現場の「見たい」を叶えるウェアラブルカメラ、「Safie Pocket(セーフィー ポケット) シリーズ」。その最新モデルとして登場した「Safie Pocket2 Wide(セーフィー ポケットツー ワイド)」は、圧倒的な広画角と手軽さによって、建設・インフラ業界に「移設(ポータブル)カメラ」という新たなカテゴリーを確立しようとしています。
「画角がもう少し広ければ」——。既存モデルを導入する現場から届いていたその要望の重みを、当時の開発陣はまだ測りかねていました。それが単なる「あれば便利な機能」なのか、それとも「現場を劇的に変える最優先の課題」なのか、明確な答えを持てずにいたといいます。
転機となったのは、現場での実証を通じて、お客さまの業務が変わる光景を目にしたことでした。泥臭く実証実験を重ね、業界特有の困りごとに深く向き合った結果、「真のニーズ」を掘り起こすことに成功。本プロジェクトには、そうした潜在課題をプロダクトへと昇華させた、セーフィーらしい開発ストーリーがあるといいます。
今回は、本プロダクトの開発を最前線で牽引したPdMの中田さんと建設領域の企画統括である横田さんに、リリースまでの裏側と、その先に見据える「現場の完全リモート化」という熱いビジョンについて余すところなく伺いました。
話者紹介

まずはお二人のこれまでの経歴と、今回の「Safie Pocket2 Wide」プロジェクトにおける役割を教えてください。
中田:前職は完成車メーカーで5年ほど、コネクテッド機能の研究開発や量産適用に従事していました。2022年10月にセーフィーに入社してからは、プロジェクトマネージャー(PdM)として、屋外向け固定カメラ「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」のリリースを担当しました。いまは今回リリースしたプロダクトである「Safie Pocket2 Wide」のPdMや、「Safie GO(セーフィー ゴー) シリーズ」の運用管理を担当しています。
横田:私はITコンサルティング会社を経て、中田と同じ2022年にセーフィーへ入社しました。前職では金融や製造業のお客様向けに、会計やサプライチェーンといった基幹システムを刷新するプロジェクトなどに携わっていました。
現在は、建設・インフラ分野のプロダクト企画全体を統括しています。今回の「Safie Pocket2 Wide」プロジェクトにも、中田とタッグを組んで立ち上げから参加しました。具体的な役割としては、プロトタイプを実際の現場に持ち込んで、「お客さまのどんな課題や仮説を解決できるのか」を検証することです。そこから得たリアルな声をもとに、中田と一緒に「プロダクトとしてどのような価値を出せるのか」を形にしていくプロセスを担当しました。
Safie Pocket2 Wideの開発秘話
もともとSafie Pocket シリーズがある中で、なぜ「Safie Pocket2 Wide」の開発に至ったのでしょうか?
中田:背景には「Safie Pocket シリーズ」を導入いただいているお客さまからのフィードバックがありました。特に建設現場などで、これまでの画角ではカバーしきれない部分があるというお声をいただいていたんです。
ただ、当時は「画角を広げることが本当に最優先で解決すべき課題なのだろうか」という点について、まだ確信を持ちきれていませんでした。

中田:ちょうどその頃、プロトタイプワーキングという社内の開発現場の取り組みの中で、「広画角に特化したポータブル機」のアイデアが出てプロトタイプが開発されました。
プロトタイプの完成度は高かったものの、それが「本当にお客さまの業務効率改善に繋がるのか」「どのようなユースケースで効果を発揮するのか」は、まだよくわからなかった。その答えはやはり現場のお客さましか持っていないのではと考え、まずはこのプロトタイプを現場に持ち込み、業界・業務に深く向き合うことでニーズを明確化していくことにしたんです。
実証実験で見えた潜在課題
なるほど、それで今回は過去のプロダクトと比べて実証実験を積極的に行ったんですね。実証実験を通してどんな発見がありましたか?

横田:実際にお付き合いのある現場でPoCを重ねていくうちにわかったのが、お客さまはそもそも「Safie Pocket シリーズ」をウェアラブルカメラとしてだけでなく、固定して(置いて)使うケースも多かったということです。その使い方を前提にすると、なぜ画角を広くしたいのかという本質的な理由が明確になってきました。
横田:現場の皆さんは、朝「Safie Pocket2 Plus(セーフィー ポケットツー プラス)」を設置して夕方回収するというフローを組まれていることが多いのですが、現場経験の浅い若手の方だと、「今日一番見たい場所」を正確に映すための判断や、細かい画角の調整が難しかったりするんです。 結果として、遠隔にいる現場所長などの管理者から「見たい作業が映ってない」「画角を調整し直してほしい」というやり取りや移動コストが発生する。これが現場の大きなロスコストになっていました。
最初はお客さま自身も「画角調整が手間だ」という課題を明確に言語化できていませんでしたが、「Safie Pocket2 Wide」のプロトタイプをお見せした際、「これなら大まかに置いても全部映るから、調整がいらないね」という反応をいただきました。広画角によって、これまで映像化できていなかった周辺状況まで可視化され、現場の状況把握が劇的にしやすくなる。広画角の真の価値は、単に広く映ることだけではなく、「操作や設置の属人化をなくせること」「手間を減らせること」なのだと、プロトタイプを通じた対話で気づかされた瞬間でした。
実証実験で証明されたSafie Pocket2 Wideの価値
Safie Pocket2 Wideの価値を確信した「きっかけ」は何だったのでしょうか?
中田:実は当時、「Safie Pocket2 Wide」と並行して、全天球カメラの検証をしていた時期があり、その実証実験を通じて別角度から分かったこともありました。
横田:一部の建設現場では、すでに市販の全天球カメラを現場で工夫して使っているケースがあったんです。お客さまが全天球カメラを利用して感じられている「画角調整しなくていいから楽」という価値自体は「Safie Pocket2 Wide」と同じでした。
ただ、お話を聞いてみると「バッテリーが1〜2時間くらいしかもたない」「夏場だと熱暴走する」「スマホやWi-Fiに繋ぐ手間がかかる」といった運用上のハードルがあって、「本当は使いたいけど現場で毎日使うのは難しい」というお声を聞いた時に、「オールインワンで使える広画角のカメラって意外と他にないんだ」と思って。
そこで「全天球じゃないんですけどどうですか?」と「Safie Pocket2 Wide」を提案したところ、「背面はいらないかもね」「前面が見えれば全然いいじゃん」という反応をいただき、業界でも唯一無二の製品なんだなということに気づきました。
中田:他の機材だとバッテリーが別に要ったり、通信の設定が必要になったりしますからね。 全天球ではないけど、「電源を入れるだけですぐ使える」という強みで1歩抜きん出てバランスが取れていたのが、最終的に「Safie Pocket2 Wide」だけだった。そこが現場のお客様に受け入れられているのだと思います。
「Safie Pocket2 Wide」について
設計のこだわりポイントや、製品の特徴を改めて教えてください。

