小売業界において、売り場作りにおける「エンド」は重要な役割を果たします。エンドは顧客の目に留まりやすく、商品の効果的なアピールが可能です。この記事では、売り場のエンドの特性を解説し、効果的な陳列方法を紹介します。さらに、エンド分析に役立つツールの活用法についても紹介します。
目次
売り場の名称の種類
小売業界では、商品を効果的に陳列するため、売り場にはさまざまな名称がつけられています。ここでは、それぞれの売り場の特徴と役割について説明します。
「エンド」の特徴と役割
エンドとは、長い陳列棚や売り場の端に位置する部分を指します。主要な通路沿いやレジ付近などに設置されることが多く、顧客の動線の終わりや始まりに位置して目に入りやすいため、商品を効果的にアピールできます。主に以下の4種類があります。
フロントエンド
フロントエンドは、レジの向かいに設置されるエンドです。飲料や米など、重さがあるものが陳列されることが多く、最後に買い忘れがないかを確認させる役割を持ちます。
バックエンド
バックエンドは、店舗の奥に位置するエンドです。最奥の鮮魚や精肉コーナーに近く、肉や魚と関連する商品が陳列されます。たとえば精肉コーナーの近くならばカレールーや焼き肉のタレ、鍋の素といった肉料理に使える商品が、鮮魚コーナーの近くならば調味料や鰹節、刺身用の醤油やワサビなどが陳列されます。
センターエンド
センターエンドは、店内の中央部分の通路に位置するエンドです。新商品などのプロモーション商品やセール品が多く陳列されます。顧客が店内を回る際に自然と目に入りやすいため、プロモーションの効果を最大化するために活用されるスペースでもあります。また、商品の配置やディスプレイを工夫することで、顧客の動線を誘導する役割も果たしています。
レジエンド
レジエンドは、レジ隣に位置するエンド(レジとくっついている場所)で、衝動買いを誘う商品が陳列されます。小さな雑貨やスナック菓子、飲料、電池、マスクなどが典型的です。顧客が会計を待つ間に目にするため、手に取りやすい商品を配置することで追加の売上を狙うことができます。
「定番」の特徴と役割
小売業界における「定番」とは、店舗内で定番の商品が陳列されている商品棚を指します。日常的に購入される商品や、季節に関係なく安定した売り上げを見込める商品が陳列されます。定番棚は顧客が目的の商品を探しやすくし、店舗のレイアウトを一定に保つ役割を果たします。
「催事売り場」の特徴と役割
「催事売り場」とは、店舗内の空いたスペースなどで展開されるエリアです。たとえば季節ごとの特設コーナーや特売イベント、フェアなどが該当します。催事売り場は店舗の雰囲気を変えたり、新しい商品を試す機会を提供したりする役割があり、顧客にとっても通常の買い物とは異なる楽しみが得られる場です。
「風除室」の特徴と役割
「風除室」は、店舗の入口に設置される小さなエリアで、外気を遮断するための空間です。特に冬季には、寒風が店内に直接入り込むのを防ぐ役割を果たします。
このエリアには店舗のポスターや案内板、季節の商品ディスプレイなどが設置されることが多いです。風除室をうまく活用することで、来店客に対して最初のインパクトを与え、購買意欲を高めることができます。
売り場作りにおけるエンドの役割・ポイント
売り場のエンドは、店舗内で顧客の目を引く重要な場所です。エンドに適切に商品を陳列することで、売上を大幅に向上させることができます。本章ではエンドの役割と、効果的な陳列のコツについて詳しく説明します。
エンドの役割
エンドの役割として、以下の2つが挙げられるでしょう。
商品購入を促す
エンドは売り場の中でも目立つ位置に配置されるため、商品の購入を促進できる場所です。エンドに陳列される商品は、通行する顧客の視線を引きやすく、商品に対する関心を高めることができます。
たとえば新商品や人気商品をエンドに配置することで、顧客の購買意欲を喚起し、通常の棚に比べて売上の増加が期待できます。また、プロモーションやセール情報などをエンドに掲示することで、購買行動を促進することも可能です。
顧客の目を引く
エンドは店舗内で視認性の高い位置にあるため、顧客の注意を引く重要な場所です。エンドに配置される商品やディスプレイは、視覚的にインパクトがあるように設計する必要があります。色鮮やかなパッケージや目を引くデザインのディスプレイは、通行中の顧客の目を引きやすく、購入を促す効果が期待できるでしょう。
エンドの陳列のコツ
エンドの陳列のコツとして、以下5つをチェックしていきましょう。
準備をする
エンドの陳列を上手に活用するには、事前の準備が重要です。エンドに配置する商品の選定と、必要なディスプレイツールを用意しましょう。この際、商品の特性やプロモーション内容に応じて適切な売り場を選びます。
また、エンドの清掃や整理整頓も大切です。清潔で整ったエンドは、商品をより魅力的に見せるだけでなく、顧客に対して良い印象も与えます。
棚の高さを決めておく
エンドの棚の高さは、商品の視認性などに影響します。商品が目線の高さに配置されていると、顧客がより自然に手に取りやすくなります。一般的には目線の高さから少し下の位置であるゴールデンゾーンが、もっとも効果的であると考えられています。
商品のフェイス割をする
商品のフェイス割とは、商品を棚に配置する際に、正面を見せるように陳列することを指します。これにより商品が視覚的に整い、顧客が商品を容易に認識できるようになります。
