施工管理における安全管理とは?基本業務と重要性を解説!

施工管理の安全管理とは? 重要性や必要なスキル

施工管理とは、「工程管理・原価管理・品質管理・安全管理」という4大管理の総称で、建造物の品質や予算、工事スケジュールなどを管理する業務を指します。その中でも最重要かつ優先すべき業務が安全管理です

本記事では安全管理の業務内容や注意する点、役立つ資格やツールを紹介します。

安全管理とは?

施工管理における安全管理とは、工事現場で作業員や第三者の安全を確保し、事故や労働災害を防ぐための業務を指します。これは現場での安全対策を徹底し、作業の進行を妨げないようにするために欠かせない業務です。

安全管理は、施工管理における4大管理(工程管理・原価管理・品質管理・安全管理)の中でも特に重要視されています。事故や災害が発生すると作業が中断するだけでなく、作業員の命や健康が脅かされ工期やコストにも大きな影響を与えてしまうためです。

建設業界における安全管理の重要性

死亡災害の業種別内訳(令和3年)
死亡災害の業種別内訳(令和3年)

厚生労働省が調査した令和3年の死亡災害数内訳(※1)において、建設業は288人と最多です。これは死亡災害の約3分の1に当たる人数で、建設業界における安全対策は急務であることがわかります。

建設業の死亡災害の事故の型別内訳(令和3年)
建設業の死亡災害の事故の型別内訳(令和3年)

特に、死亡災害の中で38%を占めている墜落・転落事故は安全管理を適切に実施することで予防可能なケースが多いです。

また労働災害が発生すると原因究明や再発防止策検討などの追加業務が発生し、工期の遅延やコスト増加につながります。つまり、安全管理は現場の信頼と安心感を維持し、効率性を保つことに直結するのです

安全管理の具体的な業務内容

安全管理の具体的な業務内容を5つ解説します。

安全衛生管理計画の策定

安全衛生管理計画とは、安全衛生に関する目標を達成するため、安全衛生活動についての実施事項やその日程などを定めるものです。

安全衛生管理計画を策定したら安全衛生管理計画書を制作しましょう。安全衛生計画書とは現場ごとに作成される書類です。提出義務はありませんが、厚生労働省や各都道府県も作成を推奨しています。

安全衛生計画書には、計画の内容が誰でもわかるように項目ごとに整理して記載します。一般的に記載されている項目は以下の通りです。

記載事項内容
安全衛生管理の方針現場で意識すべきことや考え方
安全衛生管理の目標取り組む課題に対する目標達成
特定された危険性または有害性特に注意するべき危険性・有害性
安全衛生管理計画重点施策ごとの詳細
安全衛生管理体制安全衛生管理担当者などの署名

安全パトロール

安全パトロールとは、労働災害・事故等の原因になりそうな危険要因を見つけ出すための安全運動です。安全パトロールは安全管理の中でも特に重要とされており、労働災害・事故等の未然防止に大きく寄与します。

安全パトロールでは危険につながるような点があれば、その場で是正や対策を講じるとともに、関係者へ報告と共有を行います。また、安全パトロールには安全に対する現場の緊張感を持続させる役割もあります

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安全教育

先述したように、建設業界では死亡災害が多いことから、建設業者は従業員に対して適切な安全衛生教育を行う義務が労働安全衛生法によって定められています

厚生労働省の「建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育に関する指針」(※2)によると、時間は原則1日(6時間)と定められていますが、1度実施して終わりではなく、定期的な注意喚起や情報の共有を踏まえて日頃から実施する必要があります

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、事業場にある危険性や有害性の特定、リスクの見積り、優先度の設定、リスク低減措置決定の一連の手順を指します。事業者は、その結果に基づいて適切な労働災害防止対策を講じる必要があります。また、建設業においてリスクアセスメントは努力義務とされています。

2 リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の内容

[1]事業場のあらゆる危険性又は有害性を洗い出し、特定する。

[2][1]による労働災害(健康障害を含む)の重篤性(災害の程度)及びその災害が発生する可能性の度合を組み合わせてリスクを見積る。

[3][2]の見積りに基づくリスクを低減するための優先度を設定した上で、そのリスクを低減するための措置(リスク低減措置)を検討する。

[4][3]のリスク低減措置を実施するとともに、その結果を記録する。

※2 建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育についてより

リスクアセスメントを実施することで現場のリスクが明確になり、危険に対する感受性が高まることが期待できます

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ヒヤリハットの共有

建設業での「ヒヤリハット」とは、重大な災害や事故には至らなかったものの、一歩間違えれば大事故につながりかねない危険な出来事を指します

1件の重大事故の背景には29件の軽微な事故があり、さらに300件のヒヤリハットがあるというハインリッヒの法則と言われるものがあります。労働災害を減少・撲滅させるためには、ヒヤリハットの段階での危険の芽を摘むことが重要です

