飲食店を開業するためにはさまざまな厨房設備が必要です。厨房設備は店舗の効率や安全性、最終的には売上に大きく影響します。また、昨今では厨房をDX(デジタルトランスフォーメーション)するための設備も重要視されています。
店舗に合った適切な厨房設備を選ぶことが、中・長期的な成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。本記事では店舗に合った厨房設備の選び方や注意点、さらに店舗運営に役立つDXツールについて詳しく解説します。
目次
飲食店開業に必須な重要厨房設備
飲食店に必須な厨房設備を6つ解説します。
ガスレンジ(ガステーブル)
ガスレンジ(ガステーブル)とは、2口以上のガスコンロと魚焼き用グリル・オーブンなどの加熱用調理器具を組み合わせた調理台のことを指します。ガス栓を手動で回して点火する外管式と、圧電点火式でつまみを回すと自動で点火する内管式があります。
【選ぶポイント】
•サイズ:大きいほど効率が上がるが、動線を妨げる可能性がある。
•火力:強いほど料理の効率が上がるが、価格が30%〜50%程度高くなる傾向がある。
•五徳の数:多ければ効率が上がるが、サイズと比例する傾向にあるため注意。
•安全装置:火災やガス漏れを防ぐため、安全装置の有無を確認する。
【価格相場】
•シンプルな2口ガスレンジ:30,000円〜70,000円
•オーブン付きモデル:100,000円〜300,000円
•業務用大型モデル:300,000円〜1,000,000円以上
冷蔵庫・冷凍庫
食材保管のために冷蔵庫・冷凍庫は必須です。提供するメニューによっては、ドリンク冷蔵庫やアイスクリームフリーザーなども必要になるでしょう。また営業許可を得るための設置基準として、冷蔵庫内の温度計設置が定められているため必ず確認しておきましょう。
【選ぶポイント】
•容量(サイズ):営業に必要な食材量やストック量を計算し、適切なサイズを選ぶ。
•扉のタイプ:観音開きや片開き、スライドドアなど、厨房の動線に合わせる。
•冷却方式:直冷式は温度管理がしやすく、ファン式は霜取りの手間が省ける。
【価格相場】
•小型冷蔵庫:20,000円〜50,000円
•中型冷蔵庫:50,000円〜150,000円
•大型冷蔵庫:150,000円〜500,000円
•冷凍庫:30,000円〜200,000円
•業務用大型冷蔵庫:300,000円〜1,000,000円以上
製氷機
アイスドリンクの提供に氷は必須です。業者から氷を仕入れることもできますが、長期的なコストを考慮し、ほとんどの飲食店では製氷機を導入しています。
【選ぶポイント】
•種類:キューブアイス、ブレークアイス、ナゲットアイスなど。用途に合わせて選ぶ。
•製氷能力:店舗に適した製氷機タイプと製氷能力を考慮。
【価格相場】
•小型製氷機:50,000円〜100,000円
•中型製氷機:100,000円〜300,000円
•大型製氷機:300,000円〜700,000円
•業務用製氷機:700,000円〜1,500,000円以上
調理台
食材の準備や盛り付けの作業をするための調理台は、飲食店の開業には必要不可欠です。種類やサイズが豊富なため、使いやすさを重視して選びましょう。例えば、冷蔵庫や冷凍庫の天板が作業台になっている「コールドテーブル」は、スペースを有効活用できるため、小規模な飲食店や厨房が狭い物件などで重宝するでしょう。
【選ぶポイント】
•サイズ:厨房のスペースや作業動線を考慮。
•材質:ステンレス製が一般的。耐久性が高く、清掃が容易なものを選ぶ。
•高さ調整:作業しやすい高さに調整できるかどうか確認。
【価格相場】
•小型調理台:20,000円〜50,000円
•中型調理台:50,000円〜150,000円
•大型調理台:150,000円〜300,000円
•コールドテーブル:200,000円〜800,000円
シンク
シンクは飲食店の厨房において、食材や調理器具の洗浄、手洗い、水の供給と排水を担う重要な設備です。一槽、二槽、三槽など、用途に応じてさまざまな種類があります。また、保健所の基準に適合する大きさと数を設置することが法的に求められます。
【選ぶポイント】
•材質:ステンレス製が一般的。耐久性があり、清掃が容易なものを選ぶ。
•サイズと深さ:店舗の規模や用途に合わせる。
•水栓(蛇口):付属機能も考慮。例えば、可動式のシャワーヘッドがあると便利。
