自治会で防犯カメラを設置する際の問題点は?対応策や導入手順を解説

自治会の防犯カメラ導入手順

自治体で防犯カメラを設置する際の問題点、リスクとスムーズに導入するための手順について詳しく解説します。不安なく自治体に防犯カメラを導入する際の参考にしてください。

自治会の防犯カメラ運用の問題点と解決策

自治会の防犯カメラ運用は、「監視になるリスク」「責任者や運用ルールのリスク」「運用が属人化するリスク」「予算が足りないリスク」などが考えられます。それぞれの解決策とともに問題点について把握しておきましょう。

監視ではなく防犯目的の設置を認識する

自治会で防犯カメラを設置することで、住民の安全と安心を確保することにつながります。しかし、一部の住民からはプライバシーの侵害を不安視する声が上がるかもしれません。そのため、防犯カメラの設置が「地域の監視」になるリスクは避けなければなりません。

地域の監視とはつまり、住民の生活環境や行動履歴といった「プライバシー」や「個人情報」を防犯カメラで収集することを意味します。一般的な防犯目的であれば問題は起こりにくいのですが、私有地の撮影や被写体を個人識別できる機能を搭載した防犯カメラでは問題に発展する危険性があります。

そのため、「プライバシーマスクの設定」や「データ収集できない機種を選ぶ」など、地域住民のプライバシーと個人情報に配慮した導入が求められます。また、そのように配慮していることを地域住民に説明し、防犯カメラの利用目的を正しく掲示することが重要です。

責任者の選任と運用ルールの策定

防犯カメラの運用には、明確な責任者と運用ルールが不可欠です。責任者があいまいになると、地域住民の映像が記録されたデータの管理や運用ルールなどもあいまいになる危険性があります

総務省や各自治体の防犯カメラのガイドラインでこれらの内容は確認できるため、事前にガイドラインに適した管理者と運用ルールを明確にすることが重要です。ガイドラインは地域によって異なるため、必ずお住まいの地域の市区町村の資料を確認するようにしましょう。

また、カメラが故障した際の相談先の事業者も明確であれば、操作方法が不明な場合などの困りごとを解決しやすいため安全に運用しやすくなります

運用マニュアルとサポート体制の確保

防犯カメラを購入した業者によっては、設置工事しかサポートしていない場合があります。そのため、故障が起きた場合や操作方法に不安がある場合などに相談先がなく、トラブルを解消できない危険性があります。

トラブルの解消には運用マニュアルと事業者のサポート体制が重要です。運用マニュアルは、機器の操作方法やメンテナンス手順、トラブル発生時の対応方法などを記載します。また、機器の不具合や設定の変更など、専門的な知識が必要な場合に備えて、導入業者やメーカーのサポート体制を確保しておくことが重要です。

補助金申請で予算を補填

防犯カメラの導入には一定の費用がかかるため、自治会の予算だけでは十分な台数の防犯カメラを用意できない危険性があります。そこで、活用できるのが各自治体に設けられた防犯カメラの補助金制度です。

多くの自治体では、安全な街を実現するために防犯カメラ設置に補助金を出しています。たとえば、東京都世田谷区では、自治会などの団体であることを条件に予算の12分の11までの補助金を出しています。仮に12万円の防犯カメラ設置費用であれば、東京都世田谷区では自治会では1万円を捻出するだけで防犯カメラを設置できます。

▼防犯カメラの設置に関する補助金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

プライバシーや個人情報保護への配慮

防犯カメラで特に問題点として上がるのが、近隣住民のプライバシーと個人情報の保護です。重点的に理解しておく必要があるため、深掘りして解説します。

個人情報の取り扱い

防犯カメラで撮影された被写体には、個人情報が含まれています。そのため、個人情報保護法に基づき、映像の利用目的を明確にし、必要最小限の範囲で利用することが重要です。また、歩行者の顔付き写真などで個人情報データベースを取得する場合、個人情報保護法での「安全管理措置」の義務が生じるため、セキュリティ管理の強化に務める必要があります。

かつて、5,000人以下の個人情報データベースについては個人情報保護法の対象外となっていましたが、2017年の改正個人情報保護法により、たとえ少数の個人情報であっても正しく管理する義務が課せられています。

