫過多で価格を下げて売り切らないといけないといった事態も防げます。

戦略的な棚割りによって、お客様の興味を引いたり購買意欲を高めたりできる点もメリットです。棚割り次第で店舗の売上を伸ばすことも可能です。

棚割りの注意点

店舗の棚割りは定期的に見直して、商品の入れ替えや場所の移動を行う必要があります。シーズン商品や売れ筋商品などは販売するタイミングが大切なため、棚割りを誤るとスペースが空いてしまったなどの事態が発生し、店舗の売上を低下させる恐れもあります。

また、頻繁に棚割りを変更するとお客様の混乱を招くことになり、店舗にとっても負担が大きくなります。

棚割りの役割や影響は大きく戦略的に行わなければ売上が低下する要因となる上に、棚割りの業務は煩雑で工数がかかってしまうという側面もあります。次回の棚割りに活かすために、棚割りの変更による売上の変動を調査しておく必要もあります。

棚割りを最適化するためのポイント

棚割りの3つの要素である「グルーピング」、「ゾーニング」、「フェイシング」を踏まえたうえで、最適化する5つのポイントを紹介します。お客様の動線や目線などを意識し、最適な商品の配置場所を検討することが必要です。

関連性のある商品同士を近くに配置する

関連性のある商品は、近くに配列するのがポイントです。サラダコーナーにドレッシングを置く、お酒コーナーにおつまみも配置するなど関連する商品をまとめると、お客様の目線に留まって買う予定ではなかった商品の購入が期待できます

関連性のある商品を近くに配列することは、買い忘れを防いだり移動して探す手間が省けたりしてお客様にとっても利便性が高いといえます。

売れ行きに合わせて陳列を調整する

棚割りのポイントとして、商品の売れ行きに合わせてフェイス数を変動させることも必要です。売れ行き商品はフェイス数を増やすことでお客様の目に留まりやすくなるため、より手にしてもらえる効果が高まります。

また、フェイス数を多く確保することで商品を多く陳列できるため、在庫切れを防ぐことにもつながります。

ゴールデンゾーンを有効に活用する

ゴールデンゾーンに主力商品や売上につなげたい商品を陳列することも棚割りのポイントです。ゴールデンゾーンとはお客様の目に留まりやすく、手に取りやすい範囲のことをいいます。人が立った状態で胸のあたりがゴールデンゾーンにあたりますが、年齢層や男女によって異なります。

たとえば、お子様向けのお菓子のコーナーはゴールデンゾーンを低めに設定するなど、ターゲットに合わせて高さを調節することが大切です。

視線に合わせた陳列にする

視線の動きや性質を意識して、商品を陳列することがポイントです。人の視線や行動には、以下のような性質があります。

  • 両端よりも中央のほうに目線がいく

棚の真ん中に立った場合、100cm前後が視認できる範囲です。棚の両端のほうまで視線が届かず見落としてしまうこともあります。

  • 視線は「Z」字のように動く

人の視線は左上から右上へ、つづいて左下から右下というように「Z」字を描きながら動く性質があります。

視線が始まる左上の商品も目につきますが、もっとよい商品がないかと無意識に探すのが人の心理であり、中央や右側のほうが視線は留まりやすくなります。また右利きの人が多いため、棚の右側のほうが手に取りやすい位置です。

【視線や行動を意識した商品陳列例】

  • 最初に視線に入る位置に新商品を陳列する
  • 売り出したいものやセール品を中央に陳列する
  • 目線の動きに合わせて高価格から低価格になるように陳列する

陳列例のように人の視線や行動の性質に合わせると、売り出したい商品をコントロールしやすくなります。

商品の特性、ジャンルに合わせた配置にする

新商品やシーズン商品、セール対象品など販売したい商品の特性を考慮して、陳列の方法を変えることも棚割りの有効な方法です。ここでは棚割りで取り入れられる陳列の手法例を紹介します。

縦陳列

同じカテゴリーの商品を縦方向に陳列する方法で、一般的に使われる方法です。ほかのカテゴリーの商品と区別しやすく、どこになにが陳列されているか即座に把握しやすい特徴があります。

横陳列

同じカテゴリーの商品を横一列に陳列する方法で、大量に陳列したい場合に採用されます。視線を集めやすいのが特長で、商品をアピールしたい場合に有効な方法です。

島陳列

棚とは、別に台を設置しその上に商品を陳列する方法です。商品が立体的に積み重なっているため目立ちやすく、売りたい商品の売上効果が期待できます。

エンド陳列

エンド陳列とは、商品棚の両サイドのことです。大きな通りに面しており店舗の入り口からも見渡せるため目に留まりやすく、売上に影響を与える場所ともいえます。目玉商品やセール商品を陳列し、来店効果を高めることも期待できます。

ジャンブル陳列

ジャンブル(Jumble)とは乱雑という意味があり、什器に商品を無造作に入れる方法です。投げ込み陳列ともいわれ、お得感を演出でき陳列にも手間がかからないのがメリットです。スーパーの特売品などに有効な方法です。

