IT点呼・遠隔点呼を導入するには?IT機器・システム導入のポイントを解説

IT点呼・遠隔点呼を導入するには?IT機器・システム導入のポイントを解説

2022年4月、国土交通省により、遠隔点呼条件が緩和されました(※)。遠隔点呼とは、従来のように対面で点呼業務を行うのではなく、IT機器を用いて遠隔地にいる運転手の点呼を行う方法です。業務効率化や現場の負担軽減などさまざまなメリットが見込まれる遠隔点呼。導入するには、どういったIT機器が必要で、どんな要件を満たす必要があるのでしょうか。

※参考資料:国土交通省「遠隔点呼が実施できるようになります! ~ICTを活用した運行管理の高度化に向けて~

本記事には2022年7月時点の情報が掲載されています。最新の情報は国土交通省の公式HP等で必ずご確認ください。

IT点呼とは

IT点呼とは、バス会社やタクシー会社を運営する自動車運送事業者が、IT機器・システムを使って点呼を遠隔で行うことをいいます。

タクシー会社やバス会社では、運転業務を始める運転手に対し、アルコールを摂取していないか、健康状態に問題はないかといった確認をして記録する「点呼」という業務を行っています。この点呼業務は営業所など実地で行う必要があり、運送業者にとっては大きな負担となっていました。

そこで、IT機器を使って、点呼者と運転手が遠隔で「点呼」を行い現場の業務負担を軽減する、IT点呼・遠隔点呼の動きが広がっています。

IT点呼と遠隔点呼の違い

従来、IT点呼は、輸送の安全及び旅客の利便の確保に関する取組が優良であることを証明する「Gマーク(※)」を取得している事業所のみに認められていました。

しかし、新しくIT点呼を導入しようと思っても、こうした厳格な条件を満たすことは難しく、導入が進まない経緯がありました。そこで国土交通省では、IT点呼に課していた条件を緩和して、Gマークの取得をしていなくても遠隔地での点呼を可能とする「遠隔点呼制度」を2022年4月1日より開始しました。

遠隔点呼は、運転手が所属する営業所の運行管理者との対面による点呼が行われたものとして取り扱うことができます。

※Gマーク……「安全性に対する法令の遵守状況」「事故や違反の状況」「安全性に対する取組の積極性」の3つのテーマに分けられた38の項目による評価をクリアすることで得られる、「安全性優良事業所」であることを証明する認定資格。

IT点呼・遠隔点呼を導入するメリット・デメリット

IT点呼・遠隔点呼の導入には、次のようなメリット・デメリットがあります。

IT点呼・遠隔点呼のメリット

IT点呼や遠隔点呼を導入することの最大のメリットは、点呼業務の工数が削減できる点です。

これまで対面でしかできなかった点呼業務が、IT機器を使って遠隔で行えるようになったことで、各営業所に点呼担当者を常駐させる必要がなくなりました。

たとえば、バス会社で点呼業務を行う場合、従来は各地に設けられている各営業所にそれぞれ担当者を置き、業務前に運転手を対象に対面で点呼を行っていました。さらに、深夜バスを走らせている営業所の場合、業務開始前の点呼と、バスの戻りを待つために、2〜3人の担当者を置かなければならず、コスト面でも、担当者の健康面でも非常に大きな負荷がかかっています。

対面で行っていた点呼業務を、IT点呼または遠隔点呼に置き換えることで、点呼のためにわざわざ各営業所に担当者を置く必要はなくなります。各営業所の点呼をまとめて行うことで、工数が大きく削減でき、担当者の健康管理の視点からも負担が軽減されます。さらに、運転手も点呼のためだけに営業所に向かう必要もなくなり、車庫へ直行することが可能になります。

IT点呼・遠隔点呼のデメリット

運送事業はデジタル化が難しい事業でもあるため、「これまでIT機器を使ったことがない」「IT機器を使える社員がいない」など、IT機器を扱うことにハードルの高さを感じている現場も多いのではないでしょうか

こうした背景から、そもそもIT点呼や遠隔点呼の導入に二の足を踏んでしまうというケースが見られます。IT機器の中には、ITについて詳しくない人でも扱える、操作性の高いものが増えています。IT機器を提供する企業を頼ることで、導入から運用までサポートしてもらえる場合もあるため、まずは相談してみるとよいでしょう。

