シフト管理システムを導入すれば、シフトの作成や調整などの作業を自動で行えるため、業務効率化を実現可能です。現在、エクセル(Excel)でシフト管理を行っているという会社の場合は、シフト管理システムを導入することで得られるメリットは大きいといえるでしょう。
今回の記事では、シフト管理システムの詳細や導入するメリット・デメリットについて解説します。各社製品を比較するうえでのポイントも紹介するので、担当者の方はぜひ参考にしてください。
目次
シフト管理システムとは
シフト管理システムとは、シフト希望の収集・調整、シフト表作成・共有を一括で実施できるシステムのことです。日勤や夜勤、複数店舗への出勤など変則的なシフトにも対応しているため、自動で複雑なシフト作成を行います。
そのほか、リマインド通知をしたり、残業時間やダブルブッキングを自動でチェックしたりも可能です。シフト管理業務をフォロー・効率化できる、さまざまな機能が備わっています。スタッフ側はスマートフォンやタブレットのアプリを使って簡単にシフトの希望を出せ、互いの工数削減にもつながるでしょう。ここでは、シフト管理システムの各種タイプや機能、エクセルとの相違点について解説します。
シフト管理システムの種類
シフト管理システムの主な種類は、以下の3つに分けられます。
- シフトの作成・管理に特化したタイプ
- 勤怠管理システムにシフト管理が内蔵されているタイプ
- 特定の業種のシフト管理に特化したタイプ
シフトの作成・管理に特化したタイプ
1つめがシフトの作成・管理に特化したものです。シフト管理を効率化するために開発されているため、独自の規則に対応可能なものや複雑なシフト体制にのっとったシフトが作成できるタイプもあります。
この種類のシステムでは、出退勤などの勤怠管理を別システムで行うため、勤怠管理システムなどとのデータ連携が欠かせません。
勤怠管理システムにシフト管理が内蔵されているタイプ
2つめが、勤怠管理システムの機能としてシフト管理が可能なものです。勤怠管理に内蔵されているため、シフト作成から勤怠管理までを一元管理できるのが強みといえます。一般的なシフトの作成・管理を行いたいのであれば、このシステムで十分といえるでしょう。
ただし、システムの中心は勤怠管理機能であるため、シフト作成における柔軟性や機能性が十分でない場合もあるため、注意しましょう。
特定の業種のシフト管理に特化したタイプ
3つめが、販売業や飲食業、医療業など、特定の業種のシフト管理に特化したものです。これらの業種では、日勤や夜勤、土日勤務など、さまざまなシフトパターンに対応できる必要がありますが、特定の業種に特化したシステムであれば、業種ごとの勤務特性を反映したシフト作成に対応できます。
シフト管理システムの機能
一般的なシフト管理システムに搭載されている機能について紹介します。主な搭載機能は、以下のとおりです。
- シフト希望の申請・回収
- シフト自動作成
- シフト調整
- シフト共有
- 外部システムとの連携
各機能の特徴を解説します。
シフト希望の申請・回収
シフト希望の申請・回収とは、休み希望や出勤可能日といったスタッフのシフト希望をシステムを介して申請・回収する機能のことです。スマートフォンやタブレットを利用するモバイルシフト管理アプリやLINEで行えるシステムなどがあります。スタッフは会社や店舗に出向く必要がなくなり、シフトの回収率向上も見込めるでしょう。
シフト自動作成
シフト自動作成は、提出されシフト希望、所属や雇用区分などをあらかじめ設定した必要人数に照らしあわせて自動でシフトを作成する機能です。労働規定違反になるとアラートを表示する機能を搭載したシステムもあります。
シフト調整
シフト調整機能は、完成したシフトをあらためて調整するための機能です。繁忙期や閑散期などによる人員調整を反映させられるほか、勤務時間・追加の休みなどの希望変更にも対応します。
シフト共有
シフト共有は、確定したシフトをスタッフに共有する機能です。スタッフのLINEやメールなどに自動でシフトを共有できる製品もあります。スタッフはスマートフォンやタブレットから、専用カレンダーで勤務シフトを確認可能です。
外部システムとの連携
外部システムとの連携機能とは、勤怠管理システムや給与計算システムなど、外部システムと連携できる機能のことです。これらの機能を搭載していれば、それぞれのデータを一元管理でき、さらなる業務効率化が望めます。
エクセルを使ったシフト管理との違い
