学校の防犯カメラはどこに設置するべき?注意点や活用事例もご紹介

防犯カメラ

更新日:

学校の安全対策を考えるとき、「防犯カメラはどこに設置すれば効果的なのか?」と悩むご担当者は少なくありません。

子どもたちの活動範囲は広く、適切な場所を選ばなければ十分な防犯効果を発揮できないからです。さらに、プライバシー保護や自治体の予算承認といった注意点もあり、導入をためらっているケースもあるのではないでしょうか。

この記事では、学校における防犯カメラの設置ポイントと注意点を整理し、実際の教育施設での活用事例もご紹介します。適切な場所に防犯カメラを配置すれば、学校全体の安全性を向上することが可能です。この記事を参考に、自校に合った防犯カメラの設置方法を検討してみてください。

学校に防犯カメラを設置する必要性

学校の授業の様子

学校に防犯カメラを設置する必要性は、年々高まっています。文部科学省の令和5年度調査(※1)によると、全国の学校の防犯カメラ導入率は64.6%です。平成30年度の調査(※2)では、学校の防犯カメラ設置率は58.1%であり、導入は増加傾向にあります

学校を取り巻くリスクは多様化しており、幅広い課題が存在します。具体的な学校の安全管理に関する課題の一例は、以下のとおりです。

  • 駐輪場での自転車・部品の盗難
  • 財布や持ち物の盗難
  • 不審者や関係者以外の侵入
  • 学校周辺での不審者の徘徊や声かけ

出入口や敷地周辺の安全管理の不十分さが原因となる傾向があり、防犯カメラの設置や地域との連携による見守り強化が効果的です。

近年は、日本版DBS(※)の導入など、学校の安全対策全体が強化される中、防犯カメラも重要な安全管理ツールとして位置づけられています。学校関係者の防犯意識の高まりとともに、適切な防犯カメラの選定と設置が求められていると考えられます。

※日本版DBS:子どもと関わる職業に就く者の性犯罪歴を確認する制度。2024年施行の「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」により導入

学校では防犯カメラをどこに設置するべき?

学校に設置する防犯カメラの場所例

学校に防犯カメラを設置する際に効果的なのは、人の出入りやトラブルが起こりやすい場所を重点的にカバーすることです。具体的には、以下の場所に設置を検討するとよいでしょう。

  • 校門
  • 通学路や校庭
  • 廊下・階段
  • 駐輪場
  • プール
  • 建物付近の死角

なお、防犯カメラの設置にあたっては、生徒のプライバシー保護はもちろん、撮影範囲に入る可能性のある保護者や地域住民への配慮も欠かせません。特に公道に面した場所では、自治体への届出や地域への事前説明を行い、理解を得ることが重要です。

それぞれの場所で想定されるトラブルや、防犯カメラ設置の効果を解説します。

校門

校門は、学校内でも特に防犯カメラを設置したい場所です。すべての来訪者が通過する場所であり、部外者の侵入を防ぐ重要なポイントだからです。

文部科学省の「小学校施設整備指針(※3)」でも、必要に応じて門の周辺に防犯カメラを設置することが推奨されています。カメラが校門にあるだけで抑止効果が期待でき、不審な行動を未然に防げる可能性があります。

最近ではAIによる人検知機能をもつカメラもあり、人だけを検知してスマートフォンやパソコンに通知します。こういった検知通知を活用すれば、より効率的な安全管理につながり、トラブルの未然防止に役立ちます。

通学路や校庭

通学路や校庭も校門同様、不審者の接近や外部からの侵入が起こりやすい場所です。特に登下校時や放課後は人の出入りが多く、声かけや不審な徘徊の防止に防犯カメラが有効です。

校庭の出入口付近に設置することで、生徒の安全な通行を見守り、異常発生時の状況確認や事後検証に活用できます。通学路のカメラ設置については、自治体や地域と連携しながら、安全な通学環境づくりを進めることが重要です。