•衛生面:継ぎ目のない一体成型タイプが推奨。掃除のしやすさもポイント。
•排水システム:詰まりにくい設計かどうか確認。
【価格相場】
•一槽シンク:20,000円〜50,000円
•二槽シンク:50,000円〜100,000円
•三槽シンク:100,000円〜200,000円
•業務用シンク:200,000円〜500,000円以上
食器棚
食器棚は、食器類や調理器具を保管するために重要な設備です。飲食店では食器類を衛生的に保管するために、扉付きの食器棚を1台以上設置することが義務付けられています。
【選ぶポイント】
•棚の構造:固定式やワイヤーラックなど。食器や器具の種類、サイズに応じて選択。
•高さ調節:調節できるものだと柔軟な収納が可能になる。
•設置場所:作業動線を意識して選ぶ。
•湿気対策:床から少し離して設置できることが推奨。
【価格相場】
•小型食器棚:20,000円〜50,000円
•中型食器棚:50,000円〜100,000円
•大型食器棚:100,000円〜200,000円
•業務用食器棚:200,000円〜500,000円以上
厨房設備を選ぶ際の注意点
飲食店を開業する上で、厨房設備の設置は必須です。以下は厨房設備を選ぶ際に考慮すべき注意点です。これらのポイントを押さえることで、長期的に効果的かつ効率的な厨房運営が可能になります。
店舗面積と設備のサイズを考慮する
厨房設備を選ぶ際は、サイズや設置スペースを十分に考慮しましょう。必要以上に大きな設備は従業員の動線を制限し、事故や効率低下を引き起こします。
一方で、設備が小さ過ぎても、作業効率が落ちて提供できるメニューが限られてしまいます。設備が大き過ぎるのは問題としてわかりやすいですが、小さ過ぎるのもオペレーションの観点から好ましくありません。
店舗面積に見合った設備のサイズを考慮しましょう。同時に動線の確保や清掃の行いやすさなども考慮に入れ、総合的に判断することが重要です。
メニューに合った設備を選ぶ
提供するメニューに合った設備を選ぶことが重要です。とくに調理する回数が多い看板メニューにフォーカスして選ぶと良いでしょう。
例えば、加熱料理を頻繁に行うならガステーブルを複数台設置する、鮮度が重要な食材を多く扱うなら大型の冷蔵庫を導入する、調理スペースが狭い場合は収納力の高い調理台を選ぶ、洗い物が多い場合は広めのシンクを設置するなどが考えられます。
食材の下処理から調理、保管、盛り付け、提供、そして後片付けまでの各段階を具体的に想定することで必要な設備が明確になります。
設置基準を確認する
食品を製造・販売する店舗(飲食店を含む)の開業には、保健所の食品営業許可が必要です。この許可取得には、食品衛生法と各自治体の条例に定められた設置基準を満たす必要があります。
厨房機器に関する基準の例として、シンクの大きさと台数の規定や、食器戸棚や器具保管庫(調理器具やキッチンツールなどの保管庫)への扉の設置義務などがあります。また火気を使用する厨房設備の場合は、消防署に届け出る必要があります。
ただし、これらの基準は自治体によって異なるため、機器購入前に必ず店舗所轄の保健所に確認することが重要です。事前に十分な情報を得ることで、後々の手戻りや追加工事を防ぎ、スムーズな開業準備を進められます。
厨房設備だけでは不十分!店舗DXのために必要な設備
昨今の飲食業界では、人手不足や働き方改革への対応が急務となっています。これらの課題を解決し、業務効率を大幅に向上させるために必要不可欠なのが店舗DXです。適切なデジタルツールを導入することで、人的リソースの最適化や業務プロセスの改善が可能になります。以下では、店舗DXを実現するために具体的に必要なツールを解説しています。
スマート調理機器
スマート調理機器は、IoT技術を活用して従来の調理機器に高度な機能を付加した次世代の厨房設備です。無線LAN接続やスマートフォンアプリとの連携により、遠隔操作や調理プロセスの自動化が可能になります。
例えば、レシピに基づいた温度・時間の自動制御、調理状況のリアルタイムモニタリング、エネルギー使用量の最適化などの機能を備えています。また、AIを搭載した機種では、食材の認識や最適な調理方法の提案も行えます。
これらの機能により、調理の効率化、品質の安定化、エネルギーコストの削減が実現できます。さらに、データ収集・分析機能を活用することで、メニュー開発や原価管理にも役立てられます。スマート調理機器の導入は、飲食店の生産性向上と競争力強化につながります。
