保育園におけるヒヤリハットとは?具体的な事例や対策も紹介

保育園のヒヤリハット 具体的な事例や対策

「ヒヤリハット」とは、危険を感じてヒヤッとした、ハッとした事象のことをさす言葉です。ヒヤリハットというと工事現場や製造現場をイメージされがちですが、実は保育園でも起こり得ます。この記事では、保育園でヒヤリハットが起こる理由や具体的な事例、対策について解説します。

ヒヤリハットとは

ヒヤリハットとは、事故や怪我にこそつながらなかったものの、危険を感じて「ヒヤッ」としたり、「ハッ」としたりする事象のことです

一見すると無関係のようですが、実はヒヤリハットは保育園でも起こっています。こども家庭庁の「令和4年教育・保育施設等における事故報告集計(※1)」によると、令和4年に教育・保育施設等で発生した事故件数は2,461件で対前年114件増でした。また、負傷等の報告は 2,456件で、こちらも対前年114件増となっています。

保育園内は保育士等がいるため安全なようですが、事故が発生するのは珍しくないことが分かるでしょう。

※1 出典:“令和4年教育・保育施設等における事故報告集計”. こども家庭庁. 2023-08-01(参照 2024-07-25)

保育園でヒヤリハットが起こる理由

保育園には乳児から幼児期までの子どもたちが通園しています。この年代の子どもたちはさまざまなことに興味を示し、大人が予想しないような行動を起こしがちであるため、ヒヤリハットが発生しやすくなります。何をすると危ないのか、やってはいけないことは何かを子どもたちが理解していないために、ヒヤリハットが発生するケースもあるでしょう。

そのほかにも、保育士が業務に追われてルールやマニュアルの作成が追いついていない、コミュニケーション不足が起こっているなどの事態も、保育園におけるヒヤリハットの理由のひとつでしょう。

保育園で起こるヒヤリハットの事例

保育園において懸念されるヒヤリハットの事例を紹介します。保育園の中だけでも下記のようなリスクが潜んでいるため、ぜひ参考にしてみてください。

転落・転倒

保育園でよく起こるヒヤリハットのひとつが、転落・転倒です。たとえば、遊具で遊んでいる時にバランスを崩して転落する、台の上で子どもが押し合い落ちそうになるなどです。このような事態を回避するため、保育士は転落・転倒のリスクがある場所を事前に共有しておく必要があります

衝突

子ども同士、もしくは子どもと壁・ドアなどの衝突も、保育園に多いヒヤリハットです。子どもは何かに夢中になっていると、周囲が見えなくなり、他人やものとの衝突が起こりやすいです。たとえば鬼ごっこをしている時に、鬼に気を取られて遊具にぶつかってしまうケースはよく起こります。保育士はこまめに周囲を見るように声をかけ、遊んでいる子どもをできるだけ観察する必要があるでしょう

誤飲

特に乳児や幼児などは、手で持ったものを口に入れたり舐めたりするため、誤飲のリスクが高いです。積み木・おもちゃの部品・ペンの蓋など、小さな子どもの口にすっぽりと入るものは注意しなければなりません。誤飲を防ぐため、園内を普段から清掃しておくほか、口に入りそうな小さなものを子どもが触れる範囲に置かないことを徹底しましょう。

アレルギー

子どもが何かしらの食物アレルギーを持っている場合、その食べ物を口にする、手に触れてその手を口の中に入れるなどによって命の危険を伴う恐れがあります。このような事態を回避するため、アレルギー情報は園内で共有し、子どもが触れる・口にすることがないよう徹底しましょう

お昼寝中の事故

保育園でのお昼寝時間もヒヤリハットになることがあります。たとえば、子どもが寝ている時にタオルが顔にかかってしまい窒息する、寝返ってうつ伏せになり窒息するなどです。お昼寝中でも定期的に様子を確認するなどして、ヒヤリハットが起こらないように努めることが重要です。

やけど

給食の調理中に子どもが熱い鍋やフライパンを触ってしまう、配膳中に熱いスープがかかってしまうなどが起こると、子どもがやけどする原因になります。また冬場のストーブも、ストーブにぶつかりそうになってヒヤリハットになる原因となり得るでしょう。配膳・調理の際は大人が周囲でサポートをするほか、子どもたちがストーブから一定以上の距離をとれるよう、対策を講じることが求められます。