廊下・階段

学校内での様々なトラブルを抑制するには、生徒や教員の共用部分である廊下や階段への設置も有効です。万が一侵入者が入り込んでしまった際も、その動線や現在位置を把握でき、生徒の避難誘導や警察への情報提供に役立ちます

生徒たちが委縮してしまわないように、威圧感の少ないカメラを選び、適切な位置に設置することが大切です。

駐輪場

駐輪場は、自転車や部品の盗難・破損といった犯罪が発生しやすい場所です。駐輪場の出入口や死角の多い場所に防犯カメラを設置すれば、不審者の侵入を抑止し、万が一盗難が発生した際には証拠映像として活用できます

屋外での使用を想定し、Day & Night機能や防水性能(IP65以上)を備えたカメラを選ぶと、夜間や雨天時でも効果的に安全管理が行えます。

プール

学校のプールは、夜間や休日に部外者が侵入して無断利用するおそれがある場所です。出入口やフェンス周辺に防犯カメラを設置しておくことで、不法侵入の抑止や証拠記録に役立ちます

一方で、更衣室はもちろん、水着姿の生徒が映る可能性のあるプールサイドや水面も撮影範囲から外すなど、設置位置と撮影範囲に十分な配慮が必要です。

建物付近の死角

校舎の周囲は、人の目が届きにくい死角が多く、不審者の侵入や建物への損壊行為が起こりやすい場所です。このような死角をカバーすることで、夜間に校舎へ近づく不審者を早めに発見できます

文部科学省の「学校施設の防犯対策に関する調査研究報告書(※4)」でも、防犯カメラの導入例に建物付近の死角が挙げられています。

一度死角に防犯カメラを設置しても、植栽の成長や新しい設備の設置によって、新たな死角が生まれる場合もあります。そのため、定期的に死角がないか確認し、必要に応じた配置の調整が重要です。

学校に設置する防犯カメラの種類と選び方

屋外に設置した防犯カメラの図

学校に防犯カメラを導入するときは、ただ種類を並べて選ぶのではなく、どのように設置まで進めるかを順序立てて考えることが大切です。目的を整理し、設置場所を決め、必要な機能を見極めることで、自然に最適なカメラが絞り込めます。

各STEPでは、実際にセーフィーの担当者がお客様にお伝えしている実践的なアドバイスも紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

STEP1:設置環境と目的を明確にする

防犯カメラを導入するときにまず大切なのは、学校のどこに、何のために設置するのかをはっきりさせることです。

以下の点を整理してみてください。

  • 解決したい具体的な課題(例:不審者の侵入、自転車盗難など)
  • 優先的に守りたい場所(例:校門周辺、駐輪場など)
  • 設置環境の条件(屋内/屋外、電源の有無など)
  • 運用体制(誰が管理するのか、映像確認時のルールなど)

これらを明確にすることで、必要なカメラの種類が自然に絞り込まれていきます。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、目的と設置場所の決定時に重視しているポイントをご紹介します。

・「どこに置きたいか」というより「何を見たいか」を確認しています
・何が課題なのか明確化し、屋内/屋外、天井設置/簡単設置、ネットワーク環境などを伺います
・出入口付近の設置においては、予算面や施工難易度によっては、屋外向けのカメラではなく屋内から出入口を確認するようにおすすめします

STEP2:形状と録画方式を選ぶ

防犯カメラの形状と録画方式は、設置場所や運用体制に応じて選ぶ必要があります。

形状は主に以下があります。

  • バレット型:威圧感があり抑止効果が高い
  • ドーム型:威圧感が少なく建物になじみやすい
  • ボックス型:レンズ交換が可能で柔軟性がある

録画方式は主に以下があります。

  • HDD録画方式:インターネットの回線を経由せずに、映像データをHDDに録画
  • SDカード録画方式:カメラ本体に搭載されたスロットに、SDカードを挿入して録画
  • クラウド録画方式:撮影した映像を、インターネット上の専用サーバーに保存