「シフト管理をエクセルで行っている」という会社もあるでしょう。大きな相違点は、シフト管理システムでは複雑なシフトをスムーズに作成できる点です。エクセルによるシフト作成は、基本的に手作業で行われます。店舗状況やスタッフの必要人数やスキルを考慮したバランスのよい人員配置など、複雑なシフトを作成する場合はどうしても時間がかかってしまうだけでなく、計算ミスなどのリスクも起こりがちです。
システムを導入すれば、これらの問題を自動化でき、複雑で面倒なシフト作成もスムーズに実行できるでしょう。完成したシフトの共有に関しても、スタッフへ自動的に配布されるため、シフト表の印刷や手渡しの手間を削減できます。シフトの修正や変更があった場合でも、最新の情報をすぐに反映でき、再配布もスムーズに実行できる点も魅力です。
シフト管理システムを導入するメリット5つ
シフト管理システムを導入するにあたり、得られるメリットを把握しておくことが重要です。導入によるメリットとしては、シフト作成が手軽にできることや人的ミスを防げるといった点が挙げられます。ここでは、シフト管理システムを導入することで得られるメリットを5つ紹介します。
複雑なシフト表が手軽に作成できる
複雑なシフト表の作成を手軽に行えるようになる点は、シフト管理システムを導入する大きなメリットといえるでしょう。
シフト管理システムを導入すれば、提出された希望シフトを事前登録した勤務形態にあわせて自動でシフトが作成されます。さらに、完成したシフトの共有まで自動化できるため、シフト作成・共有の手間を大幅に軽減可能です。スタッフもスマートフォンやアプリを使って、時間や場所を問わず希望シフトの提出やシフト表の確認をできるため、双方にとってメリットがあるツールといえます。
人的ミスを防げる
人的ミスを防げる点も、システム導入による大きなメリットです。紙やエクセルでシフト作成を行う場合は、目視で確認しなければなりません。そのため、ミスが起こりやすくなってしまいます。その点、シフト管理システムなら、クラウドでデータを一括管理できます。自動集計機能やチェック機能、アラート機能があるため、人的ミスの防止も可能です。
また、スタッフの時間外労働や休暇申請、休日出勤申請なども一元化できます。管理者にとっても承認作業を簡略化でき、事前の申請内容に基づいて勤務できているか、検証作業をスムーズに行えるでしょう。
勤怠管理が効率化される
シフト管理システムを導入すれば、勤怠管理の効率化も可能です。勤怠管理機能を備えたシフト管理システムは、スタッフごとに残業時間・早退・遅刻・有給休暇の管理などの多彩な勤務データを自動的に集計できます。
シフト管理表から抽出した勤怠予定データをもとに、勤怠管理システム側で勤怠データとの付きあわせも自動化されます。手作業で行っていた場合は、大幅な工数削減も期待できるでしょう。
適切な人員配置が可能になる
データを一元管理するシフト管理システムでは、適切な人員配置が行えるようになる点もメリットです。シフト管理システムを活用するとシフト勤務の見える化が進み、シフトの埋まりやすい時間やスタッフが不足している日時などのデータが把握しやすくなります。また、システム上でほかのスタッフや店舗に対してヘルプ要請や人員補充の募集をかけることが可能です。
人材が不足している時間帯をあらかじめ把握し、その時間に対して募集をかけられるため、限りある人員の適切な配置を実現できるようになります。
スタッフのモチベーション向上につながる
シフト管理システムでシフトを作成すると、スタッフのモチベーション向上も期待できます。エクセルなどを用いた手作業のシフト作成では、どうしても作成者の主観が入りがちです。シフト管理システムなら、提出された希望をもとに公平なシフトが自動で組まれるため、スタッフからの不満をへらせるでしょう。
また、シフト確定までの時間も短くなるため、スタッフのモチベーションUPにもつながります。公平感がありムリ・ムダのないシフトは、スタッフの満足度を高められ、結果的に離職リスク低減にも効果的です。
シフト管理システム導入におけるデメリット2つ
シフト管理システム導入では多くのメリットを享受できる一方、少なからずデメリットも存在します。導入前にデメリットも理解して、自社にあったシステムを選べるようになりましょう。デメリットを2つ紹介します。
コストがかかる