HACCP(ハサップ)システム
HACCP(ハサップ)とは2021年6月に義務化された食品の衛生管理手法です。食品事業者は衛生管理計画書を作成し、その実施状況を記録・保管することが求められます。
HACCPシステムでは衛生管理計画書や実施状況の記録・保管の補助だけでなく、温度管理やIoT連携など衛生管理を効率的かつ最適にするための機能も備わっていることがあります。HACCAPシステムを導入することで法令遵守を確実にするだけでなく、衛生管理の質を向上させられます。
キッチンディスプレイシステム(KDS)
キッチンディスプレイシステム(KDS)は、飲食店のキッチンで注文情報を表示・管理するデジタルシステムです。従来の紙伝票に代わり、タッチスクリーンモニターなどを使用して注文内容を表示します。KDSは注文の受付から調理、提供までの工程を効率化し、ミスを減らせます。
また、リアルタイムで注文状況を把握できるため、調理の優先順位付けや配膳のタイミング調整が容易になります。さらに、注文データの分析や在庫管理との連携など、運営改善にも活用できる機能を備えているシステムもあります。KDSの導入により、キッチンの生産性向上と顧客満足度の改善が期待できます。
クラウドカメラ
クラウドカメラは、厨房の衛生管理や業務効率化に特化したソリューションとしても活用されています。クラウドカメラを導入することで、調理プロセスの可視化や衛生管理状況のリアルタイムモニタリングが可能になります。
例えば、手洗いや清掃などの衛生作業の実施確認、食材の取り扱い状況のチェック、調理手順の遵守確認などが遠隔で行えます。AIによる画像解析技術を活用すれは、不適切な行動の自動検知や、作業効率の分析も可能です。。
また、HACCPに基づく衛生管理の記録としても活用でき、必要に応じて映像データを保管・提出できます。複数店舗の一元管理や、本部からの指導にも役立ち、厨房業務の標準化と品質向上に貢献します。もちろん防犯カメラとしての活用も可能でバイトテロや万引きの防止、営業時間外の防犯にも役立てられます。クラウドカメラの導入は、食や店舗の安全性向上と業務改善の両立を実現します。
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エッジAIを搭載。画像解析による業務効率化も叶えるカメラ
¥41,800 (税込)
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重さ | 360g |
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画角 | 水平114° 垂直60° |
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スピーカー(音声出力) | あり |
暗所撮影 | 対応 |
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加えて、お客さまからのクレームがあった際の事実確認にも活用しており、「映像が社員を守る役割を果たしてくれる」と語っています。
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開業時の厨房設備投資で失敗しないために
飲食店の開業において、店舗に合った厨房設備を選ぶことは非常に重要です。また、基本的な厨房設備に加え、店舗運営を成功させるためには厨房のDXも欠かせません。とくに、セーフィーのクラウド録画サービスなら防犯から業務効率の改善まで、幅広い課題を解決することが可能です。
セーフィーは映像ソリューションを提供する会社で、飲食店への販売実績も豊富です。飲食店の開業を検討している方や、設備投資の最適化に課題を感じている方はお気軽にご相談ください。
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- エッジAIを搭載し、計測・検知を行うことで映像解析をより便利にします。
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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