接客向上・接遇改善の方法と効果|カメラを使った取り組み事例も紹介

カメラを使った 接客向上・接遇改善

店舗などでは、常に接客向上や接遇改善が求められます。それは単にお客さまにとって良いからというだけではなく、接客や接遇の質が上がることで、店舗側にも様々な効果が期待できるからです。店舗運営で重要とされるQSC+Hの要素にも含まれる接客・接遇。改善するための方法は複数考えられますが、カメラのようなICTツールを活用するのも一案でしょう。

この記事ではまず、接客向上や接遇改善が求められる理由、そして接客と接遇の違いについて解説。そのうえで、接客向上や接遇改善の方法として3つの方向性を提示します。そのうちの1つである現状把握や課題の特定のためにカメラを使っている事例を2つご紹介し、活用されているクラウドカメラの機能や性能も詳しくお伝えします。

接客の向上や接遇の改善が求められる理由

接客接遇の質を良くすることは、サービス業や小売業を中心とした多くのビジネスにおける共通の関心事と言えます。接客の向上や接遇の改善が求められるのは、何もそれが顧客のために良いことだからではありません。接客向上や接遇改善は、企業側にも様々な効果をもたらすものなのです。

ここでは、接客向上や接遇改善が企業側にもたらす主なメリットを3つに分けて見ていきましょう。

顧客満足度の向上

最初に挙げられるのは、接客や接遇が良くなることで顧客満足度が向上するという点です。顧客満足度が上がればリピーターの獲得につながるだけでなく、顧客に熱心なファンになってもらえることで、口コミをとおした新規顧客獲得も期待できます

これによって、企業側には売り上げの拡大や長期的な収益がもたらされる可能性があります。また、口コミで多くの新規顧客を獲得できるようになれば、広告にかける費用を減らすこともできるかもしれません。

企業イメージの向上、差別化

接客接遇の質を上げることは、企業イメージの向上や競合他社との差別化にも貢献します。心地よい接客接遇で顧客の信頼を獲得できれば、その好意的な印象が企業やブランドそのものの評価の向上につながるのです。

SNSなどで誰でも気軽に情報発信ができる現代にあっては特に、接客接遇の改善は、企業イメージを向上し数ある同業者の中から選ばれるための重要な取り組みだと言えます。

クレームや問題の最小化

もし商品やサービスに何らかの問題があった場合でも、質の高い接客接遇を行うことができていれば、クレームを最小限にとどめ、問題が拡大するのを防ぐことができます。問題が起きた時にこそ丁寧なコミュニケーションを行い、不満を解消して顧客離れを防ぐ必要があるでしょう。

接客と接遇の違い

「接客」と「接遇」は似た概念ですが、厳密には次のような違いがあります。

接客

文字どおり「顧客と接する」、つまり顧客に対応するという意味で使われます。商品の販売や飲食店での食事の提供など、具体的なサービスの提供を指す言葉であり、顧客が求める必要最低限の対応をすることが接客だと言えます。

接遇

「遇」という文字は人をもてなすことを意味します。つまり接遇とは、顧客を思いやる気持ちを持ってもてなすことです。言い換えれば、接遇とは顧客が何を求めているのかを理解して適切に接することであり、接客行為を行うだけでなく態度やマナーにも配慮し、満足感を提供することまでを含む、接客よりも広い概念だと言えます。

なお、「接遇」という表現は、医療分野などでよく使われます。医療現場では、患者の悩みを理解し、患者の心情に寄り添いながら対応することが求められます。多くの患者は医療機関を受診する際に不安や緊張を抱えていることを念頭に置いて、少しでも居心地をよくするために、「接客」を超えた「接遇」が期待されるのでしょう。