学校の場合、限られた予算で長期運用を見据える必要があります。また、一般的には専門のIT職員が少ない傾向にあるため、管理しやすいシステムを選ぶことが重要です。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、カメラの形状と録画方式の選択時に重視しているポイントをご紹介します。

・防犯目的で目立たせたい場合は、バレット型をおすすめしています
・どのくらいの期間を録画しておきたいかをヒアリングします

▼防犯カメラの形状・録画方式についてさらに知りたい方はこちら

STEP3:必要な機能を特定する

防犯カメラには様々な機能がありますが、すべてを搭載する必要はありません。学校が直面している具体的な課題に対して、どの機能があれば解決できるかを考えることが大切です。

多機能になるほど費用も操作の複雑さも増すため、まずは最優先の課題解決に必要な機能から導入し、段階的に拡充していく方法が現実的です。

【セーフィー担当者からのヒント】
セーフィー担当者が、必要な機能を決める際に重視しているポイントをご紹介します。

・STEP1の設置目的を満たすために必要な機能があればご提案します
・トークバック機能(※1)、PTZ機能(※2)などをおすすめします

※1 トークバック機能:カメラに内蔵されたマイクとスピーカーを通じて、遠隔地からリアルタイムに音声を届けられる機能
※2 PTZ機能:「パン・チルト・ズーム」の頭文字をとったもので、カメラの向きや倍率を遠隔操作できる機能

▼防犯カメラの機能について詳しく解説した記事はこちら

学校などの教育施設に防犯カメラを設置するときの注意点

学校のように子どもたちが日常的に過ごす場所では、防犯カメラの設置に際して安心感とプライバシーの両立が欠かせません。

生徒や教職員、保護者、地域住民など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。

防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。

【セーフィー担当者が解説】学校など教育施設にクラウド型が適している理由

「クラウドって本当に安全?」「データはどこに保存される?」など、学校への防犯カメラ導入にあたってこういった疑問をお持ちではないでしょうか。ここでは、セーフィー担当者が実際にお客様にご説明している内容をお伝えします。

なお、クラウド型カメラを導入するメリット・デメリットなどは、以下の記事で詳しく解説しています。

セキュリティ面での不安について

【実際にお伝えしている内容】
・国際的なセキュリティ規格(ISMS)を取得しています
・映像は暗号化して送信、削除時は復元不可能な方法で消去します
・IPアドレス制限や二段階認証で、不正アクセスを防止します
・これまで一度も情報漏洩は発生していません

プライバシー保護について

【実際にお伝えしている内容】
・保護者への配慮として「防犯カメラ作動中」のステッカー掲示をおすすめします
・有識者会議を開催し、法令・ガイドラインを遵守した運用を徹底しています
・プライバシーポリシーやデータ憲章を公表し、透明性を確保しています

データ所有権について

【実際にお伝えしている内容】
・映像データの所有権は100%お客様(学校)にあります
・すべての録画映像はお客様の資産として扱われます

ネットワーク障害時の対応について

【実際にお伝えしている内容】
・ローカルバックアップ機能により、ネットワーク障害時でも録画は途切れません。24時間以内に通信が復旧すれば、切断中の映像もクラウドに自動アップロードされます(※対象機種のみ)

※ローカルバックアップ機能の対象機種はこちら

多様な教育施設におけるカメラ活用事例

セーフィーはさまざまな教育施設で防犯カメラの導入を支援しています。ここでは保育園の活用事例として東京児童協会様、学習塾での活用事例として株式会社スプリックス様をご紹介します。

※内容は事例取材当時のものです。

保育園での活用事例:東京児童協会様

東京児童協会様

東京都内で認可保育園18園、認定こども園3園を運営するONEROOF ALLIANCEグループ社会福祉法人東京児童協会様では、園の安全管理を目的にSafieのクラウド防犯カメラを導入しています。

