見守りカメラとは、離れた場所から設置した場所の様子を確認できるカメラのことで、介護施設に導入すれば利用者の様子を見守るのに役立ちます。本記事では、見守りカメラを設置するメリットや、得られる効果について紹介します。見守りカメラ導入の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
介護施設の見守りカメラとは
見守りカメラとは、離れた場所からでも設置場所の様子を見られるカメラのことです。介護施設に設置すれば、患者や利用者の様子を見守るのに活用できます。
近年のIT技術の進化にともない、見守りカメラの中には、録画機能はもちろん、AI画像解析機能を搭載しているカメラや、スマートフォン・ナースコールなどと連動できるカメラなども開発されています。
一般的な見守りカメラのタイプとしては、ボックス型、ドーム型があります。ボックス型は箱型の形状をした見守りカメラで、カメラがついていることが周囲にわかるため、防犯意識向上などが目的の場合に効果的です。そのため、出入り口など防犯意識を高めたい場所への設置が向いています。
ドーム型は球体の形をした見守りカメラで、一見するとカメラには見えにくいため、存在を感じさせにくいのが特徴です。カメラの存在を意識させたくない介護施設などの屋内には、ドーム型のカメラを設置すると良いでしょう。
データの保存方法は、サーバー上にデータを保存するクラウド型と、レコーダーに保存するHDD型の2つがあります。それぞれのメリットや注意点は以下を参考にしてください。
タイプ | メリット | 注意点 |
---|---|---|
クラウド型 | ・パソコン/スマートフォンから映像確認ができる | ・ネットワーク環境に影響されたり、画質が落ちたり、撮影されていないといった問題が発生したりすることがある |
HDD型 | ・衝撃に強い ・容量が大きい | ・交換する必要がある(数年に1回) ・HDDを直接見て映像を確認する必要がある ・HDDが破壊されるとデータが破損する |
介護施設の見守りカメラの選び方・必要な機能
介護施設向けの見守りカメラは、さまざまなメーカーから販売されており、それぞれ特徴が異なります。そのため、施設に合った性能を押さえて使いやすいカメラを導入しましょう。
選び方のポイントとして、次の4項目を確認してください。
- 性能
- 録画機能
- 撮影範囲
- 通知システム
接続方法・画質の良さ・映像の滑らかさなど、基本性能をまず押さえましょう。接続方法には有線と無線があります。無線はケーブルがないため、配線工事の手間が省けます。
画質の良さは画素数で決定され、画素数が大きいほど画像はきれいです。映像の滑らかさはフレームレート(fps)を確認しましょう。フレームレートは映像の滑らかさを示す値で、1秒間に何枚の静止画を見せるかを示したものです。数値が大きいほど、テレビのように滑らかな映像が再生されます。
録画機能がついている見守りカメラなら、仮に事故やトラブルが発生しても、状況を映像で確認できます。事故やトラブルの詳細を把握することで、今後の対策にもつながるでしょう。また、撮影範囲に死角があると、事故・トラブルの発見が遅れる可能性があります。基本的には部屋全体が撮影できるものを選びましょう。
そのほか、緊急時の対応をスムーズに行えるように、通知システムを搭載した見守りカメラもおすすめです。スマートフォンや施設用PHSなどで通知を受け取れれば、いち早く患者や利用者の元へ駆けつけられるでしょう。
そのほかにも、あると便利な機能としては、音声付き機能・会話機能などが挙げられます。さまざまな機能や特徴を持った見守りカメラが提供されているため、施設に合うタイプを選びましょう。
介護施設の見守りカメラの導入費用
付属機能や製品タイプによりますが、見守りカメラ1台当たりの値段は、1万円以下のものから5万円程度のものまでさまざまです。
また見守りカメラの導入タイプには、購入型、サブスクリプション(月額利用サービス)型、購入+サブスクリプション型があります。購入型は買い切りのため、初期費用のほか、見守りカメラの老朽化によるメンテナンス費用や機器の故障による修理費などが発生することがあります。レコーダーやモニターの利用もあれば、維持費も必要です。