エンドに陳列する商品は、できるだけすべての商品の正面が見えるように配置しましょう。フェイス割を行うことで整然とした印象を与え、顧客が商品を選びやすくなります。また、商品のパッケージやラベルの視認性が上がるため、購入を決める際の情報が明確になる点もメリットです。
在庫の補充を行う
エンドに配置する商品の在庫管理も重要です。売り場に出す商品が不足していると、顧客に対して良い印象を与えられないだけでなく、販売機会を逃す可能性もあります。定期的に在庫を確認し、必要に応じて補充を行いましょう。また、在庫が少なくなるとエンドのディスプレイが寂しく見えてしまうため、在庫が減ってきたら早めに追加補充を行うことも大切です。
商品と販促物を最上段に設置する
エンドの最上段には販促物や商品を配置します。最上段は目線より高い場所に位置するため、顧客は見上げることになります。そのため、ポスターやPOPなどの販促物を使い、訴求力を強化する必要があります。
AIカメラ「Safie One」なら売り場分析が可能
「Safie One(セーフィーワン)」は、売り場分析が可能なAIカメラです。
かしこくなるAIカメラ「Safie One」
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Safie Oneは、エッジAIカメラとクラウドAIカメラの両方のメリットを持つAIカメラです。エッジAI機能により、撮影された映像をカメラ内で瞬時に分析し、リアルタイムで分析結果を確認できます。
また、クラウド上にデータを保存するため、大規模なデータ分析や過去のデータの参照も可能です。これらの特性により、リアルタイムなモニタリングと詳細なデータ解析の両方を実現します。
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Safie
Safie One
エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ
¥41,800 (税込)
外形 | φ76.5×92.5mm |
重さ | 360g |
防水性能 | なし |
ネットワーク接続 | 有線LAN、無線LAN |
PoE給電 | 対応 |
画角 | 水平114° 垂直60° |
ズーム | デジタルズーム 最大8倍 |
マイク(音声入力) | あり |
スピーカー(音声出力) | あり |
暗所撮影 | 対応 |
店舗の今を見える化する「AI-App 人数カウント」
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「AI-App 人数カウント」は、Safie Oneにオプション追加できるアプリケーションで、店舗の来客数や流入動向を測定するのに役立ちます。「立ち入り検知」「通過人数カウント」「立ち入りカウント」の3つの機能がパッケージになっており、それぞれでデータを取得します。
たとえば「立ち入り検知」では、顧客が特定エリアに立ち入った際の通知を受け取ることができ、商品に対する関心や販促効果の評価に役立ちます。「通過人数カウント」では入口や店前通路での来客数の測定、「立ち入りカウント」では特定のエンドなどにエリアを設定することで一定時間滞在した人数を集計します。
Safie Oneと「AI-App 人数カウント」があれば、人物の動きや行動を高い精度で分析できます。
たとえば、どのエンドでどれだけの時間滞在しているか、どのような動きをしているかを詳細に把握することが可能です。これにより、売り場のレイアウトや商品配置の最適化が進み、顧客の行動パターンに基づいた販促施策を立案できるほか、陳列やPOPなどの店内プロモーションの効果の検証・販促の改善にも役立つでしょう。
売り場分析の事例:「モレスキンジャパン株式会社」
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「モレスキン」はミラノを拠点にノートや手帳を製造販売する企業で、シンプルなデザインと高品質が特徴です。日本法人「モレスキンジャパン株式会社」は、日本初の直営店にAIカメラのSafie Oneと「AI-App 人数カウント」を導入し、入店者数や顧客分析を行っています。
AIカメラの導入背景として、店舗の集客や購買率を把握したいニーズがありました。Safie Oneに決めた理由は、デザインとコストのバランスだったそうです。
店舗では「AI-App 人数カウント」を通して入店者数のカウントや立ち寄り行動を分析し、データに基づいて売り場のレイアウトや販促施策を改善しています。また、カメラ映像により得られる情報から、顧客の属性やスタッフの動きもわかるので、接客や販促の向上にも貢献しているとのことです。
売り場作りにはエンドを意識した適切な陳列が重要
売り場のエンドは、商品アピールの場として重要な位置を占めています。適切な陳列と効果的な配置によって顧客の興味を引き、売上の向上に貢献するでしょう。
AIカメラを活用することで、売り場の状況をリアルタイムで把握し、改善策を迅速に実施することが可能です。これらのポイントを踏まえて、売り場の最適化に取り組んでみてください。
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