360°カメラや180°カメラなど、従来の画角を超越したカメラが人気を集めています。アクティビティをダイナミックに写すカメラや、工事現場の全方位を細部まで捉えるカメラなど、さまざまなシーンで活用されています。そのようなカメラにとって重要な機能が、画像を補正する技術の「デワープ」です。この記事ではデワープ機能の仕組みや、デワープ搭載機種の活用方法について解説します。
目次
デワープ機能とは?
本章ではデワープ機能の概要をはじめ、デワープが必須となる360°カメラ、魚眼レンズについて解説します。
デワープの概要
360°カメラや超広角レンズで撮影された画像は、空間を圧縮したかのようにゆがんだ映像になる特徴があります。360°カメラや超広角レンズは「魚眼レンズ」という光の屈折を利用したレンズを用いるため、人の眼で捉えきれない広範囲の映像をワンカットで切り出すことが可能です。
しかし、そのままの映像では画像はゆがんでいるため、人の眼で見たような映像を切り取ることはできません。そこで、ゆがんだ映像をソフトウェア、またはハードウェアで補正する仕組みがデワープ技術です。デワープで補正することにより、パノラマ画像やゆがみの少ない画像に変換することができます。
360°カメラについて
360°カメラは、全方位の映像を一度に撮影できるカメラです。45°程度の画角しかない通常のレンズでは捉えきれない広範囲の映像を記録できるため、見守りや防犯、スポーツ、旅行の風景撮影など、さまざまなシーンで活用されています。また、全天周の360°カメラだけでなく、180°カメラや超広角カメラにもデワープ機能が必要です。
魚眼レンズについて
レンズ本来の画角を超えて、光の屈折で広範囲に写す特殊なレンズを「魚眼レンズ」といいます。
元々は一眼レフカメラで用いられたレンズであり、水中から魚の眼で見ているように光の屈折を感じられるレンズとして「魚眼レンズ(フィッシュアイレンズ)」と呼ばれています。近年ではデジタルデワープの技術が向上したことにより、魚眼レンズのゆがんだ映像をまるで人の眼で見たままであるかのように復元することが可能になっています。
デワープによる映像補正
デワープによる映像補正には、次のような種類があります。
- パノラマ展開:360°の映像を平面上に展開し、全周を一望できるようにする
- デジタルPTZ:映像の一部を切り出し、擬似的にパン(上下)・チルト(左右)・ズーム(拡大/縮小)ができるようにする
- 3Dモード:3D空間上に映像をマッピングし、自由な視点で閲覧できるようにする
デワープの種類
現代のデワープ機能はソフトウェア補正が一般的ですが、中にはハードウェアでデワープ処理を行う機種もあります。それぞれの違いについて解説します。
ソフトウェア補正とハードウェア補正
ソフトウェア補正は、録画機(NVR)やクラウドシステムで補正する方法です。この方式では、カメラの映像はゆがんだまま送信され、録画機やクラウド側でデワープ補正が行われます。
ソフトウェア補正の場合、元のゆがんだ映像をそのまま保存できるので、後から異なる補正をしたり、再度デワープ機能を使ったりすることが可能です。ただし、録画機やクラウドの処理能力が必要で、性能が低いとライブビューなどで遅延が発生する危険性があります。
ハードウェア補正は、カメラ本体や専用の機器が、映像のゆがみを直接補正して送信する方法です。カメラ内部でデワープ処理した画像を複数のチャネルに送信するため、録画機側はあたかも複数のカメラから映像を受けているかのようになります。
録画機側がデワープに対応する必要がなくなるため、処理能力の低い録画機に魚眼レンズを設置したい場合に適しています。ただし、補正済みの映像しか記録されないため、ハードウェア補正で記録した映像を元に戻すことはできません。
一般的なのはソフトウェア補正
ハードウェア補正によるデワープは、どちらかというとアナログ的な手法であり、昔ながらの防犯カメラシステムに魚眼レンズを設置したい場合に適しています。技術の進化によりレコーダーの処理能力は向上しており、クラウド録画といった高性能なCPUをインターネット上で利用する方式も誕生しています。
そのため、ソフトウェア補正によるデワープ処理が一般的とされています。ゆがんだままの映像をそのまま保存でき、補正のやり直しや異なる補正を適用できること、特別なハードウェアが不要でコスト面を抑えやすいこと、デワープ処理をクラウド側でできるため、クラウドサービスとの相性が良いことが理由です。
デワープ搭載機種(360°カメラ)の活用シーン