常に関係者とヒヤリハットを共有し、対策することで、事故を未然に予防できます。

安全管理に必要な能力

業務内容が多岐にわたる安全管理には以下の3つ能力が求められます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は、施工管理における安全管理で欠かせない役割を果たします。安全を確保するためには、さまざまな関係者に対して適切な対応が求められるからです。

たとえば、現場で指揮監督を行う際には、協力会社の作業員などの関係者と信頼関係を築き、チームワークを高めることが重要です。これにより、情報伝達の不足から起こる事故を未然に防げます

安全を守りつつ、各工程をスムーズに進行させるためにも、コミュニケーション能力は不可欠な要素です。

危機管理能力

危機管理能力とは、事故やトラブルが発生した際に、迅速かつ冷静に対応し、被害を最小限に抑えるスキルのことです。建設現場では予期せぬ事態が発生する可能性があるため、この能力は非常に重要です。

具体的には、危険を察知するための注意力や、事故が起きた際の初動対応力、そして適切な判断力が求められます。危機管理能力は、事故事例の分析や現場での経験を通じて磨かれるため、日頃から冷静な判断力を養い、あらゆる状況に対応できる準備をしておきましょう。

問題解決能力

施工管理における安全管理では、問題解決能力がきわめて重要です。現場では予期せぬトラブルが発生することがあり、そうした状況に迅速かつ的確に対応するスキルが求められます。工事現場で問題が発生した場合、その原因を正確に特定し、適切な対策を講じ、それを確実に実行して解決することが必要です

さらに、同じ問題が再発しないように予防策を立てることも重要です。施工管理者が優れた問題解決能力を備えていれば、現場の安全を常に維持することが可能となります。

安全管理に役立つ資格

「施工管理技士」は、施工管理における安全管理の専門性を持っていることを証明する国家資格で、業種ごとに7種類に分類されています

・建築施工管理技士

・土木施工管理技士

・電気工事施工管理技士

・管工事施工管理技士

・電気通信工事施工管理技士

・建設機械施工管理技士

・造園施工管理技士

施工管理技士の資格を取得するためには、一定の実務経験を積みながら、筆記試験や実技試験を通じて知識と技能を証明する必要があります。資格の取得後も、常に最新の技術や規制に対応できるように、継続的な学習や経験の蓄積が求められます。

安全管理の課題

建設業界で適切な安全管理を行うにあたって、いくつか課題があるので紹介します。

業務効率

安全管理を適切に行うことは労働災害を減らすための必須事項ですが、安全管理にだけ大量の時間を割く訳にもいきません。工事長や主任は1人で複数の現場を担当するケースも多く、正確性も時間も足りていないのが現状です

コミュニケーション

安全管理において円滑なコミュニケーションは必要不可欠です。特に、若手の現場監督はひとりで判断できないことも多く、工事主任やベテラン社員のアドバイスが必要です

しかし、以下のグラフ(※3)をみてもわかるように、建設業界は慢性的な人手不足に悩まされています。工事長や主任は1人で複数の現場を担当するケースが多く、現場との密なコミュニケーションは困難です。

建設業における職業別就業者数の推移
建設業における職業別就業者数の推移
建設業における職業別就業者数の推移
建設業における職業別就業者数の推移

状況の共有

建設現場における死亡災害では「墜落・転落」が最も多くの割合を占めています。そのため、立入禁止や危険区画は常時共有できる体制が必要です。

工事長や主任は1人で複数の工種を担当するケースが多く、いつどこで不安全行動が起こっているか把握できず、事故が発生してから気づくケースも多いです

ノウハウの蓄積

ヒヤリハットや事故の原因はその場で共有して終わってしまうケースが多いです。再発防止を徹底するためにもノウハウを蓄積し、安全教育に活かす必要があります。

現状はテキストでノウハウの蓄積をしているケースも多く、直感的にわからないため、安全教育にはうまく活用できていません

安全管理の課題解決には「Safie」のクラウドカメラが有効

クラウド録画サービスシェアNo.1(※)の「Safie(セーフィー)」のクラウドカメラを使うことによって安全管理の課題を解決することが可能です。

安全パトロールの遠隔実施

従来の安全パトロールの方法は現地巡回に限られていましたが、Safieを活用することで遠隔からの安全パトロールが可能となります。現地巡回と併用することで効率的かつ効果的な安全パトロールが実施できます。

