足場作業は、高所で行うために危険が伴います。屋外であることも多く、天候の影響も考慮しなければなりません。さまざまな危険が潜む足場作業では、安全対策が必須です。
本記事では、法律や省令をもとに、足場作業を安全に行うために現場監督が押さえておきたいポイントを解説します。
目次
足場作業の危険性
厚生労働省がまとめている2020年度の「労働災害原因要素の分析」の資料によると、建設業の足場作業における事故で圧倒的に多い原因は「墜落・転落」です。鉄骨・鉄筋コンクリート造では約35%、木造家屋では約44%を占めています。このほか、転倒や崩壊・倒壊による事故も発生しています。(※1)
高所の足場から墜落や転落、転倒した場合は大けがにつながる可能性があります。思わぬ崩壊や倒壊も危険であるため、安全で丈夫な足場を作ることが必要です。
※出典:“労働災害原因要素の分析(令和2年 建設業)”.厚生労働省,第10表,第11表(参照 2024-7-11)
労働安全衛生法などの法令に基づく足場の安全対策
労働安全衛生法とは、労働者の安全を守るための環境について定めている法律です。細かい条件については省令である労働安全衛生規則(安衛則)に定められており、足場作業に関する記載も多くあります。以下では、主に安衛則に定められている足場の安全対策について見ていきましょう。
足場に関する作業主任者の選任
安衛則第565条によると、足場の組立てや解体の作業の際には、「足場の組立て等作業主任者」を選任しなければなりません。足場の組立て等作業主任者となるには、技能講習を受けて修了することが必要です。
足場の組立て等作業主任者は、安衛則第566条で定められている以下の職務を行う必要があります。
- 足場の材料の点検や、器具や工具、要求性能墜落制止用器具などの点検を行う
- 作業の方法や作業員の配置を行い、進行状況を確認する
- 作業員が安全のために身に付けるべきものを適切に身に付けているかを確認する
※出典:“労働安全衛生規則”.e-Gov法令検索.第565条,第566条.2024-7-1施行(参照 2024-7-11)
足場の材料・寸法などの設置条件
安衛則第563条では、足場が高さ2m以上となる作業場所には、以下の条件を満たした作業床を設けなければならないとしています。
- 作業床の幅は40cm以上
- 作業床を複数の床材で作る際は、床材同士の隙間は3cm以下
- 床材と建地の間は12cm未満
安全性の十分な作業床を設けるに加えて、足場の種類に応じて手すりや桟(さん)を設け、墜落や転落を防止しなければなりません。
足場を組み立てる際は、材料に損傷や腐食のないものを使うことが必要であり、安衛則第559条でも定められています。鋼管の材料を使う場合は、引張り強さや伸び、肉厚の条件を満たしたものを使わなければなりません。木材の場合は、割れや虫食い、節のない十分な強度を持つものを使い、なおかつ木皮を取り除いておく必要があります。
※出典:“労働安全衛生規則”.e-Gov法令検索.第565条,第566条.2024-7-1施行(参照 2024-7-11)
足場の点検
設置時だけでなく、作業を始める前にも足場の点検が必要です。安衛則第567条によると、事業者は点検者を指名して、その日の作業を開始する前に異常がないか点検をしなければならないとしています。天候や気温による変化、日が経つことで起こる劣化状況などを日々確認して、安全な状態で作業を始めなければなりません。
※出典:“労働安全衛生規則”.e-Gov法令検索.第565条,第566条.2024-7-1施行(参照 2024-7-11)
現場監督が足場作業で注意すべきポイント
工事現場全体を管理する現場監督は、足場作業について特に注意しておく必要があります。安全性を確保し、その日に応じた安全対策をしなければなりません。以下では、足場作業を伴う工事の現場監督が注意すべき3つのポイントを紹介します。
材料の劣化や破損がないか確認する
安衛則でも定められている通り、足場の材料の劣化や破損がないかを、毎日確認しましょう。確認不足や見落としが重大な事故につながる可能性もあるため、日々の点検が重要です。ただし、必ずしも現場監督自ら確認を行う必要はありません。
作業員が安全装置を装着しているか確認する
現場の作業員が、墜落制止用器具やヘルメットを正しく装着しているかを確認することも大切です。思わぬ事故を防止するために、現場監督だけでなく、作業員一人ひとりが備えておく必要があります。
墜落制止用器具とは、以前は「安全帯」と呼ばれており、作業員の身体と構造物をつないで万一の墜落に備える命綱のようなものです。装着自体の確認に加えて、構造物への設置場所や着用者の重さを十分に支えられるものであることなどの確認も必要です。
季節や気候の影響について十分考慮する
足場作業は屋外で行うため、気温や天候の影響を受けます。夏は通常時に増して体調確認をしっかりと行い、水分補給や休憩の時間を設けて熱中症対策を行いましょう。冬は積雪や凍結の恐れがあり、滑ると危険です。寒さによって普段通りの動きを行いにくい場合もあります。現場の状況によっては、安全面を考慮して、現場監督が作業の中止を判断することも必要です。
足場作業の安全対策には建設現場向けクラウドカメラ「Safie GOシリーズ」がおすすめ
足場作業の安全確認には、クラウドカメラの利用がおすすめです。作業現場を撮影できる位置にカメラを設置することで、現場監督は現場事務所などの遠隔にいても作業状況の確認が可能になります。
クラウドカメラのなかでも特におすすめなのが建設現場での導入実績が豊富な「Safie GO(セーフィーゴー)シリーズ」です。
製品の特長
Safie GOは、建設現場など屋外での利用に適したクラウドカメラです。LTE搭載のため電源に接続するだけで撮影・クラウド録画ができ、防水・防塵であるため設置環境を問いません。PTZ機能付きの機種や360度の超広角撮影が可能な機種などラインナップも豊富、設置場所や撮影したい箇所に適した機種を選べます。
大手ゼネコンでの導入事例多数
スーパーゼネコンの1社である株式会社竹中工務店さまや、総合建設会社の戸田建設株式会社さまなど、大規模な建設工事を行う企業において「Safie GO」は採用されています。
定期的に確認したい箇所や死角となるような箇所に「Safie GO」を設置することで、効率的で確実な安全確認ができます。また、HD画質のため映像を拡大しての局所的な確認も可能、遠隔からの安全確認の導入で移動コストの削減も実現しています。
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安全対策を万全にして足場作業をしよう
屋外の高所で行う足場作業には危険がつきものです。そのため、しっかりと安全対策を取らなければなりません。足場の材料や設置条件をしっかりと確認するとともに、作業員による安全装置の装着を促し、その日の天候や気温などにも考慮しながら、安全対策に努めましょう。
安全対策の強化にはクラウドカメラの活用も効果的です。セーフィーでは豊富な導入実績をもとに建設業界におけるさまざまな課題解決のサポートができます。建設現場へのカメラ導入や映像活用をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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