水の事故

プールがある保育園の場合、水の事故にも注意しなければなりません。たとえば、プールで足を滑らせて溺れそうになる、泳いでいる時に衝突する、水を掛け合って遊んでいるときに水をたくさん飲んでしまう、などです。保育士が目を離した一瞬で溺れてしまうケースもあるため、細心の注意を払ってください。

ドア・窓での指挟み

園内のドアや窓で指を挟んでしまうケースも、ヒヤリハットのひとつです。たとえば、引き戸と壁の間で指を挟む、蝶番に手を入れて遊んでいて指が挟まれる、などです。指挟みは骨折につながる恐れがあるほか、最悪の場合は指の切断を引き起こす恐れもあります。保育士は子どもたちに対して、ドアや窓で遊ばないこと、ドアの開け閉めの際に周囲に人がいないか確認することを指導しましょう。

送迎バスでの降ろし忘れ

子どもがバス内に残っているのを運転手が見逃しており、そのまま長時間放置されてしまった、というケースもあります。夏場の降ろし忘れは、熱中症により命を落とす危険があります。保育士と運転手の意思疎通がうまくできていないことも原因のひとつであるため、必ず一声かけることが大切です。

保育園でできるヒヤリハット対策

保育園でできる具体的なヒヤリハット対策を紹介します。ここで取り上げる対策に取り組むことで防げるヒヤリハットは少なくないため、ぜひ試してみてください。

保育士の増員

ヒヤリハットは保育士が子供から目を離した隙に発生するケースが多いため、保育士を増員し、子どもを見守る目を増やすことが大切です。保育園によっては複数担任制を取り入れており、クラス全体をまとめる担任・子どものケアを担当する副担任・活動の準備や片付けなどを担当する補助がひとつのクラスを担当します。このように保育士の役割を絞ることで、ヒヤリハットが起こりにくい環境を整えられるでしょう。

こまめな報告・共有

保育士がヒヤリハットをこまめに報告・共有できる環境を作ることも大切です。すぐに報告できる環境がないと、報告・共有された内容に対して注意する・責める空気になることもあるためです。ヒヤリハットの報告・共有をする人が減らないためにも、定期的にミーティングを行い、環境面の整備を行うようにしてみてください。

注意喚起の徹底

子どもたちに対してこまめに注意喚起することも、ヒヤリハット対策になります。たとえば、友達を押さない・おもちゃは口に入れない・室内は走らないなどで、繰り返し伝えることで子どもたちは「やってはいけないこと」として認識するようになります。ただ口頭で喚起するだけでなく、クイズや紙芝居など、子どもたちが親しみやすい形で伝えるように工夫することも大切です。

マニュアルの整備

マニュアルの整備は、ヒヤリハット対策で欠かせません。たとえば、過去の事例をまとめておくことで共有が可能となり、同じようなヒヤリハットの発生を回避できる可能性があります。加えて、事故が発生したときの対応策を決めておくことも重要です。事故が起こらない・事故を起こさないに越したことはありませんが、万が一の事態が発生したときにスムーズに対応できるかどうかで、その後の状況は大きく変わるでしょう。

子どもを見守る環境の構築

子どもを見守る環境を整えることも、ヒヤリハット対策のひとつです。具体的には、クラウドカメラによるリアルタイムでの映像確認が挙げられます。クラウドカメラであれば遠隔地からでも映像を確認できるため、お昼寝部屋にカメラを設置しておけば、うつ伏せやタオルによる窒息の危険がないかを別の部屋から確認できます。

また、園庭にカメラを設置しておけば、不審者の侵入防止にも貢献してくれるでしょう。映像を振り返って保育士の教育・育成に活用することもできるため、ぜひ導入を検討してみてください。

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保育園のヒヤリハット防止に努めよう

子どもは好奇心旺盛で、大人が予想もしないような行動を起こすことがあるため、保育園でヒヤリハットが発生するシーンは多々あります。転落や転倒・衝突・お昼寝中の事故・水の事故・アレルギー・ドアでの指挟みなどが含まれるため、マニュアルの整備やこまめな情報共有はもちろん、クラウドカメラを活用した対策もぜひ検討してみてください。

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