オフィス(事務所)セキュリティとは?対策例やポイントを解説

オフィスセキュリティとは

オフィスは、顧客や従業員情報、商品開発データ、小切手や契約書など、さまざまな資産を取り扱っています。そのため、不審者の侵入、ネットワークへの不正アクセスが起こらないようセキュリティ対策が重要です。

本記事では、オフィスで起こり得るセキュリティリスクやセキュリティ対策のポイント、具体策について紹介します。

オフィスで起こり得るセキュリティリスク 

オフィスセキュリティとは、オフィスに存在するさまざまな資産を保護するための対策です。

オフィス内には、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報が多数存在します。現金や小切手、書類、データ、個人情報など会社にとって重要なものが保管されているため、これらの資産への被害や情報漏洩などの事象を防ぐ必要があります。

オフィスセキュリティでは防犯カメラの設置やセキュリティソフトの導入などさまざまな対策方法がありますが、大きく「情報セキュリティ」と「空間セキュリティ」に分けて対策を講じる必要があります。

オフィスセキュリティ対策を検討するうえで、まずはオフィスで起こり得るセキュリティリスクについて紹介します。

情報リスク:情報漏洩

企業は事業を進めるうえで、顧客データや取引情報、従業員の個人情報、商品の開発データなど社外に流出してはいけない多くの情報を取り扱います。これらの情報に対するセキュリティ対策を怠ると、ネットワークへの不正アクセスやオフィス内から重要書類の持ち出しなどによって情報が漏洩するリスクがあります。情報漏洩のリスクは、パソコンやスマホの紛失時にパスワード管理が適切にできておらず情報が漏洩するなど、さまざまなケースが考えられます。

情報漏洩によって取引先などの関係者に被害が及ぶと、企業として大きな損害となるうえ、社会的信用まで失われる可能性があります。

人的リスク:社員への危害

オフィスで働く従業員の安全を保護できるセキュリティ対策も必要です。オフィスに強盗や不審者が侵入すると、従業員の身に危険が及ぶリスクがあります。

また、情報漏洩により情報が悪用され、個人のプライバシーを侵害することにつながります。そのため、従業員の住所などの連絡先や人事データなどの情報が外部に漏洩しないような対策もしなければなりません。

物的リスク:資産盗難・破損

オフィス内には、現金や小切手、契約書などの金銭的価値のあるものが保管されています。またパソコンなどのデジタル機器をはじめ、オフィス備品などの資産価値が高いものも多数あります。不法侵入を許してしまうとこれらの資産の盗難や破損といった被害に遭うほか、契約書や小切手などは情報漏洩につながり契約無効など取引のトラブルを招きます。

オフィスセキュリティ対策が重要な理由

オフィスセキュリティ対策が重要な理由としては、「個人情報保護法」の法令遵守、サイバー犯罪の増加が挙げられます。

個人情報を取り扱う企業は「個人情報保護法」を遵守し、個人情報の適切な保護が求められています。企業が外部に情報を流出させてしまうと、法令違反となり罰則が生じるケースもあります。

また、「不正アクセス禁止法」によりネットワークからの不正アクセスに対する規制が設けられています。そのため企業側は不正アクセスを招かないように、対策を講じることが求められています。複雑なパスワード設定や厳重な情報管理など、セキュリティ対策を万全なものにしておかなければなりません。

とくに近年では企業のネットワークに不正アクセスし、情報を抜き取るなどのサイバー犯罪が増加しています。このような事態を防ぐためにも、オフィスセキュリティ対策を厳重にしなければなりません。企業のさまざまな資産を保護するだけでなく、取引先などの関係者との信頼を築くためにも重要です。

オフィスセキュリティ対策をする際のポイント

オフィスセキュリティ対策を効率よく進めるためのポイントを解説します。

資産の把握、可視化をする

まずは、セキュリティ保護の対象となる資産の把握と可視化がポイントです。資産となるものを洗い出し、ドアやキャビネットの施錠など空間的な対策が必要となる資産は「空間セキュリティ」、データ保護などIT技術での対策が必要とされる資産は「情報セキュリティ」に分けます。現状でセキュリティ対策ができていないものや、どのような課題があるかを抽出します。

