工場の転倒防止対策とは?事故原因からAIによる見守りまで徹底解説

安全対策

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工場の転倒防止対策は、「足元に気をつけて」という声かけや巡回だけでは限界があります。油や水分で滑りやすい床、配線・ホース・部品につまずきやすい場所など、工場特有のリスクがあるからです。加えて、高齢作業者の増加や夏場の酷暑による熱中症などにより、転倒や倒れ込みのリスクが高まっています。

転倒事故は作業者本人のケガだけでなく、休業による人員不足や生産性の低下、再発防止対応など、工場全体の負担にもつながりかねません。

本記事では、工場で転倒が起こる主な原因を整理し、基本的な防止策を解説します。より効果的な対策として、クラウドカメラやAIによる転倒検知を活用した遠隔見守りや早期発見、録画による原因分析を紹介するので、ぜひ現場に最適な安全管理の仕組みを構築するためにお役立てください。

工場で転倒防止対策が重要な理由

工場内のイメージ画像

工場での転倒防止対策が重要なのは、転倒事故が製造現場で起こりやすく、従業員の休業や生産体制への影響も大きいためです。

工場での転倒防止対策が重要な理由は、以下のとおりです。

  • 転倒は製造業でも上位を占める主要な事故である
  • 転倒事故による従業員の休業は、生産停止や人手不足につながる
  • 高齢化・暑熱環境・単独作業により、転倒リスクが高まっている

転倒は製造業でも上位を占める主要な事故である

製造業において、転倒は発生件数の多い主要な事故のひとつです。

厚生労働省の「令和7年における労働災害発生状況(確定値)」によると、製造業の死傷災害は26,371人でした。そのうち転倒は5,732人で、はさまれ・巻き込まれの5,992人に次いで多い事故となっています(※1)。

工場では、機械へのはさまれや巻き込まれのような事故が注目されやすい一方で、転倒も同じように対策が必要です。

転倒事故による従業員の休業は、生産停止や人手不足につながる

転倒事故が起きると、作業者本人のケガだけでなく、工場全体の稼働にも影響が広がります。

骨折や頭部への衝撃などで休業が長引けば、その作業者が担当していた工程を別の人が引き継がなければなりません。代替要員の確保や教育に時間がかかり、熟練者の不在により作業スピードが落ちる場合もあります。

さらに、事故現場の確認や原因調査、再発防止策の検討など、管理者側の対応も必要です。状況によっては、一部のラインを止めて安全確認をおこなうこともあります。

人手不足が続く工場ではひとりの休業が現場全体の負担につながりやすくなるため、転倒事故を防ぐことは安全面だけでなく、生産体制を守るうえでも重要な課題です。

高齢化・暑熱環境・単独作業により、転倒リスクが高まっている

工場の安全管理では、作業環境だけでなく、作業者の年齢や体調、働き方の変化にも目を向ける必要があります。

厚生労働省の指針では、高年齢者の特性を考慮し、筋力やバランス能力、感覚機能などの低下を踏まえて作業内容を見直すことが示されています(※2)。高年齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しやすく、暑熱作業では意識的な水分補給や体調確認、早期発見の体制整備が必要です。

夏場の暑い環境では、疲労や集中力の低下、水分不足によるふらつきが起こりやすくなります。夜勤や単独作業では、異常が起きても周囲がすぐに気づかない場合もあるでしょう。

そのため、転倒を防ぐ環境整備に加えて、作業者の異常に早く気づける仕組みづくりが重要です。

工場で転倒事故が起こる主な原因

工場での転倒事故は、滑りやつまずき、踏み外しといった足元のトラブルから発生します。

厚生労働省の転倒災害防止資料によると、転倒時の類型として、「つまずき」が37.8%、「滑り」が31.8%でした(※3)。転倒事故はひとつの原因だけで起こるとは限らず、床の状態や通路の整理状況、段差の見えにくさなどが重なって発生します。

工場での転倒事故を防ぐには、どのような状況での転倒が起こりやすいのかを把握しましょう。工場で転倒事故が起こる主な原因は以下のとおりです。

  • 床の水濡れ・油汚れによる滑り
  • 工具・部品・コード・段差によるつまずき
  • 階段・ステップ・作業台からの踏み外し

床の水濡れ・油汚れによる滑り

滑りは、床に付着した水や油によって、靴底が床をしっかり捉えられなくなることで発生します。洗浄エリアや機械の周辺、食品工場の水回り、出入口付近では注意が必要です。作業中に水が飛び散ったり、機械から油がにじんだり、雨の日に外から水分が持ち込まれたりするためです。

