
顔認証サービス「Safie Entrance」を初導入!
レンタルオフィスにおいてカードキーの代わりとなる“顔認証”の活用術

レンタルオフィスやコワーキングスペースといった「オープンさ」が存在するオフィスにおいて、セキュリティは重要な課題となります。国内外に13拠点のレンタルオフィスを展開するクロスコープでは、顔認証サービス「Safie Entrance(セーフィー エントランス)」を導入し、高セキュリティな空間を実現しています。
(取材:2020年5月)
導入の決め手
- トータルコストが安価に抑えることができる
- クラウドなので複数拠点を1つのシステムで管理できる
導入目的
- 入室のセキュリティ強化を実現するため顔認証サービスを探していた
- 顔認証での入室はオフィスのブランド価値にも繋がると考えた
導入した結果
- 入居を検討する企業さまからも好評の声をいただいた
- 高いセキュリティ要件をクリアし、入居の後押しとなることがあった
- IT監査において顔認証を用いたセキュリティが高く評価され契約や受注がスムーズになった事例ができた
セーフィーは新たに顔認証サービス「Safie Entrance」を2020年9月に販売開始しました。多拠点、多人数、多扉を、簡単に安価で一括管理可能なクラウド型の新しい顔認証システムを構築し、オフィス入退室のセキュリティ強化やハンズフリー化を実現しています。
このサービスの特長は、顔認証システムを複数拠点に導入するとなるとトータルコストが非常に高額になることが多いなかで、初期コストやランニングコストを安価に抑えることができる点です。また、導入時はタブレットを用意し、アプリをインストールするだけで利用可能になるなど、煩わしい操作も必要ありません。
電子錠との連携による扉の開錠や、勤怠管理システムとの連携も可能であったりと、その拡張性も長所となるポイントです。
Safie Entranceの販売開始に先駆け、レンタルオフィス事業を展開するクロスコープでは、新橋に構えたレンタルオフィスにて本サービスを導入いただき、今後はすべての拠点へ順次導入を進めていく予定です。

国内外に全13拠点のレンタルオフィスを展開するクロスコープでは、1名単位の契約ではなく企業単位での個室オフィス契約がメインとなっており、3名から百数十名の規模の個室オフィスが用意されています。 オープンすぎないオフィスのあり方は、新型コロナウイルス感染症以後、アフターコロナ時代のオフィスを考える上で、重要になりそうです。
レンタルオフィスのセキュリティを担保する「顔認証」
クロスコープ運営事務局の大川さんがレンタルオフィスの新橋拠点を立ち上げる際、高セキュリティのサービスを探す中で選んだのが、顔認証サービスでした。

大川さん:最初は他社のサービスを検討していたのですが予算や納期が折り合わず、困っていたところに紹介してもらったのがSafie Entranceでした。
他社と比較して初期コストもランニングコストも安く、クラウドで管理されているため、ひとつのシステムで複数拠点を管理できるのも魅力でした。
Safie Entranceの導入以前、他の拠点ではセキュリティのためにICカードを利用していましたが、カードは貸し出しが可能のため、契約している企業のメンバーではない方がカードを保持している可能性もあります。
一方、顔認証の場合はひとりのユーザーに対して、ひとつのアクセス権になるため、大川さんはICカードからの移行を検討しました。
大川さん:レンタルオフィスは不特定多数の方が出入りするため、より高セキュリティのサービスを探していたんです。指紋認証なども検討しましたが、最先端のテクノロジーを導入していることがオフィスのブランド価値にもつながると思い「顔認証」にしました。 新橋という立地で、拠点には最小5名、最大140名が入居可能なオフィスが約40部屋存在します。
入居いただいている部屋と共用設備の入り口に顔認証用のタブレットが設置されています。 導入の検討をいただいたのが2019年の6月。新橋拠点のオープンを約2ヶ月後に控えていました。
検証開始当初は認証の不具合が発生したりと、安定まで時間がかかりましたが、セーフィーの開発メンバーと調整を重ね、高い精度でのサービス運用が可能となりました。
「顔認証」がオフィス入居の後押しになる
Safie Entranceの導入後、入居を検討する企業からも好評の声をいただいていると高田さんは語ります。

高田さん:新橋オフィスは大手企業の分室が多いため、大手企業がオフィスを借りる際に高い水準のセキュリティが要求されるんですね。顔認証サービスは、その条件をクリアしやすく、契約の後押しになっていました。物珍しさから、よい反応をしてくれる方も多かったです。
クロスコープではタブレットをドアの前に設置し、入室の顔認証のみを行なっていましたが、退室のログを取得したいという要望から、一部のオフィスには退室時の顔認証用のタブレットも設置しています。「勤怠管理に利用されている企業もいるのでは」と高田さんは話します。
また、ある入居企業は大手企業と取引する際のIT監査において、顔認証を用いたセキュリティが高く評価され、契約や受注がスムーズに進んだ事例もあると、高田さんは言葉を続けます。

では、Safie Entranceはどのようなフローで導入されているのでしょうか。大川さんは次にように説明してくれました。
大川さん:サービスを利用するには、その企業の総務の方から押印済みの申込書をいただき、顔認証登録のための写真を送っていただきます。
申込みの際に利用のガイドラインをきちんと伝えるようにしていますね。入退室のログを出せるのも運営側だけであり、それにも申請書が必要になります。
また、入居企業の社員の方が辞めたり、新しく入られたりするときも申込書をもらいます。弊社の法務スタッフとやり取りをして、この仕組みをつくりました。手間といえば手間ですが、個人情報なのできちんと扱うようにしています。
別の拠点でICカードを利用していた際は、たとえカードを忘れた方がいても運営側から貸し出さずに、レンタルオフィス内の社員の方に連絡をとってもらう必要があったそうです。しかし、顔認証サービスになってからは、受付でのやり取りの回数が減り、運営効率が高くなったと高田さんは話しています。
顔ひとつで全拠点をシームレスに移動する世界へ
今後クロスコープでは、全拠点へSafie Entranceを導入していきます。大川さん:カード式の管理システムを拠点ごとに導入した場合はその都度費用がかかり、拠点にいかないと設定を変更できなかったりと手間が多かったんです。でも、クラウド型であればひとつの管理画面で全拠点を管理できますよね。
Aの拠点のスタッフが忙しいからBのスタッフが対応するなど、リモートで業務を進めるのにも向いていると思います。
また、顔ひとつでどの拠点もシームレスに利用でき、セキュリティが担保されているのが理想です。
今後、新型コロナウイルスの影響によりリスク回避のためにオフィスを分散化したり、複数の拠点を使ったりする動きが進むと考えられます。
顔認証で各拠点を統一することは、その流れにも合っていますよね。ただ、そうすると管理画面に登録される企業数や人数が数千人規模になるため、その管理方法については考えていく必要がありそうです。

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