デシャップの重要な仕事デシャップコントロールとは？成功させるコツも

2024-06-14 更新（2024-06-17 公開）

飲食店の要ともいえる「デシャップ」は、お客様に料理をスムーズに提供できるようにキッチンとホールをコントロールする役割があります。お客様の満足向上やお店の回転率を上げるためにも、効率よく作業を進める能力が求められます。

今回の記事では、飲食店でのデシャップの仕事内容を解説し、デシャップコントロールの効率向上を目指すコツを紹介します。

デシャップとは？

デシャップとは、飲食店で使われる用語です。英語の「Dish up（ディッシュアップ）」からきており、直訳すると「料理を皿に盛り付ける」という意味があります。デシャップはキッチンで調理したすべての料理が出てくる場所を指すこともありますが、多くの場合はキッチンやホールをコントロールするスタッフのことをいいます。

デシャップを任される人は飲食店により異なりますが、ホール責任者や店長などの権限者が担うことが一般的です。大規模な飲食店の場合は、デシャップ専任のスタッフが配置につくこともあります。小規模の場合はデシャップの仕事とホール、またはキッチンの仕事を兼任するケースもあります。

デシャップの重要な仕事＝デシャップコントロール

デシャップはお客様に料理をスムーズに提供するためキッチンとホールのあいだに立ち、双方をコントロールする役割があります。キッチン内の調理のようすや完成した料理の品質、お客様の料理の進み具合など、さまざまな視点からの配慮が必要なポジションです。

飲食店では、料理の品質やお店の雰囲気などはもちろん大切ですが、料理を提供するスピードやタイミングなども顧客満足度を高めるために重要な要素です。そのため、デシャップコントロールは飲食店にとって重要な仕事といえます。

デシャップの具体的な仕事内容

デシャップの具体的な仕事を紹介します。

オーダー伝票管理

デシャップは、ホールスタッフがお客様から伺ったオーダー伝票を管理します。すべてのテーブルオーダーをチェックし、今調理しているもの、適切にお客様に運ばれたもの、まだオーダーを通さずに待機しているものを正確に把握する必要があります。

ランチタイムなどの混雑時はオーダー伝票がずらりと並ぶため、適切な管理が難しくなります。キッチンにオーダーが通っていない、完成した料理が運ばれていない、すでに提供したのに未完となっているなどのミスがないようにするのがデシャップの仕事です。

できあがった料理のチェック

デシャップはできあがった料理の品質をチェックします。お客様はメニューの写真を見て注文をしているため、写真と異なる料理を提供すると期待を裏切ることになります。最後の仕上げがされていない、トッピングが間違っているなどのミスがないかを確認するために、すべての料理メニューの完成イメージを頭に入れておく必要があります。

料理の盛り付けが崩れていたりお皿に余計なソースがついていたりすると、せっかくの料理が台無しです。料理が焦げている場合は最初から作り直しを指示することも必要で、チェックの際は厳しい目が求められます。

提供する順序の確認と把握

キッチンが調理しやすいものから作るのではなく、デシャップがテーブルの優先順位を把握してオーダーを指示します。キッチンの作業効率を考えると同じメニューは同時に作ったほうが効率がよいため、オーダーの順序が前後することもあり複雑な管理が求められます。

コース料理を提供する飲食店では、とくに料理の順序は重要です。いきなりメイン料理が出てきては、せっかくのコース料理をお客様が楽しめません。ドリンクが提供される前に食事メニューが出てくる、または食事中にもかかわらずデザートが提供されると、お客様は心地よい食事ができなくなってしまいます。

また、デシャップには「このメニューは時間がかかるから早めにキッチンに指示しよう」、「赤ちゃん連れのファミリーなので大人のメニューは1品ずつ提供しよう」といった機転も必要です。