一見すると小さな水たまりや油汚れでも、歩く速度や靴底の状態によっては滑ることがあります。普段から歩き慣れている場所ほど、危険に気づくのが遅れやすい点も問題です。床が濡れやすい場所や油が付着しやすい場所は、工場内でも滑りによる転倒が起こりやすいエリアといえます。

工具・部品・コード・段差によるつまずき

つまずきによる転倒は、通路や作業スペースの整理不足が原因となって引き起こされやすい事故です。

工場では、作業効率を優先して工具や部品を近くに置いたり、電源コードやホースを一時的に通路へ伸ばしたりする場面があります。置いた本人にとっては一時的なつもりでも、別の作業者にとっては足元の障害物になります。

また、床材の浮きや小さな段差も見落とされやすい原因です。作業中は視線が手元や前方に向きやすく、足元のわずかな変化に気づきにくくなります。組立ラインの周辺や資材置き場、台車が通る通路では、物の置き方や床の状態が原因でつまずきによる転倒が起きやすくなります。

階段・ステップ・作業台からの踏み外し

踏み外しによる転倒は、高さのある場所や段差を移動するときに起こりやすい事故です。

階段や昇降ステップ、作業台では、足を置く位置が少しずれるだけでもバランスを崩すことがあります。荷物を持っていて足元が見えにくい場合や、照明が暗く段差の境目がわかりにくい場合は、踏み外しやすい状況です。

搬入口や設備まわりのステップ、点検用の作業台では、踏み外しによる転倒が重いケガにつながるおそれがあります。

工場で実施すべき基本的な転倒防止対策

工場内のイメージ画像

工場での転倒防止対策は、危険な場所を見つけてから注意するのではなく、転倒が起こりにくい環境を日常的につくることが基本です。

工場で実施すべき基本的な転倒防止対策は、以下のとおりです。

  • 作業環境を見直して危険箇所をなくす
  • 安全靴・防滑マット・注意表示で足元のリスクを下げる
  • KY活動で作業前に転倒リスクを共有する
  • ヒヤリハットを共有して再発防止につなげる

作業環境を見直して危険箇所をなくす

工場での転倒を防ぐには、作業者が安全に移動できる環境を整えることが重要です。

床の水濡れや油汚れ、通路にはみ出した資材、見えにくい段差などは、日常の作業のなかで見落とされやすい危険箇所です。こうした場所は、清掃や点検、設備改善によってリスクを減らしていく必要があります。

たとえば、床の汚れを放置しないための清掃ルールの徹底や、コード類の配線カバーによる整理が挙げられます。さらに、段差や階段の端部の色分け、暗い場所での照明の見直しなども、工場の転倒防止対策として有効です。

安全靴・防滑マット・注意表示で足元のリスクを下げる

工場の足元リスクは、作業環境の整備だけでなく、備品や表示の工夫でも下げられます。

たとえば、安全靴は床の状態にあったものを選ぶことが大切です。水や油が残りやすい工場では、靴底の防滑性が十分でないと、清掃している場所でも滑るおそれがあります。

洗浄エリアや出入口など、水分が広がりやすい場所では、防滑マットやすべり止めテープが有効です。ただし、マットのめくれ・ずれもつまずきの原因になるため、浮きを発見した場合はすぐに貼り直すなど、適切な維持管理も重要です。

段差やコード、床の凹凸などは、注意表示や色分けで目に入りやすくします。危険な場所を見えるようにしておくことが、工場内での転倒防止に効果的です。

KY活動で作業前に転倒リスクを共有する

工場の転倒防止対策では、作業を始める前に、その日の作業で起こりそうな危険を共有するKY活動が大切です。

厚生労働省の資料では、作業前に「どんな危険が潜んでいるか」を話し合い、危険のポイントについて合意したうえで、対策や行動目標を決める流れが示されています(※4)。工場では、床の濡れや油汚れ、資材搬入による通路の狭まり、ホースやコードの一時的なはみ出しなど、転倒リスクが日によってさまざまです。