サブスクリプション型は毎月のランニングコストがかかりますが、初期費用を抑えることができます。加えて、サービスの提供会社に設置場所や設置方法に関する悩みを相談したり、オプションに関して細かく確認したりできるため、カメラの知識がなくても使い始めることが可能です。
購入+サブスクリプション型は、カメラ購入費用+月額利用料として提供されています。
導入時に補助金を利用できる場合もある
街の治安向上や特定の事業者を対象として、見守りカメラの設置に向けて国や地方団体が助成金制度を設けていることがあります。
国の制度として、介護業界の人手不足解消につながる介護ロボットの普及を目的とした補助金制度を用意しています。見守りカメラも介護ロボットに該当するため、補助金の対象です。この制度は各都道府県で対応しているため、まずは各自治体に問い合わせてみましょう。たとえば千葉県では、税抜き補助対象経費の4分の3を上限に補助されます。
※ 出典:“千葉県介護テクノロジー定着支援事業費補助金(介護ロボット導入支援)の募集について(令和6年度)”. 千葉県. 2024-07-26(参照 2024-07-25)
また、東京都では障害福祉サービス事業所等に対して、事業所の利用者の安全確保を図ることを目的とし、防犯設備の設置に係る費用の一部を補助する事業を行っています。補助基準額は、防犯設備等の整備に係る工事費用です。
※ 出典:“障害者(児)施設防犯対策事業について(障害福祉サービス事業所等)”. 東京都福祉局. (参照 2024-07-25)
介護施設に見守りカメラが必要な理由
介護施設には、転倒・転落・誤薬・誤嚥といった事故リスクが多く存在します。なかでも多いのは、転倒事故の発生です。高齢者の転倒事故は骨折だけにとどまらず、命にかかわる危険性もあります。介護施設では、常にサポートできるような体制作りが必要だといえるのです。
しかし、業務負荷の増加や人手不足にともない、入居者一人ひとりへの対応や目配りが難しくなっているのが実情です。
さらに、老人ホームなどの介護施設職員による入居者への虐待も増加傾向にあります。厚生労働省が発表した「令和4年度 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律 に基づく対応状況等に関する調査結果」によると、家族からの虐待件数は年間1万6500件以上、介護施設や老人ホームなどの職員による虐待件数は年間約850件という状況です。
これらの事故や虐待などを防止する意味でも、見守りカメラの導入が必要です。見守りカメラ導入により、スタッフが入居者の様子をリアルタイムで把握できるだけでなく、必要なサポートや迅速な対応を取れるようになるでしょう。
※ 出典:“厚生労働省「令和4年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」”. 厚生労働省. (参照 2024-07-25)
介護施設に見守りカメラを導入するメリット
介護施設に見守りカメラを導入するメリットは、主に次の3点です。
- 利用者の安全の確保
- 事故やトラブルなどの防止
- スタッフの負担軽減
それぞれ詳しく見ていきましょう。
利用者の安全の確保
見守りカメラを導入することで、施設内の利用者の安全を確保できるようになります。見守りカメラがあれば、リアルタイムで利用者の行動・状態を把握できるため、転倒や転落などの異変やトラブルが起こった際に、できるだけ早く駆け付けることが可能です。また、事故やトラブルの発生後も、実際の映像をもとに検証することができます。
事故やトラブルなどの防止
普段は窓があって明るさが担保されているものの、夜になると真っ暗になり危険な場所など、見守りカメラの映像を確認していると事故につながる恐れのあるものに気づきやすくなります。つまずきや転倒などの事故やトラブルの未然防止に役立つでしょう。
スタッフの負担軽減
見守りカメラを導入することで、スタッフの負担軽減に役立ちます。入居者・利用者の深夜の徘徊や異常な行動が発生した際、見守りカメラのセンサーの検知によって気づけるからです。見守りカメラの映像を確認すれば現状を把握できるため、現場へ行く必要があるのか即座に判断できるでしょう。