過去に備品の破損などが発生していましたが、入口から事務所までを映すカメラを設置したことで、不審な行動を抑止し、原因を確認できる環境が整いました。

その結果、同様のトラブルは減り、職員の安心感も高まったといいます。職員や子どもの状態をしっかり記録しておくことで、トラブルの解決だけではなく、問題を未然に防ぐことにも役立っています

東京児童協会様の防犯カメラ活用事例は、こちらの記事で詳しくお読みいただけます。

学習塾での活用事例:株式会社スプリックス様

株式会社スプリックス様

株式会社スプリックス様が運営する「森塾」では、全国約200教室にSafieのクラウド型防犯カメラを導入しています。

目的は、生徒や保護者が安心して通える環境を整え、教室全体の防犯体制を強化することです。以前のカメラは管理機能に課題があったため、操作性と共有のしやすさを重視してリプレイスしました。

Safieのカメラは映像共有が簡単で、不審者侵入などのインシデント対応やスペースの見守りなどに役立つ点を評価しています。小型で威圧感のないデザインも、生徒や保護者に安心感を与えています。

株式会社スプリックス様の防犯カメラ活用事例は、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

まとめ:学校に防犯カメラを設置して防犯体制を整えよう

学校に防犯カメラを導入する際は、3つのSTEPで進めることが重要です。まず「何を守りたいのか」という目的を明確にし、次に設置場所や予算に応じた形状・録画方式を選び、最後に必要な機能を絞り込みます。

効果的な設置場所は、校門や駐輪場、廊下など人の出入りが多い場所です。また、プライバシーへの配慮が不可欠です。生徒や保護者、地域住民への事前説明を行い、法令を遵守した運用を心がけましょう。

防犯カメラは子どもたちの安全を守る重要なツールです。自校の課題に合わせた適切なシステムを選ぶことで、効果的な防犯体制を構築できます。

導入についてのご相談は、以下よりお気軽にお問い合わせください。また、セーフィーの特長やカメラのラインナップは、以下の資料で詳しくご紹介しています。
法人向けご相談予約フォームはこちら

Safieサービス紹介
いつでもどこでも映像が見られるクラウドカメラ
スマホやパソコンから店舗・現場を見える化!

※1 出典:“学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査結果(令和5年度実績)【概要】”. 文部科学省 安全教育・学校安全関係調査報告. (参照 2025-10-30)
※2 出典:“学校安全の推進に関する計画に係る取組状況調査(平成30年度実績)”. 文部科学省 学校安全調査報告. (参照 2025-10-30)
※3 出典:“小学校施設整備指針 第9章 防犯計画”. 文部科学省(施設整備指針). (参照 2025-10-30)
※4 出典:“学校施設の防犯対策に関する調査研究報告書”. 文部科学省(出版物案内). (参照 2025-10-30)

※顧客や従業員、その他の生活者など人が写り込む画角での防犯カメラの設置・運用開始には、個人情報保護法等の関係法令の遵守に加え、写り込む人々、写り込む可能性のある人々のプライバシーへの配慮が求められます。防犯カメラとプライバシーの関係については、こちらの記事で詳しく解説しています。
  ▶「防犯カメラとプライバシーの関係。事業者が注意すべき設置のポイント
※カメラの設置に際しては、利用目的の通知を適切に行うとともに、映像の目的外利用を決して行わないことが求められます。適切なデータの取り扱いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
  ▶「カメラ画像の取り扱いについて
※ セーフィーは「セーフィー データ憲章」に基づき、カメラの利用目的別通知の必要性から、設置事業者への依頼や運用整備を逐次行っております。
※当社は、本ウェブサイトの正確性、完全性、的確性、信頼性等につきまして細心の注意を払っておりますが、いかなる保証をするものではありません。そのため、当社は本ウェブサイトまたは本ウェブサイト掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負いません。

Pick Up