接客向上や接遇改善の方法

それでは、実際に接客や接遇の質を改善していくためには、どんなことを行えばよいのでしょうか。ここでは、接客接遇を向上する方法として3つのアプローチをご紹介します。

接遇マナー5原則を意識する

1つ目は、接遇マナー5原則を意識して接客接遇にあたることです。接遇5原則とは、次の5つから成る原則です。

  1. 身だしなみ

清潔感のある身だしなみは、顧客に信頼感や安心感を与えます。見た目は第一印象を大きく左右するため、服装だけでなく髪型や爪、女性の場合は化粧、男性の場合は髭なども含めて、全身の身だしなみを整えることが求められます。

  1. あいさつ

気持ちの良いあいさつは、心地よいコミュニケーションの第一歩。相手の存在に気付いていることを示す意思表示ともなります。明るい口調でいつも変わらないあいさつを、自発的に行いましょう。顧客を迎える側からあいさつをしなければ、第一印象を損ねてしまう可能性もあります。

  1. 表情

あいさつだけでなく、表情にも明るさが欠かせません。明るい笑顔が親近感や安心感を与えるだけでなく、常に笑顔を心がけることで、場の雰囲気が明るくなって会話が弾みやすくなります。具体的には、口角を上げ、目尻は下がり気味にすることと、顧客とは優しくアイコンタクトをとることを意識するとよいでしょう。

  1. 態度

丁寧な態度で接することも、接遇において重要な役割を果たします。たとえば、顧客の話を聞くときは、視線だけでなく体も相手の方に向け、背筋を伸ばすようにします。忙しい時であっても、手を動かしながら話を聞くのはNG。ため息をついたり、時計を何度も見たり、横柄な態度をとるようなことも、意識して避けなければなりません。

  1. 言葉遣い

相手に合わせた適切な敬語を選び、丁寧な言葉遣いをすることはもちろん、わかりやすさを意識して伝え方を工夫することも重要です。それによって顧客とのスムーズな意思疎通が図られ、信頼関係の構築につながります。また、適切な言葉遣いができることは、企業イメージの向上にも寄与するでしょう。

マニュアルの整備

接客接遇を向上する2つ目の方法として、最低限の接客の質を担保するためにマニュアルを整備することも効果的です。

接客用語やマナー、クレームへの対処方法など、接客の一連の流れを想定した最低限のルールをマニュアルにまとめることで、新人教育の効率化や接客スキルの平準化に役立ちます。マニュアルを活用して個々人の接客スキルが上がれば、企業全体の評価の向上にもつながっていくのではないでしょうか。

現状把握と課題の特定、研修の実施

接客接遇の改善を図るためには、まず現状を正確に把握して課題を特定することが欠かせません。そのうえで、個々の課題に対する改善策を検討し、実践をとおして改善を図っていくというプロセスが求められます

一人ひとりが改善策を実行するためには、研修を行うのがよいでしょう。ペアになってお客さま役とスタッフ役のロールプレイングをするといったように、実践的な研修も効果がありそうです。また、研修で学んだ内容や日々の実践を振り返る機会を設けるのも一案です。

なお、接客接遇の現状把握や研修コンテンツの作成には、店舗などに設置している防犯カメラを活用する方法もあります。この次のセクションでは、カメラを使った接客向上や接遇改善の事例を詳しくお伝えします。

カメラを使った接客向上や接遇改善の事例

ここでは、施設内に設置した防犯カメラを使って接客向上や接遇改善に取り組んでいる事例を2つご紹介します。接客や接遇の質の向上にカメラがどのように役立てられるのか、実際の事例をとおして見ていきましょう。

株式会社エー・ピーホールディングスさまの「塚田農場」

国内外で200店舗以上の飲食店や食品販売店を展開する株式会社エー・ピーホールディングスさまが運営する「塚田農場」は、生産者の思いが込められたおいしい食材を、心地よい接客で提供する居酒屋ブランド。顧客満足度を高め、生産性も上げて売上を拡大することを目指し、カメラを使った店舗のオペレーション改善に取り組まれています。

この取組の一環で、習熟したスキルを持つスタッフの仕事ぶりを撮影した映像をムービークリップとして切り出してダウンロードし、研修資料として使用されているといいます。また、定期的にエリアマネージャーがカメラ映像を見返し、接客接遇の好例をピックアップ。店舗内で水平展開したいナレッジポイントを店長にフィードバックするだけでなく、そのフィードバック映像を経営層にも共有し、結果と今後の方向性を伝えているそう。