作業前に危険箇所と対応を確認し、通行ルートや声かけ、注意表示などを決めておくと、転倒事故を防ぎやすくなります。

ヒヤリハットを共有して再発防止につなげる

工場で転倒事故を防ぐには、事故にならなかった小さな違和感も、現場で共有しましょう。

ヒヤリハットとは、ケガには至らなかったものの、もう少しで事故になりそうだった出来事です。「滑りそうになってヒヤリとした」「台車とぶつかりそうになってハッとした」といった経験を指します。ヒヤリハットの具体例は以下のとおりです。

  • 床の油で足が滑りかけた
  • 通路のコードにつまずきそうになった
  • ステップを踏み外しそうになった

ヒヤリハットは、報告せずにその場限りのことにしてしまうと、見過ごされてしまいます。工場の見取り図に発生場所を記録したり、朝礼や安全会議で共有したりすると、転倒リスクが高い場所を把握しやすくなります。

事故が起きてから対応するのではなく、ヒヤリハットの段階で原因を共有し、工場内の改善につなげることも、転倒事故の防止に役立ちます。

従来の転倒防止対策だけでは対応しきれない課題

工場の転倒防止対策では、KY活動、清掃、注意表示などの基本対策が欠かせません。

しかし、広い工場や夜勤・単独作業の現場では、人の巡回や目視確認だけでは対応しきれない場面もあります。従来の転倒防止対策だけでは対応しきれない課題は、以下のとおりです。

  • 巡回・目視確認だけでは広い工場の全域をカバーするのが難しい
  • 夜勤・単独作業では異常の早期発見が課題になりやすい
  • 熱中症や体調不良による倒れ込みは発見が遅れるリスクがある

巡回・目視確認だけでは広い工場の全域をカバーするのが難しい

広い工場では、巡回や目視確認だけで全エリアの状態を常に把握するのは難しくなります。点検した時点では問題がなくても、その後に床が濡れたり、通路に資材が置かれたりすることがあるからです。巡回の間隔が空くほど、危険な状態に気づくまでの時間も長くなります。

また、工場内には、設備の裏側や倉庫の奥、搬入口付近など、見通しにくい場所もあります。担当者が定期的に確認していても、すべての場所を同じ精度で見続けることには限界があります。

夜勤・単独作業では異常の早期発見が課題になりやすい

工場の夜勤や単独作業では、転倒や体調不良が起きても、周囲がすぐに気づかない場合があります。

昼間の作業であれば近くの作業者が異変に気づける場面でも、夜勤では人員が少なく、単独作業では近くに人がいないことがあるからです。声を出せない状態で倒れ込んだ場合、巡回まで発見が遅れるおそれもあります。

夜勤や単独作業がある工場では、異常を人の目だけに頼らずに把握できる体制を整えることが重要です。

熱中症や体調不良による倒れ込みは発見が遅れるリスクがある

工場では、転倒だけでなく、熱中症や体調不良による倒れ込みにも注意が必要です。

暑い環境での作業が続くと、疲労や脱水によってふらつきが起こりやすくなります。体調の変化に本人が気づきにくい場合もあり、急にしゃがみ込んだり、その場で倒れ込んだりすることがあります。

そのため、工場では熱中症対策や体調確認に加えて、作業者の異常に早く気づける仕組みを整えることが重要です。

工場での転倒防止・安全対策には「Safie」がおすすめ

工場での転倒防止対策では、危険を減らすだけでなく、異常に早く気づける仕組みづくりも重要です。

クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」は、カメラの映像をクラウドで録画・視聴できるサービスです。遠隔確認や録画映像の共有、AIによる異常検知などを組みあわせて活用できます。

セーフィーのクラウドプラットフォームを表した図

広い工場や夜勤・単独作業の現場でも、人の巡回だけに頼らず、状況を把握しやすくなります。録画映像を残せるため、事故時の状況確認や原因分析、ヒヤリハットの共有にも活用可能です。ここでは、工場での転倒防止にSafieが役立つ理由として、4点をご紹介します。

遠隔から現場を確認して夜勤・単独作業の見守りに活用できる

夜勤や単独作業がある工場では、異常が起きたときに現場の状況をすぐ確認できる体制が重要です。

Safie対応のクラウドカメラを活用すれば、パソコンやスマートフォンを使って、在宅・本部・移動中など現場以外からも工場の状況を確認できます。部署ごとに映像を確認できるため、異常時の迅速な連携にも有用です。