また、立ち入り禁止エリアへの侵入や安全帯使用の確認など、不安全行動の発見にも役立ちます

円滑なコミュニケーション

今までは現状の事細かな説明が難しいこともあり、工事主任やベテラン社員への共有が困難でした。しかし、Safieを活用することで、カメラ映像を一緒に見ながらの状況説明が可能になり、より円滑なコミュニケーションが可能になります。

さらに遠隔から対応できるため、課題の解決スピードが上がり、工事全体の効率がアップします

複数人での安全管理

従来は建設業界の慢性的な人手不足の影響も相まって、1人の工事長が複数の工種を担当することも多く、全ての現場を実際に見て確認することが困難でした。また、同様に本部スタッフも現場の状況を把握しきれていませんでした。

Safieを活用することで、カメラ映像を現場事務所や本部に共有し、複数人で確認することが可能です。これにより管理品質と管理効率の向上につながります

原因究明や教育資料にも

従来はテキストや口頭のみの共有で終わっていましたが、Safieを活用することで、録画データとして保存することが可能です。これにより直感的かつ具体的な情報を残すことができ、事故発生時の原因究明や再発防止策に役立ちます

また、不安全行動の映像を集めることで、ヒヤリハットの共有やノウハウ蓄積など、安全教育に活用できます

安全管理におすすめのクラウドカメラ

Safieを活用することで遠隔からの安全管理や情報の共有が効率化されます。ここで紹介する3つのクラウドカメラはいずれもIP66以上の防水防塵を備えており屋外設置に最適です。さらにLTEを搭載しているためインターネット環境が必要なく、電源さえあれば簡単に設置できます

360度撮影可能!広角映像で危険を見落とさない「Safie GO 360」

Safie GO 360

360度全方位を撮影可能です。映像の表示位置を見たい位置に変更して確認できます。

料金はお問い合わせください

「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」は360度全方位を撮影可能なため、工事エリア全体を俯瞰で確認したい場合に有効なカメラです。安全ネットの確認や危険区画の見守りなどに活用できます。

また、上下にも広い画角があるため、大型クレーンでの揚重や屋根上など高所を伴う作業の確認も可能です。

10倍光学ズーム搭載!細部まで安全確認「Safie GO PTZ Plus」

Safie GO PTZ Plus

Safie GO PTZ Plus

アプリから遠隔でPTZ操作が可能です。見たい場所をピンポイントで撮影できます。GPSを搭載しているのでカメラの設置位置も確認できます。

料金はお問い合わせください

「Safie GO PTZ Plus(セーフィーゴー ピーティーゼット プラス)」はレンズを上下左右に自由に動かせるパン・チルト機能を搭載しており、光学ズームも可能です。カメラから作業エリアまで距離がある場合や細部まで確認が必要な場合に有効なカメラです

画角を動かしたり細部の確認が得意なため、安全帯の確認や玉掛け作業の見守りなどに活用することが可能です。

必要な現場に持ち運んで使える!「Safie Pocket2 Plus」

Safie Pocket2 Plus

Safie
Safie Pocket シリーズ

現場を見ながらリアルタイムに会話できる

料金はお問い合わせください

「Safie Pocket2 Plus (セーフィー ボケットツー プラス)」はバッテリー付きで持ち運びが可能なカメラです。三脚設置や単管などへの固定が可能なため、設置済みの固定カメラでは確認できない場合や、作業エリアが短期間で移動する場合などに有効です

作業員の視点で映像を見ることができ、リアルタイムで視聴や会話ができるため、現場の詳細な情報を共有できます。

徹底した安全管理で現場を守る

施工管理の中でも安全管理は現場の安全性を確保し、事故や災害から作業員を守るための最も重要な取り組みです。しかし建設業界は慢性的な人手不足なため、安全管理を効果的に行えていない現状があります。

Safieのようなクラウドカメラを活用することで、より効果的かつ効率的な安全管理を実施することが可能です。安全管理にクラウドカメラの活用を検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。

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見るべきポイント31選!クラウドカメラを活用した安全パトロール
安全管理業務が楽になる、安全パトロールの遠隔化に役立つクラウドカメラの活用方法を作業別に解説します。

※1 出典:“建設業における安全衛生対策に関する実施計画”. 厚生労働省、国土交通省. 2023-02(参照 2024-10-29)
※2 出典:“建設工事に従事する労働者に対する安全衛生教育について”. 厚生労働省. 2003-03-25(参照 2024-10-29)
※3 出典:“最近の建設業を巡る状況について【報告】”. 国土交通省 不動産・建設経済局. 2023-04-18(参照 2024-10-29)

※テクノ・システム・リサーチ社調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査(2023)」より、エンジン別カメラ登録台数ベースのシェア(54.1%)。
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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