【情報セキュリティ対策が必要な資産】

  • 従業員の人事データ
  • 顧客などの取引データ
  • 新商品開発データ
  • 企業財務状況などのデータ など

【空間セキュリティ対策が必要な資産】

  • 現金や小切手、金庫
  • 契約書や名簿など紙書類
  • OA機器やオフィス備品、家具 など

運用・保守ルールを策定する

適切に資産を保護できるように、運用・保守ルールを策定します。現状のセキュリティ対策での課題をもとに、すべての資産を守れるように検討しなければなりません。

可視化した資産の重要度をレベル分けし、それぞれのレベルに適した運用ルールを設けることがポイントです。資産の保管場所と管理責任者を定め、だれでも簡単に情報を閲覧できたり持ち出したりできないようにすることで情報漏洩リスクを低減できます。情報を利用する際や持ち出す際に、パスワードの要求や履歴を残せるようなルールも必要です。

【情報セキュリティ対策のルール】

  • パソコンや情報システムのログインパスワードの管理
  • 重要な情報の閲覧権限の付与
  • USBや書類などの持ち出し
  • 情報の漏洩・紛失の際の対応 など

【空間セキュリティ対策のルール】

  • 金庫の施錠管理
  • 重要書類の保管
  • 入退室、夜間の施錠方法 など

従業員へのセキュリティ教育をおこなう

従業員の情報セキュリティに対する教育は、継続的におこなう必要があります。従業員のセキュリティに対する知識や意識が低ければ、オフィスセキュリティ対策を施しても正しく運用できません。パソコンや機密書類を紛失してしまった、重要メールにパスワードをかけず誤送信したなど、従業員の過失によって情報漏洩を起こすリスクもあります。

オフィスセキュリティ対策の運用ルールを周知し、セキュリティ事故につながる事象や事故発生が与える影響の教育をおこなうことがリスク対策につながります。

セキュリティシステム、ツールを導入する

オフィスセキュリティを向上させるために、システムやツールの導入も検討しましょう。たとえば、オフィス内の入退室管理や不法侵入を防止する対策として、防犯カメラの設置や入退室管理システムなどの導入が有効です。また、重要な書類を保管できる鍵付きキャビネットや、紙媒体の書類を廃棄するためのシュレッダーなども必要です。

【情報セキュリティ対策】

  • 不正アクセスやウィルス対策のセキュリティソフト
  • 情報データのバックアップ など

【空間セキュリティ対策】

  • 防犯カメラ
  • 入退室管理システム など

ゾーニングごとにセキュリティ対策をする

ゾーニングとは、エリアを用途別などで区分けすることです。オフィスには従業員が仕事をするエリアや、お客様との打ち合わせスペース、情報を保管するサーバー室や文書保管庫、訪問者や外部業者など、だれでも入れる共有スペースがあります。これらをオフィスセキュリティ対策の重要度別にゾーニングします。

【ゾーニングの例】

  • だれでも入室できるゾーン
  • 一般の従業員が入室できるゾーン
  • サーバールームや重要書類の保管庫ゾーン など

それぞれ重要度に応じたセキュリティ対策を図ります。重要度の高いゾーンは責任者やセキュリティ管理者など限定された人しか入室できないようにすることで、情報が漏洩するリスクを防止できます。

オフィスセキュリティ対策での具体例

オフィスセキュリティ対策として、具体的な対策方法を紹介します。

防犯カメラの設置

オフィスセキュリティでまず実施したい対策は、防犯カメラの設置です。防犯カメラを設置しておくことで監視されているという意識を与え、犯罪や不正の抑止効果が期待できます。

