Safie Entranceで交通費精算をシステム化
定期代支給から実費精算へ切り替え大幅なコスト削減に成功

コロナ禍でリモートワークが普及したことで、出退勤管理の方法に頭を悩ませる企業様は少なくありません。アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を運営する「株式会社マクアケ」では、オフィスへの出社状況の管理にSafie Entrance(セーフィー エントランス)を活用。交通費の実費精算を仕組み化して、コスト削減に成功しました。

導入の決め手

  • 最小限の設備投資で実現できた
  • 顔認証のため従業員への負担を少なくできた
  • 申込みから設置・運用開始までがスピーディー

導入目的

  • 従業員の通勤交通費を定期代支給から実費精算に変更するため
  • 従業員の出社状況を把握するため

導入した結果

  • 出社時の顔認証のみで従業員ごとの出社回数を把握できるようになった
  • 少ない業務負担で実費での交通費算出ができた
  • 定期代支給を実費精算に切り替えたことで約100万/月(概算)のコスト削減ができた

アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を運営する「株式会社マクアケ」。事業者のものづくりの背景やストーリーを知った上で、応援の気持ちを持って購入する体験を通して、個人から大企業まで幅広い事業者を応援する事業を展開しています。「Makuake」でプロジェクトを立ち上げ、商品化が実現したプロダクトが実際に商流に乗るところまでをサポートすることも。実店舗にポップアップショップを展開するなどして市場に出るまでを応援する事業も手掛けています。

同社では、コロナ禍でリモートワークが普及したことで、交通費の支給を従来の定期代から実費精算へ変更。「交通費支給の変更に際し、従業員に負荷が少なく、かつ不正が起きないよう出退勤管理するにはどうしたらいいか」。その課題を解決したのがSafie Entrance(セーフィー エントランス)でした。

Safie Entranceの導入を主導された開発本部IT戦略担当 山田史朗さん、人事本部 清崎浩平さんに、導入の背景や活用方法について伺いました。

従業員に負荷なく出社回数を把握する方法を考えたらSafie Entranceに行き着いた

──はじめに、山田さんが所属する開発本部IT戦略担当の役割を教えてください。

山田さん:
開発本部のミッションは、弊社のプラットフォームである「Makuake」本体のサイト構築やメンテナンスです。ですが、私が所属するIT戦略というチームは少し毛色が違っていて、一般的に言うと情報システム部門に近い動きをしています。

IT戦略では社内の効率化や改善したい部分について、全部署から寄せられるリクエストに対応しています。システムだけで課題を解決するだけでなく、業務インフラも含めて対応していますので、総務の業務にも近いですね。

──御社ではオフィスを増床したと聞きました。コロナ禍で、一般的にはオフィスを縮小する企業が増えている一方で、御社の場合は出社される方が増えているのでしょうか。

山田さん:
感染状況によって今後も変動はあるでしょうが、出社に関しては部署ごとにルールを決め運用しています。業務によってはどうしても出社が必要なものもありますから。
また、弊社ではいま、毎月平均10名ほど新しい社員が入ってきていて、それも出社する人が増えている要因ですね。新しい方がすぐ業務に馴染めるようにトレーナー制度を導入していて、入社してしばらくの間は新入社員とペアとなるトレーナーの双方が出社する機会が増えるので、新入社員が増えるに従って出社も多くなっています。

──今回Safie Entranceを導入いただきましたが、IT戦略担当としてどのような社内課題を解決する必要があったのでしょうか。

山田さん:
きっかけは清崎からの相談ですね。

清崎さん:
弊社では交通費を定期代で支給していましたが、コロナ禍でリモートワークが広がったことをきっかけに実費精算に切り替えることになりました。それに伴い、従業員の皆さんに負荷がかからない方法、かつ不正やミスがないように対応するにはどうしたらいいかと考えていたのです。

例えば、ICカードで入退室できるようにするには各自がICカードを持たなければいけませんし、カードを忘れると入室できなくなる……どうしたらいいかと山田さんに相談しました。弊社は10月1日が年度替わりで、毎月16日が給与の締め日だったので、できれば10月16日までに切り替えたい。そう相談したのが9月下旬のことでした。

そこで山田さんが提案してくれたのがSafie Entranceだったのです。

──山田さんはなぜSafie Entranceを提案されたのでしょうか。

山田さん:
交通費をどう公正に支給するか、解決策は無限にあると思っていました。例えば、Slackで出社ボタンを押してもらうとか、スプレッドシートに出社日を記録して提出してもらうとか、先ほどのICカードの話もそうです。ほかに、入退室セキュリティ端末のログを取って集計する方法もあります。

しかし、セキュリティ端末のログを取る方法は、各拠点に端末を導入しなければいけません。既に入退室セキュリティシステムを導入している渋谷のオフィスだけなら可能ですが、大阪や名古屋、福岡、韓国のブランチ拠点はシェアオフィスを使用しているので、そこからログをもらわないといけないとなるとハードルが高い。

ということで、何らかのSaaSのシステムを導入する方向で検討を進めました。従業員に負荷をかけず、正しく集計できる方法。清崎は割と手が動くタイプなので、少しのオペレーションなら負担にならないでしょうが、毎月のこととなると別です。集計の仕組みも含めてシンプルな状態にするにはどうすればいいかといろいろ調査していたときに、代表よりSafie Entranceを検討してみてはどうかと言われました。

