小売業のコスト削減施策｜業務効率化が必要不可欠

小売業がコスト削減をするためには、業務効率化が必要不可欠です。そこで、業務効率化をはかるためのやり方や、活用したいツールなどをご紹介します。コスト削減を実現するためには、ツールを導入するだけではなく、従業員の教育など多彩な取組みが必要です。

本記事では、業務効率化の注意点にも触れていますので、参考にしてください。

小売業のコスト構造とは

企業運営には、「固定費」と「変動費」がかかります。小売業のコスト構造に目を向けると、「売上高総利益率」は小売業全体平均で30.92％（※１）ではありますが、取扱品目や規模による違いが多いため適切な比較指標が見つからないケースが多いです。とはいえ、コスト管理が小売業の重要なポイントなのは明白と考えてよいでしょう。

※１“業種別支援の着眼点『小売業』”.公益財団法人 日本生産性本部.2023-3,p-40,（参照 2024-5-20）

コスト削減の重要性

人口減少及び高齢化の影響や、消費者の所得の伸び悩み・減少など、小売業は多彩な問題に直面しています。また、仕入れ原価、光熱費、人件費などの上昇により、コスト削減の重要性が増しているのです。

小売業のコスト削減のポイント

小売業のコスト削減のポイントは以下の4つです。

IT・DX化で業務効率化をはかる

小売業は他業種と比較してDX化が遅れている業界です。労働力不足や長時間労働などの課題のためにも、IT技術やツールを導入し業務を効率化しましょう。

不良在庫を見える化する

発注を適正に行い、不良在庫を発生させないようにすることも、コスト削減の重要なポイントのひとつです。実店舗にそぐわない一斉仕入れや多めの発注などを避け、廃棄リスクをさげましょう。

属人化を防ぐ

担当者しか業務の実態を把握できていない「属人化」が生じていると、担当者不在の場合には業務を進めることができません。従業員間の情報共有を進めると共に、従業員が品質を保ちながら業務をこなせるように業務を標準化することで、生産性を向上させる効果が期待できます。

適切な人員配置を行う

例えば、品出しなどの力仕事を力に自信がある方が担うことで、効率化できるだけではなく事故の可能性を減らすことができます。また、閑散期や繁忙期にあわせてシフトを組むことで余計な人件費をカットするのも大切なポイントです。

業務効率化によるコスト削減のやり方

業務効率化によるコスト削減を行うためには、コスト削減のポイントで触れたIT技術の活用やDX化、属人化を防ぐ以外にも多彩な取組を並行して実施するのが効果的です。

業務フローを見直す

無駄な業務を省き業務フローを見直すことが業務効率化の第一歩です。必要のない会議をやめ、スケジュールの共有ツールやコニュニケーションツールを活用しましょう。

従業員のスキルを高める

従業員のスキルを高めることで、先ほど触れた「属人化」を防ぐだけではなく、業務効率化を推進することができます。資格取得やスキル習得を奨励するとともに、教育体制の整備を行いましょう。

マニュアルを整備する

マニュアルを整備しておくことで、作業やトラブル対応が円滑になります。マニュアルは必要な時に誰でもいつでも閲覧できるように、電子化して共有しておくと活用が進みます。

外部リソースを活用する

業務によっては専門的な知識やスキルを持った外部の企業や人材へのアウトソーシングも検討しましょう。資格取得やスキル習得などの人材教育は、体制を作るまで時間もコストもかかるものです。必要に応じて外部リソースを活用するのも、業務効率化のポイントです。

ITツールを導入する（活用する）

ITツールとひとことで言っても、沢山の種類があります。そこで、業務効率化に欠かせないツールをご紹介します。

タスク・プロジェクト管理ツール

タスク・プロジェクト管理ツールは、タスクやプロジェクトの進捗管理とチーム内の情報共有を円滑にしてくれます。タスク・プロジェクト管理ツールを活用することで、抜け漏れを防ぐとともに優先順位をつけて効率よく業務を進められるのも魅力のひとつです。

コミュニケーションツール

コミュニケーションツールを活用することで、オンラインでコミュニケーションが取れるようになります。WEB会議やビジネスチャットなどを利用すれば、場所や時間にとらわれることなく情報共有や意思の疎通を行えるので便利です。

ペーパーレス化ツール

ペーパレス化ツールを使うことで、プロセスや作業を電子化し紙の使用量や資料管理の工数を減らすことができます。電子契約システムや勤怠管理システムを活用すれば、事務工数削減も可能でしょう。

クラウドストレージツール

クラウド上にデータを保存できるサービスで、管理工数がかからず何処からでもデータにアクセスできるので便利です。コミュニケーションツールやペーパレス化ツールと一体だったり、連携できたりするツールもあるので検討しましょう。

防犯カメラ・クラウドカメラ

店舗運営において、欠かすことができない防犯対策。防犯カメラをクラウドカメラにすることで、インターネット経由での映像確認が可能になります。店舗にいなくても映像が確認できるので、店舗スタッフだけではなく本部スタッフでも確認可能。運用を工夫することで業務効率化に繋げることができるでしょう。

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業務効率化によるコスト削減の手順

業務効率化をはかるには、コスト削減を手がけるだけではなく、効果を測定し改善していくことが重要です。

その1：課題を明確にし優先順位をつける

業務ごとに適正な人員配置や業務に必要なスキルとツール、そしてかかる時間を洗い出しましょう。課題を把握できたら優先順位をつけ、施策を決定します。

その2：施策を実施し効果を測定し改善する

施策によっては、効果が実感できなかったり、手順が複雑化してしまうこともあります。現実にそくした施策になるよう、効果測定をするだけではなく改善をしていくことも重要なポイントです。

業務効率化によるコスト削減の注意点

コスト削減を実施する際には、以下の2つに注意しましょう。

新システムや業務フローが定着するまで時間がかかる

新しいシステムを導入したり、業務フローを改善したりすると定着までに時間がかかります。定着させるためには、使い方の研修をしっかりと行うだけではなく、困った時にはすぐに相談できる環境を整え、マネジメント層が率先して利活用することも大切です。

必要なコストまで減らさない

コスト削減効果の高い人件費ですが、適切な人員配置を行わないと一人ひとりの負担が増えてしまいます。必要なコストまで減らさないよう心がけ、効果測定をして適宜修正を行うことが大切です。

おわりに

小売業における業務効率化のやり方やツール、そして注意点をご紹介しました。業務効率化のためには、課題を明確にするだけではなく現場の実態に沿った施策をおこなう必要があります。中長期的な視野を持ち、効果測定をおこない改善をしていきましょう。

ご紹介したように、小売業においてコストを削減するためには、業務を効率化し小売業に適したツールを導入するのも重要なポイントです。防犯や顧客管理で映像のデータ化やデータの連携・活用をお考えの方は、セーフィーにお声がけください。