防犯カメラを選ぶ際に動作温度も調べる方は少ないかと思います。しかし、カメラで保証されている動作温度の範囲外の場合、カメラが正常に動かず映像が撮影されていなかったり、故障する原因になるケースもあります。
本記事を読むことで、防犯カメラの動作温度が重要な理由、熱帯域や寒冷地に防犯カメラを設置する方法について理解することができます。
目次
防犯カメラの耐熱性が重要な理由
一般的な防犯カメラは、すべての環境下で正しく動作する訳ではありません。その理由と熱帯域や寒冷地などで起こりやすい不具合について把握しましょう。
暑さによる機器の不具合
防犯カメラは、高温環境下では正常に動作しない危険性があります。カメラ内部に搭載する電子回路には動作上限温度があり、直射日光やカメラ本体の発熱により映像の乱れや電源の不具合が発生するためです。また、高熱による機器の膨張も避けられません。
たとえば、高温環境下では次のような不具合が想定されます。
- 映像のノイズ
- カメラ機能の停止
- 電源の切断
- 製品寿命の低下
高温対策の施されていない防犯カメラは、高熱により正しく動作しないことがあるため、適切な対策が求められます。
寒さによる機器の不具合
高温環境下だけでなく、低温環境でもカメラは正しく動作しない危険性があります。機器の凍結やレンズの結露などが起こり、機能の停止や映像のボケが発生することがあるためです。
たとえば、次のような不具合が低温環境下では想定されます。
- レンズの結露
- 映像のボケ
- 機器の停止
- バッテリー性能の低下
低温対策が施されていない防犯カメラは、低温により正しく動作しないことがあるため、適切な対策が求められます。
防犯カメラシステムの動作温度を調べる方法
防犯カメラの動作温度は、製品の仕様から確認できることがほとんどです。動作温度は製品を正しく使うために重要な情報であり、必ずと言っていいほどメーカーが明示しています。
「動作温度」「動作周囲温度」「動作温度範囲」といった表記の違いこそありますが、ほとんどの電子機器で確認できる性能でしょう。
たとえば、セーフィーの防犯カメラ「Safie One(セーフィー ワン)」では、次のように防犯カメラの動作温度を提示しています。
こちらの製品仕様から-10℃〜40℃までは正常に動作することが分かります。このように動作温度を調べることで、設置したい環境に適した防犯カメラを選ぶことができます。
レコーダーの動作温度も確認が必要
防犯カメラシステムの構築は、カメラだけでなくレコーダーの動作温度も確認が必要です。レコーダーは主に屋内で利用されますが、猛暑日や真冬日などは屋内環境でも温度変化が激しくなります。カメラの設置環境だけでなく、屋内環境にも適切な対策が必要です。
また、電源ケーブルやLANケーブルにも動作温度がありますので、あわせて確認しなければなりません。
熱帯域や寒冷地に屋外カメラを設置する方法
熱帯域や寒冷地では、防犯カメラに不具合が起きやすいことは理解いただけたと思います。それでは、実際に防犯カメラを設置する際、どう対策すればよいか解説します。
IP規格と動作温度の確認
屋外に設置する防犯カメラは、IP規格と動作温度範囲を確認することが求められます。IP規格とは、機器の防塵・防水性能を示す、国際規格です。数値が高いほど性能が高く、屋外型防犯カメラでは、IP66以上の機種が推奨されます。
たとえば、セーフィーの屋外対応ドーム型防犯カメラ「VIVOTEK FD9389-EHV-v2(SF)」は、IP規格がIP66、動作周辺温度が-40℃〜60℃であることが分かります。
猛暑日の直射日光が当たる場所では50℃を超える場合もあり、軒下の設置や防雨カバーなどで対策しなければ正常に動作しない危険性もあります。また、IP66/IK10の性能があるため、台風や豪雨でも正常に動作でき、衝撃性能は最高等級IK10の強さです。
この製品であれば、極端な温度環境では適切に動作しない危険性こそありますが、国内の屋外設置では安全に動作できることが保証されると判断できます。
\IP規格の詳しい記事はこちら/
防犯カメラの設置場所で調整
猛暑日であっても日向と日陰では、周辺温度で10℃以上の差が発生することもあります。屋外対応防犯カメラであっても、直射日光が当たる環境は避け、軒下などの風通しのよい場所に設置しましょう。
ただし、寒冷地のように夏場でも温度上昇が少ない場所では、あえて直射日光に当てることで低温対策にするケースもまれにあります。また、極端に温度変化が大きな場所では、屋外カメラを屋内に設置する方法もひとつの手段です。
冷却・温暖に特化したハウジングの採用
もし直射日光を避けられない場合、防雨カバーやハウジングなどを活用する方法もあります。ハウジングとは、防水・防塵加工されていない、またはそれらの耐性が弱い防犯カメラに対して、水・ほこり・直射日光などから防犯カメラを保護するためケースや機器などを指します。
また、温度だけでなくじっとりした湿度の調整に適したハウジングもあるため、熱帯地域や寒冷地ではハウジングの利用が推奨されます。
ハウジングに搭載できる主な機能
- 冷風機
- ファンヒーター
- エアクーラー
- 断熱材の収納
- 乾燥剤の収納
ファンヒーターやエアクーラーなどを搭載したハウジングは、機器の故障を防ぐだけでなく、レンズの曇りを抑える効果も期待できます。また、断熱材や乾燥剤を収納することで、温度・湿度調整に活用することも可能です。
ヒーティングケーブルの使用
防犯カメラだけでなく、電源ケーブルやLANケーブルの動作温度も確認しなければなりません。ケーブルが凍結することで不具合が起きることがあり、寒冷地ではヒーティングケーブルや凍結防止用パイプなどで保護することが推奨されています。
ただし、猛暑環境では逆にカメラを傷つける可能性があるため、適切な環境で活用しましょう。
レコーダーの空調管理
屋外の防犯カメラだけでなく、屋内設置のレコーダーの動作温度についても注意しなければなりません。レコーダーは屋内に設置することがほとんどですが、屋外の倉庫や、建設現場の仮設現場事務所など屋外の影響を受けやすい建物もあり、猛暑日は閉め切った室内でも高温になることが予想されます。レコーダーの動作温度範囲は、一般的に0〜40℃程度です。
セキュリティを確保するためには、留守中であってもレコーダー用の空調管理が求められます。そのため、レコーダーの温度調整を省くには、カメラ本体にレコーダーを搭載したクラウド録画サービスの利用もひとつの手段です。
カメラ本体の温度管理だけで利用できるため、夏場や冬場の温度管理の手間が省けます。
気候にあわせた防犯カメラの動作温度が重要
防犯カメラの温度環境が不適切だと、映像ノイズの発生や結露の映り込みなど、セキュリティ性能の低下につながる危険性があります。そのため、防犯カメラの設置には一流のプロによる環境整備や設置場所の空調管理などが求められるでしょう。
セーフィーは、防犯カメラ設置に適した環境整備の提案もさせていただきます。クラウド型の防犯カメラであればレコーダーが不要なので、レコーダーに必要な屋内空調の節約も可能であり、消費電力を抑えて電気料金を節約、またレコーダーメンテナンスの作業コストも必要ありません。
耐熱性のあるカメラのラインナップも豊富にご用意していますので、「温度管理の手間が少なく」「簡単に導入できて」「増設コストやメンテナンス費用を抑えた」防犯カメラシステムをお探しの場合は、ぜひセーフィーまでお気軽にご相談ください。
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