遠隔点呼の条件

対面での点呼と同等の確実性を保つために、国土交通省では遠隔点呼で担保すべき次の3つの条件を定めています。

1. 遠隔点呼に使用する機器・システムが満たすべき要件
2. 遠隔点呼を実施する場所が満たすべき施設・環境要件
3. 運用上の遵守事項

※本サイトではポイントの解説を行っています。詳細は国土交通省の資料をご参照ください。

1.遠隔点呼に使用する機器・システムが満たすべき要件

遠隔点呼に使用する機器・システムとしては、以下が挙げられます。

アルコール検知器
・運転者を確認するためのカメラ
・カメラ映像を映すモニター
・本人確認のための生体認証システム
・点呼結果を記録するシステム

運転者の健康状態の確認やアルコール検知が適切に行われていることが明瞭に確認できるよう、カメラの設置が必要です。また、点呼を受けているものが本人かどうかを確実に識別できるよう、生体認証による本人確認が必須となります。

生体認証とは、顔や指紋など、個人を識別できる生体情報を使って本人を確認する仕組みです。唯一無二の「顔」などで認証するため、他人へのなりすましを防ぐことができます。こうした点呼時のなりすましを防ぐだけでなく、今後運送業者で拡大するであろう、営業所での無人荷受けに応用できる可能性があります。

2.遠隔点呼を実施する場所が満たすべき施設・環境要件

遠隔点呼を実施する場所が満たすべき施設・環境要件としては、点呼担当者がカメラ・モニターを通じて遠隔点呼する際、運転手の様子が確認できる照度(500ルクス程度)を確保する必要があります。

また、アルコール検知器の使用状況や全身での様子を確認するため、必要に応じて監視カメラを点呼場に設置します。点呼中に通信が途絶しないよう、適切な通信環境を備えることも要件の1つです。

セーフィーのクラウドカメラは、届いてすぐに使える手軽さと価格の安さが特徴です。ネットワーク環境さえ整っていれば、クラウドカメラを任意の場所に置くだけですぐに利用を開始できるため、機器の取扱いに特別な知識は不要です。カメラの映像は、PCやタブレットからブラウザでアクセスすればどこからでも簡単に確認できるため、「IT機器を扱うことに不安がある」という方でも安心です。また、カメラで撮影した映像はAPIで他社のシステムと連携することができます。

3.運用上の遵守事項

遠隔点呼を適切に運用するために、いくつかの遵守事項が設けられています。

点呼担当者は「業務を遂行するために必要な情報を事前に把握する」「点呼漏れや車両の持ち帰りを防ぐため、運行中の車両位置を把握する」など、点呼をスムーズに行い、安全な運行ができるよう努める必要があります

また、IT機器が故障した場合の対応や、運転者が常務できないと判断した場合の措置など、非常時の対応についても定めておきましょう

遠隔点呼に最適なSafieのクラウドカメラ

Safieのクラウドカメラであれば遠隔点呼の要件基準を満たしており、かつ低価格で手軽に始めることができます。録画した映像はクラウドに保存されるため、サービス利用者が新たにレコーダーを用意する必要がなく、パソコンやスマートフォンを使ってリアルタイムでどこからでもカメラの映像を確認できます。

Safieのカメラなら、複数のカメラを一覧で表示したり、見たいカメラだけをソートして表示したりすることも可能なので、多数のカメラを設置する場合でも、効率よく映像を確認することができます。ほかにも、過去の映像を振り返って必要な部分をムービークリップとして保存できる機能など、様々な便利機能が標準搭載されているため、遠隔点呼にお役立ていただけます。

このように充実した機能を備えていながら、低価格で利用できる点もSafieの防犯カメラの特徴です。毎月のクラウド利用料金は7日間の録画プランだと1台1,320円(税込)と、大変手ごろに設定されています。最もよく利用されている30日間の録画プランでも、税込みわずか2,200円。設置が簡単な「Safie One」の場合、毎月のクラウド利用料金とは別にかかる初期費用は、41,800円の本体料金のみです。

また、日々のメンテナンスやバックアップ取得などはサービス提供者が行い、レコーダーの記録容量を増やすことも簡単です。録画プランの変更だけで最大365日の長期間録画を手軽に利用できます。そのためカメラやクラウドの初心者でも安心してご利用いただけます

IT点呼・遠隔点呼のハードルは高くない

規制緩和により、遠隔点呼の実施要件を満たしている事業者であれば、誰でも遠隔点呼を実施できるようになりました。普段あまりIT機器に触れる機会がない方は、IT点呼・遠隔点呼は「よくわからないもの」「自分たちで生体認証の機器を扱えるだろうか」など、不安を感じているかもしれませんが、意外にそのハードルは高くありません。セーフィーのクラウドカメラや顔認証システムは、設置や操作が簡単に行えます。IT点呼・遠隔点呼の手段としてご検討ください。

本記事には2022年7月時点の情報が掲載されています。最新の情報は国土交通省の公式HP等で必ずご確認ください。

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