ICTで介護現場の業務効率を実現!導入のメリットや事例を紹介

介護現場でICT 導入のメリットや事例

ICTとは、情報通信技術のことで、インターネットを中心とした各種通信技術を活用してコミュニケーションをとることを意味します。この記事では、ICTの概要をはじめ、介護現場でICTが必要とされる背景、ICTの推進によるメリットなどを解説します。さらに、ICTを推進する際の注意点、具体的な導入事例についても紹介します。

ICTとは

ICTとは「Information and Communication Technology」の略で、「情報通信技術」を意味します。言葉だけではわかりにくいかもしれませんが、インターネットを中心とした各種通信技術を活用してコミュニケーションをとることを指します

昨今ではスマートフォンの利用が一般的となったほか、さまざまなものにインターネットを接続できるようになり、情報の伝達やコミュニケーションがより簡単にできるようになっています。このような背景もICTが注目を集める理由の1つと考えられます。

なお、ICTと似た言葉にITがありますが、ITがデジタル機器やデジタル化された情報などを意味するのに対して、ICTはそのデジタル化された情報をやりとりする技術やコミュニケーションを意味するため、両者は異なります。

介護現場でICT化が想定される業務

ICTはさまざまな企業や業界で導入されており、介護現場においても今後のICT化が期待されています。具体的には以下のようなケースでICT化が想定されています。

・介護記録をつける

・労務管理を行う

・利用者の見守りをする

・排泄を予測する

など

介護現場では介護記録をつける必要がありますが、ICT化によりタブレットやスマートフォンを通して記録をつけ、閲覧できるようになります。介護記録をクラウド上にアップすれば誰でもアクセスできるため、情報共有も簡単になります。

ICT化すると、労務管理も容易です。たとえば専用のアプリを入れておくことで、訪問先・外出先・リモートワーク中の自宅などから出退勤の報告が可能です。出退勤記録をつけるために事務所に戻るといったケースは、ICT化で発生しにくくなるでしょう。

ICTは介護施設利用者の見守りにも活用できます。たとえばクラウドカメラを導入すると、スマートフォンやタブレット端末からいつでもどこにいてもリアルタイムで映像を確認できるため、利用者の側にいられない時でも安心です。

また、介護の現場では排泄の介助は1日に何度も行いますが、ICTの導入により、ある程度の排泄予測が可能になります。利用者が機器を装着すると、膀胱内の状態が感知され、排尿が近くなった時に知らせてくれるしくみです。完璧に予測できるわけではありませんが、ある程度の目安はわかるため、業務の効率化につながる可能性が期待できます。

介護現場でICTが求められている背景

なぜ介護現場でICTが求められているのでしょうか。本章では、その背景について詳しく解説します。

人手不足

介護業界の大きな課題の1つに、人手不足があります。いったん人手不足に陥ると、職員一人あたりの業務負担が大きくなるため、結果的には利用者に対するサービスの品質低下を招く恐れがあります。また、負担の大きさから離職者が増える可能性も想定されます。介護現場でICT化を推進し、業務効率を高めることができれば、人手不足問題の解決が期待できるでしょう。

介護需要の高まり

総務省統計局のホームページによると、2020年における日本の総人口に占める65歳以上の割合は28.7%とあります。総人口に占める高齢者人口の割合の推移でも、1950年より継続的に上昇していることがわかり、今後も高齢者の割合は高くなっていくことが予測されています。

高齢者が多い場合、医療や介護に対する需要が高くなることを表します。また、需要が高まることで、介護のニーズも多様化していくことが考えられます。今よりも多くの多様化した需要にマンパワーだけでは対応できない可能性があるため、ICTなどで多様な業務に対応できるようにしておくことが大切です

※ 出典:“統計からみた我が国の高齢者−「敬老の日」にちなんで−”. 総務省統計局. (参照 2024-07-25)

介護現場にICTを導入するメリット

ICTを導入することで、介護現場はさまざまなメリットを享受できます。具体的にどのようなメリットがあるのか解説します。

円滑なコミュニケーション

ICT化により、現場の円滑なコミュニケーションが可能となります。ICT化の1つにオンライン会議ツールがありますが、業務に導入すれば自宅や外出先などでも簡単にコミュニケーションを取れるため、情報共有が容易になるでしょう。