1つめのデメリットは、導入に際してコストがかかる点です。無料のシステムもありますが、初期費用と毎月の利用料金(ランニングコスト)がかかるシステムが多くなっています。エクセルでシフト管理する場合は、基本的に費用はかかりません。すでにフォーマット化してあるのであれば、エクセルでそのまま運用し続けるほうがコスト面での負担が少ない可能性もあります。
システムを導入することで得られるメリットもありますが、初期費用と毎月の利用料金を考慮して、費用対効果に見合った効率化ができるか確認しましょう。
操作方法の教育が必要になる
2つめのデメリットが、導入後に操作方法の教育が必要になる点です。システムは、管理者が操作方法を習得するだけでは意味がありません。シフトを提出するスタッフ側も操作を覚えて、使いこなせるようになる必要があります。スタッフも使いこなせるようになるのに教育時間がかかる点は、あらかじめて考慮しておきましょう。
シフト管理システムの比較ポイント
実際にシフト管理システムを選ぶ際の比較ポイントを解説します。主な比較ポイントは、以下の4点です。
- 機能性
- 操作性
- 料金体系
- サポート体制
1. 機能性
シフト管理システムにはさまざまな種類のシステムが存在し、それぞれ搭載している機能が異なります。また、業種や業務内容によっても必要な機能が違うため、精査したうえで自社にあった機能を持ったシステムを選ぶことが重要です。
シフト勤務であれば、日勤・夜勤といった日単位のシフト、早番・遅番といった時間単位のシフトがあるため、自社の形態にあったシステムが向いています。もし複数の勤務形態があるのであれば、自社の業界や業種に特化したシステムを選ぶとよいでしょう。
あわせて、自社の雇用形態にあっているかもチェックする必要があります。正社員やアルバイト、パート、契約社員、派遣社員など雇用形態によって契約内容が異なるため、従業員の契約情報も管理できるシステムが欠かせません。
派遣社員がいる場合は、派遣会社との契約内容に従ってシフト管理を行わないと契約違反になる恐れもあります。まずは、自社の勤務態勢や雇用形態を精査して、必要事項を洗い出すことから始めるとよいでしょう。
2. 操作性
使いやすいシステムでなければ、導入する意味がありません。システム導入後は日常的に扱うことになるため、従業員が使いやすいシステムを選ぶことが重要です。
その際は、操作が視覚的・感覚的にわかりやすいシステムを選ぶようにしましょう。スタッフのなかには、パソコン使いが苦手な方もいます。操作が視覚的・感覚的に行えるものであれば、不慣れなスタッフでも手軽に入力可能です。また、スマートフォンに対応しているどうかも事前に確認しておくようにしましょう。
3. 料金体系
シフト管理システムの料金は、初期費用無料のケースが多く、月額料金は月額従量課金タイプと月額固定費用タイプで異なります。まずは、自社が必要とする機能が搭載されているシステムの料金を確認して、費用対効果に見合ったものを選ぶようにしましょう。
以下は、費用相場の目安です。比較時の参考にしてください。
- 月額従量課金タイプ:1ユーザー200~300円程度
- 月額固定費用タイプ:月1万円程度
なお、利用するスタッフの人数や利用する機能によっても料金が変動するため、実際の料金は見積もりを依頼して確認するのがおすすめです。
4. サポート体制
シフト管理システムの導入や運用には、トラブルや疑問が発生する可能性があります。その際に、電話やメールなどでシステム提供元と連携が取れると安心です。
そのほか、使い方の研修やコンサルティングといったサービスにも対応している会社もあるため、導入後の運用に不安がある場合は、サポート体制の充実度もあわせて確認しておくとよいでしょう。
シフト管理システムを導入して業務効率化しよう
シフト管理システムとは、シフト希望の収集・調整、シフト表作成・共有を一括で対応してくれるシステムです。シフト管理システムを導入すれば、シフト表を手軽に作成できるほか人的ミスの防止も期待できます。
一方で、導入に費用がかかることや導入後に操作方法の教育が必要になることは理解しなくてはなりません。エクセルでシフト管理を行っているという場合は、シフト管理システムを導入するメリットは大きいです。本記事で紹介した比較ポイントを踏まえつつ、自社にあったシステムを選べるようになりましょう。
また、最適なシフトを組むために、AIカメラで曜日や時間ごとの混雑状況を分析すると、より効果的です。データに基づいたシフト調整をお考えの方はぜひセーフィーまでお気軽にご相談ください。
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