動画マニュアル VS テキストマニュアル!メリットや作り方を解説

動画マニュアルとは?

マニュアルを動画として制作・共有するケースが増えてきました。実際のところ、テキストマニュアルと比べてどのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、動画マニュアルのメリットやデメリット、制作方法についてまとめています。また、制作費用を抑えるポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

動画マニュアルとは?

動画マニュアルとは、動画を使ったマニュアルのことです。言葉では説明しにくい事柄も、映像として具体的に見せられるため、操作手順や使い方などをより正確かつ直感的に伝えられます

また、動画マニュアルで伝えられるのは映像だけではありません。音声と文字(テロップ)も同時に表示できるため、わずかな時間でも多くの情報を伝えられます

動画マニュアルの現状

スマートフォンのカメラ機能が向上し、操作性の高い編集アプリが数多く開発されたことにより、専用のカメラや編集機器がなくても気軽に動画を制作できる環境が整ってきています。また、スマートフォンやパソコンなどのインターネットデバイスの普及に伴い、誰もが簡単かつ場所を問わず動画を共有・視聴できるようになりました。

動画制作・視聴のハードルが下がったことで、動画マニュアルも増加の一途をたどっています。企業の商品サイトでは、商品の使い方やアレンジ方法などのさまざまな動画マニュアルが公開されていることも珍しくありません。また、従業員向けに、機械の操作方法や接客手順を動画マニュアルとして公開していることもあります。

動画マニュアルが向いている活用例

動画マニュアルは個人が特定・不特定の相手に向けて作成することもありますが、企業が作成するときは、主に社内向けと顧客向けの2つの種類があります。動画マニュアルが向いてるそれぞれの活用例は以下をご覧ください。

対象
動画マニュアルが向いてる活用例
社内・ビジネスマナー
・接客方法
・機械の操作方法
・調理方法や盛り付け方法
・ツール、システムの使い方
・開店業務、閉店業務
・クレーム対応 など
顧客・商品の使い方
・商品を使ったアレンジアイデア
・トラブル時の対応各種
・手続き方法(商品交換、保険金請求など) など

動画マニュアルのメリット

動画マニュアルには、次のメリットがあります。

  • 直感的に理解しやすい
  • 短時間で多くの情報を伝えられる
  • 好きなときに何度でも確認できる
  • 視覚・聴覚で印象付けられる
  • 運用・管理がしやすい

それぞれのメリットについて、テキストマニュアルと比べて解説します。

直感的に理解しやすい

動画マニュアルは映像で伝えるため、言葉では伝えにくい内容でも、直感的に理解してもらいやすくなります。たとえば、「左手で風呂敷の右上部分を押さえて、風呂敷の左下部分で輪を作って右手に通し……」と言葉にすると複雑な内容でも、映像なら簡単に誤解なく伝えられるでしょう。

短時間で多くの情報を伝えられる

1分間の映像で、最大約180万文字分の情報を伝えられるといわれています。180万文字を400字詰めの原稿用紙に書く場合、4,500枚も必要です。つまり、テキストマニュアルであれば膨大な量になってしまう内容でも、動画マニュアルならわずかな時間で伝えることが可能です。

好きなときに何度でも確認できる

動画マニュアルは、インターネットが利用できる環境とスマートフォンなどのデバイスがあればどこでも確認できます。情報が必要なときに場所を問わず確認できるため、利便性が高いといえるでしょう。また、理解が難しい部分があるときは、同じ部分だけを繰り返し再生して確認できるのも動画マニュアルのメリットです。

一方、テキストマニュアルは、紙媒体だと必要なときに手元にあるとは限りません。たとえば、資料室の本棚に片付けている場合、別の部屋や建物でマニュアルを使いたいときは、わざわざ資料室まで取りに行く必要があります。夜間や休日で会社が閉まっているときは、資料室に入ることも容易ではありません。

視覚・聴覚で印象付けられる

動画マニュアルは、視覚と聴覚の両方で印象付けられます。映像だけでなくテロップで文字を流し、さらに音声で補足することで、複雑な内容でも理解しやすく伝えることが可能です。

動画マニュアルは、必ずしも視覚と聴覚の両方で理解するわけではありません。たとえば運転中や調理中などの画面を見ることが難しい状況なら、音声だけで情報を入手することも可能です。また、会話中や騒がしい場所にいるときのように聞き取りが難しい状況でも、動画マニュアルなら見るだけで情報を入手できます。

運用・管理がしやすい

動画マニュアルは、URLやファイルの形で共有できます。紙媒体のテキストマニュアルのように印刷する手間や費用がかかりません。また、特定の保管場所を必要としないのも、動画マニュアルのメリットです。