近隣住民への配慮と許可取得

防犯カメラの撮影範囲に近隣住民の私有地が含まれることもあり、プライバシーの配慮は欠かせません。住民説明会や書面などで事前に近隣住民に説明し、了承を得てから防犯カメラを設置することが重要です。

また、マンションやアパートなどの集合住宅での設置では、管理組合やオーナーの許可が必要になります。設置前に関係者への説明と許可取得を徹底することが求められます。

▼プライバシーに配慮した防犯カメラの設置に関する注意点はこちらの記事で詳しく解説しています。

録画データのセキュリティ

防犯カメラで録画されたデータの流出や改ざんを防ぐために、暗号化やアクセス制限などのセキュリティ措置を講じる必要があります。特にパスワードの初期設定には必ず注意しなければなりません。

防犯カメラの初期パスワードは共通のものを使っていることが多く、パスワードを変更せずにそのまま使っていたことにより不正アクセスの被害を受ける危険性があります。2023年には実際に、国土交通省の河川カメラにて初期パスワードを使用して、不正アクセスを許す事案(※1)が起きました

セキュリティに強みを持つ防犯カメラ専門業者に相談し、被害の発生を防ぐことも一つの手段です。

※1 出典:“河川カメラ338台が稼働停止、初期パスワード変更せずサイバー被害”.日経クロステック,2023−3-17(参照 2024-5-24)

防犯カメラを設置する前に必要な手順

自治会として防犯カメラを設置するには、地域住民や関係機関との調整といった合意形成や補助金の申請などの手続きが必要になります。

1.地域住民との合意形成

自治会で防犯カメラを設置する際は、まず地域住民との合意形成が必要です。設置目的や運用方法、プライバシー保護の取り組みなどについて、説明会の開催や資料の配布などを通して丁寧に説明することが求められます。

また、自治会費から防犯カメラの設置費用と運用維持費を捻出する旨も確認しなければなりません。

2.関係機関の調整と補助金の申請

地域の自治体や警察などの関係機関との調整も自治会の防犯カメラ設置では欠かせません。たとえば、電柱に防犯カメラを設置する場合は、電力会社や通信会社の許可と共架料(電柱の使用料)の支払い、道路にポールを増設する場合は道路管理会社に許可をとらなければなりません。

また、自治体の補助金の申請や警察署に防犯カメラ設置の指導を受けるなどの手続きも重要です。地域によっては警察の指導を受けることが補助金の条件となっている場合もあります。

3.設置業者の選定と見積もり依頼

防犯カメラの設置には、電源工事や最適なレコーダー選びなど、専門的な知識と技術が必要です。設置業者選びが重要になり、機器の故障や申請書の書き方などの相談も受けられる業者であれば安心感も高いでしょう。複数の業者から見積もりをとり、価格やサポート体制などを確認することが重要です。

自治会で防犯カメラを設置する際の注意点

実際に自治会に防犯カメラを設置したあとで、トラブルになりやすい注意点について解説します。

レコーダー設置場所の選定

防犯カメラの映像を記録して確認するには、「カメラ」「レコーダー」「モニター」の3点の機器が必要になります。そのため、レコーダーやモニターの設置場所やセキュリティについても留意しなければなりません。

防犯カメラにSDカードを挿入するレコーダー内蔵の機種もありますが、SDカード盗難により映像を確認できなかったという事件も発生しています。基本的に防犯カメラとレコーダーは離れている方が理想でしょう。

もしレコーダーを設置できるセキュリティの高い環境が用意できない場合、セキュリティ対策が施されたクラウド録画サービスを選ぶという選択肢もあります。録画データの安全性が担保されるだけでなく、レコーダーの故障など運用上のリスクも軽減されます。

操作性が悪いと映像確認に時間がかかる

防犯カメラの運用において、映像を確認する際の操作性で運用に支障をきたすケースがあります。たとえば、パソコンに映像データを移す必要がある際、データ転送に時間かかると必要な映像を見つけるまでに長い時間と労力がかかってしまいます。