陳列の方法でお客様に与えるイメージが変わるため、商品の特性に合わせて陳列方法を変えることが棚割りにおいて重要なポイントです。

棚割りを最適化させるにはデータ分析が重要

棚割りを最適化し売上向上につなげるためには、データ分析が重要です。店舗のターゲット層などを踏まえて購入に至るまでのお客様の行動を把握し、商品のラインナップや数、配置などを決めていかなければなりません。

しかし、棚割りの重要性は理解しているものの、最適化できず課題を抱えている店舗が多く存在します。店舗によって抱える棚割りの課題や悩みはさまざまですが、以下のような課題が挙げられます。

・商品、値段、場所、売上などの情報量が多くて管理しきれない
・棚割りに有効な施策がわからない・施策後の効果を検証できない
・ベテラン従業員による経験値で棚割りしている など

棚割りを最適化するには、まずは店舗の現状把握と分析を行い、問題を見つけ出してから対策を講じる必要があります。そのために、商品がお客様にどれくらい見られたか、どれくらい商品棚に滞在していたか、仕入れ数や販売数といったデータを収集しなければなりません。

しかし、棚割りの業務にはノウハウが求められ時間や人員も必要です。担当者は商品の陳列や仕入れの業務だけで手一杯で、なかなか調査や分析などに時間を費やせないというのが実状ではないでしょうか。

そのため、棚割りをサポートできるシステムを導入することが有効です。商品データや配置を管理できたりお客様の行動を把握したりして、現状の正しいデータの収集や分析ができるようになり棚割りをサポートしてくれます。

システムを導入すればデータを自動で集約できるため、スタッフの負担をかけることなく業務効率化にもつながります。

棚割りを最適化するためにシステムを導入するメリット

棚割りを最適化するシステムには、さまざまなソフトウェアやツールがあります。たとえば会計時に購買データが記録されるPOSシステムや、AIを用いて棚割り自動で生成してくれるサービスなどが一例です。これらのシステムを導入することで、棚割りの最適化につながり、以下のようなメリットが期待できます。

マーケティングにも活用できる

棚割りシステムを導入することで、マーケティングにも活用できるようになります。実店舗では、ECサイトのように流入数や閲覧などのデータを簡単に把握できません。

しかし、棚割りシステムではお客様の来店数や行動パターンをデータ化できるため、分析しやすくなります。データや分析結果をマーケティングにも活用し、結果的に売上アップにつながるといったメリットが見込めます。

人的リソースの節約につながる

棚割りシステムを導入することで、これまで人が行っていた管理を自動に切り替えられます。陳列棚を確認して商品の在庫や消費期限をチェックする必要もなくなり、商品棚や什器ごとの売上数などのデータも労力をかけずに数値化できます。

確認作業などに時間がかかり煩雑だった棚割り業務の工数を低減させられ、スタッフはほかの業務に専念できるようになります。

棚割りを最適化するには防犯カメラの活用がおすすめ

店舗数の多い小売店は膨大な量のデータを扱うため、棚割りの管理は体系的であることが望ましいです。しかし、システムの導入は大掛かりなものになり、棚割りと同時にコストも検討しなければなりません。

そこでコストを抑えつつ、簡単に導入できる防犯カメラの活用がおすすめです。夜間の侵入防止や万引き対策、レジトラブルなどの目的で防犯カメラを設置している店舗は多いでしょう。しかし防犯やトラブル対策としての役割だけでなく、棚割りに役立つ機能が備わっているモデルも多数あります。

\小売店の防犯カメラ活用方法はこちら/

AIが搭載されているカメラシステムであれば、人物がエリア内に立ち入ったら知らせる機能や、通過人数をカウントする機能、立ち入り人数をカウントする機能など便利な機能が搭載されています。

集計したデータの分析まで自動で行ってくれるものまであります。そのため棚ごとやエリアごとで滞在者数や滞在時間の分析もできるので、お客様の動線や行動パターンを読み取り、陳列レイアウトの参考になります。

人数カウント機能

エッジAI搭載カメラ
店舗の状況をAI解析で見える化できる

また、生鮮食品やお惣菜など流動が激しくタイムリーな商品補充が必要な商品も、カメラ映像をリアルタイムで確認できるようにすることで、商品コーナーまで確認しにいく必要がなくなります。店舗内に設置する防犯カメラは、棚割りにも有効的に活用できます

まとめ

棚割り業務における、確認や調査の部分を目視で行っている場合は、工数がかかり正確なデータ収集は困難です。最適な棚割りで店舗の売上向上を目指すためには、棚割りの業務をサポートするシステムの導入が必要不可欠です

セーフィーは映像ソリューションを提供している会社です。棚割りの課題を解決するシステムのひとつにカメラが効果的であり、小売店への販売実績も豊富にあります。

これから棚割りの最適化を検討したい方や、これまでのシステムでは課題の解決に至らなかった方は、ぜひご相談ください。

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