マニュアル内に間違いが見つかったときや新情報を追加するときでも、動画なら管理者側が訂正・編集するだけで対応できます。一方、紙媒体のテキストマニュアルの場合、訂正や追加があるときは、修正部分の差し替えやマニュアル自体の交換が必要です。広く大勢に配布している場合は、差し替えや交換の作業負担はさらに増えます。

動画マニュアルのデメリット

メリットの多い動画マニュアルですが、デメリットも少なくありません。主なデメリットとしては、次の4点が挙げられます。

  • 視聴環境を整える必要がある
  • 制作や更新に手間がかかる
  • 知りたい情報だけをピンポイントで閲覧しにくい
  • 詳細情報を伝えにくい

各デメリットについて、テキストマニュアルと比較しつつ解説します。

視聴環境を整える必要がある

動画を視聴するには、インターネット環境が必要です。たとえば従業員向けに機械の操作マニュアルを作成する場合なら、作業中に閲覧できるように工場内にWi-Fi環境を整えなくてはいけません。

また、動画視聴にはパソコンやタブレット、スマートフォンなどのインターネットデバイスが必要です。機械の操作マニュアルを閲覧する場合なら、細部までしっかりと視聴できるように大きめの画面のパソコンやタブレットが必要になる可能性もあります。

制作や更新に手間がかかる

動画マニュアルの制作には、手間がかかります。企画をして台本を作成するだけでなく、撮影・編集作業なども必要です。テロップや音声を入れるのも、慣れていない場合なら時間がかかるでしょう。

また、情報を修正・更新するときは、再び企画や台本作成、撮影・編集が必要です。テキストマニュアルも修正・更新に時間はかかりますが、台本作成や撮影はないため、動画マニュアルよりも短時間で完了するかもしれません。

知りたい情報だけをピンポイントで閲覧しにくい

動画マニュアルは文章のマニュアルとは異なり、キーワードで検索できません。知りたい情報をピンポイントで閲覧できるようにするには、動画内に細かくタグ設定をしたり、「トラブル時の対応は〇分〇秒~」のように秒数を記した目次を作成したりすることが必要です。

一方、テキストマニュアルを作成してオンラインで公開する場合なら、キーワード検索ができるため、気になる情報を簡単に探せます。紙媒体であればしおりを挟んでおけば、次回も同じ情報の閲覧が可能です。

動画マニュアルは作業の流れを把握するには優れたツールですが、視聴しながら作業することには向きません。通常、動画マニュアルでは実際よりも短時間で作業の流れが紹介されているため、視聴しながら作業をするときには、何度も動画を止めたり、巻き戻したりする必要があります。

テキストマニュアルなら、該当する部分を開いたままにすれば、閲覧しながらの作業が可能です。停止や巻き戻しなどの操作をする必要がないため、作業に専念できるでしょう。

詳細情報を伝えにくい

すべての情報を動画で伝えようとすると、膨大な量・時間になってしまいます。大まかな流れや基本的な情報だけを動画マニュアルで伝え、詳細情報や例外的なケースについてはテキストマニュアルで補足するほうがよいでしょう。

動画マニュアルの制作方法

デメリットはあるものの、情報を直感的に伝え、簡単に共有できる動画マニュアルは、有用性の高いツールです。社内向けや顧客向けに制作してみてはいかがでしょうか。動画マニュアルの制作は、以下の流れに沿って進めていきます。

  1. 掲載内容を決定する
  2. 資料を収集する
  3. ストーリーの流れを画にまとめる
  4. 撮影・編集する

順に見ていきましょう。

1.掲載内容を決定する

動画マニュアルに掲載する内容を絞り込みます。たとえば、機械の操作マニュアルを作成する場合、すべての操作方法を1本の動画にまとめようとすると長大な時間になってしまい、従業員が利用しないかもしれません。

「作業を始めるときの手順」「エラーボタンが点滅しているとき」「作業を一時停止するとき」のように、ケースごとに別の動画を作成し、従業員が知りたい情報だけをピンポイントで視聴できるようにします。また、動画の内容も極力シンプルにまとめておくと、よりわかりやすい動画になるでしょう。

2.資料を収集する

動画に掲載する内容を決定した後で、撮影に必要な資料を収集します。機械の操作マニュアルなら、操作方法が記載されたテキストマニュアルや、ベンダーが公開している資料などを集めておきましょう。