見守りカメラの導入により、広い施設でも限られたスタッフ人数で確認できるといえます。人手不足の現場であれば、より効果を実感できる可能性があります。
介護施設の見守りカメラを導入する際の注意点
導入メリットの多い見守りカメラですが、注意点もあります。5つに分けて紹介します。
プライバシーを侵害する恐れがある
見守りカメラを導入するうえで避けて通れない問題が、プライバシーを侵害する恐れがある点です。加えて、見守りカメラのデータが不正に使用されたり、第三者に漏れたりするリスクも考えられます。
介護施設での導入にあたっては、利用者やその家族に対して、見守りカメラの利用目的や用途を十分に説明し、プライバシー保護に十分配慮していることを理解してもらうことが重要です。
▼見守りカメラとプライバシー侵害の関係については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
気にならない場所に設置する
実際に見守りカメラが導入されると、「常に見られている」という意識が利用者やスタッフに生じがちです。人によっては、プライバシーが保たれず、窮屈な施設環境だと感じてしまうこともあるでしょう。利用者や家族から同意を得ている場合でも、なるべく気にならない場所へ設置することが大切です。
また、カメラが常に稼働している状況下は、行動や言動を見られることになるため、スタッフにとってもストレスや緊張感が高まって仕事に集中できなくなる恐れがあります。スタッフのモチベーションを維持したり、働きやすい環境を構築したりするうえでも、スタッフへの配慮も十分考慮する必要があります。
運用体制を整備しておく
同意を得て、気にならない場所に設置すれば完了というわけではありません。見守りカメラの設置目的やデータの管理方法も明確にしておくことが重要です。万が一、カメラにトラブルが起きた場合の対応を事前に決めておくことは、入居者や家族、スタッフの信頼にもつながります。
見守りカメラ設置に際して決めておく項目としては、組織体制の整備と、セキュリティ面の整備(データ流出防止のため)の2つです。組織体制としては、次のような項目を整備できるように話し合いを行います。
- 責任者の選定
- 見守りカメラの設置場所/撮影範囲
- 撮影データの保存方法/期間
- 撮影データへのアクセス権限について
- 不用意なアクセスの禁止
- 利用者や家族から撮影データの開示を求められたときの対応
- 見守りカメラについての相談/質問/苦情に対する連絡先の設置 など
これらを事前に決めておけば、お互いに気持ちよく施設を利用できます。運用体制については、しっかりと議論するようにしてください。
見守りカメラの維持費用がかかる
見守りカメラは、導入費用だけでなく維持費用として、見守りカメラの老朽化にともなうメンテナンス費用や、機器の故障による修理費などが発生します。
また、見守りカメラ本体以外にも、レコーダーやモニターも利用している場合には、それらの維持費も必要です。レコーダーやモニターを使用せず、インターネットを通じてデータをクラウドに保存するクラウド型カメラであれば、初期費用を抑えられる一方で、データ保存のための月額費用がかかります。
一般的な介護施設の映像保存期間の目安は、2週間から1ヶ月程度です。クラウド上で保存するのであれば、必要な保存期間に対してかかる料金を事前に確認しておくことがおすすめです。
見守りカメラに頼りすぎない
見守りカメラは、利用者が施設を安心して利用できるようにするうえで欠かせない機器です。しかし、見守りカメラの映像だけでは、利用者の顔色や体調の変化まで確認することはできません。
見守りカメラを設置したから大丈夫と安心しきるのではなく、スタッフによる見守りや巡視も定期的に行うことが、さらなる安全確保のために必要です。
介護施設におすすめの見守りカメラ
介護施設にとって、見守りカメラの導入は効果的です。そこでおすすめなのが、セーフィーが提供するAI搭載カメラ「Safie One(セーフィーワン)」です。
Safie Oneは、パソコンやスマートフォンがあれば、いつでもどこでもテレビ並みのなめらかな映像を視聴できるのが特長です。また、内蔵マイク・スピーカー、Bluetoothを標準搭載しているため、介護施設のスタッフ同士などで双方向通話も可能です。