デワープ搭載機種(360°カメラ)はどのようなシーンで活用されているか解説します。
店舗やオフィスなどの防犯に
360°カメラは、広範囲の防犯に適しています。360°カメラ1台で店舗全体や駐車場をカバーできるため、設置台数だけでなく設置コストも抑えられます。デワープ機能のデジタルPTZにより、必要な範囲のみ詳細に再生することも可能です。たとえば、コンビニエンスストアでの万引き対策、オフィスのセキュリティ強化などです。
建設現場の見守り・管理に
建設現場では、進捗管理や安全対策に360°カメラが活躍しています。広範囲を撮影できるため、複数のポイントを効率よくカバー可能です。クラウド録画を利用すれば、現場にいなくても状況を把握できます。デワープ機能で詳細を確認できるため、危険箇所の特定や作業手順の改善にも役立ちます。
スポーツやアウトドアの撮影に
スポーツやアウトドア活動の撮影にも360°カメラが活用されています。デワープ機能によりパノラマ表示が可能で、3D空間上に映像をマッピングすることができます。撮影後に好きな画角で切り出すこともできるため、撮影時に構図を気にする必要がありません。たとえば、YouTube撮影やアクティビティスポーツの撮影などにも適しているでしょう。
デワープ機能の将来性
デワープ機能は、AIやクラウド技術との融合により、さらなる進化が期待されています。たとえば、エッジAIを用いたリアルタイムでの意思決定、クラウド処理での高精度な映像加工などの技術を組み合わせることで新たな可能性が広がっています。
また、身近な例では、スマートフォンのコネクタに挿して使うことで全天球写真を撮れる360°カメラも登場しており、将来はスマートフォンでデワープ機能を搭載した機種が登場する可能性があるでしょう。
デワープ搭載のクラウドカメラは「Safie」がおすすめ
「Safie(セーフィー)」は、カメラをインターネットにつなぐだけで、いつでもどこからでも映像を確認できるクラウドカメラです。映像はクラウド上に保存されるため、録画機は不要。買替や破損の心配はありません。
Safieの映像はHD×30fpsで、細かい文字はくっきり・映像はテレビのようになめらか。必要な費用はカメラの本体料金とクラウド録画の月額料金のみで、低価格で利用開始できます。
デワープ搭載のおすすめ機種は「Safie GO 360」
Safieが提供するクラウドカメラの中でも、特におすすめの機種は、「Safie GO 360(セーフィー ゴー サンビャクロクジュウ)」です。Safie GO 360は、360°全方位を広範囲に撮影できる魚眼レンズを搭載したカメラであり、LTE搭載のため屋外でインターネット環境を整えることが難しい場所でも設置できます。作業員や現場監督などが自身で簡単に設置できるため、取り外しの手間がかかりません。
たとえば戸建て住宅の建築現場で360°の撮影映像とデワープ機能があると、以下が可能です。
- 工程の進捗確認、順序の遵守有無などを遠隔から確認できる
- 工事が密集した場所でも、躯体の様子や工事の質を把握できる
- 建築資材の盗難防止に貢献し、近隣に配慮した工事ができる
- 映像共有することで、施主自身が細部まで振り返って確認できる
「Safie GO 360」の映り方は、こちらの動画をご確認ください。
Safie GOシリーズの特徴は、こちらのページでご紹介しています。
超広角カメラにはデワープ機能が欠かせない
180°カメラや360°カメラといった超広角カメラには、デワープ機能が欠かせません。この技術により、ゆがんだ映像を見やすく補正し、広い駐車場や河川などの広範囲の見守りを実現可能です。それ以外にも、店舗やオフィスなどの防犯や、建設現場の見守り・管理にも役立ちます。
デワープ機能を搭載したカメラなら、Safieのクラウドカメラがおすすめです。Safieなら、24時間いつでもどこからでもリアルタイムで映像を確認できます。特に、本記事で紹介した「Safie GO 360」なら、電源をさすだけですぐに撮影・視聴が可能です。
- レンタルサービス「Safie Pocketシリーズ」「Safie GO」のご紹介
- 「Safie Pocketシリーズ」「Safie GO」の活用方法を事例を交えながらご紹介をしています。
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
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