たとえば、夜勤帯に人が少ないエリアや、設備点検・清掃などでひとり作業になりやすい場所では、管理者が遠隔から状況を確認可能です。作業者と連絡が取れない、予定時間を過ぎても戻らないといった場合も、映像があれば現場へ向かう前に状況を把握しやすくなります

複数拠点・広い工場の安全管理を一元管理できる

Safie対応のクラウドカメラとユーザーアカウントをまとめて管理できる統合管理ツール「Safie Manager(セーフィー マネージャー)」を活用すれば、複数台のカメラや閲覧権限の一元管理が可能です。必要な人が必要な映像をすぐに確認できるようになり、拠点間や工場内の移動時間を減らして確認業務を効率化できます。

また、セキュリティ面においても、国際的なセキュリティ規格(ISMS)などの認証を取得しており、通信経路やクラウド上の映像データを暗号化することによって、工場の映像を安心して管理しやすい仕組みを整えています。

録画映像を原因分析・ヒヤリハット共有・安全教育に活用できる

録画映像をクラウド上で確認できれば、事故発生時の床の状態や作業者の動き、周囲の物の配置を客観的に把握しやすくなります。記憶や口頭の報告だけでは曖昧になりやすい場面でも、実際の映像をもとに原因を正確に整理することが可能です。

また、カメラ映像は他のユーザーと共有できるため、安全管理部門や現場責任者、教育担当者などが同じ映像を確認することで、ヒヤリハットの共有や安全教育の教材としても活用しやすくなります。事故を記録して終わりにするのではなく、次の改善につなげることが重要です。

転倒・ふらつきなどをAIで検知・通知し早期発見に役立つ

工場で転倒や体調不良による倒れ込みが起きた場合、重要なのは異常を見逃さず、早い段階で対応につなげることです。

行動検知AI(SF)

Safieの「行動検知AI(SF)」は、クラウド上のAIがカメラ映像を解析し、不審・異常行動をリアルタイムに検知するサービスです。人の姿勢や動きを分析する骨格推定方式(※)を用いて、転倒やふらつきなどの異常を検知し、ポップアップ・音・メールなどで通知を受け取れます。

行動検知AI(SF)はSafie対応のクラウドカメラにオプション追加して利用できます。検知データはクラウドで管理されるため、遠隔からの状況確認や複数拠点の一元管理にもつなげやすいのが特長です。

Safieの行動検知AI(SF)の詳細については以下のページをご覧ください。

※骨格推定技術は、特定の個人を識別するものではなく、動作のみを解析するものである

工場の転倒対策は未然防止と早期発見の両面で見直そう

工場の転倒対策では、事故を防ぐ環境づくりと、異常に早く気づく仕組みの両方が重要です。

工場の床の水濡れや油汚れ、通路の障害物や段差などは、滑り・つまずき・踏み外しの原因になります。整理整頓や危険な場所の注意表示などで、転倒が起こりにくい工場環境を整えることが基本です。

一方で、広い工場や夜勤・単独作業では、巡回や目視確認だけで異常に気づくことが難しい場面もあります。クラウドカメラによる遠隔確認や録画映像を用いた原因分析、AIによる転倒検知などを活用すれば、現場の安全管理の強化に役立ちます。

工場でのクラウドカメラの活用や、AIによる転倒検知システムの導入については、問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

製造業界向け活用ガイドと導入事例集
製造業界向けクラウドカメラ活用ガイド
製造業界におけるクラウドカメラの活用方法と導入事例をご紹介しています。

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※1 出典:“令和7年における労働災害発生状況(確定値)(P6)”.厚生労働省 労働基準局安全衛生部安全課.2026-05(参照 2026-07-10)
※2 出典:“高年齢者の労働災害防止のための指針(P4)”.厚生労働省.2026-02-10(参照 2026-07-10)
※3 出典:“労働者の転倒災害(業務中の転倒による重傷)を防止しましょう”.厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署(参照 2026-07-10)
※4 出典:“社会福祉施設における安全衛生対策~腰痛対策・KY活動~(P1)”.厚生労働省 労働基準局安全衛生部安全課.2015-02(参照 2026-07-10)

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