そのほか、オプションのアプリケーション「AI-App 人数カウント」を追加すれば、立ち入り検知機能も利用できるようになるため、徘徊などによる外出などの検知もできるようになります。
介護施設での安全確保や体制強化を模索中の方は、介護施設で役立つ機能が満載のAI搭載カメラ「Safie One」の導入をぜひご検討ください。
Safie
Safie One
エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ
¥41,800 (税込)
外形 | φ76.5×92.5mm |
重さ | 360g |
防水性能 | なし |
ネットワーク接続 | 有線LAN、無線LAN |
PoE給電 | 対応 |
画角 | 水平114° 垂直60° |
ズーム | デジタルズーム 最大8倍 |
マイク(音声入力) | あり |
スピーカー(音声出力) | あり |
暗所撮影 | 対応 |
介護施設に見守りカメラを導入した事例
ここでは、実際にセーフィー株式会社のカメラを介護施設に導入している事例を2つ紹介します。
【株式会社メグラス】より良い介護サービスを実現
スタッフが誇りを持って働ける環境作りを目指している株式会社メグラスでは、インシデント発生時の客観的な状況把握のためにセーフィーのクラウド録画カメラを導入しました。
カメラの導入にともない、何が起きたか映像で客観的に確認できるようになったことで、利用者とその家族に安心感を提供できるようになったそうです。また、映像確認の過程でケア方法における注意点などが見えてきた場合はスタッフに共有し、サービス品質の向上にも活かしています。
カメラの導入でスタッフに対する不信感を払拭できただけでなく、同時にスタッフも安心して働けるようになるなど、施設・利用者・スタッフそれぞれが安心感を得られる環境構築に貢献しているとのことです。
【ヒューマンライフケア株式会社】入居者やスタッフに安心を提供
教育事業や人材事業など多くの事業を手がけるヒューマングループにおいて、介護ビジネスを展開しているヒューマンライフケア株式会社では、入居者や働くスタッフの「あんしん」のためにセーフィーのクラウドカメラを導入しています。
これまでは、入居者同士のトラブルがあった際は、双方から聞き取りを行って対応していました。しかし、なかなか解決しにくく、頭を悩ませていたそうです。クラウドカメラ導入後は、現場のありのままを記録できており、映像を活用してトラブル解決の一助になっています。カメラで一部始終が撮影されているため、スタッフも正しくケアを行う意識がより高まり、ケアの品質の向上にもつながっているそうです。
介護施設に見守りカメラを導入して万全の体制を整えよう
介護施設では、利用者のトラブルや事故などがつきものです。介護施設に見守りカメラを導入すれば、利用者の安全確保につながるほか、事故やトラブルなどの防止、スタッフの負担軽減にも効果があります。
しかし、導入にあたってはプライバシー侵害の恐れがあることや、運用体制を整備しておくことなどの注意点を理解しておくことが重要です。
見守りカメラを選ぶ際は、施設にあった機能を搭載したものを選びましょう。どれを導入すれば良いか迷っている場合は、セーフィーが提供するAI搭載カメラ「Safie One」がおすすめです。
いつでもどこでもPCやスマホで、テレビ並みのなめらかな映像を視聴できるほか、双方向通話もできます。介護施設における見守りカメラの導入や活用に関して、お困りごとやお見積り依頼がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
- 介護業界向けクラウドカメラ活用ガイド
- 利用者”も“その家族”も“スタッフ”も笑顔でいるための事例を紹介。課題に合った活用方法についてお気軽にご相談ください。
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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