サービス品質の向上

ICT化により、介護サービスの品質向上も期待されています。たとえば、排泄予測機器があると適切なタイミングでトイレに行けるため、利用者が不快な思いをせずに済みます。また、見守り支援システムを活用すれば、常に利用者の状況を把握できるため、家族の安心感を高めることにつながるでしょう。

業務効率化

ICTは、業務効率化にも貢献します。介護の現場では、各種記録業務や情報共有など、職員の負担になりやすいルーティンワークが少なくありません。介護記録や労務管理をICT化できれば、記録にかかる時間を短縮できます。また、転記ミスの防止や集計作業の負担軽減なども期待できます。

人材の定着

ICT化によって業務効率化が実現すれば、職員の離職率低下が期待できます。業務効率化が進んで業務負担を減らすことができれば、職員は長く働きやすくなるでしょう。人材の入れ替わりが頻繁に起こると教育コストや採用コストがかかりますが、これらのコストの削減にもつながります。

介護現場にICTを導入する際の注意点

ICTは介護現場にさまざまなメリットをもたらすものの、いくつかの注意点もあります。ここでは具体的にどのような注意点があるのか解説します。

導入コスト

ICT機器やソフトウェアを導入する場合など、ICT化の推進にはコストがかかります。便利なツールは数多くありますが、初期費用が高額であったり、月額料金の支払いが負担になったりする可能性があります。特に介護事業所は小規模なところも多いため、予算の確保が課題となるでしょう。

職員の教育負担

ICT機器やソフトウェアの導入にあたり、職員一人ひとりに機器の使い方を伝える必要があります。また、従来の業務のやり方に慣れている人の場合、ICT化により、かえって業務がやりにくくなったと感じるかもしれません。なぜ導入するのか、導入によりどういったメリットがあるのかを、丁寧に説明する必要があるでしょう。

介護現場におけるICTの活用事例

最後に、実際の介護現場においてICTを活用した事例を紹介します。「クラウド録画サービス」を提供する、セーフィーのクラウドカメラの導入事例を紹介しますので、導入後に業務がどのように変化したのか、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社メグラス

愛知県内で介護施設や保育園を運営する株式会社メグラスは、施設内で発生した転倒事故などの経緯を確認するためにセーフィーのクラウドカメラを導入しました。映像視聴のしやすさと、PoE給電(LANケーブルによって電力を確保すること)ができる点などが、導入の決め手となったそうです

クラウドカメラの導入により、転倒などのインシデントが発生した時の事実確認ができるようになったこと、利用者と家族に安心感を提供できたこと、職員が安心して働けるようになったことをメリットとして挙げていました。

ヒューマンライフケア株式会社

介護ビジネスを展開するヒューマンライフケア株式会社は、同社が運営する介護施設の利用者や職員の安心のためにセーフィーのクラウドカメラを活用しています。カメラに威圧感がなく、大規模な設置工事が不要な点が、導入の決め手となったそうです

カメラの導入によりトラブルが発生した時に映像を確認できる体制を整えたことで、利用者を守ることにつながっているほか、スタッフを守ることにもつながっている、と話しています。

遠藤接骨院ヘルパーステーション

居宅支援・訪問介護・デイサービス・小規模多機能型居宅介護サービスなど、各種介護サービスを提供している遠藤接骨院ヘルパーステーション。同院が展開する4つの事業所では、セーフィーのクラウドカメラを導入しています。

既存のカメラは、画角の問題で死角が発生する点が課題でしたが、セーフィーのクラウドカメラは画角が広く、なおかつコストも抑えられていることから、導入を決めたそうです。導入後は、利用者の見守りやセキュリティ対策、業務改善などに活かすことができている、と話しています。

まとめ

ICTの概要、介護現場においてのICTの必要性、ICTの推進によるメリットなどを解説しました。ICTはインターネットを中心とした各種通信技術を活用したコミュニケーションを意味し、導入により円滑なコミュニケーションや業務効率化などが期待できます。

一方で、導入コストや教育コストが発生するため、その点を踏まえた上で導入するかどうかを検討しましょう。また、介護施設のICT化におすすめなのはクラウドカメラです。ぜひ導入事例を参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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