万が一不法侵入や不正行為などのトラブルが発生した場合、防犯カメラの映像を確認できれば、原因や経緯を迅速に特定できます。だれも目撃していなければ、何が起きたかを把握するのは容易ではないため、防犯カメラの設置はトラブル発生時の早期解決に役立ちます。また、カメラ映像は犯罪や事故の状況証拠としても活用できます。

さらに、防犯カメラは不審者による犯罪だけでなく、ハラスメントやトラブルなど社内問題に対する抑止効果もあり、社内の従業員を見守ることにもつながります。

防犯カメラの種類や機能は豊富に備わっており、セキュリティ性能の高いものや、運用や管理するうえで業務効率化を図れるものも多数存在します。たとえば、動体検知や音声検知の機能は動きや物音を検知したときだけ記録し、管理者に通知で知らせてくれるため異常事態に迅速に気づけます。

また、1つのモニターで複数台の防犯カメラ映像をチェックできる防犯カメラシステムもあり、スムーズな運用が可能です。さまざまな防犯カメラのタイプから、オフィス環境や設置台数に応じて選びやすいのが特徴です。

入退室管理システムの導入

入退室管理システムの導入は、オフィスセキュリティ対策に欠かせない方法です。導入することで、権限のない社外の人は自由に入室できなくなり不法侵入を防ぐことができます。

また、入退室管理システムによってはオフィス内の各部屋のドアと紐づけて、だれがいつどこに入退室したかを把握できます。セキュリティレベルの高いサーバールームや書類保管庫、役員室などは、入室者を制限して一部の人しか権限を与えないことも可能です。

入退室管理システムには、テンキー、ICカード、生体認証などさまざまな方法があります。

  • テンキー

テンキーは暗証番号さえ知っていれば事前の設定などをする必要がないため、簡単な運用で不法侵入を防げます。しかし暗証番号が盗み見られる可能性があり、だれがいつ入室したかという記録をとれない点も注意が必要です。

  • ICカード

ICカードはカードをかざすだけで解錠できる方法で、社員証などに紐づけて解錠の権限を付与します。カードを発行する手間が必要ですが、だれがいつ解錠したかの記録を後追いできるようになります。

  • 生体認証

生体認証は、指紋や顔を識別して解除する方法です。個人独自の情報となるためカードの偽造や紛失のリスクはなく、暗証番号が盗み見られるといった心配もありません。セキュリティ効果の高い方法といえます。

入退室認証システムは、セキュリティレベルに適した方法を選びましょう。

サウンドマスキングシステムの導入

サウンドマスキングシステムとは、特殊な音を流して会話の内容が周囲に漏れないようにするシステムです。天井などにスピーカーを取り付けて音を流し、会話に音をかぶせることで内容をわかりにくくできる仕組みです。

仕切りのない打ち合わせスペースでは、隣に会話の内容が漏れてしまうことがあります。会話から情報が漏洩する恐れもあるため、サウンドマスキングシステムを導入することでセキュリティ性の高い空間が作れます。

まとめ

オフィスセキュリティ対策は、会社の資産を守り顧客や関係者との信頼を守るためにも重要です。オフィスへの不法侵入やネットワークへの不正アクセスなどを防ぎ、資産と信頼を守らなければなりません。

さまざまな観点からオフィスセキュリティ対策を施す必要がありますが、すべての対策を同時に進めるにはコストや人的リソースもかかります。とくにオフィスセキュリティ対策に有効なシステムやツールの導入は、大掛かりな対策となるものもあります。そこでおすすめの対策として挙げられるのが、防犯カメラの設置です。

クラウド録画サービス「Safie」を提供するセーフィーは、さまざまなタイプのクラウド型防犯カメラを揃えており、オフィス環境に応じて防犯カメラの形状や録画方法、機能などから最適なものを選べます。防犯カメラ本体の導入コストを抑えつつ、セキュリティ性能の高い防犯カメラの設置が可能です。ぜひセーフィーまでご相談ください。

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