「例えば現在は『入店対応』にフォーカスし、お客様に対するファーストタッチまでの時間を測定するなど、映像をもとに接客を数値化しています。このように、映像は目標とする動きができた回数やスピードを計測・数値化できるので、説得力が増し、教育効果が高まりました。推移も出せるので、スタッフ自身も『これだけできている/伸びている』と実感してモチベーションが上がり、接客が磨かれます。」

日本動物医療センターさま

1969年に開業した日本初の総合動物病院である日本動物医療センターさまは、地下二階から地上四階まである大型病院内に約40台のカメラを設置されています。大人数のチームで獣医療に取り組む際のコミュニケーションコストを下げるため、ICT活用に力を入れているそう。

医療のコモディティ化が進んだ現代にあっては、飼い主とのコミュニケーションの質の向上が求められるというのが院長の見解です。その点、動物病院の診察室は、動物の飼い主と獣医師のみの密室空間になりやすく、その後のトラブルに繋がりやすいという課題がありました。

「事前に治療や手術の内容を飼い主の方にきちんと説明したつもりでも、認識の齟齬(そご)が起きてしまうことがありました。しかし、セーフィー対応カメラを導入した後は、『きちんと伝えたのか』『どのように伝えたのか』という客観的なデータが残るので、飼い主の方との話し合いを進めやすくなりました

また、診察中に他の人が診察の内容を映像を通じて確認できるので、若い獣医師がきちんと話せているかを確認することができるようになりました。」

このように、ブラックボックスになりがちだった診察室での獣医師と飼い主のコミュニケーションをカメラで可視化することで、接遇の質を改善していけるのではないかと、期待を語ってくださいました。

接客向上に役立つSafieのクラウドカメラ

上でご紹介した2つの事例で活用されているのは、クラウド録画サービスでシェアNo.1※の「Safie」のクラウドカメラです。

※テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)

クラウドカメラの最大の特徴は、パソコンやスマートフォンを使って、リアルタイムでどこからでもカメラの映像を確認できること。Safieのカメラなら、複数のカメラを一覧で表示したり、見たいカメラだけをソートして表示したりすることも可能なので、店舗内外に多数のカメラを設置する場合でも、効率よく映像を確認することができます。ほかにも、過去の映像を振り返って必要な部分をムービークリップとして保存できる機能など、様々な機能が標準搭載されているため、幅広い用途でお役立ていただけます。

そんなSafieのカメラの特徴を一言で言えば、高画質かつ高セキュリティで、使いやすいこと。画質はテレビと同等のくっきりなめらかな映像で、細かな部分まで正確に把握することが可能です。セキュリティ面では、録画データはもちろん、ユーザーやカメラが利用する通信経路も暗号化されていて安心。さらに、視聴画面では直観的な操作が可能で、使いやすさに定評があります。

充実した機能を備えていながら、低価格で利用できる点もSafieのクラウドカメラの特徴です。毎月のクラウド利用料金は7日間の録画プランだと1台1,320円(税込)と、大変手ごろに設定されています。最もよく利用されている30日間の録画プランでも、税込みわずか2,200円でご利用いただけます。

終わりに

サービス業をはじめとする幅広いビジネスにおいて、接客接遇の質の向上の取り組みは不可欠と言えます。接客や接遇の改善は、顧客満足度の向上によるリピーターや新規顧客の獲得、企業イメージの向上や競合他社との差別化、クレームの最小化など、企業側に様々な効果をもたらすからです。

接客だけでなく「おもてなし」の意味合いを含む接遇をも改善していくためには、接遇マナーの徹底やマニュアル整備、課題の特定と研修の実施など、いくつかの方法が考えられます。この記事でご紹介した事例のように、カメラ映像を使って現状把握や研修を行うことも、ぜひ検討してみてください。

クラウド録画サービス Safie(セーフィー)
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