早速セーフィーさんに問い合わせをして話を聞いてみると、セーフィーさんではすでにSafie Entranceを使って出社回数をログ取得し出勤交通費の実費精算をしていて、まさに我々が実現したいことができていたので、すぐに見積もりをお願いしSafie Entranceの導入を決めました。

導入決定から運用開始まで数週間。Safie Entranceによって最小限の手間で実費精算を実現

──シェアオフィスを使った地方拠点ではSafie Entranceをどう運用しているのでしょうか。

山田さん:
Safie Entranceは端末ごとにログを取ることができます。すべての拠点にiPadを配布しておけば、ログはセーフィーさんのクラウド上に溜まっていくので、拠点ごと誰が何回出社したかを1つのログファイルで集計できます。

──本社オフィスから徐々に試したのではなく、各拠点一斉にSafie Entranceの運用を始めたのでしょうか。

山田さん:
韓国拠点も含め、一斉に開始しました。しかしこのご時世で、日本ではiPadがなかなか手に入らず……。各所に問い合わせてなんとか5拠点分の7台を確保できたのが10月14日。セットアップして箱詰めして、電源をつなげば使える状態にして各拠点に発送し、ギリギリで10月16日に間に合いました。韓国の拠点だけはiPadを現地で購入してもらって、Zoomで画面共有しながら設定やアプリのインストールをしてもらいましたね。

Safie Entranceの導入を決めたのが9月末。そこから端末の配送まで含めて、2〜3週間で運営開始までをやり切りました。

──Safie Entranceのほかに検討された製品はありますか?

山田さん:
手段はいろいろ検討しましたが、比較した製品はありませんでした。入退室と連動させるようなソリューションはいろいろあったのですが、入退室のシステム自体を入れ替えることは物理的にも期間的にも現実的ではなかったのです。その案がなくなった瞬間、個人を識別してログが取れるソリューションは世の中にSafie Entranceしかないのではないかと感じ、すぐ導入しました。

交通費にかかるコストをひと月あたり約100万円削減

──交通費の実費精算は定期代の支給に比べて手間がかかると思うのですが、Safie Entranceを活用してみて実際にはいかがでしたか?

清崎さん:
拠点ごとに誰が何回出社したかのログが取得できるので、思っていたよりも手間はかかりませんでした。取得したログをもとに従業員ごとの出社回数を自動計算する簡易的なシステムを山田さんに作ってもらったので、締め日に少し作業が発生するくらいでしたね。確かに定期代を一括支給するほうが楽ですが、金額的にもかなり大きな効果があったので、導入してよかったと思います。

山田さん:
全体的な出社割合と交通費をかけ算して試算してみたところ、1ヶ月あたり約100万円のコスト削減効果がありました。1ヶ月遅れればその分100万円のコストが余計にかかっていたことを考えると、現地調査や設置工事含めて短工期で対応いただけたことにも感謝しています。導入コストの回収という意味でも、購入したiPad8台とSafie Entranceの年間ライセンス分が1ヶ月でペイできた計算になります。

──Safie Entranceを導入したことによる、社員の方の反応はいかがでしたか?

清崎さん:
私のもとには良い反応が返ってきています。iPadで顔認証するだけで通勤交通費が払われるなんてすごいね、と。新入社員の方も含め好印象だと思います。

──従業員登録などの運用面はいかがでしたか?

清崎さん:
顔写真で認証の登録ができるので、運用上とても楽ですね。新入社員が入社してきたら写真撮影をして、データを人事に渡します。それを人事がSafie Entranceに登録して、その日のうちに動作確認をしてもらいます。そんなふうに、人が増えてもすぐに対応できるのがいいですね。

Safie Entranceの導入がもたらした気づき。デジタルと物理の融合で広がる可能性

──最後に、Safie Entranceに限らず、セーフィーの製品やサービスに期待されていることがあればお聞かせください。

山田さん:
今回、私の中で大きなチャレンジだと感じていたのは、ITやインターネットと出社という物理的な行為を融合させるということです。デジタルの世界で完結することならこれまでさまざまな改善をしてきましたが、出社という物理的な行為があることで途端に難しくなりました。出社時にSafie Entranceで「顔を認証する」というのが、物理的なものをデジタルに変換する、解決策のトリガーだったのです。

最近増床したエリアは、仕事をする場というよりも、社員同士が交流してもらう目的で設けました。カフェのようなスペースもあるので、例えば、「あの人あの場所にいるかな」「カフェの混み具合はどうかな」といったときにSafieカメラを活用する。そんなソリューションも試験的に取り入れたいと考えています。

ほかにも、例えばSafieカメラに湿度計や温度計がついていれば、その部屋の快適性を測ることができるでしょう。部屋が快適だから人が集まっているんだろうと推測できたり、温度が暑そう・寒そうというときは総務が温度調整に行ったり。一定の温度や湿度になったらSlackに通知を飛ばす、とか。
今回、Safie Entranceの導入を通じて、物理とデジタルが融合することの可能性は無限だと感じたので、セーフィーさんのカメラやSaaSがそのような方向に発展していくと、さらに面白いサービスになるのではないかと、期待しています。

お話を伺った方

株式会社マクアケ
開発本部 IT戦略担当 山田 史朗 さん
人事本部 清崎 浩平 さん