なお、資料収集の段階では、関連する資料を可能な限り多く集めます。必要な資料と不要な資料をあえて選別しないことで、資料集めを何度も行う手間を省きましょう

3.ストーリーの流れを画にまとめる

収集した資料をベースに、動画のストーリーを作成していきます。ストーリーを台本として文章化するだけではなく、いくつかの場面を絵コンテとして描いてください。台本は、編集段階でナレーションやテロップとしても活用します。パソコンで台本を作成しておくと、コピー&ペーストでテロップを挿入できて便利です。

4.撮影・編集する

台本と絵コンテを基に、撮影を実施します。さまざまなアングルやシチュエーションで撮影しておくと、編集段階で画像が不足するといった状況を回避できるでしょう。動画の編集終了後に、ナレーションとテロップを入れてください。また、動画が長いときは、タグ付けやチャプター編集も必要です。

動画マニュアルの制作で注意したいポイント

次のポイントに注意することで、より利用しやすく有用な動画マニュアルが完成します。

  • 動画向きの情報か判断する
  • 情報を盛り込みすぎない
  • テロップ・ナレーションを活用する
  • チャプターに分ける

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

動画向きの情報か判断する

すべてのマニュアルが動画向きではありません。動画にすることで、かえってわかりにくくなることもあります。動画マニュアルに向いているのは、動きのある作業の解説です。ルールや周知事項のように、特に動きを必要としない内容については、テキストマニュアルのほうが適しているでしょう。

情報を盛り込みすぎない

多くの情報量を伝えられる点は動画マニュアルのメリットですが、情報を詰め込みすぎると、かえってわかりにくくなることがあります。1つの動画に1つの情報を基本として、盛り込みすぎないように注意してください。

また、動画が長くなりすぎないようにすることも大切です。5分を超えると長すぎる印象を与えるだけでなく、記憶に残りにくくなる傾向にあります

テロップ・ナレーションを活用する

映像だけで伝わりにくい情報を補完するためにも、テロップやナレーションの挿入は必要です。しかし、テロップやナレーションが多すぎると映像に集中しにくくなり、記憶に残らなくなってしまうかもしれません。

あくまでもテロップやナレーションは補足情報として位置づけ、映像だけで伝わらない部分や強調したい内容にのみ使うようにしてください

チャプターに分ける

視聴者が必要な情報をすぐに見つけられるためにも、動画はチャプターに分けて整理しておくようにしましょう。また、動画が長くなりそうなときは、何本かに小分けして1本を5分以内に収めるようにしてください。

いくつかのケースに分けて解説する場合も、すべてのケースを1本の動画にまとめるのではなく、ケースごとに動画を作成するほうがよいでしょう。視聴者は動画のタイトルで必要な情報かを判断できるため、「再生したのに求める情報ではなかった……」という事態を回避できます

動画マニュアルの制作費用を抑えるポイント

次のポイントを実践することで、動画マニュアルの制作費用を抑えやすくなります。

  • フリー素材を使用する
  • 社内用の動画は社内で制作する

それぞれのポイントと利用できる製品・サービスについて見ていきましょう。

フリー素材を使用する

動画をよりわかりやすくするため、イラストや写真、イメージ図を入れると効果的です。その際に、フリー素材を活用することで費用を抑えることが可能です。 

お客様向けの動画マニュアルで利用すると、お客様にフリー素材だと気付かれる可能性もあり、人によっては心象が悪くなるリスクもあるため、社内向けのマニュアルでの利用がおすすめです。また、商用での利用がNGの素材もあるため、利用規約など確認した上で活用することを心がけましょう。

社内用の動画は社内で制作する

顧客向けの動画は高いクオリティが求められるため、専門の動画制作会社に依頼するほうがよいでしょう。しかし、機械の操作方法やクレーム対応などの社内向けの動画マニュアルなら、社内で制作してみてはいかがでしょうか

たとえば、ウェアラブルタイプのカメラを使えば、身に付けるだけで簡単に動画制作が可能です。撮影される側も身構えずに普段通りに振る舞えるため、より自然な映像に仕上がります。

Safie Pocket シリーズ(セーフィー ポケット シリーズ)のウェアラブルカメラなら、手でカメラを持たなくても高画質撮影が可能です。また、コンパクトなので三脚などで立てて設置することも可能です。ぜひチェックしてみてください。

動画マニュアルを教育や業務効率化に活かそう

動画マニュアル・テキストマニュアルのどちらにも、向き不向きがあります。大筋を動画マニュアル、レアケースをテキストマニュアルというように、特性を活かしてお互いが補完するように活用しましょう

Safie(セーフィー)のクラウド録画システムを使えば、動画マニュアルの制作費用や共有・閲覧のコストを抑えられます。数多くのラインナップから、動画マニュアルの目的に合ったカメラやプランをご提案いたします。

教育や業務効率化など、動画マニュアルを使用する場面は増えているため、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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