インストア・マーチャンダイジングとは、消費者とダイレクトにかかわる店内で展開するマーチャンダイジング(商品計画)のことを言います。
具体的には、消費者の購買意欲を誘うPOP広告や陳列棚の工夫などの店内のプロモーション活動を指します。略称は頭文字をとって「インストア・マーチャンダイジング(イズム)」です。
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目次
インストア・マーチャンダイジングの3つの手法
インストア・マーチャンダイジング活動は「店内のレイアウト」「陳列棚の工夫」「販売促進活動」の3つの手法で構成されます。それぞれ「スペース・アロケーション」「プラノグラム」「インストア・プロモーション」と表現されます。
1. スペース・アロケーション
店舗内の限られたスペースを最適に活用する方法が「スペース・アロケーション」です。
どの商品をどの位置に置くか戦略的にレイアウトし、お客さまの動線や商品の特性を考慮して、販売強化したい商品との接触回数を増やします。
例えばコンビニでは、レジを店の奥にレイアウトする店舗が増えてきました。この狙いは、レジに向かう動線のなかで、陳列棚の商品をお客さまの視界に見せる目的があります。
2. プラノグラム(棚割り)
商品を効果的に陳列するための棚割り計画が「プラノグラム」です。
陳列棚の見せ方を工夫することで、潜在的な購買意欲を刺激して、お客さまが商品を手にとる回数を増やすことを目指します。
例えば、販売強化したい商品はお客さまの目線の高さ(ゴールデン・ゾーン)に置く、重たい商品はなるべく足もとに置く、などの方法があります。この狙いは、「上下の法則」という考えがあり、お客さまの視点を考慮して商品を探しやすくすることです。
3. インストア・プロモーション
店内で実施するさまざまな販促活動が「インストア・プロモーション」です。
期間限定の期間限定のセールや特別イベント、試食など、お客さまの関心を引きつけ、商品への興味を促します。消費者が店舗に来店するきっかけや購入を決める後押しとして有効な販促活動です。
インストア・マーチャンダイジングのコツ
お店でインストア・マーチャンダイジングを実践するには、3つの手法をすべて行う必要があります。実践方法は異なるので、それぞれの具体的な実践方法について確認しましょう。
1. スペース・アロケーションのコツ
店内レイアウトを工夫するスペース・アロケーションでは、フロア全体の最適化が必要です。
特に意識すべき点は、お客さまがお店のフロアを回遊する仕組みをつくることです。
例えば、SNSでバズって注文が殺到している商品は、あえてフロア奥にレイアウトすることで、お客さまの動線を伸ばす方法があります。店内の回遊によりお客さまに陳列棚を見せる機会を増やし、衝動買いのきっかけにします。
2. プラノグラム(棚割り)のコツ
商品棚の陳列で商品の魅力を伝えるプラノグラムでは、お客さまの視線の誘導が重要です。特に意識すべき点は、「上下の法則」と「左右の法則」です。
上下の法則とは、消費者の利便性を考えて、軽いものを上段に置き、重いものを下段に置くことです。特に、目線の高さからおよそ30°程度低い範囲は「ゴールデンゾーン」と呼ばれ、利益率の高い売れ筋商品の陳列に適しています。
また、下段は「劣位置」と呼ばれ、お客さまの意識から外れることが多く、サイズが大きく重たい商品を陳列することで取り出しやすい配置にすることが推奨されています。なお、PI値(※)の高い人気商品の場合は、あえて下段に配置することでお客さまの視線を集めるという手法もあります。
※PI値:購買指数。1000人のうちレジを通した人数の割合。PI値が高いほど人気がある。
左右の法則とは、陳列棚で類似商品を左右に配置し比較しやすくすることで、お客さまが商品を検討する可能性が高まる法則です。
人の視線が左から右に流れる傾向があることから左右の法則と名付けられたようです。特に、右利きのお客さまは、右側に置かれた商品を選ぶ傾向にあり、PI値の高い商品を意図的に右側に配置する方法があります。
3. インストア・プロモーションのコツ
店内で行う販促活動はすべて、インストア・プロモーションと呼ばれます。
お客さまが商品を買う理由をつくることが主な目的であり、購買意欲を高めたり衝動買いを誘ったりします。
代表的な手法は大きく2種類。値引きや増量パックなどの「メリット提供型」、実演販売やPOP広告などの「情報提供型」です。
メリット提供型とは、直接的にお客さまの金銭的な利益となるプロモーション活動です。値引きセールや商品の増量、バンドル販売(まとめ買い)などの方法があります。
情報提供型とは、商品のおいしさやおすすめの理由など、お客さまに商品の情報を提供するプロモーション活動です。試食や実演販売といったデモンストレーション、POP広告、デジタルサイネージ(ディスプレイ広告など)などの方法があります。
お店の魅力をインストア・マーチャンダイジングで
インストア・マーチャンダイジングは、お店のなかで商品の魅力を伝えたり、購買意欲を高めたりする戦略的な活動です。
その手法には、お店のレイアウトの最適化や陳列棚の棚割り、プロモーション活動などがあります。
特に、お店のレイアウトの最適化や陳列棚の棚割りなどは、戦略的な動線計画と実践効果の測定が欠かせません。お客さまの来店者数の計測や棚割りした商品の在庫状況の確認、効果測定を効率よく実施するなら、店舗での利用に最適化されたAIカメラ「Safie One(セーフィーワン)」がおすすめです。
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