ホールスタッフ指示とテーブル状況確認

デシャップがテーブルの状況を把握していないと、テーブルに乗り切らないほど料理が運ばれてしまう、複数人いる中で1人だけ料理が運ばれていない、といった状況が起こる可能性があります。また、ホールスタッフがスムーズに料理を提供できなければ、お客様を長時間待たせたり、料理が冷めてしまうなどの問題が発生します。

このような状況を避けるためにも、デシャップはホールスタッフが効率的に動けるように、ホールスタッフとテーブル状況を確認し合います。とくにランチタイムなどの繁忙時はデシャップがホールのようすを確認できないこともあるため、常にホールスタッフにテーブル状況を報告してもらう必要があります。

規定時間内の料理提供管理

料理の提供時間は、お客様と飲食店にとって重要な要素です。そのため、メニュー1品ずつの調理時間はデシャップが把握しておくべき内容です。また、最初にオーダーしたドリンクや料理、ランチタイムなどの混雑時の提供はスピードが求められます。

1品目の料理やランチタイムに長時間待たされるとお客様は不満に思うため、スピーディにキッチンにオーダーする手際のよさもデシャップには必要なスキルです。

デシャップはキッチンが効率よく調理できるように、キッチン内でどのような作業が行われているかを把握し、ほかのテーブルと同じメニューのオーダーはないかを見ながらオーダーを通します。

キッチンが効率よく調理を進められ、お客様をお待たせしないことは顧客満足度やお店の回転率の向上にもつながります。料理を規定時間内に提供できるように管理することも、デシャップの大切な仕事内容です。

確実な料理提供の指示

キッチンやホールスタッフ、オーダーメニューの内容が異なる状況で安定的に料理を提供することが飲食的には求められます。

デシャップは作業指示を出し、「テーブルの片付けに入ってもらう」、「料理の提供に専念してもらう」、「皿洗いに入ってもらう」などスタッフをコントロールすることも必要です。

料理はデシャップによって品質チェックを行い、スムーズかつお客様にとって完璧なタイミングで提供します。当たり前のことですが、混雑時に大量のオーダーが通っている場合はこの当たり前のハードルが高くなり、ひとつでも欠けるとお客様の満足度は低くなる可能性があります。

デシャップコントロールを成功させるコツ

デシャップコントロールに必要なコツを紹介します。

調理時間やスタッフの力量を把握する

調理時間を把握しておくことで、時間がかかるものは逆算して早めに取りかかるなどコントロールがしやすくなります。また、キッチンとホールそれぞれのスタッフのスキルや、得意な仕事を把握することもポイントです。

忙しいときに慣れていない業務をするとミスや遅延につながるため、効率よく作業を進められる適材適所の判断が成功させるコツです。

優先順位を守らせる

キッチンはお客様の状況を把握していないため、伝票の順番に取りかかり、やりやすい順で調理を進めることがあります。そのため、デシャップがテーブルの状況を把握したうえで優先順位を判断し、キッチンに指示を出して調理の優先順位を守らせることが重要です。

デシャップコントロールに有効なアイテムを導入する

大規模な店舗やランチタイムなどは、とくにデシャップのコントロール力が重要になります。しかし、人の手だけでは作業効率を上げることは難しいため、デシャップのオペレーションを改善できるアイテムを導入することをおすすめします。

最近では、タブレットでの注文やQRコードからのセルフオーダーも増えましたが、店内やキッチンのようすを見渡せるカメラの導入も有効です。モニターからホールやキッチンのようすをスムーズに把握できるため、状況の判断や指示出しもスピーディに行えます。

デシャップのオペレーション改善にはSafieの防犯カメラ

「Safie（セーフィー）」の防犯カメラはクラウド管理ができるため録画レコーダーやモニターなどは不要で、スマートフォンやタブレット、PCから映像を確認できます。キレイな映像の視聴と音声の聞き取りが可能で、防犯カメラとしてだけではなくデシャップのオペレーションや接客サービスの改善にも活用できます。