また、防犯カメラシステムに詳しい人がいなければ映像が確認できない、といった属人性の問題もあるでしょう。緊急時の対処には迅速性も求められるため、映像確認で複雑な手順のないインターフェースを搭載した製品であることが重要です。

補助金の対象とならない工事がある

行政の補助金を活用して防犯カメラを設置する場合、防犯カメラの本体代金だけでなく、設置工事についても補助金の対象になっているか確認が必要です。たとえば、電源工事やケーブル敷設工事、看板の設置工事などは対象外になる可能性もあります。補助金の対象は各自治体によって異なるため、ホームページなどから提供条件を確認するようにしましょう。

▼防犯カメラの設置に関する補助金についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ステッカーや看板による掲示

防犯目的でカメラを設置していることが明らかである場合は、利用目的の掲示は義務ではありません。ただし、近隣住民への配慮という観点では、自治会の防犯カメラであることを提示している方が丁寧な対応だと言えます。

▼防犯カメラ設置時に必要な掲示についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自治会には「Safie」の防犯カメラとクラウド録画サービスがおすすめ

Safieのイメージ図

防犯カメラにはいくつかの問題点と設置時の注意点があります。これらの問題点を解決する手段の一つがクラウド録画サービスです。ここでは特にクラウド録画サービスシェアNo.1(※2)の「Safie(セーフィー)」を利用した際のメリットについて解説します。

※2 テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)

レコーダーの設置や管理が不要

セーフィーのクラウド録画サービス「Safie」は、クラウド上にレコーダーがあるため、防犯カメラ内部や管理者の自宅にレコーダーを設置する必要がありません。記録した映像は、温度と湿度が一定に保たれたデータセンターで保管され、定期メンテナンスにより適切に管理されています。そのため、レコーダーの管理にまつわる手間が省けます。

操作手順が分かりやすい

パソコンやスマートフォンから簡単に映像データの視聴ができます。防犯カメラの専門知識は必要なく、日時と時間を指定するだけで該当の映像データをすぐに取り出せます

さらに、閲覧権限や機能制限を細かく設定可能なため、必要な方にのみ映像データの閲覧を許可することができます。また、ムービークリップ機能や動体・音声検知自動アラート機能など、便利な機能もついています。

高度なセキュリティ性能

データの暗号化やカメラへのアクセス制御など、セーフィーの防犯カメラは高いセキュリティ性能を誇ります。映像データを保管するデータセンターはISMS認証を受けており、専門的な情報セキュリティ対策のとれた施設で保護されます

電源工事だけで設置できる機種もある

防犯カメラ設置工事が補助金の対象外となる場合、電源工事だけで遠隔から映像を確認できるモバイル通信機能付きの機種もあります。また、「PoE給電」というLANケーブルから電源をとれる機種もあるため、設置環境に合わせて最低限の工事で設置することも可能です。

自然災害も自宅から映像確認

自然災害など危険な場所にクラウド防犯カメラを設置しておくことで、現地まで行かなくても映像で危険性をチェックできます。たとえば、河川カメラのように現場に行くことがリスクになる場所で被災状況の把握や二次災害の防止に役立ちます。

プライバシーマスクの設定

自治会で設置した防犯カメラの撮影範囲に住民の私有地が含まれる場合、そのエリアだけを選んでマスキングで隠すことができます。また、AI検知機能を用いた防犯カメラであれば、特定のエリアに侵入した被写体を選んで検知できます。住宅エリアを検知対象から外しながら、侵入禁止エリアに侵入した不審者だけを検知することが可能となります。

自治会の防犯カメラにはクラウド録画サービスを

自治会での防犯カメラ設置は、利用目的を明確にし、近隣住民や関係機関との連携するが不可欠です。また、レコーダーの設置場所や記録した映像のセキュリティなどの課題もたくさんあります。

このような課題を解決するためにクラウド録画サービスは有効な選択肢になり得ます。レコーダーのメンテナンスが不要であり、データ保管のセキュリティ性能で管理者の負担が軽減され、複数の管理者でのデータ共有もスマートフォンで簡単にできるためです。

もし自治会で防犯カメラの設置を検討している場合は、セーフィーまでぜひご相談ください。近隣住民への配慮も考慮した最適な防犯カメラを提案させていただきます。

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