横田:一番のこだわりは、やはり現場の環境に合わせたオールインワン設計です。先ほどの通り、電源を入れるだけでクラウドに繋がり、過酷な環境でも安定して動くバランスの良さが強みです。遠隔から現場を管理したい監督さんや所長さんが抱える「その日の工程に合わせたカメラ移設の難しさ」と「置き直したときの画角調整の手間」という2つの課題を解消できると思っています。
中田:私も「カメラ設置時の画角調整における手間の少なさ」だと思います。建設現場において、高所などの危険な場所の撮影となると画角の調整をする余地がそもそもありません。でも「Safie Pocket2 Wide」なら、アタッチメントを使って確認したい箇所へ持っていってポンとつけるだけ。画角が広いから細かい調整もいらないし、内蔵バッテリーがあるから電源の確保もいりません。現場監督さんや所長さんが遠隔から「自分たちの操作だけで」現場の状況をまるごと把握できる体験こそが、現場に刺さっているポイントだと思います。
「Safie Pocket2 Wide」が活用できる具体的なユースケースを教えてください。
横田:大きく二つのユースケースがあると思っています。 まずは、「高所作業での安全管理」です。電柱や鉄塔での作業など、日々場所が変わり電源が引けない広いエリアにおいて、「Safie Pocket2 Wide」であれば複数人の作業員の状況を一発で把握できます。これまでのプロダクトでは見切れてしまっていた部分まで映像化されるので、安全帯をきちんとかけているか等の安全管理も格段にやりやすくなります。
中田:もう一つは、「工事の進捗を見える化」するのにも使えます。現場の全体が見えるからこそ、現場の変化をキャッチしやすくなるんですよね。工程表に基づいた進捗状況を見るにあたっては、やはり画角の広いカメラのほうが適しています。また、建築の室内など、天井・壁・床と多方向を確認する必要がある場所でも、上も下も1台で全体を押さえられる。広画角によって現場の状況把握が容易になり、工程管理に非常に役立ちます。
「Safie Pocket2 Wide」が創る新しい現場とは?
「Safie Pocket2 Wide」に期待することや、普及することで現場がどう変わってほしいか、今後の展望を教えてください。
横田:セーフィーの現場向けカメラには、固定設置の「Safie GO シリーズ」、遠隔臨場などで使うウェアラブルカメラとしての「Safie Pocket シリーズ」がありますが、今回の「Safie Pocket2 Wide」は、【移設(ポータブル)カメラ】という新しいカテゴリーを切り開いていくと期待しています。 電源が引けない、作業場所もよく変わる現場にマッチすると思います。
日々色々な人が移設しながら使ってくれることで、現場を丸ごと見える化できるようになり、工事の遠隔管理がより一層進むと確信しています。
中田:「今まで撮れなかった絵が撮れるようになる」プロダクトですので、進捗の把握や安全管理の面で確実にこれまでより効率が変わってきます。お客さまの働き方や仕事の仕方が少しずつ変わっていくきっかけになるといいなと思っています。 そして今後は、今回のように我々セーフィーからプロトタイプを通じて積極的に持ち込んでいき、「お客さまの課題を根本から変える」ようなアプローチをもっと増やしていきたいですね。
横田: 建設領域でいうと、究極的には「現場監督が完全リモートで施工管理が完結する世界線」を作りたいと思っています。そのためには、映像を遠隔で見える化するだけでなく、AIやロボティクスも活用し、映像をはじめとする多様な現場データから必要な情報を自動で収集・整理することで、遠隔から迅速に意思決定できる仕組みをつくりたいと考えています。
建設現場に対して、ネットワークからソフト、ハード、そしてAIまで一気通貫で提供できる強みを活かし、これからもどんどんチャレンジしていきたいと思います。
▼「Safie Pocket2 Wide」のViewerイメージ動画はこちら
- 現場カメラ導入・活用マニュアル
- 防犯・安全管理の強化や遠隔施工管理を実現するための現場カメラ活用方法を業務別に紹介!
※顧客や従業員、その他の生活者など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「防犯カメラとプライバシーの関係。事業者が注意すべき設置のポイント」
※カメラの設置に際しては、利用目的の通知を適切に行うとともに、映像の目的外利用を決して行わないことが求められます。適切なデータの取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶「カメラ画像の取り扱いについて」
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
※当社は、本ウェブサイトの正確性、完全性、的確性、信頼性等につきまして細心の注意を払っておりますが、いかなる保証をするものではありません。そのため、当社は本ウェブサイトまたは本ウェブサイト掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負いません。

